東邦学誌 第39巻第1号 2010年6月 研究ノート 経営学部生への文章作法指導 ――「総合演習」における教材作成の試み―― 竹 越 美奈子 目 次 1.はじめに 2.教案 2.1 さまざまな文章 2.2 ゼミ志望理由票の書き方 2.3 授業の感想の書き方 2.4 論述式テストの書き方 2.5 授業の課題レポートの書き方 3.おわりに 4.資料編(教材) 1. はじめに 本学経営学部では2001年の学部新設以来、1年生必修の「基礎演習」の指導内容にレポート作成などの 文章指導を組み込んできた。しかしながら、「基礎演習」へのニーズは年々、履修指導からマナー指導など の生活面まで多岐に渡るようになり、文章の指導まで手が回らなくなりつつあるのが現状である。そこで、 筆者は2009年度に2年生必修「総合演習」を担当するにあたって、文章作法の指導をテーマとして取り上 げた。これに対して一次募集だけで20人の学生が志望してきた。この人数は一次募集の中で最も多く、こ のテーマへの学生の関心の高さがうかがわれた。 このテーマを扱った教材は多い。たとえば『平成20年度基礎ゼミ教案集』(名古屋外国語大学外国語学部 基礎ゼミ委員会)などはさまざまな分野の多様な名文に触れることができるという意味で大変すぐれた教 材である。しかしながら、外国語学部の学生向けに作られたこの教材は、経営学部の学生には使いにくい というのが率直な感想であった。本学経営学部学生の書いた文章を見るにつけ、まずは大学生が大学生活 で書かなくてはならない身近な文章を題材にして、基本的な作法を知ることが重要であると日頃から感じ ていたからである。そこで今回、自作の教材を使った演習指導を試みた。 2009年度前期の「総合演習Ⅰ」は、以下のスケジュールで実施した。 第1回 さまざまな文章:なにが学術的文章か 第2回 ゼミ志望理由票の書き方(1):他人に好感を持たれる文書とは? 第3回 ゼミ志望理由票の書き方(2):他人に好感を持たれる文書とは? 第4回 授業の感想の書き方:感想は何のために書くのか 第5回 論述式テストの書き方(1):学術的文章の構成 第6回 論述式テストの書き方(2):学術的文章の基本ルール 第7回 論述式テストの書き方(3):学術的文章でよく使われる表現 第8回 授業の課題レポート(1):注と引用と参考文献の作法 第9回 授業の課題レポート(2):コンピュータを使ったレポート作成 101 第10回 レポートのための文献資料収集(1):テーマの見つけ方 第11回 レポートのための文献資料収集(2):参考文献の探し方 第12回 レポートのための文献資料収集(3):参考文献の探し方 第13回 個人面談(1) 第14回 個人面談(2) 第15回 Overflow Week このうち、第10回、第11回、第12回は図書館が実施している資料検索ガイダンスに参加したため、オリ ジナルの教材はない。以下、筆者が作成した教案をトピックごとに記す。使用した教材は4.資料編(教 材)を参照されたい。 2.教案 2.1 さまざまな文章 2.1.1 ねらい 演習第1回である。教員、ゼミ員の自己紹介、セメスタースケジュール、成績評価の説明の後で、次回 からの内容の予告を兼ねて実施した。目的は、文章にはさまざまなタイプがあり、それぞれにルールがあ ることを学ぶことである。 2.1.2 授業の手順 用意するもの:第1講教材(4.資料編にあり) (1)作業1 第1講教材を配布し、適宜学生を指名して作業1の問いに答えさせ、解説を加える。解答は板書する。 次回の予告をして終了。 2.2 ゼミ志望理由票の書き方 2.2.1 ねらい 本学経営学部では、2年次必修科目である「総合演習Ⅰ」「総合演習Ⅱ」を履修する際に、各学生が志望 理由票を提出して書類選考を受けるというシステムをとっている。志望理由票は、選考の際の重要なもの であるが、その書き方は学生によってまちまちである。決まった書き方はないとも言える。しかしながら、 正式に提出する書類であるので、ある程度の常識は必要である。志望理由票は、3年次の「専門演習」を 履修する際にも提出が義務づけられているので、学生は「また書かなくてはいけない」と思っているし、 今年の分を書いた記憶がまだ残っているはずである。このような理由で、まずゼミ志望理由票の書き方を トピックとして取り上げた。 