情報提供資料「米国大統領選挙結果を受けた弊社運用責任者の見解」

ご参考資料
(投資環境レポート)
2016年11月10日
マニュライフ・アセット・マネジメント株式会社
米国大統領選挙結果を受けた
弊社の運用担当者見解(速報)
11月8日の米大統領選挙で、ドナルド・トランプ氏が正式に第45代米国大統領に選出されました。この結果は
市場に驚きを与えました。トランプ政権の誕生は、米国経済と市場にどのような影響をあたえるのかについて、
弊社の運用担当者の見解をお伝えします。
■ グローバル株式 (グローバル株式戦略 リード・ポートフォリオ・マネージャー ポール・ボイン)
トランプ大統領選出の結果を受けた市場の動きは、株価の下落と米ドル安が進んで行くと考えられます。また
今後、FRB(米連邦準備制度理事会)が12月に利上げを行うのかどうかが不確実になってきた中で、金価格は
上昇する一方、債券利回りは下落することになると考えます。
重要なポイントは、そのような米ドル安や世界株式市場の下落が、それぞれにとって投資機会となり、債券の
売り場となるのか、あるいは、ひどい投資環境の始まりとなるのかということです。
しかしながら、トランプ政権の政策が具体化するには時間がかかるため、状況がはっきりするまでにはしばらく
かかるでしょう。
私たちは、長期的な視点でファンダメンタルズを重視する投資家であり、足元のマクロ環境を鑑みるに、投資
判断を急ぐ必要はないと考えます。
短期的には、市場は過剰反応を起こすことになりそうですが、私達は長期的な視点を継続し、かつ、今回の
結果が、市場を疲弊させてきたボラティリティと不確実性に拍車をかけることになることに注視していきます。
■ 米国株式 (米国コア・バリュー・株式チーム リード・ポートフォリオ・マネージャー サンディ・サンダース)
今回の結果は、市場に驚きとショックを与えることになるでしょう。株式市場が短期的に下落すると予想すること
は妥当だと考えます。短期的な混乱や米国の景気後退の可能性はおそらく上昇するでしょう。
そうは言っても、長期では、ファンダメンタルズが株式市場のパフォーマンスを牽引するということを忘れては
いけません。より広く言えば、投資の世界における勝者と敗者は、米国議会のパワーバランス、統治と立法
能力によって決定されようとしています。
今後、保護貿易主義の進展や、海外利益を本国に送金するのに有利となる規制緩和や減税が行われる可能
性がある中で、多国籍企業や海外展開に積極的な企業を含む業種に注視していきます。
市場では、ボラティリティの高まりと混乱が予想される中で、持続的な競争優位性があり、キャッシュフローを
創出する能力を持つ堅実な企業に、投資機会を見出すことができると思います。
当資料に関する留意事項については、最終ページを必ずご覧ください。
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(投資環境レポート)
■ 新興国株式 (・グローバル・エマージング株式部門ヘッド キャサリン・ラングリッジ、
・グローバル・エマージング株式部門、シニア・ポートフォリオ・マネージャー フィリップ・エルマン、)
私たちは、トランプ氏の勝利が金融市場だけでなく、世界の貿易を不安定にする影響を与えると考えています。
同氏の選出結果は、リスク回避行動が取られる出来事としてみなされ、新興国市場(特にラテンアメリカ、
中国)に大きな影響を与えることになるでしょう。多国籍企業への影響も大きいと考えられます。
大統領選挙中の公約から判断して、トランプ氏の貿易に関する方針は保護貿易主義であると捉える人も
います1。
もし、貿易に関するトランプ氏の公約が将来の政策に反映された場合、かつて貿易戦争や通貨戦争で見られ
たような状態に回帰する可能性があります。
トランプ氏は、借金を好む点について選挙中に頻繁に言及しました2。その観点から赤字の拡大となる財政 刺
激策が同氏の政策を特徴づけるものになる可能性もあります。
全体的には、トランプ氏の選出は、エマージング株式市場へネガティブな影響をもたらすと考えます。しかしな
がら、ボトムアップ、長期的な視点でファンダメンタルズを重視する投資家として、私たちはボラティリティが
高まることで投資機会が生まれると考えます。特に、メキシコの堅実な企業には注視していきます。
■ グローバル債券市場 (・グローバル債券部門ヘッド ダニエル・ジャニス、
・グローバル債券部門 シニア・ポートフォリオ・マネージャー トーマス・ゴギンズ )
私たちは、トランプ氏が直前予想では劣勢であったことから、今回の結果が市場に驚きを与え、短期的には
市場のボラティリティが高まると考えています3。
私たちは、長年にわたりメディアを通じて培養されてきた新大統領の破天荒な人格が市場に緊張をもたらし、
短期的にボラティリティを高めることになると考えます。選挙期間中、同氏は公約として減税、主要な貿易協定
の見直し、インフラ投資の拡大などを掲げました。しかし、財政、貿易、税制の制度改革は数四半期、ましてや、
成立までには数年程度かかる可能性があります。したがって、現時点で金融市場に対する長期的な影響を
予測することは困難です。
マクロ的な観点からは、トランプ政権が、中長期で、より高い金利、ドル高をもたらすと考えます。
■ アジア債券市場 (アジア債券部門 チーフ・インベストメント・オフィサー アンドレ・ペダーセン)
市場は今回の選挙結果を織り込んでいませんでした。短期的には市場の不確実性が高まることによって、
リスク資産を売却し、質への逃避が起こると考えています。
リスク回避の反応は新政権がどのように運営されるのか不透明であることからきています。しかし、米国の
貿易政策は、より保護主義的なものになる見込みであることから、米国内や世界の成長性に中長期にわたり
大きな影響があると考えています。この結果を受けて、12月の利上げの可能性は低くなったと考えます。安全
資産へ資金が殺到する状態においては、ベータ値が高いアジア債券を含むエマージング市場全般で資金が
流出する可能性があります。一方、長期的には、アジア経済へのエクスポージャーをとることは、引き続き良い
ことであると考えています。
出所:
1:Wall Street Journal: Donald Trump Lays Out Protectionist Views in Trade Speech, 2016年6月28日
2:CNN Money: Donald Trump: ‘I’m the King of Debt’, 2016年5月7日
3:BBC News: Us Election Poll Tracker: Who Is Ahead – Clinton or Trump?, 2016年11月8日
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