トラック運送業の現状と課題

埼玉の業界動向シリーズ
トラック運送業の現状と課題
要
旨
トラック運送は国内物流の基幹的輸送機関で、鉄道や内航海運などを合わせた国内全輸送量の
6割以上を占めている。そのトラック運送業界は、国内の経済成長と歩調を合わせるように発展
し、経済活動や国民生活に欠かせない存在までになった。しかし、物流2法の施行で運送事業が
免許制から許可制に移行され、新規参入が容易となったことから競争が激化。加えて、燃料の軽
油価格が高止まりしている中で、荷主への価格転嫁が進まず経営を圧迫し、厳しい状況に置かれ
ているのが現状だ。また最近では、若年層のトラック運転者が不足していることや、中型免許の
新設がドライバー不足に拍車を掛けている。そのトラック運送業界の現状と課題を考察した。
1.運送事業者数の現状
!国内のトラック運送事業者数
図表1.国内運送事業者数の推移(単位:社)
国内のトラック運送事業者は、貨物自動車
61,041 62,056 62,567 63,122 62,892 62,712
運送事業法と貨物運送取扱事業法のいわゆる
“物流2法”が施行された1
9
8
9年度以前は3
万社台で推移していたが、施行後は新規参入
39,555
が容易となったことから翌年度には4万社を
1990年度から物流2法の施行で事業者数
が急増。施行前の89年度に比べ09年度
は2万3,157社増えている。
突破。以後、年々増加し続けて9
7年度に5万
社、0
4年度には6万社に達し0
9年度現在では
6万2,
7
1
2社が事業の許可を受けている(図
表1)
。ただ、0
4年度以降は顕著な増加はみ
89年度 04年度 05年度 06年度 07年度 08年度 09年度
出所)国土交通省
られず、新規参入は多くあるものの、廃業等
に追い込まれている事業者も相当数あること
が推察される。
新規参入が容易となったことで企業間競争
図表2.国内運送事業者数の増減推移(単位:社)
増減数
2,243
1,663
1,604
者も増えてきているのが現状で、0
7年度まで
511
555
-230
社と新規参入を上回った。0
9年度もその傾向
が進んでいる(図表2)
。
24
ぶぎんレポート No.
1
5
1 2
0
1
2年1月号
1,598
1,418
1,228
転。1,
8
6
0社の新規参入に対し、退出は2,
0
9
0
と退出との逆転現象は続き、業界内での淘汰
2,090
1,860
1,015
が常に上回っていたが、0
8年度には初めて逆
は変わらず、増減数こそ縮小したものの参入
退出等
2,218
2,115
が激しくなり、事業停止に追い込まれる事業
は業界から退出する事業者に比べ、新規参入
新規参入
05年度
06年度
07年度
-180
08年度
09年度
出所)国土交通省
"埼玉県内の運送事業者数
図表3.埼玉県内の事業者数と車両数の推移
一方、埼玉県内の運送事業者数は、最近5
年間では増加を続けているものの1
0年度現在
では、0
6年度に比べ約7%の増加にとどまり、
0
9年度に対しては、わずか1社増えるにとど
まった(図表3)
。
これに対し、車両数は0
8年度の6万2,
9
8
8
台をピークに、1
0年度では6万2,
3
3
4台と減
少している。事業者数が増加しているにもか
かわらず、車両台数が減少しているのは経費
車両
事業者
63,500
3,566
3,600
3,550
63,000
3,500
62,500
3,450
3,382
3,400
62,000
3,350
3,305
62,988 62,972
61,500
62,334 3,300
3,250
61,000 61,405 61,730
3,200
60,500
3,150
(台) 06 年度 07 年度 08 年度 09 年度 10 年度 (社)
出所)国土交通省
3,565
(右目盛り) 3,521
の削減などの理由などによるものとみられ、
1社当たりの保有台数が少なくなっている事情と思われる。
2.貨物輸送量の現状
!国内貨物の輸送量
図表4.2009年度の輸送機関別国内貨物輸送量
1
国内貨物の総輸送量をトンキロベース で
みると、0
9年度は5,
2
3
6億トンキロで、これ
自家用トラック
415
を輸送機関別に分けると、トラック運送は営
鉄道 206
7.9% 3.9%
業 用 だ け で も 全 体 の2,
9
3
3億 ト ン キ ロ で
5
6.
