受験はドラマだっ! PART3

DIPL 通信(ホームページで配信中 http://dipl.jp)
平成 25 年 3 月
No.107
DIPL 通信 No.107 号をお届けします。
今年は例年以上に寒さが厳しいからでしょうか、やけに冬が長いような気がします。例年通りインフルエンザも流行
り、家族の方がインフルエンザにかかったという話を受験生から聞くたびに、「頼むから受験まではかからないで!」と
願う日々です。私もマスクは二枚重ねにし、手洗いは一日に 10 回以上しています。まだまだ気は抜けません。皆様も
万全の対策を心がけてください。
これを書いているのは、私立大学受験の真っ只中で、もうあと少しで都立受験/国公立大学受験という時期です。私
も正直、心身ともに一年で最もキツい時期です。大学受験の過去問を解き、作文や論述問題の添削をしながら、皆さ
んの合格を願う日々を送っているからでしょうか、ほぼ毎日誰かしらの夢を見ます。リラックスとは程遠い生活ですが、
その反面、個人的には一年で最もエキサイティングな時期で、塾講師という仕事の醍醐味を味わえる幸せな時期でも
あります。生徒の皆さんに感謝しなければいけませんね。と同時に、生徒の皆さんは、保護者の方が、日々の食事を
作ってくれたり、気を遣いながら話しかけてくれたり、何より、受験校に対して賛同してくれたことに対して感謝の気持ち
を忘れてはいけません。「あなたが受けたいところを受験しなさい」というのがどれだけありがたいものか。少し早いで
すが、私からもこの場を借りて感謝の気持ちを述べさせていただきます。ありがとうございました。
さて、今年も様々な「ドラマ」の中から一つ紹介させていただきます。
鷹の台校・立川校 大野慎介
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PART3
鷹の台校・立川校 大野慎介
この物語は、私が自信を持って勧められる推薦型大学入試のモデルケースです。後
輩の皆さんにも勉強面に関して、こういう高校生活を送ってもらいたいと切に願います。
今回のドラマはどちらかといえば「静」のドラマです。全ての受験が『ダイ・ハード』のような激しいものばかりだ
と、さすがに疲れてしまいますから(笑)
し っ た
今回の主人公は、中学・高校を通じて、私に一度も叱咤されることがなかった、極めて珍しい生徒です。しかも、
記憶違いがなければ、学校行事が塾当日にある場合と、風邪を引いた1回を除いて、一度も塾を休んだことが
ありません。まだ正式に卒業しているわけではないので、「今のところ」と言っておきますが、高3の1学期までは
皆勤でした。勉強で好成績を残している生徒に共通して言えるのは、勉強・生活共に「リズム」があることです。
そして、そのリズムが崩れるのを極端に嫌います。是非参考にしてください。
この生徒との出会いは、彼女が中学校3年生のときでした。実力はある程度あったのですが、知識の整理がで
きていないことと、理系科目が弱いことから、自分の学力に自信が持てないということで入塾しました。本人の自
覚通り、英語に関しては、なんとなく分かっているけれど、なぜそうなるのかの根拠がなく、数学は図形分野を中
心に理解不足な単元が多かったことを覚えています。ただ、その苦手を補って余りある努力ができるのが彼女
の勉強の才能でした。9月以降の受験対策講座では、特に文型科目において、前回の内容は確実に定着させ
てきており、二度同じ間違いをすることはありませんでした。そういう勉強を積み重ね、第一志望校に順当に合
格し、そのまま高校生になっても DIPL に通ってくれました。
高校生になると、学校で学習する科目が増えます。また、学習する内容も難しくなり、計画を立てて勉強するこ
とが、それまでよりもはるかに大切になります。彼女が高校生になったときにも、そういった話をし、定期試験で
高得点を取り、通信簿の成績(内申)を一つでも上げて、指定校推薦で大学に行くことを勧めました。大半の生徒
がそうだと思いますが、彼女もこの時点では、特に行きたい大学があるわけではありませんでした。それでも、大
学に行くには定期試験が大切であり、それには計画を立てて学習することが大切だということはしっかり理解し
