201107rs(約790K)

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最近の道内経済産業動向
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※以下 (項目別) の下線部分は月以降の動き (右ページに補足あり)
(
●個人消費は弱含み
月の大型小売店販売額 (既存店) は前年比▲
%とカ月連続で減少した。 内訳をみる
と、 スーパーが同▲
%と微減。 震災後の駆け込み消費の反動などから飲食料品が減少に転
じた。 その一方で、 百貨店が同▲
%と前月 (同▲
%) から落ち込み幅が縮小した。 震災
による自粛ムード緩和や、 札幌市内中心部をつなぐ地下歩道開通効果などが見受けられた。
また、 震災の影響による商品不足を映じて、 月の乗用車新車販売台数 (含む軽) は前年比▲
%と前月 (同▲
%) から減少幅が拡大した。 なお、 月は例年と比べて気温が低かった影
響から夏物衣料品などの出足が鈍かった模様。
●住宅着工は持ち直しの動き、 公共工事は低調
新設住宅着工戸数 (月) は、 前年比
%増と再び増加に転じた (∼月累計:同
%増)。 貸家がカ月連続で二桁の減少幅となったものの、 分譲マンションや持家が全体の押
し上げに寄与した。 先行きは、 引き続き住宅取得マインドの慎重化などに注意を要する。 公
共工事請負金額 (月) は同▲
%と再び減少に転じた (∼月累計:同
%増)。 ただ、
月は再び増加に転じた模様。 設備投資は、 月の民間建築物着工床面積 (非居住用) が同
%増とカ月連続で増加するなど、 下げ止まりの動きが見受けられる。
●生産は一部に持ち直しの兆し
月の鉱工業生産は前月比
%上昇と再び上昇に転じた。 例年の設備投資需要を映じて金
属製品 (軽量鉄骨・橋りょう) が大幅に増加したほか、 紙・パルプ (上質紙) や食料品 (ビー
ル、 ミネラルウオーター) など一部業種で被災工場の代替生産が見受けられた。 足元では、
自動車部品関連で回復の動きが見受けられるなど、 月以降、 生産は持ち直しの動きがより明確
になってくるとみられる。
●輸出は一進一退
新設住宅着工戸数 (北海道分)
月の通関輸出額は前年比
%増とカ月
(前年比・%、 寄与度・%ポイント)
連続で増加した。 鉄鋼 (マレーシア向け天然ガ
戸数合計 (前年比・%)
スパイプライン用鋼管など) が大幅に増加した
ほか、 輸送機械 (マーシャル向け船舶) なども
押し上げに寄与した。 今のところ震災による影
響は限定的。
●観光は下押し圧力が根強い
来道者数 (月) は前年比▲
%とカ月
▲
連続で大幅な減少となった。 ただ、 交通網の復
寄
うち持家
与
旧などから、 前月から減少幅がいくぶん縮小し ▲
うち貸家
度
うち給与住宅
た。 足元、 台湾との定期便本数が震災前の水準 ▲
前
うち分譲住宅
年
まで回復するなど、 月以降、 海外客の持ち直 ▲
比
戸数合計
・
しが期待される。
%
ポ
▲
イ
●雇用情勢は引き続き持ち直しの動き
四半期 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ ン
ト
月の有効求人倍率 (常用) は前年比
ポイ
年
ント上昇の
倍とカ月連続で改善した。 月
(注) 年∼月期は月単月の実績。
(注) 寄与度とは、 全体 (戸数合計) の増減率に対し、
の新規求人数 (前年比
%増) をみると、 医療・
各構成要素 (持家・貸家・給与住宅・分譲住宅)
がどの程度貢献しているかを表すもの。
福祉がカ月連続で増加したほか、 震災関連の
(出所) 国土交通省
求人増加から建設業もカ月連続で増加した。
MNO:
調査ニュース
)
▲ ▲
□ 主要経済指標の推移 (月まで) と月以降の動向
個人消費・観光関連
(前年比伸び率・%、 前年差・ポイント)
年度・四半期・月
大型小売店販売額 (既存店)
(全店)
乗用車新車販売台数 (含む軽)
来 道 者 数
外国人入国者数
▲ ▲ ▲ ▲ −
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ −
▲ ▲ ▲ −
▲ ▲ ▲
▲ ▲ −
▲ ▲ ▲
▲
▲ ▲ ▲ ▲ ▲
▲
▲
▲
▲
−
(月以降の動向)
