鳥獣被害防止計画 (PDFファイル)

計画作成年度
計画主体
平成26年度
延
岡
市
延岡市鳥獣被害防止計画
<連絡先>
担当部署名
所 在 地
電話番号
FAX番 号
メールアドレス
延岡市農林水産部農林畜産課
延岡市東本小路 2 番地 1
0982-22-7018
0982-21-6204
[email protected]
1.対象鳥獣の種類、被害防止計画の期間及び対象地域
対象鳥獣
計画期間
対象地域
イノシシ、シカ、サル、カワウ
平成26年度~平成28年度
延岡市全域
2.鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止に関する基本的な方針
(1)被害の現状(平成24年度実績)
被害の現状
鳥獣の種類
品目
被害数値
イネ
10.47ha
9,612 千円
果樹
0.28ha
1,276 千円
飼料作物
0.04ha
19 千円
野菜
1.87ha
3,930 千円
イノシシ
イモ類
0.08ha
160 千円
その他
0.61ha
1,045 千円
計
シ
カ
イネ
麦類
飼料作物
野菜
イモ類
13.35ha
8.09ha
0.51ha
0.04ha
0.69ha
0.04ha
16,042 千円
7,427 千円
31 千円
19 千円
1,681 千円
47 千円
工芸作物
0.21ha
811 千円
0.79ha
10.37ha
0.05ha
0.04ha
0.18ha
1,351 千円
11,367 千円
29 千円
19 千円
528 千円
0.27ha
576 千円
24,000 千円
その他
計
果樹
飼料作物
野菜
サ
ル
計
カワウ
アユ等
-1-
(2)被害の傾向
イ
ノ
シ
シ
シ
カ
サ
ル
カ
ワ
ウ
従来は季節的に被害の発生時期が限られていたが、近年は狩猟期に箱
わなを使用する狩猟者が増えたことによる米ぬか等の餌付けの影響か、
中山間地域ではイノシシが里まで入りこみ、イネや水田裏作の飼料作物
への被害が拡大している。
近年は狩猟者の減少により捕獲班の編成にも支障をきたしているが、
捕獲強化の取組により徐々にではあるが実績は伸びている。
県の調査によると本市の約8割を占める五ヶ瀬川北部地域では生息密
度が41.2頭/k㎡と増加傾向にあり、従来はスギやヒノキ等造林木や椎茸
等の特用林産物の被害が主であったが、近年は群れをなして集落内の農
地に出没するなど、農作物への被害が周年を通じて発生しており、特に
イネの被害が拡大傾向にある。
近年は狩猟者の減少や高齢化により捕獲班の編成にも支障をきたして
はいるが、班員の努力や捕獲の強化により有害捕獲の実績は一定の成果
をみている。
しかしながら、シカ肉の需要が落ち込んでいることから、需要拡大に
向けシカ肉の加工品開発や飲食店のオープン等の新たな取組が始まって
いる。
県北地域のサルの群れは、北浦町、北川町を中心とした北東部に多く
生息しており、その群数は約20群、830頭~1,030頭と推測されている。
(第4期特定鳥獣保護管理計画:H20年度調査)
戦後の拡大造林、管理されない人工林が増加したことから、餌場とな
る自然林が減少した結果、群れの餌を求めた行動範囲も広がり、農作物
への被害は恒常的に発生している。
また、女性や高齢者が居ても逃げないなど、すでに集落を餌場と認識
した行動が見受けられるなど、被害レベルも高くなっている。
特に、森林に餌の少なくなる冬場には、農作物の食害のみならず家屋
へ侵入するなど生活環境への被害も発生している。
近年、全国的に生息域が拡大している。本市の重要な資源であるア
ユの食害については、溯上期と産卵期に被害が大きい。
(3)被害の軽減目標
指
標
イノシシ
シ
カ
サ
ル
カ ワ ウ
現状値(平成24年度) 目標値(平成28年度)
13.35ha 16,042千円
9.34ha 11,229千円
10.37ha 11,367千円
0.27ha
576千円
24,000千円
-2-
7.25ha
7,956千円
0.18ha
