CSR 報 告 書 は 企 業 に と っ て 必 要 な コ スト 。 企業姿勢の明確な記述を 企 業が取り組むCSRと経営課題 講演記録 日時:2 0 0 8 年 7 月 1 7日 1 0 : 3 0∼1 1 : 5 0 会 場:C S R /コンプライアンスソリューション 2 0 0 8 東 京ビッグサイト 合 同 特 別 講 演( エグゼクティブフォーラム)S - 4 サスティービー・コミュニケーションズ ㈱ ㈱ サステナビリティ会 計 事 務 所 代表取締役/公認会計士 福島 隆史 DOWNLOAD Version 01 環 境 報 告 書 の 開 示 は 6 0 0 0 社 のうち のまだ 1 0 0 0 社 まずは 環 境 報 告 書 やCSR報 告 書 の 開 示 状 況から話を切り出させ 平 成 2 2 年 度 時 点の目標として明 示されています。 てください 。去 年 の 1 2 月に環 境 省が 公 表した「 環 境にやさしい 企 業 ちなみに先ほどの 3 7 . 8%を、上 場 企 業と非 上 場 企 業に分けますと、 行 動 調 査 結 果 」によると、平 成 1 8 年 度までで 、アンケートに協 力した 上 場 企 業では5 1 . 8%、非 上 場 企 業は2 8%となっており、政 府目標は 企 業 2 , 7 7 4 社のうち1 , 0 4 9 社 3 7 . 8%が、環 境 報 告 書を開 示してい 既にほぼ達 成しているようにみえます。 ます。この中にはCSR報 告 書 、環 境 社 会 報 告 書 、サステナビリティ報 告書なども含まれています。 ただしアンケートに協 力した企 業は調 査 対 象となった6 , 5 6 5 社 中 の2 , 7 7 4 社 、協 力しなかった企 業には環 境 報 告 書を公 表していない このパーセンテージに対する政府目標として、平成15年3月「循環 企 業がかなり含まれているでしょう。アンケートに協 力 する企 業 数 次 型 社 会 形 成 推 進 基 本 計 画 」では、上 場 企 業の約 5 0%、非 上 場 企 業の 第で目標 到 達 度はかなり動いてしまう可 能 性がありますね。 約 3 0 % が 環 境 報 告 書 を 公 表 し 、環 境 会 計 を 実 施 す る こ と が 環境報告書作成企業数の推移 作成企業数 作成企業割合(%) 37.8 1,400 40.0 34.7 31.7 1,200 26.6 1,000 800 20.0 30.0 833 21.9 743 16.0 600 1,049 801 20.0 650 578 8.8 400 6.5 7.4 430 10.0 270 200 168 197 0.0 0 平成9年度 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平 成18年度 有効回収数 有効回収率 (%) 出 典:平 成 1 9 年 1 2 月 環 境 省 公 表「 環 境 に やさし い 企 業 行 動 調 査 結 果 」 02 「 人 知 れ ず 善 行 を 行 なう」企 業 から「 開 示 す る 」企 業 へ CSR報 告 書とは 何か 。そもそもどんな意 義をもって 開 示がなされ をし て い る、内 部 統 制 やリスク管 理 、コンプ ラ イアン ス の 問 題 はこ るのか。 う捉えているということを話さなければならない。 これまで日本の企 業 、特にいわゆるエクセレントカンパニーは、 「人知 となると、 トップが 発 言 する内 容に対 する報 告 書というものがなくて れ ず 善 行 する」という傾 向があったように思 います 。私がこの 仕 事を よいのか。 始めた1 9 9 9 年から今にいたるまでずっと、次のことを企 業 担 当 者か らよく聞かれます 。何 でCSR報 告 書 や 環 境 報 告 書を外に出さないと 現実に担当者がかなり苦労をしてCSR報告書を発行したら、普段は いかんのかと。 CSR報 告 書なんていいことばかり書いてある。そんな 部下を全くといっていいほど褒めない社長から、お褒めの言葉をいただ 報告書より、もっと実態に即したことが必 要なんじゃないの?と。 いたという話もあります。こんな報告書を君たちがつくってくれるのを 待っていた、と。