・個人消費:震災による消費自粛ムードに一服感が見受けられる。 ただ、 月以降は天候不順などが影響し、
夏物衣料などの出足が鈍かった模様。 また、 国際商品相場の高止まりなどを映じて、 食料品や衣料品の一部
で価格上昇の兆候が見受けられ、 先行きその影響が懸念される。
・観光:新千歳−羽田間を就航する主要航空社の総旅客数 (月、 スカイマークのみ確報値、 その他は速報
値) は前年比▲
%。 大手航空会社では震災後の減便による影響が見受けられた。 月の外国人入国者数
(概数、 新千歳空港分) は同▲
%と月 (同▲
%) に引き続き大幅な減少となった。 ただ、 足元で
は台湾との定期便本数が回復するなど、 月以降、 外国人観光客の持ち直しが期待される。
建設関連
(前年比伸び率、 %)
年度・四半期・月
新設住宅着工戸数
うち持家
うち貸家
うち分譲住宅
(うち分譲マンション)
公 共 工 事 請 負 金 額 (保証会社合計)
民間建築物着工床面積 (非居住用)
− −
▲
▲ ▲
▲ ▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
−
−
▲ ▲
▲ ▲ ▲
▲
▲
▲ ▲
▲
▲
(月以降の動向)
・住宅着工:震災直後に問題となった建築資材の需給ひっ迫懸念は足元で沈静化しており、 その影響は
さほど見受けられない。 また、 震災による住宅取得マインドの慎重化も懸念されていたが、 GW期間
中のモデルハウス来場者動向や月のマンション成約動向 (札幌市内分) などからみても、 その影響
は限定的だったと考えられる。
・公共投資:月の公共工事請負金額 (道外保証会社分除く) は前年比
%増と再び増加に転じた。
生産・輸出関連
(前年比伸び率、 %)
年度・四半期・月
鉱 工 業 生 産 指 数 (原指数)
(季調済・前月比)
通 関 輸 出 額 (函館税関・道内分)
▲ −
▲
− − −
− ▲ ▲ − ▲ ▲ ▲ ▲
(月以降の動向)
・製造業生産:サプライチェーン寸断の影響などから大幅な減産を余儀なくされた自動車部品関連では、
トヨタ自動車北海道が月下旬、 通常生産に回復。 また、 太平洋セメントは被災した大船渡工場が担っ
てきた特殊セメント生産を上磯工場 (北斗市) で一部代替生産する方針を発表。 月以降の生産は持
ち直しの動きがより明確になってくると予想される。
・輸出:トヨタ自動車は約割に落としていた北米工場の稼働率を、 月上旬から割程度にまで引き
上げる方針。 月 (前年比▲
%) に大きく落ち込んだ米国向け自動車部品は、 月以降、 徐々に
回復テンポが高まるとみられる。
倒産・雇用関連
年度・四半期・月
(前年比伸び率・%、 前年差・ポイント)
− − −
− 倒 産 件 数 (東京商工リサーチ)
▲
▲ ▲
有効求人倍率 (常用、 前年差)
▲
▲ −
(データ出所) :北海道経済産業局、 函館税関、 北海道観光振興機構、 法務省、 国土交通省、 北海道建設業信用保証、
日本自動車販売協会連合会札幌支部、 全国軽自動車協会連合会札幌地区事務取扱所、 東京商工リサーチ、
北海道労働局、 各種報道、 各社HPなどを基に北海道銀行が作成。
■
調査ニュース
震災後の道内住宅着工
道内の住宅着工は持ち直しの動きが続いており、 東日本大震災 (以下、 震災) による影響も
限定的と見受けられる。 先行きは、 住宅取得マインドの変化 (慎重化) に不透明感が残るなか、
新たに消費税増税論議の行方なども着工動向を左右しそうだ。
持ち直しの動きが続く住宅着工
道内の新設住宅着工戸数をみると、 持家や
分譲マンションを中心に持ち直しの動きが続
いている。 震災直後は建築資材の調達目途が
立たない (計画の後ずれ) などの影響がみら
れたが、 物流網の回復などから徐々に正常化
へ向かい、 足元、 その影響は限定的となって
いる。 また、 震災後は住宅取得マインドの慎
重化も危惧されたが、 先行きの着工を占う上
で参考となるGW期間中のモデルハウス来場
者数 (札幌市内) は、 代の子ども連れ家族
を中心に堅調に推移した模様。 また、 月の
分譲マンション成約件数 (札幌市内、 速報、
DGコミュニケーションズ調べ) は同
%
増と再び増加に転じた (∼月累計:同
%増)。 今のところ、 震災によるマインドへ
の影響は限定的と言えそうだ。
震災後の新たなキーワード
