2012 年10月 『あるがまま!』 「あるがまま」をまず主に・・・ 市岡 之俊 ある日、日用の買い物のため、近くのスーパーマーケットに 出かけた時の出来事です。お母さんと一緒に買い物に来ていた その小さな子どもは、お菓子売り場のとある場所に立ち止まり ます。お母さんの手を握りながら、 「このお菓子が欲しい」と 訴えます。お母さんは、 「もう、お菓子はお家にあるでしょ。 こんなに食べるとお腹を壊すわよ。 」しかし子どもは、有名な キャラクターのおまけのついたお菓子が欲しくて、さらに訴え、 泣き始めます。それでもお母さんはひるまないと見ると、まるでお菓子を買ってくれないお母さんは、 「サタン の手先だ」と言わんばかりに、売り場一帯に響き渡るような、体いっぱいの大きな声で泣き叫びます。呆れた お母さんは、 「そんな聞き分けのない子は知りません」と、子どもを置いて立ち去ります。子どもは相変わらず 泣き叫び続けていましたが、もう泣き疲れ果てた、またこれ以上続けてもお母さんには何の効果もないだろう と悟り、また同時に、あらためて自分が置かれてしまった状況にはたと気が付きます。「お母さんがいない。」 今度は、お母さんに置いていかれたことを知った寂しさから、再び大声で泣き始め、隣の売り場に隠れている お母さんを探そうと、見つけるやいなや、 「わ~っ」と、お母さんのところに飛び込んで行きます。子どもの心 には、もうお菓子への関心はまったくありません。お母さんへの思いだけでいっぱいになります。お母さんは 手を広げ、走り寄ってくる子どもを迎え入れます。泣きじゃくる子どもを、笑顔で胸に抱きます。 イエスさまが現される神さまは、お父さん、お母さんのこどもに 対する愛の心、それ以上の私たちに対する愛の心を持っています。 イエスさまの心も、お父さん、お母さんである神さまの愛の心を 持ち、また深い人間理解と愛情、共感とに満ちています。人の弱さ、 涙、罪、痛み、悪、そして感謝、喜び、賛美をも受け取られます。 私たち、人間の愛には限界がありますが、神さまの愛、父であり、 母である神さまの愛、イエスさまの愛には限界がありません。私たちを「あるがまま」に受け入れられます。 スーパーマーケットでの、子どもとお母さんの姿は、まさに私たち人間と神さま、イエスさまとの姿なのです。 私たちは、 「あるがまま」の姿で、主に委ねる必要があります(as you are)。「あるがまま」の姿でイエス さまについて行く・・・。自分が変らなくてはならない時、あるいは変わろうとする時に、自分で自分を変え ようとする時よりも、イエスさまについて行く、神さまにすべてを委ねようとする時の方が、かえってもっと 相応しい自分に変えられる、変えて頂くことを、私たちは度々、信仰生活の中で体験します。ただし、条件が あります。私たちも「あるがまま」の姿で、裸で、良いことも、悪いことも、すべてを主に委ねて、信頼する 必要があります。スーパーマーケットにてお母さんが、子どもの要求にすべて応じるわけではないが、子ども に最も大切な愛を現したように、父である、母である主である神さまが、時に私たちの望み通りではなくても、 私たちに表わして下さる愛のみ、神さまが下さるものを、信頼して受け取って生きていくことを覚悟する必要 -1- があるのです。「アッバ、父よ!」・・・父であり、母である神さまの愛にすべてを委ね、イエスさまが十字架 と復活の救いの業を、全幅の信頼のうちに成し遂げられたように、スーパーマーケットで子どもが、お菓子を 捨てて、お母さんの胸に飛び込んでいったように、私たちも父であり、母である神さまの胸に飛び込んでいく 必要があるのです。信仰は理屈ではありません。イエスさまのように、「あるがまま」のすべてを、父であり、 母である神さまに信頼し、委ねることから始まります。私たちのミッション、信仰をこの世に伝え、多くの人 と分かち合う愛の心も、 「アッバ、天におられる私たちの父、母よ!」と、神さまの愛に、全幅の信頼をもって 委ねることから始まります。幼な子の信頼・・・イエスさまも、言われます。「あなたたちによく言っておく。 幼な子のように神の国を受け入れる者でなければ、けっしてそこに入ることはできない。」(マルコ 10・15) 『天におられるわたしたちの父よ!』 ある日の、磐田聖マリア幼稚園、掛川聖マリア保育園の 宗教の時間の、お話しとお祈りです。 お祈り・・・愛する誰かのために、神さまの幸せ、 イエスさまの救いを祈ること。 それは誰でしょう? (家庭、学校、職場でも、祈りの心を忘れませんように!) 朝、起きる時 愛する人・・・家族、世界中の人、みんなのために、今日1日が少しでも神さまの愛に満ちた日、 平和の日、幸せな日でありますように祈りましょう。 幼稚園、保育園に来て 愛する人たち、お友達、先生、家族、世界中の人たち、特に小さな人たちのために祈ります。 また、みんなでお祈りをしていると、今日も、困っている人たちのことが心に浮かびます。 戦争が起こりませんように。いじめがなくなりますように。地震や原発事故で苦しんでいる 人たちが助けられますように・・・いろいろなお祈りが心に浮かびます。 夜、眠る時 世界中のすべての人々が、すべての家族が、平和で幸せな一日を過ごし、 「おやすみなさい」と 心から言えることができますように。今日一日を、神さまに感謝して終えることができますように。 世界中のすべての人々が、安らかに眠れますように。 天におられるわたしたちの父よ! み名が聖とされますように。 み国が来ますように。 みこころが天に行われるとおり、地にも行われますように。 わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。 わたしたちの罪をおゆるしください。 わたしたちも人をゆるします。 わたしたちを誘惑におちいらせず、 悪からお救いください。 アーメン! -2-
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