0%を占め、自家用の4
1
5億トンキロと合
32.0%
営業用トラック
2,933
全輸送量
5,236億トンキロ
わせると全体の6
3.
9%がトラック輸送となる。
56.0%
かつて、内航海運の輸送分担率が最も高かっ
たが、9
8年度からは営業用トラックがこれに
とって代わり、
物流の基幹産業として経済活動
内航海運
1,673
国内航空 10
0.2%
出所:国土交通省各種輸送統計より
や国民生活を支えているのが実情だ(図表4)
。
輸送距離を加味しないトンベースでみると、
国内貨物の総輸送量は4
8億3,
0
0
0万トンで、
図表5.埼玉県内のトラック輸送量の推移(単位:千トン)
221,158
このうち営業用トラックが2
6億8,
7
0
0万トン、
自家用でも1
7億6,
7
0
0万トンに上り、トラッ
クの輸送量は国内全体の9
2%に達する。ただ
214,558
211,766
211,577
207,821
205,159
0
9年度の国内貨物輸送量は、リーマン・ショ
ック後の世界同時不況の影響で貨物量が大幅
に減り、前年度に比べ約6%減少した。5
0億
トンの水準を下回ったのは高度経済成長期の
6
9年以来のことで、4
0年前の水準に戻ったこ
とになる。
04年度 05年度 06年度 07年度 08年度 09年度
出所)国土交通省交通関連資料から当研究所で作成
ぶぎんレポート No.
15
1 20
12年1月号
25
"埼玉県内の輸送量
国土交通省では国内の輸送量をトンキロと
トンベースの両指標で統計を公表しているが、
都道府県別では各運輸局がトンベースで集計
している。それによると、営業用と自家用を
合わせた埼玉県内のトラック輸送量は、0
4年
度の約2億1,
1
7
7万トンから0
7年度に約2億
2,
1
1
6万トンに増加したものの、0
8年度から
減り、0
9年度は約2億5
1
6万トンにまで落ち
込んでいる(図表5)
。ただ、都道府県別で輸
送トン数をみると、埼玉県の輸送量は多く、
図表6.2009年度都道府県別輸送トン数(単位:千トン)
順位
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
1
0位
都道府県
北海道
愛 知
埼 玉
大 阪
神奈川
東 京
福 岡
兵 庫
千 葉
静 岡
合計
3
4
8,
0
6
6
2
5
3,
8
2
9
2
0
5,
1
5
9
2
0
4,
8
8
6
1
9
8,
0
0
7
1
8
4,
9
0
4
1
7
2,
7
4
9
1
7
1,
8
8
7
1
7
0,
4
6
4
1
6
1,
3
7
6
営業用
2
5
8,
1
0
3
1
6
8,
0
1
8
1
3
1,
2
8
3
1
5
3,
6
1
3
1
4
0,
0
0
4
3
4
1
1
1
5,
1
1
0,
6
2
5
1
2
0,
3
2
7
9
7,
9
6
4
9
9,
3
3
8
自家用
8
9,
9
6
3
8
5,
8
1
1
7
3,
8
7
6
5
1,
2
7
3
5
8,
0
0
3
6
9,
5
6
3
6
2,
1
2
4
5
1,
5
6
0
7
2,
5
0
0
6
2,
0
3
8
出所:国土交通省の「自動車輸送統計年報」から作成
注)地方運輪局別輸送量を運輪支局別登録自動車数の比率(各年度末)で
推計した。ただし、特殊用途車を含み、軽自動車は含まない
0
9年度は北海道が約3億4,
8
0
7万トンと最も
多く、愛知県の約2万5,
3
8
3万トンに次いで全国3番目の輸送量を誇る。これだけ、輸送トン
数が多いのは、埼玉県内に東北道や関越道の高速道路のほか東京外郭環状道路、首都圏中央自
動車連絡道(圏央道)の道路交通網が整備され、物流拠点が多く他県への結節点となっている
のが大きな理由と思われる(図表6)
。
3.トラック事業者の規模
!企業規模
図表7.資本金別事業者数(埼玉県)
トラック輸送が国内の経済活動や国民の生
活を大きく支えているにも関わらず、トラッ
ク業界は大半の小規模事業者で構成されてい
る。全国6万2,
7
1
2社を資本金別と保有車両
3,001万円以上
12%
2,001∼3,000万円
13%
300万円以下
3%
301∼500万円
8%
台数、従業員数でみると、まず資本金別では
1,
0
0
0万円以下が圧倒的に多く全体の6
4%を
占め、車両の保有台数も1
0両以下が全体の
5
6%、従業員数は2
0人以下が5
3%と典型的な
零細企業。資本金3億円以下または従業員3
0
0
1,001∼2,000万円
31%
501∼1,000万円
33%
出所)
埼玉県トラック協会
人以下の中小企業が9
9.
