工業熱力学演習問題 平成 22 年 5 月 27 日 (木) 各問題は 10 点。 【問題 1】 ◦ ある気体が柔らかい容器に入っている。はじめに温度が 14.85 C であり、体 ◦ 積は 3.00m3 であった。この気体の温度を 29.8 C まであげたところ、圧力一定 の元で膨張した。体積はいくらになったか。 【問題 2】 ◦ ある気体 25.0kg で温度 49.8 C、圧力 120.0kPa を体積の変化なしに加熱した ところ、圧力が元の 1.450 倍になった。加熱後の温度を求めよ。 【問題 3】 ◦ ガス定数 R =305J/kgK の理想気体 2.50kg が温度 74.0 C 一定のもと、体積 0.220m3 から膨張して体積 2.80m3 になった。膨張後の圧力 Pa を求めよ。ま た、加熱量を求めよ。 工業熱力学演習問題解説 平成 22 年 5 月 27 日 (木) 【解説 1】 ガスの状態方程式は、P V = mRT であり、圧力、質量一定の元で温度を変 えるので、変化するものと変化しないものを分けて P T2 T1 = , = mR V1 V2 から V2 = T2 V1 T1 から、V2 を求める。計算では温度は絶対温度を用いる。 体積は 3.15m3 。 【解説 2】 等容変化であるので、 T1 P1 = T2 P2 の関係がある。これから T2 を求める。 ◦ 加熱後の温度 195.1 C。 【解説 3】 等温変化の加熱量は温度一定であるので、外にした仕事に等しい。等温変 化であるので、体積と圧力の関係は P1 V1 = P2 V2 の関係から求める。ここ で、V1 , V2 はわかっているが、P1 ,P2 は計算する必要がある。膨張前の圧力 mRT1 P1 = から求めることができる。さらに上の式で P2 を計算することが V1 できる。外にした仕事 W12 は、 Q12 = −W12 = − ∫ 2 1 P dV = −P1 V1 ln V1 V1 = −mRT1 ln V2 V2 を用いて、Q を求める。 膨張後の圧力 94.5kPa 、加熱量は 672kJ 。
© Copyright 2024 Paperzz