今回はゼミ生20人全員の了解を得たうえで、全員が実際に提出した志望理由票のコピーを名前を伏せた うえで配布した。その結果、総合演習Ⅰの中で学生が一番関心をもって取り組んだトピックとなった。学 生は、他の学生の成果物を目にする機会が少ないし、他の学生の志望理由票と自分の書いた志望理由票を 読むことによって、自分の書いたものを客観的に見ることができ、多くの文章の中で好印象を与える文章 とはどのようなものであるかということが実感できたのではないか。さらに、教員がいきなり投票箱を持 ってあらわれたことで、何が始まるのといった期待をもったと思うし、自分の書いたものが投票の対象に なっていることで関心をもてたと思う。 102 2.2.2 授業の手順 2回に分けて実施した。 <1回目> 用意するもの:第2講教材(4.資料編にあり)、全員が実際に提出した志望理由票のコピー(名前は消 してある)、小さな紙片3枚×人数分、投票箱 (1)導入:作業2(30分) 教員は、教材p.1と全員が実際に提出した志望理由票のコピー(名前は消してある)を配布する。学生は、 よいと思ったものを3枚選ぶ。自分の書いたものを選んでもよい。教員が小さな紙片を3枚ずつ配り、学生 は選んだ志望理由票の番号を書いて、投票箱に入れる。教員は学生を2人選挙管理委員に指名して、開票 作業に当たらせる。黒板に志望理由票の番号を書いて、開票しながら「正」の字を書いていく。得票が多 かったものはどのような点がよかったのか、みんなで考える。 (2)演習と解説:全体(30分) 教員は教材p.2-5を配布する。教員が(または学生を指名して)教材を読みながら、学生を指名して練 習1と練習2を答えさせ、適宜解説を加える。 (3)実習:個人指導(30分) 各学生が実習1にとりくむ。教員は机間を循環して、実習1が終わった学生に教材p.6(「志望理由票構想 シート」)を配布する。各学生は実習2から実習4に取り組む。実習4まで終わった学生は順次、「志望理 由票構想シート」を提出する。教員は、時間があればその場で添削やコメントをする。 <2回目> 用意するもの:前回学生が提出した「志望理由票構想シート」(必要に応じて添削やコメントを加えてお く)、「志望理由票」(本学経営学部で使用しているもののコピー、下書き用と清書用各1枚×人数分)、小 レポート用紙 (1)実習:個人指導(時間は学生による) 教員は前回学生が提出した「志望理由票構想シート」(必要に応じて添削やコメントを加えておく)を返 却する。学生は、前回配布した教材p.5「実習5.下書きをしよう」に取り組む。下書きができた学生は、 教員に提出。教員はその場で添削、コメントをして「清書用の志望理由票」を渡す。学生は順次、「清書」 を提出する。 (2)次回の準備(5分) 「清書」を提出した学生は「小レポート用紙」に今日の授業の感想を自由に書いて提出する。 2.3 授業の感想の書き方 2.3.1 ねらい 授業の中で、「感想」(教員によって、「コメントカード」、「感想レポート」、「ミニレポート」など呼び方 はさまざま)の提出を求められることは多い。できるだけ身近で具体的なトピックを用いて、文章の書き 方の指導をしたいという理由から、「授業の感想」をとりあげた。ノートの取り方についての内容も含んで いる。今回は、前回の演習内容のノート例を「資料1」として配布し、それに基づいて授業の感想を書く という実習を課したが、自分でとったノートをもとにして感想を書くという形でもよいと思う。 2.3.2 授業の手順 用意するもの:前回学生が提出した「授業の感想」(内容によって、今日の授業でわかったことについて 書いてあるもの…Ⅰ、わからなかったことについて書いてあるもの…Ⅱ、もっと知りたいことについて書 103 いてあるもの……Ⅲ、その他、意見、感想など……Ⅳの記号をつけておく)、 第3講教材(4.資料編にあり) 、資料1(前回の演習のノート、筆者が作成したもの) (1)導入:作業3(30分) 教員は教材p.1を配布し、前回学生が提出した「授業の感想」を返却する。「感想」に記入されたⅠ∼Ⅳ の意味を聞かれてもこのときは答えない。適宜解説を加えながら、全体で「作業3」に取り組む。 (2)演習と解説:全体(30分) 教員は教材p.2-3、資料1を配布する。