全建総連 支援対策本部ニュース(No.21) 全建総連・田村委員長も北東

2011 年 4 月 2 日
全建総連 支援対策本部ニュース(No.21)
全建総連 東日本大震災支援対策本部
全建総連・田村委員長も北東地協入り
田村委員長(中央左)と山形・三浦委員長が握手
全建総連・田村中央執行委員長
は、東日本大震災における現地激
励行動として、宮城県連と岩手県
連を訪問することになりました。
宮城県連へ向かう前日の 3 月
31 日、山形県連会館に立ち寄り、
そこで山形県連・三浦委員長はじ
め、佐藤副委員長、井上書記長、
相田国保事務局長、青柳書記次長、
佐藤書記と面談しました。全建総
連からは勝野社保対部長、小野寺、
須沢両書記が同行。
冒頭、三浦委員長は「4 月 1 日には、田村委員長の激励行動と合わせて、山形県連・
北海道連・秋田建労からの義援金を宮城県連に手渡す。被災した仲間に対して『かゆ
い所まで手が届く支援』をしていきたい」と決意を述べました。
田村委員長は山形県連の復興支援活動に敬意を表した上で、「津波により甚大な被
害を受けた地域を報道で見るたび、本当に胸を痛めている。先日、全国の仲間から財
政的、物的、人的支援について全力で取り組むことが臨時四役専門部長会議で確認さ
れた。被災生活からの一日も早い復興を目指し、全国の仲間が力を出し合い頑張ろう」
と激励しました。
山形県でも震災時には大規模な停電が発生。少しずつ復旧したものの、仲間の安否
確認に奔走したとの報告がありました。三浦委員長は「今回の被害は、人知を超えた
想定外のものだと言える。被災者は決して悪くない。近く、北東地協幹事会があり、
各被災地を訪問する。山形県では食生活は特に問題はないが、これを対岸の火事とせ
ず、被災者が生きるために何の支援が必要なのか、要望をしっかりくみ取って支援を
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果たしていきたい」と話しました。
最後に田村委員長が「被災者は決して諦めることのないように、気持ちを強くもっ
てほしい。現地視察では、全力で支援することを伝えていきたい」と強く約束しまし
た。
宮城班からの報告
4月1日、津波の被害が深刻な宮城
県連の南三陸町建設職組合に、全建総
連・田村委員長をはじめ山崎県連会長、
全建総連・勝野社保対部長他3人が仲
間を激励するため訪問しました。南三
陸町建設職組合からは渡辺組合長、佐
藤副組合長、渡辺会計が対応。
田村委員長から、支援物資(ブルー
シート・土嚢袋、ガスコンロ、ボンベ、
電池等)が手渡されると、渡辺組合長
田村委員長が南三陸町の渡辺組合長を激励
は「道具がない」
「ガソリンがない」な
ど動き出したくても動き出せない現状を訴えました。また、仲間の安否を確認するた
め、被災しながらも苦労を重ねて作成した安否確認シートが提出され、全組合員 90
人の状況が明らかになりました。
渡辺組合長(左)が津波被害の状況を田村委員長に説明
する=南三陸町の造船所跡地
山形三浦委員長から山崎会長(右)に義援金
残念ながら組合員3人、家族6人の方の死亡が明らかになり、組合員 13 人につい
ては未だに確認がとれておらず、また避難所や親戚の家に身を寄せている方が約 30
人いることがわかりました。
その後、①海に面した造船所跡地、②町役場・防災対策庁舎、③避難所の志津川中
学校を視察しました。
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津波の衝撃で鉄骨部分しか残らなかった防災対策庁舎
町の跡形も無い(南三陸町)
地震発生時の状況について渡辺組合長は「ゴーという音と共に、杉の木が立ったま
ま流されて行くのが見えた」と述べ、また、渡辺会計は、4階建の庁舎屋上にあるア
ンテナを指さし「あのアンテナに町長がしがみついて、救助が来るまでネクタイを燃
やして暖をとった」「3階で町内に避難案内アナウンスをしていた女性職員が、その
まま流された」など津波による深刻な被害状況を語ってくれました。
避難所になっている志津川中学校は、町
内を見渡せる高台にあります。その高台か
ら眼下の南三陸町を望むと、わずかに鉄骨
と基礎部分を残すだけで一面は瓦礫が覆う
悲惨な光景が広がり、一同は言葉を失い、
田村委員長は手を合わせて犠牲者に祈りを
捧げました。
なお、避難所では組合員とその家族が避
難していましたが、日中は復興活動で外出 手を合わせ、犠牲者に祈りを捧げる田村委員長と山崎
しており会うことができませんでした。
会長=高台にある避難所・志津川中学校から