403千円
16,800千円
(4)従来講じてきた被害防止対策
捕獲等
に関す
る取組
従来講じてきた被害防止対策
イノシシに関しては、猟友会
各支部の協力のもと、有害鳥獣
捕獲班を編成して休日を中心と
した銃器による捕獲と、有害捕
獲用に導入した捕獲檻により捕
獲を実施している。
また、捕獲獣は食肉として利
用している。
シカに関しては、猟友会各支
部の協力のもと、有害鳥獣捕獲
班を編成して休日を中心に捕獲
活動を実施している。
また、捕獲獣は食肉として利
用している。
サルに関しては、延岡地区猟
友会の協力のもと野猿特別捕獲
班を編成し、捕獲の効率化を図
っている。
また、捕獲獣は殺処分のうえ焼
却や埋設の処置をしている。
課
題
猟友会員の高齢化と常勤者の増加
で、土日等休日以外の捕獲活動が難し
い。
猟友会員の高齢化と常勤者の増加
で、土日等休日以外の捕獲活動が難し
い。
猟友会員全てが好んでサルを捕獲
する訳ではないので、特別捕獲班の編
成に課題が残る。
また、集落の近辺では銃器の使用が
制限されるので、捕獲が進まない。
カワウに関しては、猟友会各
銃器の使用できる場所が限定され
支部の協力のもと、有害鳥獣捕 るので、捕獲活動が難しい。
獲班を編成して銃器による捕獲
や追い払いを実施している。
イノシシに関しては、被害
電気柵については、下草の除去等適
の多発する中山間地域の農地に 正な管理が望まれる。
、電気柵を設置している。
シカに関しては、被害の多発
電気柵については、下草の除去等適
防護柵の
する中山間地域の農地に、電気 正な管理が望まれる。
設置等に
柵と侵入防止ネットを設置して
関する取
いる。
組
サル対策として電線入りネット
電線入りネットは高価なため、設置
をモデル圃場に設置し検証する する圃場が限られる。
一方、追上げ・追い払い活動を
追上げ・追い払い活動は被害のなか
実施している。
った地区への被害拡大が懸念される。
-3-
(5)今後の取組方針
イノシシ
集落全体の農地の被害防止を図るため、集落を囲う侵入
防止柵や電気柵の普及を図る。
シ
カ
集落全体の農地の被害防止を図るため、集落を囲う侵入防
止柵や電気柵の普及を図る。
サ
ル
電線入りネットを設置している圃場での被害防止効果を
検証し、今後の普及を図る。
カワウ
共通
分布状況や生態・漁業への被害調査を行う。
集落単位での対策が重要なことから、被害状況にあった
研修会を開催し、住民の意識啓発と知識向上を図る。
また、被害が多い集落に対してはリーダ的人材の育成に
よる集落独自の対策を推進し、鳥獣類の近づかない環境作
りを支援していく。
3.対象鳥獣の捕獲等に関する事項
(1)対象鳥獣の捕獲体制
サル
シカ
イノシシ
カワウ
捕獲体制
地元猟友会の推薦により延岡市有害鳥獣害対策協議会が
編成する野猿特別捕獲班に依頼して、捕獲体制を構築する。
地元猟友会の推薦により延岡市有害鳥獣対策協議会が編
成する有害鳥獣捕獲班に依頼して、捕獲体制を構築する。
平成26~28年度捕獲体制
19班215名
(2)その他捕獲に関する取組
年度
26年度
27年度
28年度
対象鳥獣
イノシシ
シカ
サル
カワウ
イノシシ
シカ
サル
カワウ
イノシシ
シカ
サル
カワウ
取組内容
有害鳥獣捕獲班員の確保・育成
関係機関との連携
有害鳥獣捕獲班員の確保・育成
関係機関との連携
有害鳥獣捕獲班員の確保・育成
関係機関との連携
-4-
(3)対象鳥獣の捕獲計画
捕獲計画数等の設定の考え方
イノシシ
シカ
サル
カワウ
対象鳥獣
宮崎県特定鳥獣保護管理計画に基づき、生息状況や近年の捕
獲実績により、関係機関と協議し捕獲頭数を設定する。
平成26年度
捕獲計画数等
平成27年度
平成28年度
イノシシ
捕獲予定
3,035頭
捕獲予定
2,500頭
捕獲予定
2,500頭
シカ
捕獲予定
3,235頭
捕獲予定
3,200頭
捕獲予定
2,800頭
サル
捕獲予定
130頭
捕獲予定
150頭
捕獲予定
150頭
カワウ
捕獲予定
50羽
捕獲予定
