の成立要件として、「自然法則を利用したもの」

韓国特許法院主要判決(要旨)
№711 特許法第 2 条第 1 号の「発明」の成立要件として、
「自然法則を利用したもの」の
意味
2010.8.13 宣告 事件番号 2009-9655 登録無効(特)
判示事項
特許法第 2 条第 1 号の「発明」の成立要件として、「自然法則を利用したもの」
の意味
判決要旨
ア)特許法第 2 条第 1 号は、自然法則を利用した技術的思想の創作として高度なものを「発
明」として定義しているので、出願発明が自然法則以外の法則、人為的な決定又は約束、
数学公式、人間の精神活動にあたる、或いはこれを利用しているなど自然法則を利用した
ものではない場合には、同法第 29 条第 1 項本文の「産業上利用することができる発明」
の要件を満たしていないことを理由として、その特許出願を拒絶しなければならない。出
願発明が自然法則を利用したか否かは請求項全体として判断しなければならないので、請
求項に記載した発明の一部に自然法則を利用している部分があっても請求項全体として
自然法則を利用していないと判断される場合には特許法上の発明にあたらない。
イ)本事件特許発明は、一部試験の種類が特定されているが全体的には単純に各試験段階で
対象設備に問題があるか確認するという程度で各試験段階が包括的に特定されているだ
けで各試験段階においてどのような対象設備をどのような手順と方式で試し、信頼し得る
試験結果が得られるのかを具体的に特定されておらず、試験を遂行する人の経験とノウハ
ウによって対象設備に対する試験結果が変わってしまい、誰もが同じ試験結果を得ること
は難しいと思われるので、結果として本事件特許発明は建物のシステムを試す試験者の精
神的判断及び人為的決定に過ぎず、自然法則を利用したものではない。
参照条文 特許法第 2 条第 1 号、第 29 条第 1 項
参照判例 大法院 2003 年 5 月 16 日宣告 2001-3149 号判決
大法院 2008 年 12 月 24 日宣告 2007-265 号判決