被災地を視察した山崎会長は「行政に要請するにも、ま
ずは組合員の状況を把握する必要がある。今日、提出して
もらった安否確認シートを支援対策本部で集約し、要請を
していく体制を整える」と約束し、渡辺組合長と握手を交
わしました。
その後、県連本部に戻り、視察状況を支援対策本部に報
告。八木県連副会長、日下幹事長からは、七ヶ浜町と塩釜
市を回ってきた報告がありました。
避難所の伝言版(志津川中学校)
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岩手班からの報告
4月2日午前 10 時より盛岡建労会議室において、第2回岩手県連執行委員会が開
催され、昨日から福島、宮城の被災地を訪問していた田村委員長、古市書記長がそろ
って参加しました。
田村委員長は「昨日宮城で震災被
害の現地を訪問したが、テレビの映
像とは違いまさに生き地獄のような
状態だった。震災にあわれた仲間に
あらためてお見舞いを申し上げると
ともに、復興支援のために寝食を忘
れ大奮闘されている役員の皆さんに、
心から感謝申し上げます。全建総連
は組織の総力をあげて地域の復興、
仲間の生活再建のために全力で支援
田村委員長(中央)から岩手県連の皆さんに激励のあいさつ
を行っていきます」と大震災へのお
見舞いを述べるとともに、激励の挨拶を行いました。
挨拶のあと2人は鈴木組合長の待つ宮古へ向かい、現地の視察とあわせ復興支援に
奮闘する宮古建設組合を激励しました。
震災後初めて開催された県連執行委
員会では、今後の復興支援に向けての方
針が提起され、活発な論議が行われまし
た。はじめに被害の大きかった3つの組
合(宮古・釜石・大槌)の執行委員から
被害の実態と支援活動の様子が報告され
ました。3つの組合からの報告で共通し
ていたのは、①全建総連本部を中心とし
た全国の仲間からのご支援には本当に感
執行委員会では被災した各地の状況が報告された
謝している。②被害が大きすぎ、仲間の
安否確認が思うように進まない。③仲間
のほとんどが仕事の車や道具・機械などを流されていて、今後の仕事ができない状態
だ。全国からの支援をお願いしたい。との事でした。
また宮古では瓦礫の撤去、釜石では棺つくりなどの支援依頼が復興協議会や行政
から来てボランティアで頑張っている活動なども報告されました。
県連では明日の日曜日(3日)には宮古へ盛岡・八幡平の北部の組合から 15 人
が雇用促進住宅への引越しの手伝いのボランティアに参加するなど、被害の大きい沿
岸3組合の地域への行政からの依頼による支援や、具体的な組合や組合員への支援と
しての物資や人的な支援を合わせて、全力で頑張ることが確認されました。
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全建総連福島からの報告
~風評被害に耐え、いわきにも明るい兆し~
全建総連福島、遠藤安男執行委員長は3月 31 日、地震後の対策を兼ねて全建総連
田村、いわきウイング建設組合を訪問しました。最初に訪問した全建総連田村は、一
部が福島第一原発から 30km の屋内退避区域になっていますが、
「組合員及び市内の被
害はない」と宗像英雄組合長より報告がありました。しかしながら、自主的に避難さ
れている方、原発の避難指示で市内に避難している方もいて、近くの小学校も避難所
となっていました。
午後にはいわき市に向かい、い
わきウイング建設組合を訪問しま
した。高萩多喜蔵組合長の他、村
上政勝副組合長、鈴木章一副組合
長、小野俊幸書記長及び5人の書
記局員が、連日、組合員の対応に
追われており、この日もひっきり
なしに組合員が事務所を訪れてい
ました。いわき市は報道でもご存
じの通り、福島県内でも特に原発
による風評被害の激しい地域で、
「いわきにも人が戻ってきて、物資も回復してきた」といわき四役か
物資が滞り、一時期は市民もいな ら現状報告
いような状況でした。組合事務所
も地震発生後、燃料不足等により閉所を余儀なくされ、本格的に再開したのは3月連
休明けの 22 日と県内加盟組合でも最も遅い再開でした(原発の事故により閉所して
いる富岡、双葉、原町を除く)。
遠藤委員長も向かう車中では「一体何人の組合員がいなくなってしまっているのだ
ろう」と心配した様子でしたが、市内を見る限りでは街に活気も戻ってきたようで、
高萩組合長も「少しずつではあるが、食料品も手に入るようになってきた。だが、ま
だガソリンは足りない」と市内の現状を話してくれました。村上副組合長は「いわき
はまだ断水が各地で続いており、私もお風呂に入れるのは4日に1度だけ。それもも