経営トップは、自らの企業が何のために事業を行ない、 ただ、一 方こういう考え方もあります。企 業の経 営トップは、財 務 報 どのように社会に貢献して、 どう進んでいこうとしているのか、それを示す 告 だけをして おけば い いというもの で はない 。当 社 はこういう貢 献 報告書を求めているんですね。 2 03 会 社 の「 強 み 」は 財 務 状 況 だ け で は わ からな い 開示する、 ということが、 ステークホルダーに良い影響を与えることがあります。 CSR報告書を出すと、 一番よくその報告書を見るのは同業他社の担当者です。 例えばA社がCSR報告書を開示すると、 A社の、 これまでは見えてこなかった 内容がわかってくる。それを見た同業のB社は思うわけです。財務指標的に は同じような規模なのに、全然自分たちは中身として足りなかったな、 と。 その意味で同業他社にはかなり影響を与えるのではないかと思います。 また企業評価を行う際、財務指標を見るだけでは今や全く不十分です。 その会社の「強み」や、持っているリスクの大きさは、会計上の勘定科目の 数値の多寡では判断できません。もっと多面的な評価が必要になります。 しゃべらなくても陰ながら社会に貢献していればいいという意見の一方で、 開示にはこうした意味があると考えるわけです。 では、 CSR報告書を活用するとはどういうことなのか。 例えばCSR報告書を営業マンのポケットに入れさせている企業があります。 それによって、 自社のCSR上の 優位性をお客さんに訴えて営業案件を勝ち取ってくる。 I SOが広まったときもそうでしたけれど、特に自治体とかは敏感ですよね。環境に対して自分たちはこれだけ配慮しています、 CО2削減計画はこうで、 リサイクル施 設はこれぐらいの規模でこう運用していますと言うと、ほかの評価軸では他社と差がなくても、 じゃああなたのところで…ということが現実に起こって いる。いわゆるCSR調達です。 A社がそういう評価をされて大きな仕事を取ると、 同業他社は自分たちも…とがんばり出すわけです。 報告書に記述しようとした時、 ふつうの企業はウソをつきません。 誇 張は多 少 するかもしれないけれど、ウソはつかない 。そこで、実際に取り組みを始めないと報告書もつくれないから、取り組みが始まる、ひとつの企業 のCSR実践が、 他社に、 社会全体によい影響を与えるというストーリーが現実に起きています。 04 ス テ ーク ホ ルダ ー に 対 す るア ン バ ラン スさも 会 社 の 個 性 CSRとは 何 か 、表 現 す るの は 難しいことで す が 、CSR報 告 書 の ところでステークホルダーという言 葉ですが、企 業を取り巻くいろ 中に表現されたものが、 その企業にとってのCSRであると言えると思います。 いろな利 害 関 係 人という意 味 。そういうステークホルダー す べ てに あえてここで 私なりのCSRを定 義 すると、真に社 会に役に立 つ 企 業 向 け て 、私どもはこういうことをやって います 、というのがCSRで 、 で ありた いという強 い 願 い から、自らの 事 業 内 容 を 常 にこ の 視 点 結 果として 、総 花 的な行 いがCSRであると捉えられがちで す 。CSR で 問 いただす「 姿 勢 」、ではないかと思 います 。 報 告 書としても、従 業 員は 大 切 、株 主も大 切 、調 達 先も大 切 、という また、企業を取り巻くステークホルダーとのコミュニケーションを通じ、今 ふうに 百 科 事 典 的 に 記 述 す る傾 向 が あり、結 果 として 戦 略 も何 も までとは 違う何 か 良い 変 化を与えようという外に 向 かって の 変 革 の 見 えな い 、つまらな い 報 告 書 に なってしまって い ま す 。企 業 に は 、 「 ベクトル 」で す 。 ス テ ークホ ルダ ー に 対 す る 考 え 方 そ の もの に 個 性 が あって い い 。 その 個 性 の 中には 、アン バランスさがあって い い んじゃないかなと、 さらにもう一 つ 。そうした 外に 向け て の ベクトルを具 現 化 す べく、 そう私は考えています 。 企業が取り組む際に企業内部に訪れる 「革新」。外にも変化を与えるし、 中にも変化を与える。