教員(または学生)が教材を読みながら、学生を指名して練習 3、練習4を答えさせ、適宜解説を加える。 (3)実習:個人指導(30分) 教員は小レポート用紙を配布する。学生は各自実習7に取り組んで、小レポート用紙に「第2講の感想」 を書いて順次提出する。 2.4 論述式テストの書き方 2.4.1 ねらい 大学の試験でよく出題される論述式をトピックとしてとりあげ、筆記具、書く量、文末表現などの基本 ルールと構成について考える。導入部の作業で漫画やドラマの例をあげたことにより、興味をもって参加 する学生の姿が見られた。反面、作業がわかりにくく、切る場所を間違える学生も続出した。 2.4.2 授業の手順 3回に分けて実施した。 <1回目> 用意するもの:第4講教材(4.資料編にあり) 、のり、はさみ (1)導入:作業(30分) 教員は教材p.1-2と別紙1を配布する。学生は各自「作業」に取り組む。教員は適宜学生を指名して、 黒板に正解を書かせ、解説を加える。 (2)演習と解説:全体(30分) 教員は教材p.4-6を配布する。教員(または学生)が教材を読みながら、学生を指名して練習5を答え させ、適宜解説を加える。 (3)実習:個人指導(30分) 学生は各自実習8に取り組んで、 「論述式テスト構想シート」を書いて順次提出する。 <2回目> 用意するもの:前回学生が提出した「論述式テスト構想シート」(必要に応じて添削やコメントを加えて おく)、小レポート用紙 (1)実習:個人指導(時間は学生による) 教員は前回学生が提出した「論述式テスト構想シート」(必要に応じて添削やコメントを加えておく)を 返却する。学生は、前回配布した教材p.5「実習9」に取り組む。下書きができた学生は、教員に提出。教 員は余裕があればその場で添削、コメントをする。 <3回目> 用意するもの:前回学生が提出した「下書き」(必要に応じて添削やコメントを加えておく)、小レポー ト用紙 104 (1)実習:個人指導(時間は学生による) 教員は前回学生が提出した「下書き」 (必要に応じて添削やコメントを加えておく)を返却する。学生は、 前回配布した教材p.5「実習10」に取り組む。清書ができた学生は、教員に提出。教員は余裕があればその 場で添削、コメントをする。 2.5 授業の課題レポートの書き方 2.5.1 ねらい 論述式テスト(テスト時間中に書くもの)とレポート(作成するのに時間を要するもの)との違いにつ いて、注、引用、参考文献の表示の仕方についてのルールを学ぶ。具体的には、前回学んだ論述式テスト の解答に、注、引用、参考文献を加えて、レポートを作成する。 2.5.2 授業の手順 2回に分けて実施する。 <1回目> 用意するもの:第5講の教材(4.資料編にあり)、前回学生が提出した「論述式テストの清書」(必要 に応じて添削やコメントを加えておく) 、引用のための資料(『海外ミステリ―事典』の該当箇所のコピー) (1)導入:作業5(30分) 教員は教材p.1を配布する。学生は各自「作業」に取り組む。教員は適宜学生を指名して、正解を答えさ せ(板書してもよい)、解説を加える。 (2)演習と解説:全体(30分) 教員は教材p.2-5を配布する。教員(または学生)が教材を読みながら、学生を指名して練習6を答え させ、適宜解説を加える。 (3)実習:個人指導(30分) 教員は前回学生が提出した「論述式テスト清書」(必要に応じて添削やコメントを加えておく)を返却、 引用のための資料を配布する。学生は、実習11に取り組む。学生は順次「注の内容と参考文献のリスト」 を教員に提出。教員は余裕があればその場で添削、コメントする。 <2回目>(コンピュータ教室を使用) 用意するもの:前回学生が提出した「注の内容と参考文献のリスト」(必要に応じて添削やコメントを加 えておく)、愛知東邦大学レポート様式のサンプル (1)実習:個人指導(時間は学生による) 教員は前回学生が提出した「注の内容と参考文献のリスト」 (必要に応じて添削やコメントを加えておく) を返却する。学生は、前回配布した教材p.4「実習12」に取り組む。できた学生は順次、コンピュータ印刷 をして教員に提出。教員は余裕があればその場で添削、コメントをする。 3.おわりに 以上は筆者が作成した教案である。 このように、まず型を教えることに批判もあるだろう。