アンケートへの伊藤さんのコメント(pdfファイル141KB)

当たり前じゃない生き方 質問と回答
皆さんからたくさん質問をいただきましたが、当日答え切れませんでした。会の当日とは少し変
わっているかもしれませんが、今考えていることで書いてみました。また機会がありましたらお
目にかかりましょう。
ナリワイ 伊藤洋志
=--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------Q.事業のはじまりはどんな風?
A.仕事のつくり方はいろんな方向性があると思いますが、僕の場合は、生活のなかで「これなん
となからんのか?」とか「なんでこんなものがはびこっているのか」と言うものに対して何が問
題なのか考え続けます、たまに人に話します。そうこうしているうちに、一緒に仕事ができる人
に出会います。そこからはじめる事が多いです。今考えると、「これがしたい」から人に会うの
ではなくて、いろんな人に会っているうちにたまたまはじめる事が多いです。パンのワークショッ
プも取材がきっかけでやることになったりしています。
Q.今の仕事(大学の非常勤講師)だけでは不安なので、もう 1 つくらい仕事を増やしたい。シェ
アハウスで何か仕事もしたいです。
A.非常勤講師の待遇があまりよくないと言うことは少し聞いていました。大学が用意するのは、
教室と学生集めなどだと思うのですが、非常勤講師の報酬が低すぎるのは理不尽と思います。もっ
とも教育は社会貢献だからと採算度外視の国も多いらしいのですが、日本の大学は営利団体なの
でそれもおかしい話。いっそ自分で大学作ったほうが早いんじゃないかと思ったりしています。
理論的には、教室と受講生集めができれば小さな大学も可能ではあるわけです。建物を建てるの
は初期費用がかかりすぎるので無理ですが、お寺借りてやってもいいし、鴨川大学とかいって鴨
川をキャンパスにして春夏秋だけ開講する大学をやってもいい気がします。
シェアハウスの運営もいいと思います。一人暮らしの家賃は高すぎるし、キッチンも自炊もでき
るレベルにない。友達同士でやってもいいですが、途中で留学したくなったときとかに出入りが
あると困ります。そういうのを取りまとめしてくれる人がいたらいいな、と思います。
Q.お金をとる時の考え方(素人だからと考えないほうがよいか)
A.継続性がある料金を設定します。それでよいという相手が見つかるのであれば別に 1 億円でも
いいと思いますし、無料でもいいと思います。どういう人を相手にしたいか、によっても変わり
ます。ただ、意外に安くしたらお客さんが来るか、というとそんなことはないです。安けりゃ来
るだろうと考えると、知恵を絞らなくなりがちで逆効果なことも。
Q.一人でどこまでやるか。友達が多くないと無理ですか?
A.できることは一人でやります。ウェブサイトのテキスト修正、画像の差し替えもやります。そ
して一人でやれるようなシンプルなやり方を考えます。友達は 2 人いれば十分と思います。やり
たいことが魅力的であれば、きっと協力してくれる人はいます。最後は、個人の根性が少し必要
かなと思います。
Q.単発のほうがよいか。
A.なんでもよいです。ただ、あんまり拘束時間が長いと 1 個しかできないので難しいかも。
Q.人を手伝うこともありますか。
A.興味があることで時間が許せばなんでも手伝います。この前、梅農家の跡継ぎした友人の収穫
を手伝いました。空き家を改修して民宿にするのも手伝いました。反面、興味がないことと確定
したことは、やりません。
Q.「自分の本当にしたいこと」-「稼ぐ」をつなげるために必要なこと。
A.「本当にしたいこと」を何かの形で「世の中が必要としそうなこと」に近づけることを考える。
これは、「顧客のニーズを捉えろ!」ということではないです。好きなことは詳しくもなるし、
自分の能力が発揮されやすいとは思いますが、私自身に関しては、あんまりやりたいことにこだ
わりがありません。むしろ、「こんなことしても世の中よくならんわ」と興味がない対象のほう
がはっきりしています。
Q.いろいろです。
A.私も、いろいろ興味あります。
Q.それぞれの事業で企業(組織)の営利活動との差異化はどのように意識されていますか?ある
事業で専門の業者とやること、やり方がバッティングした場合、どのような対応をしますか?
