粉末X線回折 1次元X線回折 下のヘキサゴナルでは、110がでることが必要である。 100のピークの層間距離をルート3で割ると、110の層間 距離になり、2で割ると200のピークの層間距離になる。 110が出ないと、スメクチックと差が付かない。その場合 は偏光顕微鏡観察からも考える。 26.4Å (100) a 60o a 15.1Å (110) 13.0Å (200) a=30.5Å 液晶相のX線回折は結晶に比べて本数が少なくシンプルである。しかし、2次や3次の反射が小さ いので、拡大してみないと見えない。雑音に紛れてしまうので、その部分のみをゆっくり測定して、信 号対雑音比を高くすることが有効である。試料の流動性・置き方によっては、2θがわずかにずれる ことがあり、すべてのピークから同一の角度を加減して、補正することも必要である。 スメクチックA相の一次元XRD Intensity (counts). 25000 37.4 Å (100) 20000 15000 18.7 Å (200) 12.4 (300) 10000 x 30 5000 0 0 5 10 15 20 25 30 2θ (deg) スメクチック相のピークは、100、200、300、などが等間隔にでるの でとてもわかりやすい。スメクチックA相の場合は、分子長と層間 距離は一致するものもあるが、右図のように入り込みがある場合 や、分子の傾きがある場合は層間距離は短くなる。2分子層など の場合は、層間距離が長くなる場合が多い。スメクチックCの場合 は、分子長よりも層間距離が小さくなることが多いが、傾きと入り 込みの両方が考えられる。偏光顕微鏡から、コア部分の傾きを観 察するか、2次元X線回折で配向試料を測定して決める。上のよう に200が300に比べて極端に小さい場合は、各層において、電子 密度の大きな部分と小さな部分が1:1の厚みで、X線の波の打ち 消し合いで200反射が小さくなったと考える。 1 2b 3b 1 スメクチックA相の一次元XRD Y Y Z Z Intensity(counts) X 4000 X 3500 X O O Z Z O X Z Y Z Y O Y Z Z 1a: X = Y = F, Z = H 1b: X = F, Y =H, Z = H 1C: X = Y = Z = H 2a: X = Y = H, Z = F 2b: X = F, Y =H, Z = F 2C: X = Y = Z = F X 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 0 5 10 15 20 25 30 スメクチックA相で、きれいに整った層を持っている場合には、2次、3次、4次、・・・というふうに 反射が等間隔に現れる。通常、ベンゼン環が高速でランダムに回転している場合には、4.5オ ングストローム付近に平均的な厚みがでるが、2軸性の場合は、2つの部分にブロードピーク があったり、薄膜では、3.8オングストローム付近にピークトップが来たりする。 スメクチックC相の二次元XRD スメクチックC相の配向試料の2次元回折では、中央近くに濃いスポットのペアが上下にでる。 分子の横方向の分子の繰り返し方向が斜め方向にでる。上の図では、斜め方向のブロードなス ポットの方向から、層内での分子の倒れ角がわかる。 スメクチックA相の二次元XRD (a) (b) (c) (d) (e) F F F F F O O O O F F F F F (d)はネマチック相ですが、ローカルには層構造があるようで、横方向の繰り返しの筋がでています。 Kishikawa, Soft Matter (2011) 単結晶X線回折 結晶状態での集合状態 OCH3 OCH3 OCH3 N OCH3 C N S C C N S C N N C N S C C N S C H3CO N OCH3 H3CO OCH3 • X-ray structure of 8d (ORTEPs shown t 30% probability). 双極子モーメントと結晶中の二量化 計算で得られた双極子モーメント 単結晶中のパッキング構造 (anti-parallel) C4H9 N O O OO O N C O 12 debye OO O 4.8 debye O C8H17 O O C4H9 C4H9 結晶中でのコンフォーメーション CH3 O O CH3 O H3C O O O H3C O O CH3 O CH3 液晶の混合実験 1と3cの分子集合状態の比較 OCnH2n+1 O O O OC 12H25 O F 3C O O F 3C O F3C O F3C O O O O OC 12H25 1 OCnH2n+1 1と3cの混合実験 1の結晶構造 3c:n=12 1と3cの分子集合状態は同じである ドーパント3cと4の混合実験 F3C CF3 O O O O O O C12H25O C6H13O (oC) 220 (a) 210 I O 3c O O O O 4 OC12H25 OC6H13 (oC) 220 (b) I 210 200 200 N 190 O N 190 SmX SmA 180 180 170 170 SmC SmC A 160 160 150 SmC 150 SmC A 140 Cr 140 SmA Cr 130 130 0 1 3c/(4+3c) 5 (wt%) 0 10 20 30 40 50 60 3c/(4+3c) 70 80 90 100 (wt%) 混和実験 (oC) 1)アルキル鎖が異なるも のでもどんな比でも安定 な液晶相をつくる 60 50 同一の分子集合状態 40 temperature 2)直鎖のアルキル鎖の方 が安定な液晶相をつくる 30 O RO O OR O (高温まで液晶を保つ) 20 RO OR OR カラム内の分子間距離 が安定性にとって重要 