9%で、事業者の規模
からすると極めて脆弱な業界だ。
埼玉県内の事業者も同様で、県トラック協会(横塚正秋会長)がまとめた「中小トラック運
送事業者の経営課題と取り組み2
0
1
1」
(以下、
「経営課題と取り組み」
)によると、資本金2,
0
0
0
万円以下の企業が全体の7
5%を占め、従業員数も3
0人以下の割合が4
7%となっている(図表7.
8)
。
また、保有車両台数も2
0台以下の企業が4
0%で、5
0台以下までに広げると全体の約6割となる。
県内での輸送量が多いだけに指標は全国平均をやや上回っているものの、やはり業界を構成す
る事業者としては規模が小さい。
26
ぶぎんレポート No.
1
5
1 2
0
1
2年1月号
埼玉の業界動向シリーズ
"経営状況
図表8.従業員別事業者数(埼玉県)
企業規模に比例して経営状況も難しい状況
201人以上
4%
で、全日本トラック協会が会員各社から提出
10人以下
6%
された営業報告を基に集計した「経営分析報
告書」によると、0
9年度の1社当たり営業収
11∼20人
19%
101∼200人
9%
益は約1億9,
5
0
6万円で、前年度の約2億2
0
0
万円に比べ3.
4%の減収となり、4年連続し
てマイナスとなっている。深刻なのは、距離
を加味しない1社平均の輸送トン数が前年度
51∼100人
19%
31∼50人
21%
21∼30人
22%
よりも増加しているにもかかわらず、営業収
出所)
埼玉県トラック協会
益が減少していることで、輸送単価の下落が
大きく影響しているようだ。
一方、埼玉県の事業者は「経営課題と取り
図表9.売り上げ規模別事業者数(埼玉県)
無回答
2%
組み」調査によると、売り上げが3億円未満
1億円未満
12%
の事業者が全体の5割強で、このうち1億円
1億円以上
3億円未満
40%
未満の割合は1
2%となっている(図表9)
。
また、0
9年度の売上増減状況によると、0
8年
度実績に対して減少した割合が5
4%に上って
いた。
3億円以上
46%
出所)埼玉県トラック協会
4.業界が抱える課題
!経営上の課題
輸送量の減少や輸送単価の下落などを補う
ために、各トラック事業者は経営改善に取り
組んでいるが、コスト削減などの自助努力も
図表10.倒産件数(件)と負債総額の推移
(件)
400
300
250
まれる企業数が高止まりしている。民間信用
200
150
100
ック運送事業者の倒産件数は、0
6年度に全国
50
で1
1
6件だったのが0
8年度には3
6
6件に急増。
0
0
9年度には3
4
0件に減少し、1
0年度も3
1
0件に
366
350
限界にきていることで、倒産や廃業に追い込
調査機関の帝国データバンクによると、トラ
倒産件数
(左目盛)
989
853
急増
183
116
395
220
340
(億円)
1200
310
1,057
負
債
総
額
1000
800
600
400
200
0
06年度 07年度 08年度 09年度 10年度
出所)
帝国データバンク
減ったものの高止まり状態にある。その一方
で、
1
0年度の負債総額は、倒産件数が多かった0
8年度の約9
8
9億円を上回り、
約1,
0
5
7億円と1,
0
0
0
億円の大台を記録した(図表1
0)
。
倒産件数、負債総額が高止まりしている要因は、リーマン・ショック後の景気後退による荷
ぶぎんレポート No.
