養護学校小学部 第1学年 生活単元学習 日 時:平成 18 年 授業者名:教諭・ 場 所:教室 対象児童:6名 1 日( )第 限 (石川県立 養護学校) 単元名 つくってたべよう 2 月 学習指導案 ~ホットケーキ・カップケーキ~ 単元の目標 ・器具を使って、自分から材料を混ぜたり焼いたりしようとする【技能・表現】【関心・意欲・態度】 ・調理手順がわかり、見通しをもって活動に取り組む【知識・理解】【関心・意欲・態度】 ・友達の調理活動の様子をみる 【技能・表現】 3 指導にあたって (1)児童観 児童の認知面や運動面、興味関心の対象などの様子は様々であり、課題への取り組みの姿にも 違いが見られる。入学当初は、これから何が始まるかわからないため着席を嫌がったり、自分の 興味関心で行動してしまったりするなど、集団での活動が困難な様子が見られた。しかし、学校 生活にも慣れ、自分なりに見通しをもつことができると、ある程度落ち着いて活動に参加できる ようになってきている。 児童は、これまで簡単なデザート作りを経験しており、その時の様子から、つくってたべると いう調理活動には興味をもっていることがわかった。また、食べ物のカードや本を見ることが好 きな児童もおり、食べ物に関心をもっていることがうかがえる。 (2)教材観 調理活動は、準備する、調理する、食べる、後かたづけをするといった、一連の流れがある活 動である。そこで調理するものが変わっても、見通しをもって取り組みやすいと考え、自ら取り 組む姿勢を育成するため、年間を通しての活動として取り入れている。 ホットケーキ作りには材料を入れる、混ぜるといった、デザート作りで経験済みの活動に加え、 焼くという活動がある。焼く活動では、たねを流し入れるときの様子や焼くときのにおいなど、 児童が興味をもちそうな要素が含まれており、意欲的に取り組むことができると考えられる。ま た、一つのホットプレートで複数の児童がホットケーキを焼くので、他の児童の活動の様子を見 るということも期待できると考えた。 (3)指導観 指導にあたっては、児童が活動に取り組みやすいよう、器具の大きさや、机の配置などについ て配慮する。また、できるだけ自らの行動をひきだすためにゆっくりとかかわりたいと考え、見 ている児童の待つ時間が少なくなるよう、二つのグループに分かれて活動させる。 この単元は7時間を予定しているので、子どもの興味が持続するよう、トッピングを加えたり 焼き方を変えたりするなど、活動内容に一部変化をもたせる。同じ材料で焼き方を変えるとカッ プケーキを作ることができるので、誕生会にむけてのお菓子作りにつなげたり、学校の中でかか わりのある人に食べてもらったりするなど、活動内容に広がりをもたせたいと考えている。 また、できるだけ児童が見通しをもって活動に取り組むことができるよう、1時間の活動の流 れや調理手順を、写真や絵を使った視覚的な手がかりを用いて提示する。調理手順については全 体に提示するものと共に、実際に調理する際に近くで確認できるようグループごとの手順カード も用意し、児童が実際に作りながら、手元で確認できるようにしたい。更に、活動の流れを提示 する際に、エプロンの着用や手洗い、後かたづけなども位置づけることで、調理活動の基本的な 習慣も身につくようにしたい。 活動全体を通して、最初に絵本の読み聞かせを取り入れる、活動中や見ている児童への声かけ を工夫する、児童の様子に共感的にかかわるなど、楽しい雰囲気作りを心がけたい。 4 単元の指導計画 (総時数 7時間) 第一次 ホットケーキをつくろう ( 4時間 ) 1時 ホットケーキをつくろう 2時 ホットケーキをつくろう・・・本時 3時 えらんでかけよう 4時 クリームでかざろう 第二次 カップケーキを作ろう ( 3時間 ) 5 児童の実態と目標 (別紙参照) 6 本時の学習 (第一次2時) (1)題目 ホットケーキをつくろう (2)本時の目標 ・自分から進んで器具をもって、材料を混ぜたり、焼いたりしようとする【関心・意欲・態度】 ・友達の活動の様子を見る 【技能・表現】 (3)準備・教材等 ホットケーキ材料、ボール、泡立て器、おたま、フライ返し、型、ホットプレート、 スケジュール表、手順カード(全体、グループ)、お皿、フォーク、片づけ用かご、エプロン、 絵本(しろくまちゃんのホットケーキ) (4)本時の展開 学習活動 時間 5 1 5 4 15 5 指導の手だて・支援 評価規準 絵本の読み ・「せいかつ」が始まることがわかるよう、ボードに時 聞かせを聞く 