シミュレーションシナリオ

作成日：2012 年 7 月 27 日
第9章
シミュレーションシナリオ
薬物モデルの仮説およびプロトコルデザインを検証する際に用いら
れる、study のバリエーション
以下の見出しで説明するように、1 つ以上のシナリオをセットアップしてシミュレーションす
ることにより、試験デザインのバリエーションを検証できます。
シナリオ ........................................................................................................................................... 1
プロトコルにおける基本デザイン ................................................................................................ 2
シナリオにおけるstudyプロパティ ................................................................................................. 3
薬物モデルプロパティ .................................................................................................................. 4
プロトコルプロパティ .................................................................................................................. 4
シミュレーションオプション ........................................................................................................... 7
変動の有効化 ................................................................................................................................ 7
乱数シード .................................................................................................................................... 7
組み合わせ値の生成 ......................................................................................................................... 7
レポート ........................................................................................................................................... 8
シナリオ
シミュレーションシナリオは、試験デザインの 1 つのバリエーションです。Study（.STD フ
ァイル）にはシナリオをいくつでも組み込むことができ、その個数は、コンピュータのメモ
リおよびディスク空き容量によってのみ制限されます。1 回のシミュレーションで、1 つ以上
のシナリオの反復回（1 つのシナリオにおける個々のシミュレーション）をいくつでも実行
することができます。
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Trial Simulator – User’s Guide
第9章
プロトコルにおける基本デザイン
基本デザインには、study の Drug Model セクションおよび Nominal Design セクショ
ンに元々生成される、薬物モデルおよびプロトコルデザインが組み込まれます（第 5 章
および第 6 章を参照してください）
。初期設定では、1 番目のシミュレーションシナリオ
は基本デザインです。
シミュレーションシナリオを閲覧および編集する方法：
Study Diagram 内の Simulation Scenarios ボタンをクリックするか、もしくは、
ブラウザウィンドウ内の Simulation Scenarios をクリックしてください。
Scenario Properties テーブルの各行は、シナリオ、即ち、基本の試験デザインおよび
モデルのバリエーションです。
シナリオを追加する方法：
シナリオテーブル内の Scenario Name の一番下にある（ブランクの）行に、名前を入
力してください。新たなシナリオ行が自動的に追加されます。
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シミュレーションシナリオ
第9章
シナリオを削除する方法：
1.
上部の「2」というラベルの付いた灰色のセルといった、シナリオの行ヘッダをク
リックして、行全体を選択してください。
2.
Deleteキーを押してください。
シナリオにおけるstudyプロパティ
各シナリオには、選択した study プロパティの値が、固有の組み合わせで割り当てられます。
各プロパティは、検証の対象となるか、もしくは試験結果に影響を与える、プロトコルデザ
インの要素もしくは薬物モデルの仮説です。
シナリオに新たなプロパティを追加する方法：
1.
シナリオテーブルの右上にあるAdd Propertyボタンをクリックしてください。
2.
Add Propertyダイアログにおいて、Drug Model Propertiesの下で1つの変数を選択す
るか、もしくは、Protocol Propertiesの下で1つのデザイン要素を選択してください。
3.
OKをクリックしてください。
追加された各プロパティによって、Scenario Propertiesテーブルに新たな列が生成さ
れます。
4.
薬物モデルプロパティについては、プロパティテーブル内の各シナリオに対して選択
された変数の値を入力してください。
5.
プロトコルプロパティについては、プロトコルプロパティで説明する通りにしてプロ
トコルプロパティの代替のstudyページを作成し、シナリオごとに、プロパティテーブ
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第9章
ル内のドロップダウンリストから1つ選択してください。元のデザインに対してstudy
ページを生成する必要のあるシナリオについては、Nominal Designの下でBase
design in protocolを選択してください。
シミュレーションシナリオのプロパティを削除する方法：
1.