そんな企業の内外双方向に及ぼす影響と成果こ そ れ と 、ス テ ー ク ホ ル ダ ー は そ の ひ と つをとって も 、ひ とくくり そがCSRの「本質」、そんなふうに考えています。 に 考 えることは できませ ん 。退 職 され る年 齢 に 近 づ い た 従 業 員 の 以上、そんなきれいごとで…と言われるかもしれませんが、けっこう長 い 方と、この会 社で何かやってみよう!という熱き想 いをもった入 社した こと、いろんな会 社と議 論 や 実 践を繰り返してきた 、私なりのCSRの ての 若 い 従 業 員 の 方とでは 、全 然 考えて いることが 違う。CSRで 何 とらえ方です。 か 取り組 もうとした 時 、そうした 多 様 性というものを 無 視した 話 が けっこうあるような気 がします 。そこは 深 掘りして 考えて いかないと いけない 。 3 05 CSRは 中 長 期 経 営 計 画 に 組 み 込 ん でこ そ 本 物 CSR経 営につ いては 、P(プラン )D(ドゥー )C( チェック)A( アク の 中 長 期 経 営 計 画を見 せ てくれというと、そこには 何も入って いな ション )ということを実 践しないといけませ ん 。まずは 何 が 課 題なの い ん で す 。入って い てもお 題 目 程 度 。たとえば 天 然 ガスを放り込む かを 見 極 め ることで す 。曖 昧 にし て い たら 話 が 進 み ま せ ん の で 、 と か 、エ コ カ ー を 何 台 入 れ ると す る なら ば 、そ れ に は キャッシ ュ 具 体 的に自分 たちはこういう課 題を抱えているんだと。 フローも損 益も発 生 するは ずなん だけ れど 、そういう具 体 的 なこと が全 然リンクしていない 。 極 端な話をすると、例えば 贈 収 賄に加 担しそうな業 種に所 属 する CО 2 問題というのはエネルギーコストの問題ですからね。売上を上げる、 会 社 は 、何よりまず その 贈 収 賄を断ち切る体 質 へと改 善しなけ れ ば 利 益 も 上 げ る 、で もエ ネ ル ギ ー 使 用 量 は 下 げ る ─ ─ そ の 具 体 的 ならな い 。そういう会 社 が 、 「まあ そ れ は 仕 方 な い から、とりあえ ず な政 策 は 、中 長 期 経 営 計 画に 入 れるところまで やってこそ 本 気 だな CО 2 減らす目標を立てましょうか」とやっていたらやっぱりよくない 。 という気がするわけで す 。 CSR経 営とは 、優 先 順 位をつけることだと思 います 。課 題 の 重 要 度 を把握して、それに向けてちゃんとPDCAを回す。 CSR委員会を設けている会 社でも、その委員会に集まってくるのは、 それと、ぜひみなさんに持っていただきたい認識が、 CSRや環境保全 を把 握 できて いるか 、グロー バ ル 全 体 で 問 題 意 識を持って 取り組 ん を会社全体の中長期経営計画に組み込んで予算化するということです。 で い るかというと、そこがまだ 弱 い 。せ め て そ の 状 況 全 体をグロー 会 社の環 境 管 理 部などに行くと、 「 私どもの会 社は、 CО 2を2 0 1 2 年 バルに把握しておく必要はある。 でないとCSR報告はできないはずです。 あくまで 本 社 の 上 の 方 だったりします 。子 会 社まで 含 めてCSR課 題 までに6% 削 減 する目 標を持 ち 鋭 意 努 力 中 で す 」と言う。でも会 社 06 環 境 経 営 は 普 通 の 人 々 の 感 覚と一 致 させ る 努 力 を 環 境 経 営 に つ い て 、私 は 、い わ ゆ るエクセレントカン パ ニ ー は 、 本 当にそれが再 生されて 使 われているか、見 届けている会 社 はなか ある時 点 でISOに頼る環 境 経 営から巣 立ってもい い んじゃないかと なかない。極 端な話 、焼 却 炉に助 燃 剤として投 下するなら、これもリサ 思 いま す 。 「ISO14001」というの は 、全 世 界 のど ん な 組 織 で も イクルであると。 リサイクル比 率という指 標をただ高めるならば、いろ 取り組める環境マネジメントシステムです。はっきり言えば一番底辺。 