間割カードを貼り、机を配置しておく ・「せいかつ」が始まること、絵本の読み聞かせをす ることを伝える (T1) ・興味を持つよう速さや強弱に変化をつけて読む 2 2 あいさつを ・スケジュール表を提示し、活動の流れを伝える(T1) する ・時間割カードを提示し、身振りをしながらあいさつ する(T1) 5 3 本時の活動 ・写真カードと共に、実物も提示し、作る順を確認す 内容を知る る(T1) 準備をする ・エプロンを配り手を洗いに行くよう声かけする(T1) ・エプロン着用を手伝い、個に応じて手を洗いに行く ことを促したり一緒に行ったりする(T2,T3) ホットケー ・今からホットケーキを作ることを伝え、たねをまぜ キを作る るところまでの材料と器具を配る(T1) ・材料を入れ る ・まぜる ・やく 【ABCEのグループ】 【DFのグループ】 ・様子を見て、一人でで ・材料はあらかじめ入れや ・器具を一人でもっ きるよう卵に割れ目を すいよう、カップに入れ て、自分から混ぜ 入れる等の支援をする。 ておく たり焼いたりしよ ・手順カードを見せ、活 ・手順カードを見せ、確認 うとする 動を確認する (T2) すると共に、児童から発 【関・意・態】 ・まぜるときなど「ぐる 信がある場合は応える (行動観察) ぐる」といった動きを (T3) 表す言葉を使って声か ・一人で混ぜるのが難しい けをする ときは様子をみて一緒に ・他の子が活動している 行う(T3) 様子も伝え、興味をも つようにする ・二つのグループの進み具合を確認しながらホットプ レートの準備をする(T1) ・ホットプレートで焼くことを伝える(T1) ・高温のホットプレートに触らないよう子どもたちに 伝えると共に、安全面に配慮する(T1 ~ T3) 【ABCEのグループ】 ・手順カードを見せ確認 する(T2) ・実際につくってみせる (T2) ・大きめのホットプレー トを用意し、二人ずつ 焼くよう声かけをする 【DFのグループ】 ・手順カードを見せ確認す ・焼く場面で、声か る(T3) けされて友達の活 ・実際につくってみせる 動の様子を見る (T3) 【技・表】(行動観察) ・小さめのホットプレート を用意し、一人ずつ順番 に焼くよう声かけをする (T1) (T3) ・たねを入れる場所がわ ・一人で行うのが難しい場 かるよう、ホットケー 合は手を添える キ型を置く(T1) ・友達の様子も見るよう声 ・友達の様子も見るよう かけをする(T3) 声かけをする(T1,T2) ・お皿に入れる ・ホットケーキが焼けるにおいや表面の変化を、絵本 に出てきた表現を使いながら声かけし、できあがり を楽しみにしながら待つことができるようにする (T1 ~ T3) ・裏返すタイミングを待てない場合は、キッチンタイ マーを使い伝える (T2) ・全員終わったら、ホットプレートを片づける(T1) ・先に終わったグループには、もう一つのグループを 見るよう声かけする(T1 ~ T3) 5 6 ホットケー ・全員でいただきますのあいさつをする(T1) キを食べる ・「おいしいね」と身振りを使いながら伝え、楽しい雰 囲気作りを心がける(T1 ~ T3) ・早く食べ終わった児童には、手順カードを使いなが ら、今日の活動を振り返るなどして、他の子が食べ 終わるのを待つようにする(T2,T3) 3 7 後かたづけ ・様子を見て、ごちそうさまのあいさつをすることを をする 伝える(T1) ・あいさつの後、後かたづけをすることを伝え、前の 机にエプロンを入れるかご、食器を入れるかごを置 く(T1) ・全員でごちそうさまのあいさつをする(T1) ・後かたづけに行くよう個々に声かけをする(T2,T3) 7 授業評価の観点 ・一人一人の児童が、自ら活動に取り組めるような手だての工夫ができていたか。 ・楽しく調理活動ができるよう、教師間の連携ができていたか。 5 児童の実態と目標 (別紙) 児童の実態 単元の目標 本時の目標 手だて・指導等 評価規準 調理には興味があるが、 ・器具の扱い方がわか ・おたまでたねを ・できるだけ一人です ・ 器具 を使 って 何をするのか分からない り一人で混ぜたり焼 流し入れたり、 るよう見守り、難し 焼い たり 裏返 時間があると、自分の興 いたりする フ ライ 返し で裏 い場面では側で示範 したりする 味関心で行動し、離席す ・手順カードを意識し 返したりする する ・ 焼く 場面 で、 A ることがある。