40. 心とは何か? 体とは何か? (1)「自分の腹が痛い時に、隣のおばさんの腹が痛いと思え!」 中村天風の含蓄ある言葉である。 私は、5歳の時大腸カタルで死にかけて、栄養失調 児になり、長い間下痢と便秘に苦しんだ。 そして「私は、胃腸が弱い」と思いこみ、食 事に気をつけ、運動と睡眠を欠かさないようにしていた。 しかし、その私が今は毎朝30cmの便をズルリンとするようになった。 仕事ばかりし て、以前のようにあまり運動もしないし、食事も選ばず何でも食べるのに、頭はすっきり しているし、なんと快適なことか! それは、「自分のお腹の痛いのは、隣のおばさんの お腹が痛いように考えることができるようになった」からです。 不思議ですね。 私は、物心ついた頃から「人生とは何か?」「人は何の為に生きているのか?」「私は 何をすれば、生き甲斐を感じられるのか?」を考え続けてきました。 その私の思いに中 村天風の哲学は答えを出してくれたようです。 「健康も運命も自分の考え次第で変えられる」と言うのです。 私も、自分の考え方で 自分の運命を変えられることは既に知っていましたが、自分の健康も自分の考え方次第で 変えられることまでは考えつきませんでした。 ところが、「自分の腹が痛い時に、隣の おばさんの腹が痛いと思え!」と言う言葉で、私は自分の胃腸の弱さから抜け出せたよう です。 本当に不思議ですが、本当に実現したのです。 を気にし過ぎて、体が弱かった」のです。 「私は、自分の胃腸が弱いこと 5歳の時の大病とその後の便秘と下痢で栄養 失調で足が立たなくなり、障子の桟に捕まって立ち上がった記憶があります。 小学生の 頃はガリガリに痩せて、身体検査で裸になると、いつも先生に「もっと食べて、太れよ!」 と言われて身体検査が大嫌いでした。 その為か中学以降は、強くなろうと陸上部に入部 したり、柔道や空手の道場に通ったり、毎日裏山を走り回ったりいろいろしました。 そこそこ病気はしなくなりましたが、それでも胃腸は弱いままで、「無理の効かない体 である」と思いこんでいました。 がしかし、そうではなかったのです。 (2)中村天風の教え 中村天風という人は、明治の末期に肺結核になり、当時の医学界の最高権威者である北 里柴三郎博士に「治せない」と言われ、諦めきれずにアメリカに渡って、自分で医学を勉 強しても治せず、心の権威者を世界中訪ね回っても回答がもらえず、とうとう諦めて「日 本で死のう」と帰る途中エジプトのカイロで喀血をした直後に、インドのヨガの行者のカ リアッパ師に出会い、その教えの下でインドの山奥で3年間の修行をして、ようやく人は 何のために生きているのかを悟り、自分の肺の病気をも克服した人です。 その人の教えですから、私の胃腸の弱いことぐらい何でもないことです。 そで、私は 「私の胃腸が弱いことを、隣のおばさんの胃腸が弱いことのように考えることにしました」 そうして、「隣のおばさんのお腹が弱い時には、どうしたらいいか」考えました。 「仕事のし過ぎで疲れているのだろう」 「疲れは、風呂に入って、ぐっすり寝たら直る」 「寝る前に、心配なことや嫌なことは考えないで、良いことだけ・楽しくなるようなこと だけ考えて寝ればぐっすり眠れる」「そうすれば、自分の自律神経が正常に働いて、自分 の体を調節してくれる」「自律神経の働きを正常にする為には、寝る前と起きた時に、ま -1- ず息を全部吐き出して、鼻からうーんと空気を吸い込み、その空気を臍の下まで押し込み、 お尻の穴を締めて30秒位かけて口からゆっくりと空気をはき出しながら、自分の弱いとこ ろに新鮮な血液を供給することを意識して、呼吸を繰り返す心身統一法を実行する」「病 状がひどい時は、医者の診断を受ければいい」「自分の胃腸が弱いなどと考えないで、自 分の自然治癒力を信じれば自然に治る」「人間の体はそうできている」と考えました。 自分のことではなく隣のおばさんのことだから「客観的に考えて、やるべきことをやる」 ことができました。それで、60年以上苦しんだものが、本当に治ってしまったのです。 人間の心と体は一体どんな仕組みになっているのでしょうか? (3)中村天風師は述べています。 体も心も本当の自分の心・霊魂を実現する道具である。 お腹が痛いと自律神経がお腹 が痛いと伝えてくる。 それを心が感じて「自分は病気だ」と思う。 「それは間違い!」 で「病気なのは体であって、自分ではない」「体は、道具としての体であって、自分では ない」からである。 同じように、お腹が痛いと感じた心も本当の自分の心ではない。 本当の自分の心は、その奥にあるエネルギー体・霊魂である。 「霊魂とは何か?」 例えば、花が咲く為には、土の中の根やその活動があるから芽が 出て葉が出て花が咲くように、人間の霊魂が存在するためには、宇宙から地球ができ、地 球に生命体ができ、その一番進化した姿として人間が存在し、その流れの中で自分の霊魂 が誕生した」のだ。 だから「人は何の為に生きているのか?」と言えば、「人は宇宙や 人類の進化発展の為に生きているのだ」「なぜなら、考える力を持った人間が、思い、願 ったことがこの地球上の人間の世界を作り出してきたのだから」と。 だから、「一回切 りしかない人生を充実して生きるためにはどうあればいいのか」を考えて「正しく、強く、 尊い魂を磨く」のが人間のあり方、自分の生き方でなければならない。 「それが果たせ た時、生きている本当の意味がわかる」、と。 (4)「本当の心・霊魂を磨き、尊く・強く・幸せに生きるにはどうしたらいいのか?」 それには、体力、胆力、判断力、断行力、精力、能力を磨かなければならない。 その為には、従来の世間一般の常識に染まった消極的な考えをはね除けて、「常に積極的 な思考を持ち続けなければならない」と言っています。 判るような判らないような話で すが、私には、今少し判りかけてきています。 そして、 「自分の体を、自分だと思わず、 自分が生きている間の道具だ」と感じた時から、「自分の体や自律神経系統を信じること ができるようになった」からです。 このような「積極的な思考」に考え方を変えて、 「心 身統一法に従った呼吸法」を行っただけで、問題が起きた時にも心が動じなくなってきた し、体が丈夫になってきたのが自分でも判ります。 現在は浦安市入船四丁目にある整体 院「からだハウス」で姿勢の矯正を受けて、加圧トレーニングもやっていますので、この 調子で行けば、「年齢より20歳若い頑健な体」が手に入りそうです。 「胆力」はまだまだ不十分ですが「良心に恥じない生き方をしていく限り、それほど怖 いものはなくなりました」 良心・本心を極めて、それに従い、言うべきことを言い、や るべきことをやり続ければ、80歳を超えてもゴルフをやり、世の中の為になることを何か やれる人間として生きていけるのではないか、と思っています。 2006年 -2- 元旦 感謝、感謝
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