最近、 住宅販売担当者からよく耳にする言
葉がある。 「消費税増税」 である。 足元では
社会保障財源として消費税増税論議が本格化
しており、 政府が
年度までに段階的な税
率引き上げを実施するとの観測が強まってい
るためだ。 前回増税 (
年月、 税率:
→%) 前の新設住宅着工戸数 (道内) を振
り返ると、 年度が前年比
%増と年ぶ
りに増加している (
年度:同▲
%)。 当
時は住宅金融公庫 (現:住宅金融支援機構)
の融資制度変更前の駆け込み要因などもあっ
たが、 少なからず増税を理由とした駆け込み
が住宅着工の押し上げに寄与したとみられる。
一方で、 翌年度以降の新設住宅着工戸数をみ
ると、 年度 (同▲
%)、 年度 (同▲
%) と年連続で大幅な減少幅を記録してい
る。 拓銀破綻 (
年
月) などの道内景気悪
化要因による影響が大きかったことにも留意
する必要があるものの、 その反動減は非常に
大きなものであった。
増税に伴う駆け込み需要の可能性
このように、 先行きの住宅着工を押し上げ
る要因として新たに消費税増税の行方が注目
される。 仮に増税となった場合、 段階的では
あるものの、 合計%程度の税率引き上げが
見込まれる。 住宅購入検討者への動機づけと
して、 その影響は決して小さくないだろう。
ただ、 増税前の駆け込み動向を見通すには、
次の二つの下押し要因に注意する必要がある。
まず第一に、 消費税増税による駆け込み以前
に、 各種住宅取得支援策 (注) の終了や縮小
時期を意識した駆け込みが需要を先食いする
と見込まれること。 そして二点目は、 「復興
需要」 の時期と重なった場合、 供給側の要因
で住宅着工への下押し圧力が強まる恐れがあ
ることだ。 来年以降は東北地方を中心に復興
需要 (建設投資) の本格化が見込まれる。 仮
に、 復興需要と同じ時期に駆け込み需要が起
こった場合、 ①建設資材の需給がひっ迫する
(=資材不足、 建材資材価格高騰懸念)、 ②道
内からの出稼ぎ労働者 (大工など) が増加す
ると見込まれるため工務店によっては人手不
足が顕在化する (=工期の長期化や受注可能
戸数の減少懸念) (注) 、 などの影響が住宅着
工の足かせになると予想される。
先行きの住宅着工を展望するには、 「消費税
増税」 だけを注目していると見誤る可能性が
ある。 各種住宅取得支援策の効果とその反動、
政府内で検討中の復興増税などによる“住宅
取得マインド”の慎重化。 そして、 道内景気
の動向や資材調達環境の変化など、 幅広く注
意を払う必要があると言えよう。
(坂野 公紀)
(注) 各種住宅取得支援策とは、 主に住宅ローン減税、 住宅取得等資金の贈与に係る優遇措置、 フラット
の金利優遇、 住宅版エコポイント (本年月末終了予定) などが挙げられる。
(注) 全道の工務店を対象に実施した北海道住宅通信社のアンケート調査結果によると (
年月
日付、
北海道住宅通信)、 雇用大工職人のうち 「通年で全員を雇用」 している工務店は全道平均で
%にとど
まった (回答社数:
社)。
■
調査ニュース
手づくりのイベントとして評価高まる 「市民創作 函館野外劇」
道内の夏を彩る多くのイベントの中、“市民の手づくり”という点でユニークなのが函館野
外劇だ。 年以来毎夏、 特別史跡・五稜郭を舞台に上演される野外劇のテーマは函館の歴史。
登場人物は、 ペリー提督、 高田屋嘉兵衛、 土方歳三、 石川啄木など超有名人から庶民まで毎回
千人超。 出演者も裏方も一般市民。 観客の飛び入りも可能な参加型イベントだ。 各種受賞歴
が示すように、 評価は年々高まり、 函館の貴重な観光資源として定着。 回目となる今年
は、 ∼の金・土曜 (のみ日曜) に回開催予定。 大震災後に落ち込んだ観光客を呼
び戻すきっかけとしても、 地元での期待は大きい。
フランスの野外劇をモデルにスタート
函館野外劇は、 フランス西部の小さな村の
古城を舞台に開催される 「ル・ビディフ野外劇」
(注) がモデル。 市内在住のフランス人神父
が、 故郷の野外劇を念頭に地域振興策として
提唱したことがきっかけとなり、 年、 市民
有志によって開始された。 野外劇としては、
歴史 (年目)、 観客 (累計
万人超)、 参加
者 (延べ累計約
万人) とも国内最大規模だ。
夜の野外ならではの迫力で函館の歴史を再現