入れる混 て活動に取り組む ・声かけされて友 ・友達の様子を伝え、 促さ れて 友達 ぜる活動は、一人ででき ・声かけされて友達の 達の活動の様子 見るよう促す の活 動の 様子 る。声かけされながら一 活動の様子を見る を見る を見る つ一つの活動に取り組 む。友達の活動の様子を 見ることは少ない。 調理には興味があるが、 ・器具の扱い方がわか ・おたまでたねを ・できるだけ一人です ・ 器具 を使 って 気になるものを見つける り一人で混ぜたり焼 流し入れたりフ るように見守り、難 焼い たり 裏返 と、活動から離れること いたりする ライ返しで裏返 しい場合は側で示範 したりする B がある。入れる混ぜる活 ・手順カードを見て見 したりする する ・ 教師 が指 さし 動は、一人でできる 通しをもって活動に ・手順カードを意 ・その都度手順カード た手 順カ ード 自分のペースで活動を進 取り組む 識し活動に取り を使って活動を確認 を見 て活 動に めることが多い。友達の ・声かけされて友達の 組む したり伝えたりする 取り組む 活動の様子を見ることは 活動の様子を見る ・声かけされて友 ・友達の様子を伝える ・ 混ぜ る、 焼く 少ない。 達の活動の様子 場面 で声 かけ を見る され て、 友達 の活 動の 様子 を見る 偏食はあるが、調理には ・器具の扱い方に慣れ ・おたまでたねを ・近くでで示範したり、 ・ 一人 でお たま 興味をもっている。入れ 手順の一部を一人で ホットプレート 入れる場所がわかる でた ねを 流し る混ぜる活動は、一人で 行う に流し入れる ように型を置いたり 入れる できる。自らの行動は少 ・活動の中で自ら取り ・声かけされて友 する ・ 焼く 場面 で、 C ないが、声かけされ促さ 組む姿が見られる 達の活動の様子 ・友達の活動の様子を 促さ れて 友達 れると取り組むことがで ・声かけされて友達の を見る 手順カードでも示し の活 動の 様子 きる。友達の活動の様子 活動の様子を見る ながら伝えたり、見 を見る を見ることは少ない。 るよう促したりする 表現は控えめだが、調理 ・教師と一緒に混ぜた ・教師と一緒に ・手を添えて一緒に ・ 軽く 手を 添え には興味をもっている。 り焼いたりする 材料を混ぜる 行なったり「まぜま られ なが ら、 活 動 は 一 人 で は 難 し い ・活動の中で自ら取り ・材料をボールに ぜ」などの声かけを 泡立 て器 で材 が、教師と共に行う。 組む姿が見られる 入れる したりする 料を混ぜる D 友達の活動の様子を見る ・声かけされて友達の ・ボールにいれやすい ・ 一人 で、 材料 ことは少ない。 活動の様子を見る よう材料をカップに をボ ール に入 入れておく れる 調理には興味があるが、 ・器具の扱い方がわか ・おたまでたねを ・入れる場所がわかる ・ 器具 を使 って 自分の興味関心で行動 り一人で混ぜたり焼 流し入れたりフ よう型を置いたり側 焼い たり 裏返 し、活動から離れること いたりする ライ返しで裏返 で示範したりする したりする がある。入れる混ぜる活 ・手順カードを見て したりする ・その都度手順カード ・ 教師 が指 さし E 動は、一人でできる。 見通しをもって活動 ・手順カードを意 を使って活動を確認 た手 順カ ード 声かけされながら一つ一 に取り組む 識し活動に取り したり伝えたりする を見 て活 動に つの活動に取り組む。興 ・自ら友達の活動の 組む ・友達の様子と共に、 取り組む 味のある活動については 様子を見る ・自ら友達の活動 ホットケーキの焼け ・ 混ぜ る、 焼く 友達の様子を見ることが の様子を見る る様子を伝える 場面 で自 ら友 ある。 達の 活動 の様 子を見る 調理には興味があるが、 ・器具の扱い方に慣れ ・おたまでたねを ・小さめの器具を用意 ・ 一人 でお たま 手指を使った細かい活動 手順の一部を一人で ホットプレート し、扱いやすいよう でた ねを 流し F が苦手である。 行う に流し入れる にする 入れる 声かけされながら一つ一 ・手順カードを意識し ・自ら友達の活動 ・友達の活動の様子も、 ・ 混ぜ る、 焼く つの活動に取り組む。ク て活動に取り組む の様子を見る 手順カードを使って 場面 で自 ら友 ラスの友達を意識する様 ・自ら友達の活動の様 伝える 達の 活動 の様 子が少し見られる。 子を見る 子を見る
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