文章を書く上で最も重要なのは内容だ、学問的 な素養がなくてはならない、型を学ぶと個性がなくなる、など。しかしながら、筆者の考えでは、内容を 深めることは短期間では無理であるし、学問的な素養はこれから専門課程でしっかり身につけてほしい。 また、個性的な文章を志向するにしても、基本を知った上であえて基本から外れるのと、基本を知らない のとでは違うだろう。実際、いくつかの基本ルールを学んでから学生が書き直した文章は、格段に読みや 105 すいものとなった。 今回の試みはまだ1年目である。今後も継続して文章指導を行って、よりよい指導ができるよう努めたい。 4.資料編(教材) 総合演習(竹越)2009 Spring Semester Schedule Week Date Topic Theme 1 ガイダンス 授業の計画と成績評価 4/10 22nd, May, 2009 Assignment (何が学術的文章か) 2 4/17 3 4/24 4 5/1 授業の感想 感想は何のために書くのか? 5 5/8 論述式テスト 学術的文章の構成 構想シート 6 5/15 学術的文章の基本ルール 下書き 7 5/22 何が学術的文章か、学術的文章でよ 清書 く使われる表現 (B5解答用紙) ゼミ志望理由票 他人に好感を持たれる文書とは? 構想シート 下書き、清書 授業の感想 (B6解答用紙) (B5解答用紙) 8 5/29 授業の課題レポート 注と引用と参考文献の作法 下書き (A4原稿用紙) 9 6/5 コンピュータを使ったレポート作成 B202 10 6/12 清書 (コンピュータ印刷) 自由課題レポート テーマの見つけ方 構想シート [テーマ] 11 6/19 参考文献の探し方(書籍・論文篇)a 図書館 12 6/26 構想シート [参考文献] 参考文献の探し方(書籍・論文篇)b 図書館 構想シート [参考文献] 13 7/3 14 7/10 レポート作成実習 15 7/17 レポート作成実習 休講(出張のため) 構想シート [構成] 補講日: 後に連絡 成績評価;出席点60点(4点×15回)+提出物40点 106 レポート 第1講 さまざまな文章 ――なにが学術的文章か―― 第2講 「ゼミ志望理由票」の書き方 ――他人に好感を持たれる文書とは?―― 作業1 そもそも何が学術的文章かを整理しておきましょう。 作業2 20枚の「ゼミ志望理由票」を読んでベスト3を選ぼう。 1から12の文章は、私的な文章か、公的な文章か、また公的な文章の場合は学術的な文章か、学術的 1.下のようなシラバスを書いてゼミ員を募集したところ、あなたのゼミを志望する学生が20人いま な文章ではないか、それぞれ1ヶ所に○を書きなさい。 した。20枚の「ゼミ志望理由票」を読んで3枚を選んで下さい。制限時間は5分です。 2.全員の結果を集計して、優秀「志望理由票」を3枚選びます。この3枚はどのような点がよかっ たのか、考えてみましょう。 いろいろな文章とその性格 3.この3枚は竹越さんが好感をもった志望理由票と同じだったでしょうか? 公的文章 私的文章 学術的でない 学術的文章 シラバス 1 . 友達への手紙、メール 2 . 自分で自分に書く日記 3 . ブログ 4 . 読書感想文 5 . 新聞の読者投稿欄への投稿 テーマ 誰でもできるレポート ゼミ概要(内容、目的) レポートが書けないのは自分の能力が足りないせい――と思っていません か?実は、レポートに能力は関係ありません。重要なのは作法と技術であ 6 . 大学推薦入試の小論文 り、できないのはそれを知らないからです。このゼミではレポートの書き 7 . 海外研修後のレポート 方、プレゼンテーションの資料の作り方を基礎から指導します。材料を集 8 . ゼミ志望理由票 めて、「レポート(プレゼンテーション)構想シート」に記入していけば、 9 . 授業中に提出する感想 誰でも一定の決まりを守ったわかりやすいレポートが作成できます。 10. 論述式テスト ここで覚えたレポートの技術は、専門演習に進んだときはもちろん、就職 11. 授業の学期末レポート 活動や一般社会でも有用なものです。 12. 卒業論文 ゼミ運営 →つまり自由に書いてよい。 公的文章=不特定の多数の目に触れることが前提。 センスや個性が重視されることも多い。 