ん な 考 え 方 を 持 ちこ ん で き て 、指 標 を 高 め ることが で きま す 。で PDCAの 超 基 本 的なところで すから、 ISOに 頼るのはあくまで 初 期 も 、普 通 の 人 々 の 感 覚 と 一 致し て い な け れ ば い け な い 。環 境 経 段 階 の 過 渡 期 。補 助 輪を外して そろそろ自 分 で やりますという会 社 営には その 認 識 が 今 一 度 強く必 要 だと私 は 思 います 。 がなぜこの環境先進国日本でたくさん現れないのかなと。 GHG─ ─ G r e e n H o u s e G a s e sいわゆる温 室 効 果ガスについ 環 境 経 営で昨 今 話 題になったのは、エコ偽 装 、再 生 紙 問 題でした。 ても、例えばこんな記 事が載る。 「 当 社は原 単 位 1 0%削 減しました」。 環 境という問 題はウソばっかり!と過 激なことを言う方もいますが、確 しかし「 原 単 位 1 0 % 削 減 」というの は 、あくまで 原 単 位 で す から、 かに環 境については、少し誇 張して表 現していることがいくつかある 総量として減ったかどうかわからない。 またことさら、 「 原単位を下げた」 と思います。 と言っても、固 定 部 分を除 い た 変 動 部 分 ではどうなのかという議 論 例 えば ゼ ロ エミッション の 問 題 。多くの 企 業 の 場 合 、リサ イクル を をしないと、その会社の努力というのはあまり見えてこないはずです。 してもらえる所に出した、その段階でリサイクルカウントしていますので、 GHG 原単位= GHG 売上高or生産高etc 【グラフ 解 説 】 売 上 高 や 生 産 量 に 左 右 され ない G H G 固 定 排 出 部 分 が あることから、 売 上 高 や 生 産 高 が 増 加 す ると、原 単 位 は自 然 に 下 がる傾 向 が ある。 売上高or生産高etc 4 07 環 境 へ の 取り組 みも 経 済 バ ラン ス 抜きに は 考 えられ な い BaU─ ─ B u s i n e s s a s U s u a l 。例えば「 省エネ取り組みにより こと 、皆 さん わ かって いらっしゃる の で は な い でしょうか 。エ ネ ル 3万トン 削 減しました 」と言った 場 合 、省 エネ 取り組 みをしなかった ギ ー 由 来 の 省 エネ=CО 2 削 減 で はラン ニングコストは 絶 対 に 下 が 状態とはどういう状態なのか、というのがBaUです。その状態をベース りま す 。そ のようなランニングコストの 削 減を含 めて 考えると、コス とし て 比 較 す ると い うBaU 評 価 は 、企 業 の 努 力 を 表 現 す る た め トはかかるどころか 、2∼3 年 で 回 収 できる、もともと黒 字 の 取り組み に 有 用 で 必 要 なツ ー ル だと私 は 思 います 。た だし 評 価 の 困 難 性 が がほとんどです。 あります。証明していくとなると、話が途 端に難しくなるんですが。 CО 2 削減に関する企業内部における集計の実態がまだまだ不十分 もう 一 つ 、コ スト パ フォー マ ン ス の 問 題 が ありま す 。環 境 へ の だから、社 会 全 体 がこのような論 調になって いるのかもしれませ ん 。 取り組 み と いって も 、経 済 的 な 意 思 決 定 なくし て は やって い け ま 省 エ ネ 活 動 の 取 り 組 み 別 に 、投 資 額 と 、差 額 投 資 額 ─ ─ 省 エ ネ せ ん 。例 えば 日 本 経 済 新 聞 の 昨 年 1 2 月1日 付 け のトップ にこ ん な に寄 与 する分の投 資 額ですね、そこで発 生 するコストと経 済 効 果と、 記 事 が 載 って い まし た 。 「 各 社 にCО 2 1トンを 減らす の に 必 要 な 回 収 年 数と、物 量 効 果といった内 容をす べてきちんと集 計していく。 費用を聞いたところ、製 造 業の単 純 平 均で1 4 万 3 , 7 0 0 円 」。1 4 万 円 CO 2 削 減に 関してはそういう集 計 開 示を真 剣にやって いかないと、 かけるぐらいだったら2千 円ぐらいで 買える排 出 権を買うように企 業 い ず れ はまた エコ 偽 装 、あ れ はウソだったじゃな い かということに が向かえばいいじゃないか、といった論調でした。