らい湯をしたりしている。水はその他にもトイレ、洗濯にも必要だがライフラインの
復旧にはまだ時間がかかる」と震災後、他地区でのライフラインの復旧が進む中、い
わき市の復旧が遅い現状を声大きめに話していました。とにかく、福島第一原発から
いわき市の中心地は 50km~60km 離れているにも関わらず、過剰報道等で危険区域と
勘違いされています。放射線量を見ても数値は県内でも低く、安全です。人がいない
ことが復旧への大きな障害となっています。
全建総連福島においても、いわきウイング建設組合は県内加盟組合最大の組合(組
合員数約 2,600 人)であり、県連の要でもあります。遠藤委員長は、「いわきの組合
のみならず、県連としても減少を最小限に留めて頂けるよう、全力でバックアップす
る」と応援及び要請を行いました。
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参加した役員も口を揃えて、
「市内も人が戻りつつあり、組合員も戻ってきている。
中建国保の保険証更新も順調に進んでおり、多くても 100 人から 200 人の減少で留め
たい。仕事も再開している人も多い」と力強い返答を頂きました。また、現在、原発
問題の影響で避難をしている
富岡地区建設組合、双葉建設
組合の組合員が、場合によっ
てはいわきウイング建設組合
に、組合を変更する可能性も
予想されますが、その際も加
入金を免除するといった組合
間のつながりを重視し、組合
員の立場に立った対応をして
頂けるということです。
富岡、双葉の両組合及び南
相馬市にある全建総連原町の
3つの組合も、訪問したいと 「減少をくい止めてほしい」とお見舞金を高萩組合長(右から2番目)に渡す
ころでしたが、長引く原発問
題で立ち入ることが出来ませんでした。この3組合は支援対策ニュース No.16 でも報
告しましたように、県連事務所に仮事務所を開設しており、日夜、組合員の安否確認
や保険証の交換業務を行っています。
全建総連福島の組合員構成は、今回、「地震・津波・原発」の三重苦を被っている
浜通り地域(いわき・富岡・双葉・原町・相馬)に集中しているのが特徴であり、全
組合員数の約半数を占めています。それだけに組合活動の正常化には多くの時間を要
することが予想されます。地元に帰りたくても帰れない、放射線という見えない物質
に毎日悩まされている福島県民の精神的疲労は計り知れません。福島県はこの原発の
影響で風評被害等々もあり復興が大きく遅れています。いまだ復興に向けて動き出せ
ない地域が多くあります。
全国の仲間のみなさんからのご厚情を賜り、感謝するとともに、このような現状を
ご理解を頂き、引き続き温かい支援をお願い致します。
福島班からの報告
2 日午前に、郡山市内の富久山建設組合を訪問しました。事務所内では、全建総連
元副委員長の橋本組合長が応対。
「これで人生終わりと思った」と橋本組合長が語る揺れだったものの、組合員の人
的被害は 1 件もありませんでした。
現在問題なのは資材不足。「瓦修理に全て応えられるのは3年後とも言われている
し、特にコンパネはない。買い占めがあるのでは」と組合長は述べます。先日は市議
会から、雨漏りなどへの対応を求められ「できることから対応していく」と返答。
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市役所へ相談に出向いた市民か
ら、富久山建設に問い合わせが来
ています。
淺賀共済福祉部長は、資材不足
については国交省へ「被災地を最
優先」とするよう、重ねて要請し
ていることを伝えました。
郡山で富久山建設の橋本組合長(正面)と面会
富久山建設・全建総連田村とも人的被害はなし
続けて訪問した全建総連田村では、宗像理事長と大内書記長が出迎えました。不足
が深刻だったガソリンは「徐々に入り始めている。ただし 20 リットルの制限がある」
(理事長)、「だから息子には開いているスタンドがあれば入れるよう指示している」
(書記長)といいます。
富久山同様に組合員の人的被害はないものの、市内では瓦を中心に「かなりの被害
が出ている」状況です。
田村では市内の 3 分の 1 が自主避難の対象などとなっています。そのため理事長、
書記長が気にしているのは今後の仕事確保と、滞納の増加です。
淺賀部長からは、仮設住宅建設を通じた仕事確保と、物資支援について述べ「要望
事項があればできる限り応えたい」と伝えました。
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