学術的文章=非常に厳格なルールがある。 原則として自分の意見を述べる場合は客観的 、 、 学習上の留意点 タイトルの通り、「誰でもできる」のですが、やる気がない人はできませ (授業を受けるにあた ん。 っての心構えなど) →だからある程度の節度と常識を持って書く。 ( 実習形式で、各自が実際にレポート作成に取り組みます。 (ゼミの進め方) 私的文章=自分しか読まない。または特定の人しか読まない。 テキスト・参考図書 こちらで用意します。 成績評価を含めた担当 指導したとおりに課題をひとつずつこなしていけば単位が取れます。 者からのメッセージ レポートに自信はないけどなんとかしたいと思っている人、少し自信はあ などが必要)に書く。 るけどもっと効果的なものにしたいと思っている人、すでに自分のテーマ →ルールさえ守ればセンスは不要。 を持っていてそれを他人にうまく伝えたいと思っている人にはいいと思い (これからこの演習で学ぶのは主として学術的文章。 ) ます。 ☆★ワンポイントアドバイス「個性の出し方」 基本 「伝えよう」という思いが大事! 「志望理由票」は公的な文書とは言っても、学術的な文書(研究レポート、卒業論文など)とも違い、個 人的なものです。したがって主観的、個性的な部分も必要です。一般論だけではなく、自分だけに当ては ゼミ志望理由票を書く目的は、言うまでもなく、ゼミに採用してもらうことです。そのためには まる志望理由を書きましょう。 「自分はこのゼミに入りたい」という気持ちを伝えなくてはいけません。「志望理由票を書かないと入 れないから仕方なく書く。」といった態度は読む人に伝わってしまうものです。逆に自分から進んで ・個性的といっても、人と変わったことを書けばいいのではない。 楽しみながら書いたものや、下手でも一生懸命に書いたものは必ず読み手に伝わります。 ・自分自身のことを少し盛り込む。 (やりすぎは禁物) ・自慢話より失敗談(志望理由に結びつくもの) 。 ☆★ワンポイントアドバイス「基本的なルール」 ☆★ワンポイントアドバイス「下準備をしよう」 「ゼミ志望理由票」はあくまでも公的な文書です。私的な文書(友達への手紙、メール、日記、小説など) と違い、公的な文書には基本的なルールがあります。それは「書き方の技術」とも言えるもので、公的な どんなに簡単な文章を書くにしても公的な文書である場合には下準備が必要です。かかる時間は下準備 文書を書く際には必ず守らなければなりません。基本的なルールには以下のような特徴があります。 ( )割、清書( )割と言われています。 ・誰でも身につけることができる。 ・文章を書く上での基本的な決まり事。 実習1 シラバスの要点をつかむ(相手を知る) ・知っているかどうか、守っているかどうかで読みやすさが格段に違ってくる。 ・あなたの文章に対する評価はこれに大きく左右される。 練習1 1.[ [ 2.[ [ 3.[ [ 4.[ [ シラバス(資料1)を読んで重要だと思うところ、読んで自分が心引かれたところに赤ペンで下線 を引きなさい。(3カ所以内) 「志望理由票」の書き方について正しい方に○をつけましょう。 ]鉛筆で書く。 ]インクで書く。 ]文末表現をそろえる。→この場合は( 実習2 結論を確認する )調。 ]文末表現は気にしない方が自由な感じでよい。 実習1で赤線を引いた部分の要約を「志望理由票構想シート」の(2)に記入しなさい。 ]枠があるときは枠内にできるだけたくさん書く。 ]書く分量はあまり多すぎない方がよい。 ]段落は分けなくてよい。 ]段落は分けた方がよい。 ( 練習2 実習3 本論に書く材料を集めよう )段落ぐらいか? 空欄に入る適当な語を考えましょう。 1.第一人称(自分自身について)は( 2.いきなり書き始めるのではなく、 ( 志望理由に結びつく自分の考え、個性(長所、短所)、経験(成功、失敗談など)などを2個また は3個考えて「志望理由票構想シート」の(1)に書きましょう。 )を使うのがよい。 )を考えて、( )をしてから書く。 実習4 構成を考えよう 「志望理由票構想シート」に書いた材料のうちから、実際にとりあげる項目を選びます。(1)から 1個または2個、(2)から1個または2個選んで□にチェックを入れなさい。(1)から選んだ項目と(2) から選んだ項目に関連があることを確認しましょう。