池の中から魚が見ている景色と全反射について

解会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会回
介 介
介 介
介 介
介 介
介 介
介 介
介 介
斎藤 孝 [北方圏理科教育振興協会/理事]
介 介
塊会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会壊
池の中から魚が見ている景
色と全反射について
る指先の部分が倒立してテレビの画面に現れます、つまり水
面で全反射した指先の映像が映る。
テレビ画面の上の方の3分の1には、池の周辺の景色と、手
の甲が映って見えている。
その画面の下3分の2には、上下に
伸びた指先が5本ずつ10本が見えることになり、上向きの5本
の指先は全反射している指で、下向きの5本の指は水中から
直接に見えている映像である。
背景・目的
最近は、光ファイバーの中や、曲がったプラスチック棒の中
でも、光が洩れないで通ることを、子供たちへ説明する機会
が多くなった。その時子供たちはただ光が通ると思うだけで、
ホースの中を水が通るのと、同じ程度にしか理解しない。
そこ
で全反射を体験的に理解してもらうため、実際に全反射して
見える物体の像を、直接見てもらうことにした。例えば、学校の
実験では、
レーザー光などで光の道筋を確認するものが多く、
教科書でも光のすすむ道筋を勉強するものが多い。実際に
全反射した像を確認するものはなかった。
ここで、子供たちが不思議に思うことは、
テレビの画面上で、
上を向いている指先の上の位置に映る景色は、水中の指先
よりもまだ深い池の底の方の景色が映ることである。
よって、
テ
レビ画面に映る景色を、上から順に示すと、
まず、①池の周り
の外の景色と水面の上にある手の甲、②続いて外の景色と
池の中の景色との境界線、③池の底の方の景色、④全反射
した上を向いている指、⑤水中でカメラから直接見えている
下向きの指、⑥水中の指の背景とやや下の景色、
ということに
なる。
また、外の景色と全反射面の境界線は、豆カメラの位置よ
内容・方法
透明なビニールで作った水槽の底の、外から豆カメラ
(ビデ
オカメラ)
を、
ビニールに押し付ける、方向や角度を変えて撮影
し、
テレビの画面を見ながら屈折反射について説明し子供た
ちに考えさせる。
次に水中から池の周辺のすべての景色が見える水面の
範囲は、
カメラを水槽の真下より上へ向け。倒立した円錐形
の頂点に置いたときの、底面の範囲内である
(この円錐形は
半頂角が49度のもの)
ことを示す。次にその底面の外側の水
面は全反射していて、外の景色は全く見えないことをしめす、
しかしその範囲では水面下の景色が、全反射してきわめて
明瞭に見える。
( 反射率100%)、
この現象を体験させるため
に、
自分の手を水中に入れて、静かに移動し、
カメラからの距
離や角度で、写る映像が、屈折と全反射で突然変化すること
を体験させる。
その変化する境界(臨界角49度)
は、
円周また
は円弧をなしている。全反射は普通の鏡(95、98%の反射率)
と違い、反射しても光が減衰しないので光を遠くへ伝えるのに
適していることを説明する。
り等距離にある臨界角の点をつらねた線で、水面上にできる
円の円周に相当することがわかる。
テレビの画面上では下に
凸の円弧(円周の1部)
となって映っている。
実験展示の公開とその結果
多くの人が実験結果に興味を示し、理解しやすく満足が得
られ、
たくさんの質問があった。現在、
この実験は東京の科学
技術館を始めとして日本全国の科学館を巡回中とのことであ
る。北海道ではこの1年間に、函館、札幌、室蘭、帯広、北見、
釧路で開催された青少年のための科学の祭典で公開され、
好評であった。
今後の展望
水面で起こる全反射の映像をテレビ画面でみせるこの実
験方法は、今までになかったので、今後の、
この種の実験の
参考になるものと思う。
しかし、
このたびの装置では、小さすぎ
て、
ビニールの水槽の外にカメラを置き、
それを魚の目にする
のには、少し無理があった。実際の水中でないので、子供た
ちの理解が難しく、説明のために大きな池を想像させる困難さ
もあった。可能なら水中カメラを魚の目にして、
それを自動的に
結果・成果
操作できる大きさの水槽を作ればわかりやすかった。今後、反
実験展示の操作手順と結果
最初に、豆カメラの近くの場所から、池の中に手を入れて
次第にカメラから手を遠ざけていく、手を入れる直前は、指先
を下にして、次第に水面に近づけてゆく、やがて爪から水中
に入り始め、水に触れたところにさざ波が立つので、指が水中
に入ったことがわかります、指を中位まで水中に入れたまま、
そ
の深さを保ち、次第に豆カメラから遠ざけると、指と連続して
映っていた手の甲が、急に途中で指と離れてしまい、水中にあ
るのは指先の部分のみとなり、すぐにその根元より、水中にあ
― 5 ―
射屈折から、全反射、光ファイバーへと進み、光速度から光
通信に至るまでの、光の実験をシナリオ化してみて、分かりや
すく構成してみたい。