摂津市通学路交通安全プログラム ~通学路の安全確保に関する取組みの方針~ 平成28年3月 摂津市子ども・子育て会議 通学路安全対策指針策定検討部会 1. プログラムの目的 平成24年、全国で登下校中の児童・生徒が死傷する事故が相次いで発生したことか ら、平成24年8月に市内各小中学校の通学路において、大阪府摂津警察署、大阪府茨 木土木事務所、本市土木下水道部、本市教育委員会事務局で緊急合同点検を実施しまし た。そして、各小中学校を訪問し、意見交換を行いました。 また、教育委員会では、平成24年4月に制定した「摂津市立学校の通学路に関する 要綱」 【別添①参照】(以下、 「要綱」とする。)に基づき、危険箇所の報告や関係者による 安全対策の協議、学校への訪問等を実施してきました。 引き続き、通学路の安全確保に向けた取組みを行うため、このたび、「摂津市通学路 交通安全プログラム」を策定しました。今後は、本プログラムに基づき、関係機関が連 携して、児童・生徒が安全に通学できるように通学路の安全確保を図っていきます。 2.「摂津市子ども・子育て会議 通学路安全対策指針策定検討部会」の設置 プログラムの策定を行うため、「摂津市子ども・子育て会議」の中に「通学路安全対 策指針策定検討部会」を設置し、以下の委員・関係者で議論し、策定しました。 ・「子ども・子育て会議」委員 …公募委員(子どもの保護者)、摂津市PTA協議会、摂津市社会福祉協議会、 学識経験者、摂津市民生児童委員協議会 ・摂津セーフティパトロール隊 ・大阪府摂津警察署(交通課) ・大阪府茨木土木事務所(地域支援・企画課、維持管理課) ・摂津市立小学校(2校) ・摂津市土木下水道部(道路管理課、道路交通課) ※土木下水道部は、平成28年4月から建設部に変更 ・摂津市教育委員会事務局(学校教育課、子育て支援課) 3.取組方針 (1)基本的な考え方 ①通学路の指定 各学校は、要綱に基づいて、通学距離及び通学時間のみを考慮するのではなく、児 童・生徒の安全確保を最優先として考え、通学区域の交通事情や関係者の意見等を的 確に把握したうえで、児童・生徒の通学に適切な道路を通学路として、毎年指定を行 います。 なお、通学路の条件としては、「『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育」(文部 科学省)で、以下のように記載されているため、参考にするものとします。 ・できるだけ歩車道の区別がある ・区別がない場合、交通量が少ない、幅員が児童生徒等の通行を確保できる ・遮断機のない無人踏切を避ける ・見通しの悪い危険箇所がない ・横断箇所に横断歩道、信号機が設置されたり、又は、警察官等の誘導が行われたりし ている ・犯罪の可能性が低い ②通学路環境 児童・生徒の通学時における安全確保について、大阪府摂津警察署、大阪府茨木土 木事務所、本市道路管理課、道路交通課、教育委員会事務局、関係する各学校との協 議並びに合同会議及び合同点検を実施し、適切な安全対策を行います。安全対策にあ たっては、歩行者の安全を第一に考えることとします。 なお、継続的に通学路の安全を確保するため、合同会議及び合同点検の取組みを継 続するとともに、対策実施後の効果を把握し、対策の改善・充実を行います。 これらの取組みをPDCAサイクルとして繰り返し実施し、通学路の安全性の向上 を図っていきます。 [通学路安全確保のためのPDCAサイクル] Plan 合同会議・合同点検の実施 Action 対 策 の 検 討 対策の改善・充実 Do 対 策 の 実 施 対策の効果の把握 Check ③交通安全教育 各学校では「交通安全教育」を行い、児童・生徒に、二輪車・自動車の特性、交通 事故の防止等について指導します。 ④地域との協働 登下校時の安全確保のために、PTAやセーフティパトロール隊、子どもの安全 見守り隊、民生児童委員などが見守り活動を行っていただいています。継続的な活 動となるように、またより多くの方に参加いただけるように、地域教育協議会など を通じて、地域の関係団体による情報交換の場を提供していきます。 (2)定期的な合同点検 ① 各学校は、要綱に基づき、定期的に通学路の点検を実施し、子どもの保護者、地 域住民からの意見にも配慮し、交通安全の観点から危険性が認められる箇所を抽出 します。判明した危険箇所について、合同点検が必要な箇所を教育委員会に報告し ます。 ② 各学校から報告のあった箇所について、大阪府摂津警察署、大阪府茨木土木事務 所、本市土木下水道部、教育委員会事務局、関係する各学校が参加する合同点検を 実施します(前年度までに合同点検を実施した箇所は必要に応じて実施)。 ※土木下水道部は、平成28年4月から建設部に変更 (3)対策の検討 合同点検の結果、対策が必要な箇所が出てきた場合は箇所に応じて具体的な実施メ ニューを検討します。 大阪府茨木土木事務所、本市道路管理課及び市道路交通課は、「歩道部分のカラー 化」「交通安全啓発の電柱幕・啓発看板の設置」「路面標示の実施、復元」「道路の 補修」「歩道の整備、防護柵の設置」といったハード対策を検討します。 大阪府摂津警察署は「交通規制の実施」、各学校及び教育委員会は新たな「交通安 全教育」「交通専従員の配置箇所の見直し」といったソフト対策を検討します。 ※交通専従員の配置について 交通専従員は、原則として、①危険箇所のうち、交通規制等が存在しない箇所、② 上記「(3)対策の検討」で記載しているハード対策の実施が困難である箇所、③他の 手段での対策が困難である箇所のうち、市域全域の中で危険度の高い箇所を優先して 配置します。 (4)対策の実施 対策の実施にあたっては、対策が円滑に進むよう関係者間で連携を図ります。 (5)対策効果の把握 合同点検結果に基づく対策実施後の箇所等について、実際に期待した効果が上がっ ているのか、また児童・生徒等が安全になったと感じているのか等を確認するため、 対策実施後の効果を把握するため、学校への状況確認や実地調査などにより、対策効 果の把握に努めます。 (6)対策の改善・充実 対策実施後も、合同点検や効果把握の結果を踏まえて、対策内容の改善・充実を図 ります。 4.箇所図、箇所一覧表の公表 点検結果や対策内容については、関係者間で情報を共有するために「対策一覧表」及 び「対策箇所図」を作成し、公表します。 【別添①】 摂津市立学校の通学路に関する要綱 (趣旨) 第 1 条 この要綱は、摂津市立の小学校および中学校(以下「学校」という。)の児童・生徒の安全な通学 路を確保するために、必要な事項を定めるものとする。 (用語の定義) 第 2 条 この要綱において「通学路」とは、道路法(昭和 27 年法律第 180 号)に規定する道路その他の道路 のうち、児童・生徒が通学のため通常使用する経路で、校長が指定した道路およびその区間をいう。 (通学路の指定) 第 3 条 校長は、通学区域の交通事情等を的確に把握し、児童・生徒の通学に適切な道路を通学路として 指定しなければならない。 2 校長は、前項の指定に当たっては、事前に保護者をはじめ地域住民等の関係者と協議し、必要に応じて 所管警察署等関係機関と調整しなければならない。 3 校長は、第 1 項の指定に当たっては、通学距離および通学時間のみを考慮するのではなく、児童・生徒 の安全確保を最優先にしなければならない。 4 前 3 項の規定は、通学路を廃止し、または変更しようとする場合について準用する。 (通学路の届出) 第 4 条 校長は、通学路を指定し、毎年 4 月末日までに指定通学路届出書(別記様式第 1 号)に関係図面を 添えて教育委員会に提出しなければならない。 2 校長は、通学路を廃止し、または変更したときは、直ちに指定通学路変更(廃止)届出書(別記様式第 2 号)に関係図面を添えて教育委員会に提出しなければならない。 (教育委員会の指導助言等) 第 5 条 教育委員会は、前条により届出のあった通学路について、児童・生徒の通学路として適切でない と判断したときまたは不適切な事態が生じたときは、校長に指導または助言を行い、その変更を求める ことができる。 2 教育委員会は、関係機関等から通学路に関する情報を得たときは、速やかに校長に提供するものとする。 (通学路の周知) 第 6 条 校長は、通学路を指定、変更または廃止したときは、児童・生徒およびその保護者をはじめ関係 者に対しその旨を周知徹底するとともに、通学時の安全意識の高揚に努めなければならない。 (通学路の安全確保) 第 7 条 校長は、通学路での交通事故等を防止するため、保護者をはじめ地域住民等の関係者とも連携し、 通学路を定期的に点検するとともに、安全確保に留意しなければならない。 2 校長は、児童・生徒の安全を確保する上で、通学路の補修、修繕等が必要であると判断するときは、必 要書類等を添えて、通学路現況確認依頼書(別記様式第 3 号)を教育委員会に提出しなければならない。 3 教育委員会は、児童・生徒の通学時における安全確保について、校長と連携の上、関係機関と協議し、 対応しなければならない。 (その他) 第 8 条 この告示に定めるもののほか必要な事項は、教育総務部長が別に定める。 付 則 この告示は、平成 24 年 4 月 1 日から施行する。
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