定例 森の観察会 御所湖水鳥観察会 開催日時: H24年 3月 18日 10:00~12:00 天 気: くもり 参加人数: 15名 講 師:荒木田昭子氏 (日本野鳥の会会員) 共 催:岩手県御所湖広域公園 3 月恒例の冬鳥観察会を御所湖広域公園と共同で開催しまし た。昨年度は大震災直後で中止となり、2 年ぶりの開催です。 風もなく暖かな朝。今年一番の春らしい陽気に誘われて、集合 場所の野菊公園休憩所前では、ニホンミツバチやカメノコテント ウが動き出し、ゆるんだ雪の上にはトビムシの仲間がたくさん動 き回っていました。湖岸に立つ大きなドロノキにご挨拶してから、 用意した防寒着を一枚脱いでスタートです。今回は野菊公園前、 安庭橋のたもとから観察しました。 トビムシの観察 双眼鏡を逆から見ると ルーペとして使えます 今年の雪解けは少し遅いようで、御所湖の湖岸沿いはまだ凍 っていたので、例年より近に来てくれました。 雪解けにあわせて御所湖周辺の水田に集まってくるオオハク チョウの大きな群れも、今年はまだ見られないとのこと。それで も、湖には多くの水鳥たちが、採食や安全な夜間の採餌に備えて 休息に集まっていました。 まず目に付いたのは上空を飛ぶオナガガモの群れ。50 羽ほど の群れが湖岸に降りました。次に湖岸に目立ったのはカワウ。頭 が婚姻色である白い毛で被われている個体が大多数で、婚姻色の 出ていない個体は数えるほどでした。 カワウ 冬に大きな群れとなる水鳥とともに、捕食者である猛禽類も湖などに飛来します。御所湖で は、かつてはホシハジロが 3 万羽ほどの群れで飛来し、それを狙う猛禽も数多く見られたそう ですが、現在はホシハジロもそれほど多くなく、飛来する猛禽も減ったそうです。 この観察会でも、水鳥と並ぶ主役は猛禽類。 我々の頭上を数羽のトビが手の届きそうな低さで何度も旋 回し、ノスリは獲物を探しながら地面との距離を測るように 行き来していました。 氷の上に寄り添う 2 羽のオジロワシを発見。やがて飛び立 ち、白い尾羽を見せつけるように、頭上をゆっくりと旋回し てくれました。 1 オジロワシ その後、橋の上をミサゴが 1 羽通過し、その後を 6 羽のハ シブトガラスが追尾していきました。ネイチャーセンターで ハイタカを追尾する行動と同様に、獲物の横取りを狙ってい たのかもしれません。 湖面ではカンムリカイツブリや、パンダガモの愛称で呼ば れるミコアイサが、ときおり潜水採食をしながら泳いでいま した。 カモ類の採食方法は、水面に浮いた植物の種子などを食べ る水面採食と、水中の貝類や魚類、植物などを食べる潜水採 食に分かれます。おおまかな見分け方としては、尾羽が水面 より上方向に上がっているカモは水面採食で、尾羽を水面に 水平につけるような姿のカモは潜水採食とのことです。 ミコアイサ 終了時間も近くなり、「出てきそうな鳥はだいたい出たけ ど、ヤマセミも見たかったですね」と話していると、突然、 キャキャキャキャっと鳴きながらヤマセミが湖面方向から現 れ、橋の上を通過しました。 ヤマセミの通過とともに町内放送が正午を知らせ、数百羽 のオナガガモの群れが旋回しました。狩りの始まりの合図に なってしまったのカモしれません。 天候にも恵まれ、参加された皆さんもきっと大満足の観察 会となりました。 ゆったりと航跡を描いて・・・ * 今回観察できた鳥 * オナガガモ・マガモ・コガモ・ヒドリガモ・ ホシハジロ・カルガモ・ミコアイサ・オオ ハクチョウ・カワウ・カンムリカイツブ リ・アオサギ・トビ・ノスリ・ケアシノス リ・オジロワシ・ミサゴ・ヤマセミ・ハシ ブトガラス・カワラヒワ・コゲラ・ツグミ・ ドバト・シジュウカラ・スズメ・セグロセ キレイ 次回は4月15日(第 3 日曜日)に「虫の眼で見るネイチャーランド」を開催します。 冬を越えて動き出した虫たちの目線で春を感じましょう。 10:00 までにネイチャーセンターへお集まりください。 2
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