15
1 20
12年1月号
27
動きの減少、またトラックの燃料となる軽油も同時期の高騰に比べれば安くなったものの、い
まだ1リットル当たり1
2
0円台(一般小売)で推移している。業界全体では、軽油価格が1リ
ットル当たり1円の上昇で約1
8
0億円の経費負担になると言われており、1
2
0円台で高止まりし
ている現在、経営にとって厳しい状況が続いている。
埼玉県内の運送事業者にとっても軽油価格の高止まりは経営を圧迫している要因ともなって
いるが、それよりも貨物輸送量の減少が経営上の重要な課題となっているようだ。埼玉県トラ
ック協会の「経営課題と取組み」によると、重要な経営課題(3項目選択)として、0
9年度調
査では「荷扱量の激減」が6
9.
3%でトップ、次いで「燃料費の高騰」が52%、
「運賃水準の下
落」4
1%だった。1
0年度調査になると少し様子が変わり、トップの「荷扱量の激減」
(6
1%)
は不動だったが、2番目に「安全運転・輸送品質・従業員教育・コンプライアンス」
(3
4%)
が加わり、3番目に「運賃水準の下落」
(2
8%)となっている。1
0年度は軽油価格が比較的安
定していたことから、
「燃料費の高騰」
(2
2%)は4番目に後退した。
以上のように、景気の後退から減少する荷扱量が最大の経営課題となっており、各事業者と
も新規の顧客開拓に力を入れる一方、既存顧客に対する対策として安全運転や納品ミス・誤配
送などを防止して輸送品質を高めることで、より信頼を獲得し荷扱量の増加を図っている姿が
読み取れる。
図表11.運転者の年齢構成比の推移(普通トラック)
!業界を取り巻く課題
業界を取り巻く喫緊の課題は、人材不足と
ドライバーの高齢化である。少子化・高齢化
社会に加え、若者の車離れが進んでいること
から若年層のトラック運転手が減少している
という。これに、業界内ではドライバーの高
齢化が進んでいることも大きな課題だ。全日
本トラック協会の調査によると、普通トラッ
ク運転者の年齢構成比で、9
3年に3
7.
8%だっ
20歳代
(未満含む) 30歳代 40歳代
50歳代
60歳以上
10年 11.9%
33.4%
29.9%
19.3% 5.5%
09年 12.7%
32.6%
27.9%
21.4% 5.4%
08年 11.7%
31.0%
07年 12.6%
33.3%
06年 14.1%
93年
22.8% 5.9%
25.4%
36.1%
37.8%
24.3% 5.3%
27.7%
22.5% 2.3%
25.0%
24.9%
23.6%
13.7%
*93年当時は60歳以上の分類はなし
出所)
全日本トラック協会
た2
0歳代(未満含む、以下同)の比率が1
0年
後の0
3年には2
0.
6%に減少、直近の1
0年では
1
1.
9%にまで減った。若年層が減り続けてい
ることで、逆に4
0歳代以上のドライバーが増
加 し、9
3年 当 時3
7.
3%だ っ た の が1
0年 は
図表12.運転者の年齢構成比の推移(大型トラック)
20歳代
(未満含む) 30歳代 40歳代
10年 3.8% 24.8%
36.7%
50歳代
60歳以上
28.1%
6.6%
09年 4.7% 26.7%
34.6%
27.7%
6.3%
08年 4.7% 26.5%
33.3%
29.9%
5.6%
大型トラック運転手になると、さらに深刻
07年 5.0% 28.1%
31.9%
30.4%
4.6%
で、9
3年 に1
5.