である OR 6 : R = n-C 8H17 10 11 : R = 0 10 20 30 40 50 6/6+11 60 70 80 90 100 (%) AM1計算 計算による双極子モーメントと最安定配座の予想 Table 3. Calculation of conformers of benzoic anhydride relative energy (kcal/mol) MM2 a O -0.29 AM1 b O -0.29 C +0.37 C +0.37 C -0.07 C -0.07 C -0.14 C O C -0.12 C -0.14 -0.12 -0.32 C -0.09 C -0.07 C -0.15 0.0 0.0 0.5 2.4 4.4 6.2 A C -0.07 C -0.09 C -0.15 5.0 debye S cheme 2. Net atomic charges and dipole moment of benzoic anhydride calculated by AM 1. B C a Reference 26. b Reference 27 AM1 Calculation of the Dipole Moments Y S X 8a' (X = Y = H) 8b' (X = Y = Br) 8c' (X = Br, Y = CN) 8d' ( X = Y = CN) 8a' (0.54 debye) 8b' (2.56 debye) 8c' (4.57 debye) 8d' (6.30 debye) 電圧印加実験 液晶化合物(一つの 例) C N + - *ディスプレーに使われている液晶化合物は数種類の混合物である。 液晶表示の仕組み(TNセル) + ON OFF 図1.ネマティック液晶を用いた表示素子における分子の挙動 (電極に水平だった分子が電界により垂直に立つ。) ”遅いスイッチング”+高い電圧が必要” 電圧ー電流特性の測定 glass glass LC ITO ITO:10X10mm, d:5mm,homogeneous 液晶の性質と電圧ー電流曲線 一般的な液晶 0V - 0V + 強誘電性 液晶 - 0V 0V + 反強誘電性 液晶 0V 0V 電圧 電流 強誘電性液晶(光学活性なスメクチックC相) 電界に対する分子の動き 外部の電界 外部の電界 回転 右 A A' 回転 左 右 鏡面 B 左 B' 電圧ー電流曲線 回転 電圧 A' (明) A (暗) 電流 反強誘電性液晶(光学活性なスメクチックCA相) 電界に対する分子の動き 0 回転 A' (明) 回転 A (暗) A (明) 電圧ー電流曲線 電圧 電流 既知の強誘電性液晶(光学活性なスメクチックC相) O O O O 8 電圧ー電流曲線 82nC/cm2 20oC, Vpp=200V, 0.26Hz O H CH3 ドーパント3cの添加(2wt%)時の電圧電流曲線の変化 OC12H25 O O O O 8 O ・2つのブロードなピーク ・ A+B=87nC/cm2 O O F3C F3C B O O A O O 3c OC12H25 18oC, Vpp=110V, 0.12Hz O O H CH3 CDスペクトル CDスペクトル O RO O OR O RO OR OR (S)-11 : R = (S)-R* 33 (2.5) Col 30 (-1.9) (R)-11 : R = (R)-R* OR I (S)-R* = I (R)-R* = 34 (2.3) Col 30 (-1.9) 15 10 CD[mdeg] (S)-11 0 (R)-11 -10 -15 200 250 300 Wavelength[nm] 350 400 らせん状の会合体 O RO O OR O RO OR OR OR (S)-11 : R = (S)-R* (S)-R* = S cheme 7. Schematic representation of a chiral columnar structure of (S)-11. a CDスペクトルの解釈 H3CO b OCH3 Direction of n-* charge transition H3CO Top v iew of the arrows a b m m O O O Direction of -* charge transition H3CO H3CO OCH3 1) Direction of charge transition in n- * and -* of one molecule (MOS-F calculation of trimethoxybenzoic anhydride) m : electric transition moment m : magnetic transition moment 2) n-* charge transition of neighboring two molecules and sign in CD spectrum d Top v iew of the arrows d m m c 3) -* charge transition of alternating two molecules and sign in CD spectrum 液晶相の決定アプローチ 合成 ↓ TLCとNMRで純度の確認!不純物は完全に取り除くこと! ↓ 偏光顕微鏡観察(模様に注意。ゆっくり降温させると大きな模様になる) ↓ DSC測定(まず5度/minで測る) ↓ 偏光顕微鏡観察(DSCでピークがあった前後はもう一度模様を見てみる) ↓ 1次元X線回折(各温度で粉末X線を測定してみる。) ↓ 2次元X線回折(各温度で粉末X線を測定してみる。) ↓ 強誘電の場合は電場のスイッチングをして確認する。
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