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ベビーサインをしよう
よくある質問
なぜベビーサイン(赤ちゃんと手で会話)をすることがよい
のでしょうか?
ベビーサインは、赤ちゃんが言葉を話せるようになる前に、お世話をしてくれる
人たちとコミュニケーションを図るためのツールです。発達上、赤ちゃんは意味
のある言葉を口にするよりも早くから、自身の手を使ってコミュニケーションを
とることができます。これまでの研究では、ベビーサインを教わらなかった赤ち
ゃんより、教わった赤ちゃんの方が泣くことが少なかったために、ベビーサイン
を使った家族はストレスが減ったという結果が示されています。これは、赤ちゃ
んが自分の要求を表現でき、理解してもらえることで、赤ちゃん自身のストレス
が軽減したことに関係しています。また、ベビーサインを使っている家族は使っ
ていない家族よりも、より早く赤ちゃんと絆を持つことができていると感じます。
私の赤ちゃんは耳が聞こえます。ベビーサインを習うメリットはあります
か?
はい! 耳の聞こえる赤ちゃんも、聴覚障害を持つ赤ちゃんも、ベビーサインを習
うメリットがあります。実際、ベビーサインを使っている人のほとんどが、聴覚
障害のない赤ちゃんの親です。
ベビーサインを習うということは、まったく新しい言語を習うということ
なのでしょうか?
いいえ。ベビーサインはアメリカ手話のうちのいくつかの言葉だけを使います。
赤ちゃんのお世話をする人のほとんどは、多くても30のベビーサインしか習い
ません。多くの人々はこうした基本的なベビーサインをこんなにもすぐに習得で
きることに驚いています。
どのベビーサインが一番簡単に習えますか?
習うのが一番簡単なベビーサインは、あなたが繰り返し使いたいと感じるサイン
です。初めてベビーサインを習う際、「食べる」といった言葉から始める方がい
らっしゃいますが、それは、「食べる」のサインが、あなたが実際に食べている
時の手の動きを真似した動きだからです。また、「ママ」「パパ」といった家族
の誰かを示すベビーサインから始めたがる人もいます。
赤ちゃんにいつからベビーサインを使い始めればいいでしょうか?
いつからでもベビーサインを教えることができます!赤ちゃんが家に来た日から
始める親御さんもいますし、また、幾月か経ってから始める方もいます。ただ、
赤ちゃんの体の各部分はそれぞれ異なる速度で成長していることに留意してくだ
さい。赤ちゃんがベビーサインを何回も見てきたとしても、少なくとも月齢が6
ヶ月になるまで赤ちゃんは自分からベビーサインを使うことはできません。これ
は、9∼12ヶ月になるまで赤ちゃんが話し言葉を発しないのと同じです。
赤ちゃんがベビーサインを習うまでにどのくらいかかりますか?
赤ちゃんは生後6ヶ月くらいから、繰り返し見ているサインを使うことができる
ようになります。これは、赤ちゃんが生後9∼12ヶ月になって初めておしゃべ
りが出来るようになるのとよく似ています。というのも、赤ちゃんは、何回もサ
インを見てきたとしても、少なくとも6ヶ月になるまではサインを返すことがで
きないのです。ただ、あなたがより早い時期から赤ちゃんに一貫してベビーサイ
ンを使うことで、赤ちゃんもより早くベビーサインを認識して自分でサインを使
うことができるようになります。ひとたびこれが始まると、赤ちゃんはすぐに他
のサインを習得することができます。専門家は、赤ちゃんの最初の誕生日までに
約10ものサインをすることができると考えています。成功の秘訣は一貫して続
けることです。だからあきらめないでください!
ベビーサインをすることで、赤ちゃんが話し始める能力の発達を遅らせて
しまいませんか?
いいえ。ベビーサインをしない赤ちゃんよりも、ベビーサインをする赤ちゃんの
方が、コミュニケーションを始めたり、意味ある言葉を発するのが早いという研
究結果が出ています。ベビーサインをする赤ちゃんは一足先に言語を使っている
ことになるので、専門家は、話す上でもベビーサインが役に立つという見解を示
しています。
私がするベビーサインと赤ちゃんのベビーサインが似ていなくてもいいの
でしょうか?
はい! 赤ちゃんがそれぞれのベビーサインをどれほど上手にするかについては心
配しないでください。あなたとあなたの赤ちゃんがベビーサインを使ってコミュ
ニケーションをとれるという事がより重要なのです。 赤ちゃんがベビーサイン
を習う方法は、話し言葉を習うこと(練習をして言葉が明確になるよう努力する
こと)と同じであることを覚えておいてください。赤ちゃんがベビーサインを試
みようとしていたら、どんな形ででも応援してあげてください。
赤ちゃんの世話をする人みんながベビーサインを習わなくてはならないの
ですか?
役には立ちますが、必ずしも必要ではありません。赤ちゃんはベビーサインを頻
繁に見れば見るほど、ベビーサインを習得しやすくなります。このため、赤ちゃ
んを世話する人が皆一貫して、できるだけ多くの機会にベビーサインを使うこと
で、赤ちゃんはベビーサインをより早く習得する傾向にあります。多くの人は、
ベビーサインを、赤ちゃんと楽しく対話しながら遊ぶための方法だと考えること
が役に立つと感じています。
どのようにして始めたら良いでしょうか?
ベビーサインを習うための教材はたくさんあります。私たちは日本家庭健康クリ
ニックのホームページから入手可能な「ベビーサイン(赤ちゃんと手で会話
)をしよう」キットから始めることをお勧めします。ダウンロードしたポスタ
ーを印刷して目につきやすい場所に貼ってください。あなたが使いたいベビーサ
インを毎日練習してください。そして一旦使い始めたら、あなたが赤ちゃんに言
葉をかけるたびに、その言葉をベビーサインでもしてください。あなたの赤ちゃ
んが、初めはベビーサインを認識しているようには見えなかったとしても、心配
しないでください。それが正常です。幼い赤ちゃんがベビーサインを認識し真似
することができるまでには、数ヶ月かけてそのベビーサインを繰り返し見ること
が必要かもしれません。成功の秘訣は一貫して続けることです。だからあきらめ
ないでください!
このプロジェクトの研究者は誰ですか?
このプロジェクトの研究者は、リンダ・シュルツとフェターズ医師です。リンダ
·シュルツは耳の聞こえない両親と一緒にアメリカ手話を使って育ちました。彼
女は、多文化、多言語の健康教育教材を作るために訓練を受けています。また、
自分の姪と甥がベビーサインを習得する様子を喜ばしく思っており、多くの人々
にベビーサインを使うメリットをお伝えできることに心を躍らせています。
フェターズ医師は、ミシガン大学で、英語と日本語の患者を診療するバイリンガ
ルの家庭医です。彼は、新生児を持つ多くの親が、赤ちゃんと幼い頃からコミュ
ニケーションをとることに興味を持っているにもかかわらず、無料のリソースを
見つけることが困難である状況を見てきました。
なぜ資料は英語と日本語で書いてあるのですか?
プロジェクトの研究チームが多言語を使っており、また、赤ちゃんのお世話をす
る人でこれらの言語を話す方に資料を提供することを望んでいたからです。
その他のリソースはありますか?
ベビーサインについてもっと学ぶ方法として、インターネット、ベビーサインの
本、ベビーサインのクラスなどがあります。これらの教材は、様々な理由で様々
な人々に向けられたものです。私たちは、「ベビーサイン(赤ちゃんと手で
会話)をしよう」キットが、あなたがベビーサインを始めるきっかけになるこ
とを願っています。