生産とか 経 営 のこと なってしまうと思います。 を わ かってらっしゃる方であれば、この数字がそもそもおかしいという 08 優 良 企 業 は 報 告 書 で「 捨 て るネタ」をたくさん 持って い る さて 、CSR外 部 評 価 に つ い て は 、いろんな評 価 機 関 があります 。 点取り虫になる必要はありませんが、自らの強み弱みを判断するという 意味において活用なさったらいいと思います。ただし各調査機関がどの ように調査し評価しているかということは調べたほうがいいのではない でしょうか 。外 側 の 視 点 とは 実 際 にど のようなもの な の か 、そ れを 理 解 することは、結局ステークホルダーに対 するアンテナを磨くこと にもつながります。 例えば、仮にある調査機関が、 「 ポリシー×マネジメント×レポーティ ング」で 評 価して いるとしましょう。すると、マネジメントを一 生 懸 命 レポーティングしても、ポリシーが全く説 明されていなかったら0点で すよね。かけ 算で すから。そういう評 価をされるのなら、それに見 合う 開 示をしなくては正当な評価はされません。 CSR報 告 書 の い わゆる優 等 生 企 業 が 、実 際 のところ他 社とどう 違うかというと、 「 ス ペ ー ス の 都 合 上 捨 て て い る記 事 」が いっぱ い あ るん で す 。報 告 書 が 5 0 ペ ージ なら、1 5 0∼2 0 0 ペ ージ 分ぐらい 書けるネタが あ る 。一 方 、こ の ス ペ ー スどうやって 埋 めようか なと 悩 ん で い る 会 社 は 、や はりど ん なに が ん ばって も高 い 評 価 はされ ない でしょう。要 は 取り組 み 内 容 がど れ だけ 充 実して い るかという ことで す 。 5 09 本 社 の 人 事 施 策 の 開 示 は 子 会 社 の 反 感 買うだ け ! ? 社 会 性 パフォーマンス 指 標に つ い て お 話しすると、企 業 の 側とし 従 業 員 に 対 す るCSR 活 動 に つ い て も 、各 国 ご と 、あ る い は ては 、 SPI─ ─ S o c i a l P e r f o r m a n c e I n d i c a t o rはできるだけ 本 社 や 子 会 社ごとに 事 情 が 違 います 。例えば 本 社 の 人 事 の 諸 施 策 開示したくない。数字を出しただけでは誤解を招いてリスキーであると。 に つ い て 、こ の 制 度 は 素 晴らし い 、ぜ ひCSR報 告 書 に 開 示し てく しかしステークホ ルダー 側 は 出してほしい 。この 両 者 が 妥 当 な点 で だ さ い と 言 った ら 、い や そ れ は 本 社 だ け な の で 無 理 だ と 。逆 に 折り合う部 分での 開 示がなされているのが実 態で す 。 子 会 社 に 対し て 反 感 買うだけなのですよ、と。女 性の管 理 職 比 率に しても、確 かに 海 外 は 高 い け れ ど 、こ れ も各 国 の 事 情 。風 土 という またグローバルコンパクト。 これは人権、労働、環境、腐敗防止に関する か文 化というか。もちろん 上 げ て い か な け れ ば と い う認 識 は あ る 、 1 0 原 則についてレベルアップしていくことを国 連と約 束 するもので け れ ど も そ れ を ど うこ う 言 わ れ たくな い よ ね と い うの が 各 社 の すが 、特 に 労 働 に つ い て は 、日 本 の 場 合 、本 社 や日 本 国 内 で は 明ら 現 実 だと 思 いま す 。 かに達 成 できて いるけれど 、発 展 途 上 国 のグル ープ 企 業 ではどうな のか。そのあたりを慎 重に確 認 する必 要があります。また企 業が単 体 開 示 の 仕 方 も、たとえば 平 均 値 の 経 年 変 化 を 表 すことだ け で 、 として 約 束 するのかグル ープとして 約 束 するのかでも違ってくるで は たし てど れ だ け 意 味 が あ るの だ ろうか 。