えびす会計通信 輪 2016年8月

【 夏休み 】
先日、美術館「えき」KYOTO で行われていたイラストレーターの安西水丸展に行ってきました。「小さい頃
よりずっと絵を描くことが好きだった」と語る言葉の通り、幼少期から晩年に至るまでの作品を一人でゆっくり
見ることができました。
残念ながらこの展覧会は終わりましたが、現在京都市美術館ではダリ展が開催されています。
ダリの大回顧展は日本では約 10 年ぶりで、過去最大規模とのこと。刺激的な作品に、暑さを忘れ
ること間違いなしです。9 月 4 日まで開催されています。夏休みのおでかけにいかかでしょうか。
豊田 仁奈
こんにちは、税理士の山野です。
先月 22 日にポケモンGOが日本でもリリースされました。予想どおり瞬く間に子供
だけでなく大人達も巻き込んだ一大ブームとなっています。昼夜問わず人々がスマホ片手に、歩いては立ち止
まりまた歩き出すという奇妙な光景が皆様の周りでも見られることでしょう。 路上や駅構内などでの「歩きスマ
ホ」は論外ですが、ポケモンGOが原因での事件や事故が起きないことを祈っています。
かくいう私も、流行に遅れまいと 22 日のうちにアプリを手に入れて、週末の夜、涼しくなった頃を見計らって、
子供(高2と中1)と一緒に近所中を歩き回りました。普段は自分の部屋にこもりがちな子供達と、
近所をぶらぶら歩きながら、色々なことを話せたのは、ポケモンGOの思わぬ副産物となりました。
【 高校野球 】
元高校球児の日浦です。
8 月 7 日より甲子園で夏の高校野球全国大会が始まりますね。甲子園では、地方大会を勝ち抜いたチー
ム同士の戦いなので、レベルも一定以上で1点を争う試合に手に汗を握る面白さがあります。一方、地方大
会で、圧倒的な力の差があるチーム同士の戦いを見るのも、地方大会ならではの面白さがあると個人的に
は思います。
負けたら終わりという緊張感のなか、一生懸命戦う高校球児の姿には感動させられることばかりです。
暑い日が続きますが、熱中症などには十分ご留意ください。
かくいう私も高校球児の頃は汗まみれになりながら感動を与えていた側だったはずなのですが、
今月もよろしくお願いいたします。
あのころ 68kg だった体重も今や 90kg。今年の夏も、クーラーの効いた部屋でビールを片手に高
税理士 山野 展弘
【 ちょっと税金の話 】
校球児にパワーをもらい、暑さを乗り切りたいと思います。
税理士 日浦 博之
~ 外れ馬券も経費と認めた最高裁判決 ~
【 旬 】 ~ 「辯天さんの花火」~
「競馬での払戻金約 30 億円を申告せず、5 億 7 千万円の脱税事件として裁判になっている。」という記事を
以前(平成 25 年 6 月号)書きましたが、覚えていらっしゃいますでしょうか。
茨木市民にとって夏のイベントといえば、なんといっても「辯天さんの花火」なのですが、皆様はご存知で
しょうか?
この裁判の争点は、外れ馬券が必要経費になるのか否かというところでした。
「辯天さん」とは、「辯天宗 飛龍山 冥應寺」のことで、茨木にある名門ゴルフ場「茨木カントリー」の近くに
「えっ?必要経費になるのが当たり前じゃないの?」と思われた方に少し解説しておきます。所得税法では
「所得」を 9 つに分類しています。例えば、サラリーマンが受け取る給与は「給与所得」、マンションや土地を貸
して得る収入は「不動産所得」と分類されます。それぞれの所得の種類により、必要経費の考え方や税金の
あり、春はお花見でも親しまれております。
夏真っ盛りの 8 月 8 日になると、毎年この「辯天さん」で花火大会が催され、茨木市民は皆なそれぞれに
見つけた観賞スポットで夏の夜空に打ち上げられる花火を楽しむのが夏の恒例なのです。
昭和 31 年から開催されてきたこの花火大会ですが、昨年、一昨年と 2 年間中止されておりました。
算出方法が違ってくるのです。
「なぜだろう?」と疑問に思っていた茨木市民も多かったと思います。
では、競馬の払戻金はどうでしょうか。福引きの賞金や保険の満期金などと同じで、一時的または偶発的に
生じた所得として「一時所得」に分類されていました。
中止の原因は、2013 年に起きた福知山の花火大会での事故を受けて、2014 年に施行された茨木市の
防火条例に見合う防火、警備計画の強化準備のためだったようです。
所得税法では、「一時所得」の必要経費は、「収入の発生に直接要した金額」と規定されていますので、「当
辯天さんの花火がない夏はなんだか寂しいなぁと残念がっていたのですが、今年はめでたく
開催されることになりました。いつもの夏が帰ってきて大変うれしく思います。茨木市民の皆様も、
たり馬券の購入費だけが必要経費だ!」と国税庁は主張していたのです。
今回は最高裁でも地裁、高裁の判決どおり、「外れも含めた馬券の購入が経済活動といえる場合は、外れ
お近くの皆様も、どうぞ 8 月 8 日は茨木にて夏の夜空をお楽しみくださいませ。
馬券の購入費も必要経費と認めるべきだ」とし、網羅的に多数回、馬券を購入する行為は競馬を娯楽として
楽しむものとはいえず、もはや経済活動に当たるとして「雑所得」に分類しました。従来の国税庁の運用とは異
なる判断を示した結果、納税すべき額は 5,000 万円まで大幅に減ることが確定しました。
所得の分類の違いで恐ろしいほど税額が変わるケースとなりましたが、今後は、競馬の目的が
娯楽なのか経済活動なのかをどう見極めていくのかが、課題になりそうです。
代表税理士 吉田 茂
誠に勝手ながら、8 月 12 日は夏季休暇とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
税理士 後藤 美加