季節便り 2012 年9月 9月(長月)になりました。まだ、日差しが強い日々が

季節便り 2012 年9月
9月(長月)になりました。まだ、日差しが強い日々が続いています。少しずつ、朝、夕の風が
心地よくなってきました。秋の七草、萩、ススキ、桔梗、ナデシコ、クズ、フジバカマ、女郎花
(オミナエシ)と、花を楽しむ季節に入りました。
鎌倉、海蔵寺の山門前は 9 月中旬になると、美しい
萩の花が地面に向かって流れ落ちる様に咲きます。
桔梗も青紫色の色合いが美しくさわやかです。
これから涼しくなるにつれ、身体も動きやすくなります。秋は人を活発にさせる力があります。
気分を変えて、知らないところに出かけて外の風景を見たり、地元も名産を食べたりするのもよ
いでしょう。知らない人との出会いも大切にしたいものです。お盆に故郷に帰った人は、久しぶ
りに味わった懐かしい料理、幼い頃の原風景を眺めて、昔を思い出したり、静かに時の経過
を感じたり、とりとめのないことを思い浮かべては消え、また生まれ、そしてまた消えていくもので
す。
故郷はだれにもあります。少年、少女時代、田舎で育った人は、ほとんどの人がにぎやか
で、活発で、将来の可能性がある、都会を目指して、故郷を離れてきたと思います。働く場が
限られた田舎暮らしではなく、何か新しいことができるかもしれない、都会に憧れるのはごく自
然の心理です。筆者は都会生まれ、都会育ちであったため、父親が持っていたセカンドハウ
ス(50 年ぐらい前に調布あたりを取得)で過ごした少年期の頃の風景が原風景として心の中
に残っています。秋になると、庭先の畑では、父が育てたトーモロコシ、ナス、トマト、イモ、キュ
ウリなど多くの収穫がありました。田んぼには、カエル、河原には赤とんぼがいっぱい、放牧さ
れた牛を避けて、トンボを追っかけていた自分がいました。多摩川では、イワナ、ウグイ、オイカ
ワなどをたくさん釣ったこと等、楽しい思い出がたくさん蘇ります。中年になってからは、子供た
ちに少しでも原風景を懐かしく思ってもらえるようにと考え、都会暮らしを避けてきました。
皆さんにもきっと少年、少女時代の原風景があるはずです。
故郷への思いをつづった随筆を紹介します。
田舎の心
太陽が傾き始め 午後の日ざしが
視界を黄金色に染めています
日の入りが近づいた大原の里の
美しい景色に 私はありがたい気持ちで
いっぱいになります
何百年も前の産業革命を機に
大勢の人が職を求めて都市部に移り
炭鉱や工場などで働くようになりました
意識の高い画家たちは郷愁を誘う農家や
古い素朴な建物のある美しい
田舎の風景を描くようになりました
彼らは田舎の風景や昔ながらの暮らしが
急速に消えていることを
人々に気付かせようとしたのです
最近 昔と変わらない風景の中で
暮らすべきだと考える人が増えています
森や畑の緑が
心を癒やしてくれるからです
質素な古民家が今またスローペースで
健康な暮らしの
象徴となりつつあるのです
そして、
あなたの思いがある場所にあなたの宝物があるのです。!
パウロ・コエーリョ(ブラジルの作家)より。
秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花
万葉集 作者:山上憶良
遠藤 誠