野外劇の上演時間は分間。 鮮やかな照明
を浴びた舞台では、 馬が走り、 大砲が火を噴
く。 舞台手前のお堀には船が浮かび上がる。
夜の野外ならではの迫力で函館の歴史が次々
と再現されていく。 開港シーンでのフラッグ
ダンス、 箱館戦争での土方歳三らの戦いぶり、
参加者全員がペンライトを振るフィナーレな
ど見せ場は数多い。 その時々の話題を盛り込
む仕掛けもある。 台本と演出は
年にリニュー
(注)
アル
。 プロの芸術監督を招き、 音響・
照明を本格化するなど大幅な見直しで、 マン
ネリ化の危機を乗り越えてきた。 野外劇の運
営には、 事務局を務める法人 (注) のほ
か、 演出、 裏方 (公演ごとに約
人)、 出演
(同
人) まで数多くの市民がボランティア
として関わっている。 出演者は一人で∼
役をこなすが、 配役が千を超えるため、 観客
の飛び入り出演 (通行人などの“ちょい役”、
フィナーレにも参加) を歓迎している点もユ
ニークだ。
高まる評価、 熱い演技で観客席を満員に
各種受賞歴が示すように、 野外劇そのもの
の魅力と地域活性化策としての両面で、 各方
面からの評価が高く、 鑑賞ツアー企画も増え
てきた。 地元への経済効果もみられる (注) 。
ただし、 課題は運営収支の改善。 野外劇を支
える有志は、 観客席 (
席) を満員にし
ようと、 新たなツアー企画や情報発信に力を
入れている (注) 。
夏の函館観光に欠かせないイベントに定着
した函館野外劇。 今年は、 大震災被災者への
応援の心が演技に込められる。 鮮やかな舞台
と熱い演技に期待したい。
(松本 則栄)
主 な 受 賞 歴
年
年
年
年
函館野外劇のフィナーレ
地域づくり表彰 (国土庁長官賞)
笹川日仏財団国際交流助成採択団体
北海道地域づくり優良事例知事賞
サントリー地域文化賞
北海道ふるさと大賞 ’
読売新聞社 ’
北の暮らし大賞
年
国土交通省 「手づくり郷土賞」
年
交流文化賞・選考委員特別賞
(注) 劇のテーマは地域の歴史で、 出演も運営も住民が中心。 国内外から毎年数十万人の観客を集める。
(注) 元劇団四季の照明家・沢田氏を芸術監督に招聘。 それまでなかった台詞を導入。 主な配役を選抜形式に。
見せ場を工夫し上演時間を凝縮。 テーマソング 「星のまち
」 (新井満氏作) 作成など。
(注) 法人・市民創作 「函館野外劇」 の会
(連絡先:
−
−
) 写真提供は同法人。
(注) 舞台経費や観客 (毎年万人前後) による消費など年間
億円程度 (事務局試算)。
(注) ①野外劇ゆかりのスポットを案内人と歩く 「てくてく野外劇」 (参加無料)、 ② 「野外劇と夜景を楽しむツアー」
を定期観光バス路線として新設、 ③観劇経験のある著名人を 「函館野外劇大使」 に、 等。
■
調査ニュース
シリーズ 多様な“安全性評価”を通し医療や食分野等での製品開発に貢献する
∼ 株式会社 化合物安全性研究所 ∼
医薬品や食品などには高い安全性が求められる。 それだけに製品化に際しては、 人体に対す
る有害性有無の検証など様々な検査・試験が行われる。 今回紹介する㈱化合物安全性研究所は、
こうした試験機関として道内を代表する企業の社だ。 非臨床試験 (注) 等における高度で豊
富なノウハウを強みに、 幅広い分野での 「安全性評価」 事業を受託している。
(注) 人間を対象に行う 「臨床試験」 に対し、 小動物 (ラット・モルモットなど) を対象に行うのが 「非臨床試験」。
医療機器や化粧品原料など幅広い分野に対応
臓ペースメーカー、 手術用の縫合糸、 人工血
当社の設立は年。 その前年、 道内生息の
管など) や刺激性試験 (対象例:注射針、 コ
野性動物を介した 「エキノコックス病」 の治
ンタクトレンズ、 補聴器など)。 このほかに
療薬開発に絡み、 医薬品の安全性研究を目的
は、 農薬や食品添加物・化粧品原料に対する
に発足した 「安全性試験協会」 (北大・札幌医
毒性評価試験、 医薬品や機能性食品に対し効
大の研究者グループによる) が母体だ。 以降、
き目や効能 (血圧・コレステロール値等の低
幅広い分野の製品に対する市場投入前の安全
減効果) を評価する薬効薬理試験などがある。
そして、 もう一つの柱 (総売上げの約割)
性評価を主要業務に、 業容を拡大してきた。
このうち、 総売上げの約割を占めるのが、
が、 年から始めた“後発医薬品 (ジェネリッ