50羽
捕獲予定
50羽
捕獲等の取組内容
イノシシ
シカ
サル
カワウ
被害が発生する春先並びにイネに被害が発生する7月か
ら10月に捕獲体制を強化し、銃器による捕獲を主とするが、
猟犬の活動が鈍る夏場は捕獲檻による捕獲も併せて行う。
被害の発生している地域については、全ての地区で周年捕
獲体制とし、銃器を使用した捕獲を主とするが、今後は捕獲
檻の導入による捕獲体制の強化を図る。
被害の発生している地域については、全ての地区で1年を
通じて捕獲できる体制とし、集落周辺は捕獲檻による捕獲と
し、銃器は追払いと山間部で主に使用する。
アユの遡上時及び産卵期に集中して捕獲体制の強化を図
る。
(4)許可権限委譲事項
対象地域
対象鳥獣
-5-
4.防護柵の設置その他の対象鳥獣の捕獲以外の被害防止施策に関する事項
(1)侵入防止柵の整備計画
対象鳥獣
イノシシ
平成26年度
電線柵
電気柵
整備内容
平成27年度
平成28年度
5,000m
5,000m ワイヤーメッシュ柵
5,000m 金網柵
10,000m ネット柵
シカ
金網柵
ネット
サル
電線入ネット
ワイヤーメッシュ柵
12,000m
金網柵
7,000m
ネット柵
1,000m
電気柵
8,000m
5,000m
1,000m
1,000m
200m
(2)その他被害防止に関する取組
年度
26年度
27年度
28年度
対象鳥獣
取組内容
追上げ・追払い活動、侵入防止柵等の整備・管理、放任
イノシシ 果樹の除去、緩衝帯の設置
また、鳥獣被害対策マイスター研修への職員の派遣や、
シカ
鳥獣被害マイスターを取得した職員による被害地域の地
サル
カワウ 元リーダーの育成。
5.対象鳥獣による住民の生命、身体又は財産に係る被害が生じ、又は生じる
おそれがある場合の対処に関する事項
(1)関係機関等の役割
関係機関等の名称
宮崎県
延岡警察署
延岡市
延岡地区猟友会
役割
指導、助言
指導、助言、猟友会に対する駆除命令
情報収集、関係機関への連絡、猟友会の召集
捕獲等の協力、命による駆除の実施
-6-
(2)緊急時の連絡体制
宮崎県
延岡市
延岡警察署
延岡地区猟友会
6.被害防止施策の実施体制に関する事項
(1)被害防止対策協議会に関する事項
被害防止対策協議会の名称
構成機関の名称
延岡市
東臼杵農林振興局
延岡農業協同組合
延岡地区猟友会
被害地区農業者
漁業協同組合
延岡市野生鳥獣被害対策協議会
役
割
被害防止活動の支援
被害防止技術支援、被害防止対策の検証
被害農家への指導・支援
捕獲体制の整備・協力
追上げ・追払い活動
捕獲体制の整備・協力
(2)関係機関に関する事項
関係機関の名称
役
-7-
割
(3)鳥獣被害対策実施隊に関する事項
鳥獣被害対策の専門家による講義等で知識を習得した市の職員を実施隊と
し、集落単位の防護柵の設置や、被害対策等の指導を行う。
延岡市鳥獣被害対策実施隊
平成24年 3月28日設立
職員4名で構成
主な活動内容は、①侵入防止柵の設置指導
②集落における被害防除対策等の指導・助言
③捕獲活動の実施 等
(4)その他被害防止施策の実施体制に関する事項
7.捕獲等をした対象鳥獣の処理に関する事項
イノシシ
肉としての利活用
シカ
肉としての利活用
サル
適切な処理施設での焼却、捕獲現場での埋設
カワウ
捕獲現場での適切な埋設
8.その他被害防止施策の実施に関し必要な事項
イノシシ
肉としての消費拡大に努めることが、狩猟期間中の捕獲数
の増加につながり被害防止が図れる。
シカ
肉としての消費拡大に努めることが、狩猟期間中の捕獲数
の増加につながり被害防止が図れる。
また、隣県で捕獲効果が実証されている捕獲檻の導入が必
要である。
サル
追上げ・追払いで効果をあげるには、餌場となる自然林が
必要であり、人工林の伐採後は森林に実のなる木を植えるな
ど長いスパンの対策を講じなければならない。
また、住民がサルを見かけたら即座に追払うなど集落を餌
場と認識させない協力体制が必要である。
カワウ
関係機関との連携が必要である。
-8-