Scenario Propertiesテーブルにおいて、プロパティのカラムヘッダをクリックして、
列を選択してください。
2.
右上にあるRemove Propertyボタンをクリックしてください。
薬物モデルプロパティ
薬物モデル内の変数の多くは、シミュレーションシナリオ内の薬物モデルプロパティの
下に記載されます。ただし、薬物モデル内で式として指定された変数および Procedure
モデルブロックの内部に追加された手順変数は除外されます。用いたい薬物モデルの側
面が使用できない場合には、薬物モデル内に Model Variable ブロックを作成して変数を
表現することを検討してください。Model Variable ブロックには初期値があり、これは
薬物モデルの Block Properties で設定され、シナリオ全体で様々に変化させられます。
そのため、Model Variable ブロックをシナリオプロパティとして選択した場合には、シ
ミュレーションシナリオに入力した値が、そのシミュレーションシナリオ中の各反復回
の開始時点におけるその変数の初期値となります。薬物モデル内の変数の初期値を変更
すると、シミュレーションシナリオによって設定される値が上書きされることに、注意
してください。
注
数値ではなく式として定義された薬物モデル変数は、Simulation Scenariosにお
ける薬物モデルプロパティとして用いることができません。
入力ノード変数は、Ka_mean といったように、上図に示すシミュレーションシナリオ
の Add Property ダイアログにおけるブロック名で記されることに、注意してください。
プロトコルプロパティ
変更される可能性のある試験デザインのセクションは、必ずしも、単純な数値変数では
ありません。そのため、シミュレーションシナリオ内のプロトコルプロパティは、異な
る治療アームセットを選択するための代替の Subject Assignments ページ、もしくは異
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第9章
なるサンプリングスキームを検証するための代替の Observations ページといった、プロ
トコルから得られる全ページの代替バージョンから構成されます。こうした代替ページ
は、作成されると、Simulation Scenarios の下のブラウザウィンドウ内および
Simulation Scenarios ページ上のメニュー内に記載されます。
例として、新たな Assignments ページの作成方法をここに含めます。
新たなプロトコルプロパティページの作成方法：
1.
メニューから、Simulation Scenario>Create Protocol Property>Assignment（も
しくはその他のページ）を選択してください。
2.
ページの名前を入力してください。
3.
OKをクリックしてください。
新たなプロトコルプロパティページの編集方法：
1.
Simulation Scenariosページ上のメニューからSimulation Scenario>Open
Protocol Property>Assignment>PageNameを選択してください。この時、
PageNameは、上記で入力した新たなページの名前です。
もしくは、ブラウザウィンドウ内のSimulation Scenario>Protocol Propertyの下で、
新たなページ名をクリックしてください。
代替のプロトコルページが開きます。このページは、このページのタブ上の名前に
よって、同一タイプの基本デザインページから区別されることに、注意してくださ
い。初期設定では、新たなページの設定は基本のstudyの設定と同一です。
注
観測スケジュールの長さが基本デザインの本試験より長い場合には、
Observationsをプロトコルプロパティとして用いる際に、注意する必要が
あります。Assignmentページに対してシミュレーションシナリオプロパテ
ィを作成しない限り、全シナリオにおける本試験の長さは、基本デザイン
内のAssignmentページを用いて算出されます。そのため、代替の
Observationsページのほうが基本デザインの本試験より長い場合には、観
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第9章
測が中断される可能性があります。この場合には、長いほうのObservations
が、基本デザインの本試験の長さで切り捨てられます。回避方法： a）基
本デザインにおける本試験の長さを、シミュレーションシナリオで用いら
れる中で最も長い観測スケジュールの長さに設定してください。 b）代
替のObservationsプロパティを定義する際に、本試験の長さが代替の
Observations以上である代替のAssignmentsも定義してください。
2.
新たなページのプロパティを編集して、用いたいバリエーションを反映させてくだ
さい。
3.
ページの右上の角にあるXボタンを用いて、ページを閉じてください。
4.