“非臨床試験の受託事業”だ。 試験対象は十
ク医薬品) にかかる臨床試験の受託事業”。
数分野、 試験種類は
種以上と多岐にわたる。
特許期間切れとなった新薬について、 国内生
例えば、 医薬品分野では、 反復投与などを通
産や流通の承認を得るための一連の業務 (治
じた副作用発生の有無 (一般毒性試験)、 染
験契約締結業務からモニタリング、 統計分析、
色体等への異常発生の有無 (遺伝毒性試験)、
報告書案作成など) を、 医薬品メーカーに代
がん発生の有無 (がん原生試験) 等の評価。
わって行うというもの。 昨年度までの年間
医療機器分野では、 材質の安全性や長期間使
で
社から受託。 プロトコール (国へ申請す
用による体内や皮膚・目などへの異常発現有
る試験計画書) 数では、 余りに上る取り
まいしょく
無を評価するための、 埋植試験 (対象例:心
扱い実績を持つ。
自動分析装置 (動物の血液生化学検査)
実体顕微鏡 (胎児の骨格標本観察)
調査ニュース
先端医療分野での試験業務にも関わる
因に、 それまで築き上げた信頼を一瞬のうち
実は、 非臨床の安全性試験には試験対象分野
に失ったからだ。 「試験技術がどんなに優れ
毎に国の適合基準 (: ていても、 社員個々に顧客本位の姿勢がなけ
) が定められている。 実施はGLP
れば企業として成り立たない」。 この教訓か
適合施設 (年毎の審査あり) に限定され、
ら、 地道に取り組んできた専門性と人間性両
かつ、 豊富なノウハウ、 高い技術力が求めら
面での社員教育が、 当社成長の大きな原動力
れる。 また、 適合施設維持には多額のコスト
になっている。
がかかるため、 関連メーカー等では当該業務
の外部委託化が進んでいる。 こうした中、 当
社の受託相手先には、 医療機器、 医薬品、 化
粧品などの国内大手メーカーが名を連ねる。
また、 最近では、 形成外科治療などで実用化
が期待されている“軟骨細胞の移植 (当人→
当人)”にかかる安全性評価を、 首都圏の大
学医学部から受託。 最先端の研究が進む再生
医療分野での業務にも関わっている。 こうし
た事例からも、 当社の評価作業水準が高く、
その試験データに対して多くの顧客が厚い信
頼を寄せていることが窺える。 なお、 安全性
食品分野などで道内での受注拡大を目指す
健康志向の高まり等も相まって、 道内で
は近年、 バイオ関連産業のすそ野が拡大。
機能性食品や化粧品 (原料) などの開発ニー
ズが着実に高まっており、 これに伴い、 安
全性評価業務のニーズも拡大が見込まれてい
る。 こうした中で当社は、 総体売上げ億円
(年度実績比約割増) の年度達成を目
標に掲げるとともに、 道内からの受注ウェー
トを、 現在の約%から%にまで拡大した
い考えだ。
評価を総合的に行う民間事業者は、 道内では
“化学や医療技術の進歩の産物”とも言える
当社を含めて社 (全国では社程度) しか
副作用や毒性などの検証・予測を通し、 安心・
なく、 まさに、 当該事業分野における道内を
安全な製品開発に貢献してきた当社は、 昨年
代表する企業の社といえよう。
月に創立周年を迎えた。 消費者に健康で
安全な生活を提供する黒子役として、 当社の
“専門性と人間性”両面の社員教育で成長
もっとも、 ここまで顧客から厚い信頼を得
担う役割は、 今後益々大きくなるに違いない。
(黒瀧
るまでには、 決して順風満帆ではなかったと
隆司)
いう。 当社は一時期、 経営不振に陥ったこと
がある。 ちょっとした顧客対応のまずさを原
【会社概要】
本
社 (札幌研究所)
札幌市清田区真栄−ハイテクヒル真栄
−
−
−
−
東京事務所 (東京都台東区)
設
立
年月
資本金
億
万円
代表者
松浦
売上高
億百万円 (年月期)
従業員
人
正男
事業内容 非臨床・安全性評価試験の受託 (医薬品、 農薬、
化学品、 化粧品原料、 医療用具、 健康食品等)
ジェネリック医薬品関連の臨床試験受託
URL
電子式上皿天秤 (投与液の調整)
■
調査ニュース
∼道銀 ユジノサハリンスク駐在員事務所だより∼
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2345678
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