(5)過去1年間の原油価格(WTI)の推移は、表1のとおりです。 <用語の

平成25年11月 日
発行:
1.国際情勢
(1)今年の原油価格(WTI)は、世界的な景気改善期待や対ユーロでのドル安等を受け90
ドル/バレル越えの高値でスタートしました。
(2)3月以降、対ユーロでのドル高や中国の景気先行き不安、米国原油在庫増等から値下がり
しました。4月に入っても、欧州債務不安による対ユーロでのドル高や世界的な石油需要鈍
化懸等により続落しました。
(3)5月以降、世界的な景気回復への期待感や米国原油在庫の減少から上昇に転じました。
6月以降、エジプトやシリア情勢の緊迫化や米国の原油在庫の減少等から値上がりしました。
(4)9月中旬以降、シリア情勢の懸念が後退したものの米国の原油在庫増等から値下がりして
います。当面、100ドル/バレル前後で推移すると思われます。
(5)過去1年間の原油価格(WTI)の推移は、表1のとおりです。
<用語の解説>
●WTI・・・米国産原油。世界の石油市況の動きを示す代表的な指標。
●ドバイ・・・アジア市場の指標となる中東産ドバイ原油 ※1バレル・・約159リットル
【表1】<原油価格の推移 ※月平均価格> WTI
ドバイ
為替
130
120
110
ド
ル 100
/
90
バ
レ 80
ル
70
(
)
60
50
10月
H24年度
11月
12月
1月
H25年度
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
2.国内情勢
(1)国内の石油製品価格(卸・小売とも)は、基本的に原油価格の値上げ・値下げに連動します。
短期的に見た場合には国内需給動向(市場取引価格・先物取引価格・在庫状況)が大きく影
響します。
(2)直近の動向および今後の見通しとしては以下のとおりです。
ア.今年前半の小売価格は、原油価格の高値を受け3月まで値上げが続きました。
イ.4月以降は、原油価格の値下がりがあるものの円安が続いていることから小幅な値下が
りとなりました。
ウ.7月以降、原油価格の高どまりや円安等からコスト高となり、大幅な値上げとなりまし
た。9月中旬以降、原油価格の値下がりと小売価格の高止まりによる末端での需要減を受
け値下がりしました。当面、全油種高値で推移すると思われます。
エ.過去1年間の石油小売価格の推移は、表2のとおりです。
【表2】
<石油小売価格の推移>
※資源エネルギー庁から毎週水曜日に発表される週平均から月平均を算出しました。
170
110
レギュラー
軽油
灯油
100
ラ 150
90
・ 140
軽
油 130
80
円 120
/
L 110
60
ュ ー
レ
ギ 160
(
灯
油
(
70
)
円
/
L
)
50
100
40
10月 11月
H24年度
12月
1月
2月
H25年度
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
平成25~29年度石油製品需要見通しについて
※出所:総合資源エネルギー調査会(経済産業大臣の諮問機関)石油分科会石油部会市場調査動向
調査委員会が平成25年6月12日策定資料より
ガソリン
灯 油
軽 油
A重油
燃料油計
60,000
124,000
122,000
50,000
120,000
需
要
量 40,000
118,000
(
116,000
単
位 30,000
:
千
k 20,000
l
114,000
112,000
110,000
)
108,000
10,000
106,000
0
104,000
24年度
25年度
26年度
27年度
28年度
29年度
需要減少要因
●ガソリン 普通・小型車の保有台数の減少、軽自動車や低燃費車の増加、走行距離の漸減などに
よる需要減。
●灯油
暖房・給湯用エネルギー転換、各産業の燃料転換、効率改善などによる需要減。
●軽油
物流合理化、保有台数の減少、産業の軽薄短小化にともなう貨物輸送の減少などに
よる需要減。