各シナリオに、適切なプロトコルページを割り当ててください。
a.
Simulation Scenariosタブに戻ってください。
b.
各シナリオのAssignment（もしくはその他）のドロップダウンリストから、
ページを選択してください。
c.
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シミュレーションオプション
Simulation Scenarios ページの下部には、シミュレーションを実行するためのオプションが
含まれています。
変動の有効化
薬物モデルおよび母集団の両方もしくは一方における変動を無効化することにより、シ
ミュレーション結果および薬物モデルの Debug ウィンドウに平均的なモデルの挙動を
示すことができます。変動が無効化されると、連続型分布の平均もしくは中央値が適用
されます。離散分布では、累積確率 0.5 に対応する値が用いられます。
共変量分布モデルの変動を無効化すると、共変量および被験者-共変量レベル分布に影響
します。薬物モデルの変動を無効化しても共変量および被験者-共変量分布には影響しま
せんが、ドロップアウトといった、分布および確率に基づくイベントを含む、薬物モデ
ル内のその他全ての変動ソースには影響します。
詳細については、変動の有効化および無効化を参照してください。
乱数シード
ユーザーは、コンピュータの時計が生成した初期設定のシードを適用するのではなく、
乱数シードを入力することを、選択できます。各シナリオのシードは、以下のような、
カンマで区切られた整数リストとして入力する必要があります。
138, 190, 136, 56
初期設定では、Trial Simulator ではコンピュータの時計を用いて疑似乱数の数列が初期
化されます。これにより、各シナリオに新たなシードが 1 つずつ生成されます。シード
は、結果データベース内にある、Run という名前の表に保存されます。Microsoft Access
でデータベースを開いて、Run テーブルを閲覧してください。乱数列に関する詳細につ
いては、乱数発生器を参照してください。
組み合わせ値の生成
組み合わせ値の生成オプションを用いて、指定したプロパティ値が取り得る全組み合わせが
含まれる、シナリオのリストを生成してください。
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第9章
シナリオプロパティ値の全クロスプロダクトの生成方法：
1.
Simulation Scenariosページで、メニューからSimulation Scenario Page>Generate
Combinatorial Property Valuesを選択してください。
2.
ある範囲に広がるプロパティ値を生成したい場合には、Generate values by increment
にチェックを入れて、各数値プロパティの上限、下限および数値的増分を入力してく
ださい。
3.
値のリストから選択することによりプロパティ値を生成したい場合には、Generate
values by listにチェックを入れた後、各プロパティに含めたい（数）値を入力するか、
もしくは（離散）値を選択してください。
4.
OKをクリックしてください。シナリオのリストには、含まれている全てのプロパテ
ィ値の全クロスプロダクトが含まれます。
レポート
シミュレーションシナリオが要約されたレポートを作成することができます。レポートは、
印刷するか、もしくは Microsoft Word 形式で生成することができます。
シミュレーションシナリオのレポートのプレビュー方法：
1.
以下のようにして、Simulation Scenariosページを開いてください。Study Diagram
内のSimulation Scenariosボタンをクリックするか、もしくは、ブラウザウィンドウ
内のSimulation Scenariosをクリックしてください。
2.
Trial Simulatorのメニューから、File>Print Previewを選択してください。
3.
閲覧し終わったらCloseボタンをクリックするか、もしくはPrintをクリックしてレポ
ートを印刷してください。
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シミュレーションシナリオ
第9章
シミュレーションシナリオのレポートを印刷する方法：
Trial Simulator のメニューから、Reports>Simulation Scenarios>On Printer…を選択
してください。
シミュレーションシナリオのレポートを含む Microsoft Word ドキュメントを作成す
る方法：
Trial Simulator のメニューから、Reports>Simulation Scenarios>As MS Word
Document…を選択してください。
Trial Simulator によって Word が起動され、新規の Word ドキュメント内にレポートが
生成されます。
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