残 業 時 間 数 がこ れ だ け しょう。人 権や労 働 、腐 敗 防 止に対してちゃんと考えていますというこ 減りましたと言っても、本 当 に 身を粉 にして 働 かなけ れ ば いけ な い とを訴える手段として、このグローバルコンパクトに加入するのは 、けっ 境 遇 に あって 過 労 死 寸 前 の 人 は そ の 一 部 。そういう一 部 の 人 た ち こうわかりやすい 取り組み手 段であると思っています 。 の 残 業 時間数が減っているかどうかということは、全社平均での残業 時間数経年変化だけからは、見えてこないんじゃないか。 10 報 告 書 を つくったらそ れ を 基 にコミュニ ケ ー ションを い ず れに せよ、今 は 取り組 み 内 容 の 試 行 段 階 。だからそ んなSPI 限 定し て 、独 立 第 三 者に見てもらうとか。 の 開 示 は 無 理 だと。私 は 、そ れ は そ れ で 実 態 なの だ から、仕 方 のな いことではないかと思っています。また発 展 途 上 国でのCSR調 達も、 最 後にみなさんに、これ だけは 、という点をまとめてお 伝えした い 価 値 観 の 違 いなどから、現 実に取り組 んで いる企 業グル ープは 非 常 と思 います 。 に苦 労されていますよね。 CSR報 告 書をぜ ひ 毎 期 発 行しましょう!CSR報 告は 、企 業 の 必 要 社 会 貢 献 活 動についても、本 業に近い領 域での貢 献 強 化の方 向に なコストだと思ってください。先ほど言 いましたように、財 務 報 告だけ 各 社 向かっているように感じています。企 業というのは当 然に業 績が で は 企 業 の 良 さ は わ かりま せ ん 。自 社 に とって のCSR、SWOT 良い時と悪い時がありますから、まずは経営理念を達成するんだと。そ ─ ─ 強 み と 弱 み 、チャン スと 脅 威 を 見 極 め て 、自 分 た ち がど こ に こには、儲けることにつながる側面のみならず、儲けにつながらない側 向 か おうとし て い るの かをしっかり記 述 す る 。そし て 、今 年 は 身 の 面もあるでしょう。自らの経 営 理 念 達 成に向けての周 辺 領 域なら継続 丈 ほど でここまでしか 書 け な い け れど 、来 年 は1年 間 が ん ばって 、 支援しようではないかと、業績に左右されず長続きする社会貢献ができ もう少し い い ものを 開 示しようとす る 。そ の 姿 勢 は 明らか に 、 ISO るのではないでしょうか。 認 証 取 得 などよりも勝った 、より上 級 な取り組 み で す 。エクセレント カン パ ニ ー は せ め て そこまで やらないとい け ないと思 います 。 CSR報 告 書 に 対 す る 第 三 者 審 査 、第 三 者 所 見 に つ い て も少し お 話して おきます 。そもそも、ど のように 開 示 す るかという基 準 が さらに、ただ 報 告 書をつくるというだけにとどめることなく、コミュ はっきりし て なけ れ ば 、ちゃんとし た 審 査 は できませ ん 。い つ 開 示 ニケーションを行なってください。市 場 調 査として企 業の側から動く。 するのか。決算期後3か月以内なのか。そしてどこにどう開示するのか。 そうすることで 外 部に対 するアンテナの 精 度を高 めていきましょう。 極 端 な 例 だ と 、紙 媒 体 で の 報 告 書 を や め ま す と い う 会 社 だ って そのためには健全な外圧も活用されていいことと思います。各種NPО あります 。webで 開 示 する。ただしwebだとリンクが 貼られるので 、 団 体 や 、私ど ものようなコン サ ル ティング 会 社 、審 査 会 社 、報 告 書 どこまで が 審 査 対 象 な の か 。審 査 は 、対 象 を 限 定し て 受 け るの が 制 作 会 社 の 力もぜ ひ 使って い た だけ れ ばと思 います 。 い い の で は な い か と 思 っ て い ま す 。例 え ば C О 排 出 量 だ け に ありがとうござ いました 。 2 6
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