これで「志望理由票構想シート」は完成です。 *「志望理由票構想シート」を提出* 107 志望理由票構想シート 実習5 下書きをしよう 記 入 日 年 月 日 年 月 日 各自が作成した「志望理由票構想シート」をもとにして、「下書き用紙」に鉛筆で下書きをしまし ょう。自分が一度書いた志望理由票に「志望理由票構想シート」に書いた材料を加えるだけでも、一 氏 名 から書き直しても構いません。 書くときには以下のことに注意しましょう。 □ ・ <志望の理由>と書いた行には書かない。次の行から書き始める。 ・ 必ず最後の行まで書く。 ・ 2∼3段落にする。 ・ 段落の始まりは必ず1字分空ける。 ・ 自信のない漢字、言葉は必ず辞書で確認する。 (全体の評価が大きく左右されます。 ) □ *「下書き」を提出* (1)本 論 実習6 清書をしよう □ 下書きを見ながら黒インク(万年筆かボールペン)で丁寧に書きます。間違えたら修正液(修正テ ープ)などで直します。3カ所以上間違えたら全部書き直すのが無難です。 *「清書」を提出* まとめ 「ゼミ志望理由票」の書き方 □ 筆記用具は? 書く量は? 文末表現は? □ 段落は? (2)結 論 一人称は? 下書きは? □ 注意点は? 第3講「授業の感想」の書き方と活用法 ――感想は何のために書くのか?(教員が読みたい感想とは?)―― 授業の感想の基本 自由に、でも自分のために書こう! 授業の感想は、あくまで「感想」ですから、正解も間違いもありません。自分の感じたことを自由に気 作業3 授業の感想にさまざまなタイプがあることを知ろう。 楽に書いて構いません。 ところで、教員はなぜ授業の感想を書かせるのでしょうか。実は、授業の感想を書いて提出することは、 1.第2講の感想を自由に書いて下さい。 教員の側に大きなメリットがあるのです。本講では、自分のために授業の感想を書くことを勧めます。せ 2.各自が書いた感想にⅠ∼Ⅳの記号をつけて、集計して返却します。 っかく書くのですから、その日の授業の復習として、のちのちテストやレポートの役に立てましょう。授 3.書かれた感想で一番多かったのはどのタイプか、Ⅰ∼Ⅳの記号の意味は何か考えて線でつなぎま 業終了後の1分でできるので、感想を提出しない授業でも自発的に書くことを習慣にしたいものです。 しょう。 Ⅰ ・もっと知りたいこと 練習3 Ⅱ ・わかったこと 教員が感想を書かせる理由 1.( )の代わりに使う。 2.自分の授業に対する学生の( Ⅲ ・感想、意見 3.( 4.思いがけない( Ⅳ ・わからなかったこと 6.時として( キーワード )を得る。 5.ただ単に読むのが( 練習4 愛知東邦大学2009年度シラバスから コメントカード 感想レポート 2.書く量は? ビデオ感想 毎回の感想 3.文末表現? 毎回のミニレポート 講義の都度に行うリアクションペーパー 当日のテーマにそった小レポート 4.段落は? 毎授業後に提出する授業内容の要約 毎回の授業で行うショートレポート 毎回のミニレポートによる出席点 5.一人称は? 6.下書きは? 7.注意点は? 108 )。 )になる。 感想のルール 1.筆記具は? 感想文 )を見る。 )が不足した点を知る。 (第4講別紙) 実習7 点線で切り離して実習4で使用する 第2講のノート(次頁資料1)を見て、黒以外のペンで 1.「よくわかったこと、おもしろかったこと、なるほどと思ったこと」に◎を書きなさい。 A ちびまる子ちゃん 2.「よく理解できなかったこと」に波線と?を書きなさい。 (4コマ漫画をばらばらにしたもの:著作権の関係で不掲載) →[ ]になる! 3.余白に「もっと知りたいと思ったこと」を書きなさい。 →[ ]になる! 4.上記1∼3をもとに、もう一度「第2講の感想」を書こう。 *「第2講の感想」を提出* B 名探偵コナン C 古畑任三郎 [ ]論:意外な犯人! [ ・その結果、犯人は意外な人物であることがわ [ ]論:犯人はやっぱり! ・その結果犯人は松嶋菜々子と考えることが正 かる しいとわかる ]論:コナンが推理する [ ]論:事件発生! ・いろいろな可能性を考える ・犯人は松嶋菜々子だ ・多面的に検証する ・観客に犯人が知らされる [ ]論:事件発生! [ ・犯人は誰だ? ]論:古畑が推理する ・いろいろな可能性を考える ・多面的に検証する 第4講 論述式テストの答え方 ――学術的文章の構成―― B 名探偵コナン[ ] (『劇場版名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』2006年小学館より) 作業4 文章の構成にさまざまなタイプがあることを知ろう 1 1.