1%だ っ た2
0歳 代 は1
0年 に は
06年 4.9% 28.5%
31.5%
32.6%
2.5%
5
4.
7%と半数以上となり急速に高齢化が進ん
でいる(図表1
1)
。
3.
8%に大幅減少、4
0歳代以上は5
8.
6%から
93年
7
1.
4%に跳ね上がり、50歳代以上となると
*93年当時は60歳以上の分類はなし
3
4.
7%とほぼ3人に1人の割合となる(図表
28
ぶぎんレポート No.
1
5
1 2
0
1
2年1月号
15.1%
26.3%
35.7%
22.9%
出所)全日本トラック協会
埼玉の業界動向シリーズ
1
2)
。この2
0年間でドライバーの高齢化が急速に進んでいるのが実情で、運転者の確保は各事
業者にとって重要な課題となっている。
ドライバー不足が深刻化している状況下で、さらに業界を悩ませているのが0
7年の運転免許
の改正だ。改正前の普通免許で運転ができた車両総重量8トン未満、最大積載量5トン未満の
トラックが車両総重量5トン未満、最大積載量3トン未満に制限。新設された中型免許で車両
総重量5トン以上1
1トン未満、最大積載量3トン以上6.
5トン未満のトラックが運転できるも
のの、受験資格が2
0歳以上で2年以上の経験が必要となる。この免許改正で、さらにドライバ
ーの確保が難しくなり、全日本トラック協会では「2
0
1
5年には本来必要とされるトラック運転
者の人員に対して、約1
4万人程度不足する」と懸念している。
5.まとめ
トラック運送業者を取り巻く経営環境は、国内の経済成長が鈍化していることなどから荷動
きが少なくなり、加えて輸送単価が下落し事業収入は減少している。荷主側に輸送単価の引上
げを求めても受け入れてもらえず、それどころか引き上げ要求を逆手に取られて仕事を失うと
いう事態も想定できるため、安易に単価の引上げを荷主に対して求めることはできないのが実
態である。一方で、現在は比較的落ち着いている軽油価格もこの先、いつ高騰局面に転じるか
は予断が許さず、これにドライバー不足が今後予想されることを考慮すると、事業を継続して
いくには困難な環境に取り巻かれているのが現状のようだ。
輸送量問題は、国内の経済活動と密接に関係しているため一事業者の取り組みには限界が出
てくるものの新規顧客の開拓などに努力し、個別に経営革新を図りながら、いかに利益率を上
げていくかが問われる。しかし、軽油価格の高騰や運転免許制度問題、あるいはドライバー不
足への対応などは一事業者では自ずと限界のある課題については、業界全体として取り組んで
いくべきだろう。例えば、運転免許制度の改善は、普通運転免許で運転できるトラックの車両
総重量の見直しや受験資格の緩和などを業界全体で国に要望していくなどの行動が必要だ。
一方で、適正な競争の確保や個別の経営指導なども、全日本トラック協会だけでなく各地方
の協会が率先して支援していくべき事業で、その充実が求められる。また、ドライバー不足へ
の対応では、魅力ある職種・職業としての環境整備、例えば福利厚生の充実や給与水準の引上
げ、研修制度の充実など業界全体で取り組むべき課題であり、一事業者と業界団体との役割分
担を明確にして取り組んでいくことが望まれる。
1
輸送量を示す指標には「トン」と「トンキロ」がある。このうち、トン数は単に輸送した貨物の重量(トン)
の合計であり、輸送距離の概念を含んでいないため、必ずしも輸送活動の総量を表すものとはいえない。トン
キロ数は、輸送した重量(トン)に輸送した距離(キロ)を乗じたもので、1トンの貨物を1キロメートル輸
送した輸送量が1トンキロとなり、例えば5トンの貨物を3
0キロメートル輸送した場合は、5トン×3
0キロメ
ートル=1
5
0トンとなる。
ぶぎんレポート No.
15
1 20
12年1月号
29