学校法人 藤学園 藤幼稚園 第 17 号 号 平成 25 年1月8日 日 ◇ 謹賀 年 ◇ 穏やかな天候が心を洗ってくれ、爽やかな年の瀬を 迎えることができました。旧年中は、本園の教育活動 等に対し、特段のご理解とご支援をいただき厚く御礼 を申し上げます。 さて、一人一人の子ども達にとって、昨年はどんな年だったでしょうか。や り遂げたことは、どれだけあったでしょうか。また、課題として残ったことは どんなことだったでしょうか。 新しい年を機に、今年の新しい目標を定めてこれまで以上に、一人一人の子 ども達が自分の力を精一杯出し切って、頑張ってくれることを願っています。 教育雑感 シリーズ 17 ~無限の可能性~ 9 私が新任教師として初めて受け持ったのが、小学校3年生の子ども達でした。 3 今からおよそ 40 年ほど前のことです。当時は、小学校生活に慣れ、いたずら盛 りの小学校後半の年代を指して「ギャングエイジ(徒党時代)」と称していまし たが、私も若く、エネルギーがあり余っていましたので、結構楽しんで学級担 任をしていたのを覚えています。 そんな子ども達も、今では 50 歳に近づき、家庭を持つ立派な父親、母親にな っています。数年前に同窓会がありましたが、一堂に会した瞬間、皆が皆、40 年前にタイムスリップするんです。それは共通の時代、同じ地域、共に過ごし た学校生活といったものが、皆の過去の記憶を一挙に呼び起こすのでしょうか。 楽しい一時を過ごすことができました。 さて、話をもとに戻します。小学生に限らず、小さな子どもは未知数のもの をいっぱい持っています。それだけに当時の私は、子ども達には、一つのこと に偏ることなく、いろいろな事に興味・関心を持って取り組ませることが大切 だと考え、自分自身もいろんな事に興味・関心を持ち、新鮮さや挑戦意欲等を 1 なくすことなく取り組もうと努めていました。 また、人生の道は、必ずしも真っ直ぐではな く、時には後戻りしたり、曲がっていったりす ることもあるけれど、基本的には何事も真面目 に取組み、素直で前向きな気持ちを身に付けて おけば、最後には元の道に戻って来れるものだと考えていました。 あれから 40 年が経ち、改めてこれまでの教員生活を振り返ってみますと、経 験を積むにつれ、教育的な知識や技術は身に付いてきましたが、一方で、若い 頃のような新鮮さや挑戦意欲は薄らいできているように思います。ただ、当時、 私が考えていた「前向きな気持ちで何事にも真面目に取組める子」に育てるこ とは、今の時代にあっても不変の「目指す子ども像」だと思っています。 今日、子ども達を取り巻く環境は厳しい状況にありますが、そんな中にあっ ても、子ども達一人一人は無限の可能性を秘めながら、日々頑張っています。 こうした可能性を伸ばすためにも、私たち大人は、この子はこんな子だと決め つけることなく、また、見栄や欲で子どもを無理に引きずり回さないように心 掛け、長い目で見守り続けていきたいものです。 ただ、優しさだけでは子どもは伸びず、優しさの中に厳しさを加味していか なければ、子どもはいつか挫折するかもしれません。小さな頃から叱られるこ ともなく、また、厳しい試練に遭遇することもなく過ごしてきた子は、厳しい 社会の現実に出会った時、時として精神的な弱さが露呈し、落ち込む率が高く なるかもしれません。そのためにも、小さなうちから、目に見えない心の強さ をたっぷりと子ども達に身に付けていくことも忘れずにいたいと思います。 ~子どもの詩の紹介~ 「子どもの詩」の紹介です。飾り気のない素直な詩は、いつもでも私の心に 残っています。 詩「風の音楽会」 風が吹いている日 まどに耳をつけると ヒュルルールルー 風の音楽会が聞こえる 北風はドラムかな 南風はピアノかな それともマラカスかな ヒュルーヒュルー きっとそよ風は歌だ お金も要らない音楽会 私も風になりたい 2
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