別紙A,B,Cの漫画、説明を1コマずつ切り離して正しい順番に貼り付けましょう。 2.それぞれのタイプの特徴について考えましょう。学術的文章の構成としてもっともふさわしいの 漫画 はどのタイプでしょうか。 A (著作権の都合で不掲載) 2 ちびまる子ちゃん[4コマ漫画] (中日新聞2009年3月29日朝刊より) 起 :物語が始まる 1 3 C 古畑任三郎[ ] (フジテレビ webpage 古畑任三郎ファイナル「ラスト・ダンス」より) 2 [ ]:物語が続く 1 webpage上の写真 (著作権の都合で不掲載) 3 [ ]:話題が転換する 4 [ ]:物語は意外な結末に 2 3 109 論述式テストの基本 1.講義の内容が理解できていること 2.問題文の指示に従うこと 3.単純な構成にすること 実習8 論述式テストで次のような問題が出されました。 学術的文章の構成はどうあるべきか。 「本格ミステリー」 「倒叙ミステリー」を例にあげて具体的に説明しなさい。 論述式テストは、講義の理解度を見るためのものですから、まず講義の内容が理解できていること が大切です。そこに書くことは、講義された内容であって、自分の意見を述べるのではありません。 (「自分の意見を述べよ。 」というタイプの問題の時は別。 ) 問題文をよく読んで、構成を考えてから書き始めましょう。 上の問題に解答する準備として「論述式テスト構想シート」を完成しなさい。 1.記入日、学籍番号、氏名を書く。 ★☆ワンポイントアドバイス 論述式テストの構成 2.(1)に、第一段落に書くこと(=結論)を簡単に書きなさい。 3.(2)に、第二段落に書くことを書きなさい。 序論:何について述べるのかを述べる。 4.(3)に、第三段落(=(1)に書いたこと)を書きなさい。 または、結論を一言で述べる。 (量の目安は1割) * 「論述式テスト構想シート」を提出 * 本論:説明や理由などを詳しく書く。 (8割) 実習9「論述式テスト構想シート」をもとに下書きをしなさい。 結論:もう一度結論を繰り返す。 (1割) 1.解答用紙を見て第一段落、第二段落、第三段落がどれぐらいの量になるかを考える。 練習5 2.必要に応じて構想シートにない内容や接続詞を補う。 論述式テストの基本ルール 3.筆記用具は自由。 1.筆記具は? * 「下書き」を提出 * 2.書く量は? 実習10「下書き」をもとに清書をしなさい。 3.文末表現? * 「清書」を提出 * 4.段落は? 5.一人称は? 6.下書きは? 7.注意点は? 第5講 授業の課題レポート ――注・引用・参考文献の作法―― 論述式テスト構想シート 記入日 年 月 日 年 月 日 対象となる文章:授業の課題レポート (あらかじめ課題が決まっているもの。 氏 名 学籍番号 課題が自由な場合については第6講で学ぶ。 ) (1)第一段落 (序論) ゴール:前講で各自が作成した論述式テストの解答に注、引用、参考文献を加えて授業の課題レポートと 学術的文章の構成は、 して提出する。 (=結論) 作業5 論述式テスト(テスト時間内に完成させるもの)と授業の課題レポート(締め切りまでに 物語の例 完成させて提出するもの)の違いは何でしょうか? 空欄を埋めなさい。 本 格 ミ ス テ リ ー 構 成 論述式テストと授業の課題レポートの違い 論述式テスト 授業の課題レポート インク おすすめは 又は鉛筆 ( ) ( )の大きさに合わ ( )される。 せる 「レポートひな形で○枚以内、以上、 特 徴 1.筆記用具 (2)第二段落 (本論) 物語の例 2.書く量 倒 叙 ミ ス テ リ ー 程度」、または「ひな形を使って○字 以内、以上、程度」など。 構 成 3.下書き メモ程度。 ( )に向かう前に全体 下書きと清書の時間配分を決めるこ の構成を考えてメモしておく。 とが重要。 特 徴 4. ( ) 不要。 あると効果的。 本格的なレポート・卒論には必ず必要。 