発明の新規性喪失の例外規定(特許法第 30 条) 日本の特許制度においては、特許出願より前に公開された発明は原則として特許を受けることはできません。 しかし、特定の条件の下で発明を公開した後に特許出願した場合には、先の公開によってその発明の新規性 が喪失しないものとして取り扱う規定、すなわち発明の新規性の喪失の例外規定(特許法第 30 条)が設けられ ており、発明者自身(特許を受ける権利を有する者)の行為に起因して新規性を喪失するに至った場合、その日 から 6 ヶ月以内に出願すれば救済措置が受けられます。 本年 4 月 1 日から施行された改正特許法により、同規定の適用対象の範囲が次のとおり拡大されました。 他方、内外国特許庁への出願行為に起因して特許公報等(内外国特許庁が発行する特許公報、実用新案登 録公報等)に掲載されて新規性を喪失した発明は、適用対象とならないことが明確化されました。 改正前制度下での適用対象(限定) 改正後の制度下での適用対象(限定なし) ○試験の実施 ○試験の実施 ○刊行物への発表 ○刊行物への発表 ○電気通信回線を通じての発表 ○電気通信回線を通じての発表 ○長官指定の学会での発表 ○集会での発表 ○特定の博覧会での展示 ○展示 ○販売、配布 ○記者会見 ◆発明の新規性喪失の例外規定の ○テレビ・ラジオでの発表 等 適用を受けるための手続的要件 (1) 権利者の行為に起因して公開された発明の公開日から 6 月以内に特許出願すること。 (2) 特許出願時に発明の新規性喪失の例外規定の適用を受けようとする旨を記載した書面を提出すること。 (3) 特許出願の日から30日以内に、発明の新規性喪失の例外規定の適用の要件を満たすことを証明する 書面を提出すること。
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