2 飼料用とうもろこし畑で問題となる雑草 ~地域で見られる強害雑草~

2 飼料用とうもろこし畑で問題となる雑草 ~地域で見られる強害雑草~
近年、全道的に飼料用とうもろこし畑において、強害雑草の蔓延が問題になっています。強
害雑草がほ場で蔓延してしまうと従来の除草剤処理体系では防除が困難になることが多いの
で、早めの対応が必要となります。発生した場合の対策は、基本的には輪作ですが、草地と輪
作させる際にグリホサート系除草剤で処理するなどの対応が必要となります。
士別地域で見られる主な雑草の特徴と対処法を整理しました。
【1】 キクイモ
キク科 多年生 地下茎(イモ)で繁殖
① 特 徴
イモから発芽し後期発生する。吸肥力が強く畑の
養分量を大きく低下させる。除草剤が効きづらく、
生育後半、
木質化しサイレージ品質を低下させます。
塊茎や地表を這う茎から増殖するので、広域的には
広がりませんが、プラウ耕などで広げてしまいます。
② 対処法
茎葉への防除処理(刈り取り、表層撹拌、グリホ
サート系除草剤による処理)を年3回以上、
43日程度より短い間隔で実施することによ
り、抑圧することができます。
写真1:キクイモとそ
の地下茎 とうもろこ
しより大きくなる
【2】 ガガイモ
ガガイモ科 多年生 つる草 地下茎(横走根)で繁殖
① 特 徴
栄養繁殖器官である横走根で増殖します。地下深
くからでも出芽し、後発してきます。とうもろこし
に巻き付き倒してしまったり、収穫作業に支障をき
たします。
② 対処法
ロータリ耕転などにより根を切断してしまうと、
そこからまた出芽してさらに増えてしまい、畑全体
に広がります。侵入初期は除草剤である程度抑制効
果はあるが、枯死せずに残った根片は翌年まで伸長
し、爆発的に増えます。後発のものについては手立
写真2:地下茎から出
芽したガガイモ とう
もろこしに巻き付く
てがありません。発見次第、出来るだけ抜き取る必
要があります。
除草剤:ゲザプリムフロアブル(は種後~出芽前、とうもろこし2~4葉期)
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【3】 イチビ
アオイ科 一年生 種子で繁殖
① 特 徴
特有の臭いがあり、サイレージに混入すると採食
量を下げてしまいます。1個体当たりの種子生産が
約5000粒と多く、種子の土壌中での生存期間は20
年以上ときわめて長いため、一度ほ場に入ってしま
うと長年にわたって出芽し続けます。
② 対処法
種子で増えるので、堆肥散布により広域的に増え
ます。堆肥を発酵させ、死滅させることが必要です。
少量の発生であれば、結実する前に刈取り防除しま
写真3:イチビとその
実 特有の臭いがある
す。実生のイチビには除草剤は効くが、長期にわた
り発生し続けるので、後発するイチビに対しては手
立てがないのが現状です。土壌処理と生育処理を組み合わせた体型処理が必要となります。
土壌処理剤:ゲザプリムフロアブル(は種後~出芽前、とうもろこし2~4葉期)
生育処理剤:シャドー水和剤(とうもろこし3~5葉期:イチビ2~5葉期)
アルファード液剤(とうもろこし3~5葉期)
ベルベカット乳剤(とうもろこし4葉期以降:イチビ3~8葉期)
【4】 コンフリ
ムラサキ科 多年生 根(宿根部)で繁殖
① 特 徴
春、宿根部から新芽を出し猛烈な勢いで地上部が
生長します。根からの再生能力が強く、プラウ耕な
どで畑全体に広げてしまいます。
② 対処法
現況の除草体系では、根までを枯らすことが出来
ずほとんど効果がありません。草丈が50cm 程度、
地下部に養分が蓄えられる開花期以降、高濃度のグ
リホサート系除草剤を全体にまんべんなくスポット
処理をします。ただし、刈り取りなどの直後で地上
部がない状態では効果がありません。また、ほ場の
写真4:コンフリとそ
の根 根が絡み合って
いる
中にある場合、施肥などで倒伏してしまっている場
合があります。草地に転換し、何回も刈り取って弱らせていくしかありませんが、なかなか
絶やすことが出きません。
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