5. ( ) (3)第三段落 6. ( (結論) (=(1)を繰り返す) 110 ) 練習6 レポートの作法 ――、引用、参考文献 授業の課題レポートの基本 1.講義の内容が理解できていること 2.問題文の指示に従うこと 3.単純な構成にすること 4.注、引用、参考文献を明示すると効果的 →テーマに関して「自分で調べた」証拠になる 1.注 ねらいは何? どうやって書くの? ・読みやすくなる。 ・ページの下に書く ・時間のない読者は飛ばせる。 ( )と文末に書く →( ) ( )がある。 とも言う。 2.引用 授業の課題レポートは、講義の理解度を見るためのものですから、まず講義の内容が理解できてい ・ワードの機能を使うと驚くほど簡単。 ・レポートに書いた内容をもっとも だと思ってもらうために使うテク ることが大切です。そこに書くことは、講義された内容であって、自分の意見を述べるのではありま →( ) せん。(「自分の意見を述べよ。 」というタイプの問題の時は別。 ) 注、引用、参考文献をつけると、テーマに関して調べたという努力が伝わり、評価されます。 や( ) 問題文をよく読んで、構成を考えてから書き始めましょう。 とは全く違う。 3.参考文献 ニック。 ・他の書物などに書かれていることを そのまま写す場合と要約する場合が ある。 ・( )性が高まる。 ・どの本の何ページに書かれているか ・どれだけ勉強したかを示す。 ・著者名の五十音順。 を明記する。 ・まずここから読み始める教員も多 ★☆ワンポイントアドバイス <レポートの構成> →( ) い。 とも言う。 本文 序論:何について述べるのかを述べる。 または、結論を一言で述べる。 (量は本文の1割) 本論:説明や理由などを詳しく書く。 (8割) 実際のレポート執筆においては、どのような注をつけるか、どの本から引用するか、どのようにして参考 結論:もう一度結論を繰り返す。 (1割) 文献を探すかということが最も重要な作業です。(以上については第6講で学ぶ。)ここでは、それらは飛ば 注 して、具体的な作法を学びます。 本文の展開に直接関係ない事項、本文に書くとごちゃごちゃしそうなとき、用語の解説などをし たいときに使う。 参考文献 レポートの最後に、このレポートを書くにあたって参考にした本などを書く。 注の内容と参考文献のリスト 実習11 授業のレポートで次のような課題が出されました。同じテーマで書いた論述式テストの答案 [清書]に注、引用、参考文献を加えてコンピュ―タで印刷して提出しなさい。 年 月 日 記入日 学術的文章の構成はどうあるべきか。 年 月 日 氏名 学籍番号 「本格ミステリー」 「倒叙ミステリー」を例にあげて具体的に説明しなさい。 レポートひな形で1枚以内とします。 1.論述式テストの答案[清書]中の「学術的文章」「本格ミステリー」「倒叙ミステリー」に注番号 (1) 学 術 的 文 章 レポートや卒業論文のこと。学習技術研究会(2006:105)によれば、 (2) 本 格 ミ ス テ リ ー 権田(2000:326)によれば、 レポートとは、「調査や研究の結果わかった事実と、それに基づく自分 の意見をまとめた報告書」。 をつけます。これらの言葉が初めて出てきた場所の右肩に、赤ペンなどで1)、2)、3)と記 入しなさい。 注の内容 2.「注の内容と参考文献のリスト」を完成しなさい。 2-1.記入日、学籍番号、氏名を書く。 著者名(出版年: 2-2.例にならって、「注の内容」を書く。今回は注をつけた語句の説明が注の内容になる。資料 引用したページ) から引用(つまり写す)もしくは要約する。資料のどの部分を引用(または要約)するか は自由。 2-3.例にならって「参考文献リスト」に『海外ミステリ―事典』を加える。 (3) 倒 叙 ミ ス テ リ ー *「注の内容と参考文献のリスト」提出 * 実習12 サンプルを参考にして、以上をコンピュータに入力します。 * 印刷して提出 * 学習技術研究会(2006)『知へのステップ改訂版』、くろしお出版、東京。 参考文献リスト 著者名(出版年) 『書名』、出版社、 出版地。 受理日 平成22年 4 月 2 日 111 112
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