えびす会計通信 輪 2015年6月

【 ご挨拶 】
私事で恐縮ですが、誠に勝手ながら6月より税理士受験に専念させていただくことになりました。1 年間の期
限を設けることで、結果を出したいと思います。皆様にはご迷惑をおかけしますが、1年間がんばってきます!
思えばあっと言う間の2年間でした。楽しいこと、苦しいこといろいろありましたが、えびす会計の
一員として関わることができたことを誇らしく思います。皆様にはなにかとお世話になり、誠にありが
とうございました。
末筆ではございますが、皆様のご健康、ご活躍を心からお祈り申し上げます。
小倉 康生
梅雨に入り、暫くはうっとうしいお天気とのお付き合いですね。平素は
輪通信をご愛読いただき誠にありがとうございます。
先月、大阪市を廃止し、5つの特別区に分割する「大阪都構想」の
賛否を問う住民投票が行われましたね。結果は皆様ご存知のとおり、
【 水の話 】
最近耳にした話の中で印象に残っているものがあります。
みなさま「バーチャルウォーター(仮想水)」というのはご存知でしょうか。バーチャルウォーターとは、「食料を
賛成 50.4%、反対 49.6%という史上稀に見る大接戦でした。
そもそも、橋下市長が訴えた「大阪市廃止=大阪の一元化」が意図していたものは何だったのでしょうか。もしそれ
が実現すれば私たちの生活はどう変わったのでしょうか。よく理解できないまま住民投票が終わってしまったという人
も多いのかもしれません。しかし、大阪の低迷(経済・教育・安全等々)には何とかしなければと考える人も決して少な
輸入している国(消費国)において、もしその輸入食材を生産するとしたら、どの程度の水が必要か推定したも
の」(環境省HPより)という考え方です。
たとえば、トウモロコシ1kgを生産した場合約1,800リットルの水が必要で、トウモロコシを飼料に使われた
くありません。私もその一人であります。今回の住民投票は、ひとりひとりの意識と行動が民主主義による政治の原動
牛から生産される牛乳1リットルでは約20,700リットルの水が必要らしく、日本は輸入食材という形で年間
力になるということを実感させられるものでした。
約640億トンもの水を輸入している計算になります。
バーチャルウォーターという考え方は、目に見えるものではないため正直いまいちピンとくるも
のではなく、日頃「水」について考えたことは少ないですが、自分の知らない概念・考え方を新しく
代表税理士 吉田 茂
知り、また違った角度から「水」について考える良い機会になりました。
田中 雄貴
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【 ちょっと税金の話 】
~ マイナンバー ~
【 気になる本 】 ~ 質問力 ~ 斎藤 孝 著
今年 10 月に国民全員にマイナンバーが通知されます。
海外ではアメリカの「ソーシャルセキュリティナンバー」などのように結構昔から同様の制度があるので、日本はかな
り遅れての導入と言えます。
「声に出して読みたい日本語」 の著者である斎藤孝さんの本です。
えびす会計では、朝礼で毎日 2 分間スピーチをしています。短い時間で上手く伝えられるためのトレーニン
今までは同じ個人であっても市役所、年金機構、税務署など役所ごとに別々の番号が付されていましたが、これ
からは一つの番号(マイナンバー)を使うことになります。
グでもありますが、聞き手にとっては気の効いたコメントや質問を返す練習の場でもあります。
著者は、「これからの社会で間違いなく必要とされるのは、『段取り力』と『コミュニケーション力=質問力』だ、
これによって、役所間の情報のやりとりがスムーズになって、引っ越しの際の手続きが楽になったり、行政コストが
削減されるなど良いことも多くあるようです。医療関係で活用することで、別々の病院で同じ薬が重複して処方される
ことがなくなり、医療費の削減にもなるとか・・・。
質問の仕方はプレゼンテーション以上に人の実力をあらわにする」と言っています。それは、「質問力は状況や
文脈を常に把握する力が試されているから」とのことです。
この本では、質問力を技化し、鍛えるためのヒントが書かれています。
ただ、将来的には預金口座にもマイナンバーを付して管理する案(当面義務化はされないようですが・・・)が出さ
人と話をするときは、その人の言うことに沿った話をしなければのってこないが、沿うだけでは話が発展しない
れているなど、国側の「国民の財産や所得を捕捉したい。」「所得税や相続税などの税務調査に役立てたい。」という
ので、「沿いつつずらす」ことがコミュニケーションの秘訣と語られています。うなずきとともに、語尾を上げずに
思惑も見え隠れします。生活保護費や年金の不正受給を取り締まるのには大いに活用してほしいところですが、自
相手のいう事を繰り返す「おうむ返しの技」を使って沿う方法や、「具体的にいうとどういうことですか?」という
分自身の情報が知らないところでチェックされると思うと、やっぱりあまりいい気はしません。
質問をすることで話を広げていく方法が紹介されています。
日本年金機構の職員のパソコンから基礎年金番号などの個人情報が流出した事件は記
同じ著者で他に「1 分で大切なことを伝える技術」「コメント力」といったものもあります。
憶に新しいですが、マイナンバーで同様の情報漏洩が起きると影響は更に大きくなると思わ
大学教授でもある著者が、学生達のコミュニケーション力を鍛えるために教育現場において工夫
れます。役所もそうですが、企業、会計事務所もお預かりしたマイナンバーの管理には細心
されていることも紹介されていますので、皆様の日々のコミュニケーションや職員教育において、
の注意を払わないといけませんね。
何かのヒントが見つかれば幸いです。
税理士 後藤 美加
【マイナちゃん】
税理士 山野 展弘