A.競争に巻き込まれないためにどうしているか、ということであれば文化性の高い仕事を探すよ
うにしています。単純な価格と性能勝負はむしろ大企業にお任せします。文化性というのは、趣
味性が高いとも言えると思いますが、それは真似しにくいものになります。そういうこともある
のか、美術館いったりギャラリーに行くのはわりと好きで、チェーン居酒屋に行くのは生活の工
夫の機会が一つ減るので行きません。同じ費用でもっと楽しいことはできるのではないかといつ
も考えています。
Q.2 つ以上の仕事をするのは難しいと思っています。力をそれぞれに 100%出せません。それに
ついてはどう思っているのか聞きたい。
A.むしろ、2 つ以上やることでそれぞれが相乗効果が起きるように意識しています。1 つのこと
だけをやる場合、当然同じことをしている人との競争になるので、100%の力を出して取り組む、
というイメージになると思いますが、100%の力で取り組む、というよりも人と違う発想が細かな
ところでも発揮される状態に自分を置くことのほうが大事と思っています。
Q.10 年後はどうなっていたいですか?
A.子育て中かもしれないし、そのときになってみないと分かりませんが。地元の香川、京都、東
京、モンゴルなど複数で拠点をつくって活動してみたいということは考えています。
Q.将来の夢はなんですか?
A.自分自身の生活に役立つ能力をたくさん習得したいと思っています。家を建てる能力とか。
Q.なぜ農学部を選んだのですか?
A.環境問題について研究したかったからです。あと、実は農学部は経済、歴史、生物などいろい
ろな分野のことが学べるので、それもよいと思いました。
Q.やる気がなくなっちゃう時はありませんか?
A.日々めちゃめちゃやる気全開という感じもないのですが、異常にやる気がでないというときは
疲れがたまっていると思うので、銭湯に行って早寝します。自分がやったことに対するフィード
バックが得られるようにしておくと、やる気が続きやすいです。友達に意見を聞くとかも含めて。
Q.仕事、楽しいですか?
A.会社員時代は修行だったので仕方ないのかもしれませんが、プレッシャーが強くて心臓が重かっ
たのです。今はそういうことはほとんどないです。ただ、楽しいという感覚というより日々じん
わりとした充実感がある、という感じです。
Q.伊藤さんが「健康的かどうか」を判定しているアンテナが気になります。
A.続けていったときにどうなるかな、という想像をしてみて、環境がよくなったり人間の能力を
高める方向であれば健康的だろうと判断したりしています。一見よさそうなコンセプトでも提唱
者だけが本とか出したりして成功している、というものがたまに見受けられますが、そういうの
はあまり健康的ではないかなと思ったりしています。
Q.現在の「就活」はあまりにも学生に「やりたいこと」を求めているように感じるのですが「や
りたいこと」が見つからない学生はどうしたらよいのでしょうか?
A.本当にやりたいことを答えたら落ちたりしますので、聞かなきゃいいのにと思うこともありま
す。まあ、基本的にやってみないとわからないことが多いと思います。ということで、私は「こ
の仕事世の中がマシな方向に行く度合いが大きいか小さいか」を考えて就職活動をしていました。
以上です、今回は私自身よい刺激になりました。ありがとうございました。京都のいいところは、
情報が東京ほど過多ではなくて自分で物事を考えるのに適した環境であるということだと思いま
すが、そういう意味でも質問も違っていて面白かったです。
【具体的な活動に興味がある方へ】
京都でのプロジェクト
ギャラリー付一棟貸し町家「古今燕」
http://www.kokinen.com/
親が京都に遊びに来るときなどにもよいかもしれません。船岡山のふもとで静かなところです。
うっかり二階から右大文字が見えます。
※銭湯マップ作成しました。
http://www.kokinen.com/archives/193
何か面白いマップ作りが得意な方がいたら、ぜひご参加ください。
そのほかのナリワイ
モンゴル武者修行ツアー
http://www.furowork.net/mongolia/
熊野暮らし方デザインスクール
http://www.furowork.net/kumanookrsktdesign-pan1/
折りたたみゲル販売、レンタル
http://nariwai.org/archives/921
ハナアミ…花を編むのをナリワイにするのを手伝っています。
http://hanaami.jpn.org/
連載)@ニフティ「地球のココロ」
http://chikyu-no-cocolo.cocolog-nifty.com/blog/author/author777c7/
・最近は、自分でネットショップを制作する訓練を行っています。