てくれていたのだなと、今振り返ると嬉しくなります。
彼女は何でも器用にこなせるタイプではありません。むしろ、一つの単元を定着させるのに時間がかかるタイ
プです。ただ、その知識を理解し定着させる努力を惜しまないところが素晴らしいのです。過去 DIPL 通信で書い
た「ドラマ」の主人公のように、高校生活のどこかでスイッチが入り、劇的に勉強するようになったのではなく、高
校入学後の最初のテストから内申が決定する高3の1学期のテストまで一貫して、毎回の授業の予習・復習をし、
定期試験の前だけではなく、日常的に一定の勉強時間を確保するという勉強リズムを2年以上継続しました。
DIPL では、.高校1年生の後半までは学校の進度に合わせた文法対策の授業を行いました。ただ、その後は学
校の授業内容は自分で学習できるようになり、学校の授業内容で分からない部分や和訳できない部分のみを質
問し、DIPL の授業では、もし一般受験をすることになった場合に備えるため、また、英語力(文法・英文解釈等)を
上げることで定期テストに向けた英語の勉強時間を減らすために、独自のカリキュラムで授業を行いました。そ
の結果、英語に関しては、自他共に認める得意科目となりました(彼女はよほどのことがないと「得意」とは言わ
ない奥ゆかしいタイプです)。逆に、数学は彼女にとって、高校の学習を進める上でもっとも苦労する科目だった
ので、学校の現在の進度をしっかり確認し、テスト範囲を予想することで、徹底的に定期試験対策を行いました。
季節講習で先取りをして、「貯金」を作り、通常授業で演習を積み重ねることにより、定期試験で8割得点できる
実力を培いました。ここでも徹底した解き直しの習慣が活きたと言えます。
そうやってコツコツと定期試験で得点を積み重ね、内申を上げていった結果により勝ち取った最終決定内申で、
最終的には指定校推薦枠の中から数多くの大学を選べるようになり、嬉しい悲鳴を上げていました。二年生の
後半から文学部を志望するようになったのですが、文学部に絞っても多くの候補があって、進学校を選ぶまでに
随分と時間がかかりました。相談にも乗りましたが、こういう相談なら大歓迎です。
どうですか。彼女の学習において、表面的には目まぐるしく変化するドラマチックな要素なんてほとんどありま
せんよね。本人にもそんな自覚はないと思います(もっとも、彼女の中では気持ちやリズムにムラがある時期もあ
ったでしょうが)。それでも私は断言します。これは、やはり彼女にしか創り上げることのできなかったドラマである
と。場面が目まぐるしく変化するのもドラマだけれど、一定のペースで進み続けるのも一つの物語だからです。そ
こにあるのは初志貫徹というテーマです。改めて彼女の軌跡を振り返ると、「継続は力なり」という言葉の重みと
大切さを感じます。ちなみに、彼女は気持ちを緩めることなく、今までと同じペースで、「得意教科の英語に関して
は、一般受験で入学する生徒に負けない」ことを目標にし(大野からそう仕向けられ?)今現在も DIPL で頑張って
くれています。
彼女だけでなく、今年も数多くの受験に携わりました。これを書き終えたあとも受験があります。当然、全員に
合格してもらいたいですが、私は常々、結果よりもその結果に至るまでの過程を大事にしたいと考えています。
結果が出るまでにどれだけ頑張ったか、どういう努力をしたか、今後の皆さんの人生において、もしかしたら受験
の合否よりも大切なものかもしれません。今後の人生において、関門に出会ったときに、「あのときも頑張れなか
ったから今回も・・・」ではなく、「あのときあれだけ頑張れたんだから今回も・・・!」という気持ちを持って立ち向か
ってもらえるようになってもらえれば、これほど嬉しいことはありません。
最後に、受験生の皆さん、本当にお疲れ様でした。そして、私自身の頑張る目的を与えてくれて本当にありが
とう。高校生になる諸君は、これからも一緒に頑張ろうね。高校を卒業する諸君は、もし何か行き詰ったりするこ
とがあれば、いつでも顔を出してね。勉強以外ではアドバイスできないこともあるかもしれないけれど(笑)
追記:上の文章の中で下線を引いてあるところが「勉強の正しいやり方」です。後輩の諸君は、「参考に」ではなく
て、是非「実践」してください。