ネココロナウイルス (FC oV )定量 /定性検査 コード;G001 5-1 G0 015 -2 FCoV FCoV ;検体採取法参照 資料2 抗体価が低くてもウイルスが 検出された症例が存在 FC oV 数と FCoV 抗体価の相関 [方法 ]ネココロナウイルス抗 109 体価が明らかな 93症例で リアルタイム P C R 法を用い 108 討した。 [結果 ]コロナウイルス抗体価と ウイルス数には明らかな相 関は認められなかった。 ネココロナウイルス数 ウイルス数を算出し、抗体 価とウイルス数の相関を検 107 106 105 104 103 (/ N) 102 101 ND ND (n=60) x100 x200 (n=4) (n=1) x400 x800 x1600 (n=8) (n=3) (n=10) x3200 x6400 (n=2) (n=5) コロナウイルス抗体価 (検体数) (日本獣医生命科学大学田中良和先生との共同研究) 抗体価が高くてもウイルスが 検出されない症例が存在 F A Q 集 Q:検査で F CoV が検出されたら FI Pと確定診断がつきますか。 A:検体により異なります。腹水・胸水から検出された場合には、FIPと確定診断して間違いないと考えられます。しかし、血液 中から検出された場合にはウイルスの有無だけでは診断できません。FIPの臨床症状が伴いウイルスが検出されれば(その 他の検査で疑いが強い場合等)、FIPと確定して良いと思われます。一方、臨床症状が伴わない場合 (健康診断で検査を行っ たらウイルスが検出された等)には、FIPの原因となりうるウイルスが血液中に存在することは間違いありません(感染は成 立しています)が、FIPは発症していないと考えられます。このような症例では定期的に検査を行い、臨床経過を注意深く 観察する必要があります。 Q:ウイルス数に基準値はありますか。 A:現在、基準値は設定できていません。ただし、一般的に血液・腹水・胸水・脳脊髄液からウイルスは検出されることはないの で、検出された場合には異常(FC oV の感染は成立) と判断します。 Q:ウイルスが検出されたら必ず FI Pを発症しますか。 A:血液で検出された場合には、必ずしも発症するとは言えません。ウイルス数が低い場合には、陰性転化することがあります。 当社の検査で血液中からウイルスが 1 , 5 0 0 / N検出された症例がいますが、その後陰性転化し元気にすごしています。 一方、ウイルス数が数百しか検出されなかったにも関わらず、明らかな臨床症状が認められた症例もあります。 Q:ウイルスが検出されなければ、今後 FI Pを発症する可能性はないと断定できますか。 A:断定はできません。健常なネコの約 60%で糞便から F Co V が検出されたという報告があります。FI Pは腸管に存在する FC oV の一部が変異を起こし血液中で増殖することが原因とされています。検査により血液中から検出されなくとも、今後糞 便中の F CoV が何らかの原因で血液に移行する可能性は否定できません。 Q:ウイルスが検出されなければ、FI Pを否定できますか。 A:完全には否定できませんが、その他の疾患を疑うべきと考えられます。ただし、リアルタイム P C R 法は非常に感度の良い検 査ですが、非常に低濃度のウイルスしか存在しない場合には検出できない場合があります (検出限界以下) 。また現在知られて いない変異型の F C o V が出現した場合には、検出できない可能性もあります。 Q:糞便から検出できますか。 A:検査は可能ですが、健常なネコでも腸管には F C o V が存在するので、検出されたウイルスが F I Pの原因となる F C o V であるの か、それとも腸コロナであるのか明らかにできません。 Q:定量検査と定性検査は、どのように使い分ければ良いですか。 A:定量検査と定性検査の間には、感度と特異性に違いはありません。健康診断等で F C o V の存在を除外したい場合、または FI P を疑う明らかな臨床症状があり確定診断のために F Co V の存在を確かめたい場合には、定性検査で十分であると考えられま す。一方、治療効果の判定を行うには定量検査によりウイルス数の算出が必要です。定性検査を行った後、同一検体で定量検 査を行うことも可能です。 ケーナインラボ 感染症 42
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