室 内 展 示 場 のご案内 2015. 11. 09 彫刻の森美術館には、5つの室内展示場があります。 本館ギャラリー 「淺井裕介−絵の種 土の旅」展 2015年9月19日(土)∼2016年2月28日(日) 現代の新しい表現を紹介するシリーズ企画の第6回として、「淺井裕介−絵の種 土の旅」展 を開催します。 淺井裕介(1981年生まれ)は、身の周りのものを素材として絵を描く作家です。 その手法は、制作地で採取した土と水で描く〈泥絵〉シリーズや、壁にマスキングテープを植 物のように貼り、その上にマーカーペンで描いていく〈マスキングプラント〉シリーズなどが あります。人や動物、植物をモティーフに、空間全体を大きなキャンヴァスとして、無数の小さな生命が息づく世界をダイナミックに表現しています。 本展では、巨大な木の根をイメージしたインスタレーション作品や大型パネルによる泥絵作品などを、空間を彫刻するように展示します。淺井の紡ぎ 出す小さな物語がそこかしこに散りばめられ、神話的ともいえる世界観を体感できる、またとない機会となります。 緑陰ギャラリー 『笹口悦民写真展 無言の恍惚』 2015年11月21日(土)∼2016年2月14日(日) このたび彫刻の森美術館では、 ドラマチックな表現力で幅広い分野において第一線で活躍する写真家、笹口悦民の世 界を紹介する展覧会「笹口悦民写真展 無言の恍惚」を開催いたします。 笹口悦民(1970年北海道生まれ)は、大学在学中に編集部でのアシスタントを経て、その後、写真家の安部英知氏に師 事。1995年に写真家として独立。以後、ファッションや広告の分野を中心に活動の場を広げてきました。その一方で、物 語性をはらんだ笹口独特の世界観のある作品も発表しています。その硬質でいながらも滑らかな写真表現は、各方面で 高く評価されています。本展では笹口の写真190点と3点の映像作品を〈気配〉 〈質量〉 〈透明〉 〈輪郭〉 〈距離〉の5つの カテゴリーに分けて展示します。写真は2点をつなげて1作品として観ていただ きます。 笹口悦民は、多くを語らない。物静かな写真家だ。 そして、そんな笹口の撮る写真もまた、過剰なメッセージを発してはいない。 写真と言葉を同時に観ることで、視覚体験は思考に展開されます。 ドラマチックなライティングを得意とし、多彩な光に満ちている写真でさえ、 タイトルの「無言の恍惚」は、多くを語らない写真家・笹口からのひそやかなメッ その佇まいはどちらかと言えば静かで穏やかだ。 セージであり、来館者は、笹口の撮影体験を5つの言葉を通して追体験すること ができます。会場を巡りながら、写真との対話をお楽しみください。 熱すぎない。でも決して冷めているわけではない。 平熱感とも言うべきフラットな感性によって切り出される世界は、 セクシーであると同時にどこかポジティブな空気を静かに放っている。 物言わぬ光という言語との対話に、観る者の体温は少し上がる。 マルチホール What’ s Sculpture? 彫刻って何だろう? 会期:2015年5月23日(土)∼ マンズールーム 美術館には、いろいろな彫刻があります。木を彫ったもの、金属でできたもの、人の形をしたもの、何の形 イタリアの彫刻家ジャコモ・マンズー かわからないもの、楽しそうなものから恐そうなものまで。これらはすべて、彫刻家が精魂こめて作った作 の 「死の扉」 習作12点を常設展示してい 品です。 さあ、「素材」「形」「空間」の3つのテーマで彫刻を見ていきましょう。それぞれのテーマから ます。 作品に近寄ってみると、今まで気づかなかったことが見えてくるかもしれません。 アンソニー・カロ《モロッコ人たち》 『彫刻ってなんだろう?』の答えが見つかるかもしれませんよ。 近代彫刻にみる革新∼コレクションより∼ 会期:2015年5月23日(土)∼ ウンベルト・ボッチオー二《空間の中の一つの連続する形》、シャルル・デスピオ 《アッシア》、アメデオ・ モディリア−二 《頭部》、コンスタンティン・ブランクーシ《接吻》、アルベルト・ジャコメッティ《腕のな い細い女》、メダルド・ロッソ《病院の病める男》、ヘンリー・ムーア 《着衣の横たわる像》など近代彫刻の コレクションより13点を展示します。 コンスタンティン・ ブランクーシ《接吻》 ピカソ館 『ピカソ・コレクション』 ピカソ館は、20世紀を代表するスペインの芸術家パブロ・ピカソの作品を専門にご覧いただくために1984年に日本で初めて開 館しました。ピカソが65歳から熱中して制作した陶芸作品を中心に多彩な所蔵作品300点余りを順次公開しています。 アートホール さンカく 『じぐ ザグ △ ワーるド』 会場の中心に展示されている、赤い大きな作品《オクテトラ》。 アメリカの彫刻家イサム・ノグチは、日常の遊び場にアートを持ち込み、こども たちに夢を与えるために数多くのプレイスカルプチャー(遊べる彫刻)を制作しました。 《オクテトラ》は、イサム・ノグチが制作したプレイスカ ルプチャーで最も知られたものです。ギリシャ語の8=オクトと4=テトラを組み合わせて《オクテトラ》と名付けられたこの作品は、六角形の 面4つと三角形の面4つをあわせた八面体の彫刻で、中に入って登ったり、くぐったりすることができます。 「じぐザグ △ ワーるド」は、 《オクテトラ》から生まれたかたちをもとに、自然のかたちも取り入れながら会 さンカく 場全体をひとつの図形として作り上げました。たくさんのポールには山形に赤色と黄色がペイントされ、まる で森の中にいるような気持ちになります。三角形のクッションは《オクテトラ》から飛び出したかたちのよう に見えます。どこで遊ぶのか、どうやって遊ぶのかは子どもたちの自由です。様々な遊びの中から、空間に隠されたおもしろいかたちに出合って ください。遊具とも建築とも、アートとも言えるこの場所は、子どもたちが遊びながらアートを発見できる〈彫刻的空間〉です。
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