Palazzone

Azienda. Agricola
Palazzone
Orvieto, Umbria, Italia
パラッツォーネ
5種類の品種をブレンドした伝統ワイン
造り手は25人しか存在しない
実はオルヴィエートの造り手は25人しか
存在しない。しかし市場には500種類以
上のオルヴィエートが存在する。これこそ
がオルヴィエートの評判を落とした大きな
原因なのだ。葡萄を栽培し、ワインに仕上
げた段階でワインを買い取るボトラー(80
社もあるのだそう)が色々なエチケットを貼
って大量にスーパーマーケットなどに販売
していた為、オルヴィエートは安ワインの
代名詞のような扱いになってしまった。
『お陰で2500年続いている伝統的オル
ヴィエートの評判は損なわれた。そして、
今そこから抜け出す為にオルヴィエートで
流行しているのがカベルネやメルローへの植え替えだ。オルヴィエート
の造り手として最も愚かな行為だ。悲しいことだよ』実はオルヴィエート
の歴史は古く2500年前、エトルリア人の時代に遡る。『海底が火山の
噴火によって隆起した土壌でアルジッラとコンカの混合土壌。粘度が
高く、保水力がある。この暑いウンブリアでもオルヴィエートの葡萄はこ
の土壌のお陰で焼けない』
空豆を植えた緑の畑
60年代後半に父親がパラッツォーネ荘園を購入、70年に葡萄を植
樹、74年から葡萄の販売を開始、70年代後半には自家消費用ワイ
ンを造り始めたが販売はしていなかった。84年に父親の亡くなったのを
機に本格的にワイン造りを開始した。当時は5種類の葡萄を混植して
いたが、2000年には殆ど畑を植替え、区画毎に品種を分けて植えて
いる。『品種毎に病気への耐性も違うし、熟すタイミングも違うので今で
は分けて栽培し、品種毎に発酵させ、ブレンドしてから熟成させている。
商品記号
ワイン
Bianco Umbria
69R72 Dubini
ドゥビニ・ビアンコ・ウンブリア
密植率も1500本
/ha から5000本/ha
へ変更した』畑では
ボルドー液以外の薬
剤は使用されない。
肥料も撒く事は無い。
畝 の 間 に空 豆を 植
えることで窒素を補
給。同時に急斜面
の畑の表土が流さ
れるのも防いでいるのだそう。畑は標高250~300m でほぼ北側を向
いている。暑いウンブリアでは北側斜面の方が葡萄がゆっくり熟すので
高品質な葡萄が収穫できるのだそう。
グレケットがワインの骨
5種類の葡萄品種は18ha のば
らばらに散った畑、それぞれの
土壌個性に合わせて植えられ
ている。勿論、品種も土壌も違
うので熟度が違ってしまう。そこ
が多品種ブレンドワインの難しい
ところだが、最高のタイミングで
収穫できれば、それぞれの品種個性が独特の複雑味を表現し、バラ
ンスしてくれるのだそう。『プロカニコはワインの肉でグレケットは骨。マル
ヴァジアは香を与えてくれるし、ヴェルデッロはアルコールとボリューム
を、ドゥルペッジォは酸を与えてくれる』ジョヴァンニ曰く、このブレンドや
収穫時期は長年の経験しかないのだと言う。『醸造面では空気圧での
ソフトプレスと発酵期間の長さを意識している』
州
新入港
Umbria
ヴィンテージ 色
サイズ
白
750ml
2011
参考上代
メモ
在庫
1,800 SO2無添加
◎
2,000 『3Bicchiere』Gambero Rosso
◎
Procanico, Verdello, Grechetto, Malvasia, Drupeggioのブレンド。圧倒的なコストパフォーマンスでありながら熟成にも耐えるしっかりとした骨格。
Classico "Terre Vineate"
69N71 Orvieto
オルヴィエート・クラシコ・テッレ・ヴィナーテ
新入港
Umbria
2011
白
750ml
Procanico 50% Grechetto 20% Verdello, Drupeggio, Malvasia 30% オリヴィエートらしさを表現するに最高の畑。収穫量はオリヴィエート平均の2/3程度にまで制限。収穫は全て手作業で行われる。土壌は沖積層と粘土層
が複雑に入り混じる。標高は210-340m。醗酵は房ごと、できるかぎり優しくプレスして20度以下で醗酵。ステンレスタンクのみで熟成。
Classico Superiore "Campo del Guardiano"
69723 Orvieto
オルヴィエート・クラシコ・スペリオーレ・カンポ・デル・ガルディアーノ
Umbria
2006
白
750ml
3,500 7年熟成
〇
Procanico 50%,Grechetto 25%,Verdello, Drupeggio, Malvasia 25% 標高260mのCampo del Guardianoという単一畑から造られる。複雑な土壌で10mごとに地質が変わる。600ケースのみの生産。10月初めまで収穫
を遅らせることによって例外的な深みを持つに至る。オリヴィエート最高の畑の1つ。
69B36 Grechetto
グレケット
最新価格表にてご確認ください
Umbria
2009
白
750ml
2,100
〇
2,900
△
Grechetto100% ウンブリアで歴史を持つグレケットの原種100% 果皮が厚く酸度も糖度も高いのが特徴。ステンレスタンクで非常に繊細で個性的に仕上がっている。
Spiaggia Viognier
69N72 L'Ultima
ルルティマ・スピアッジャ・ヴィオニエ
Umbria
2010
白
750ml
Viognier 100% 1991年に高密植で植樹されたヴィオニエ100% 8月後半から9月に収穫、冷却後バリック醗酵、バリック熟成。イタリアで最も完成度の高いヴィオニエと言える。
Nobile Umbria Bianco
69724 Muffa
ムッファ・ノービレ・ウンブリア・ビアンコ
Umbria
2006
甘
375ml
6,800 ソーヴィニヨン・貴腐
Nobile Umbria Bianco
69K05 Muffa
ムッファ・ノービレ・ウンブリア・ビアンコ
Umbria
2007
甘
375ml
6,800 ソーヴィニヨン・貴腐
Sauvignon Blanc 100% 樹齢の古いソーヴィニヨンを遅摘みして造られる貴腐ワイン。ウンブリア最高のデザートワインとしてイタリア国内のリストランテで人気を得ている。
△
△
2500年の歴史オルヴィエート
エトルリア人はこの地で2500年前からワインを造っていた。
『この土地でそんなにも前からワインが造られ、
今まで続いているというのは何か意味があると思う』/ジョヴァンニ
元々海底であったオルヴィエートは火山の噴火で隆起した。
その為オルヴィエートから当時の噴火口とされる岩盤が見られる。
地中には火山岩に由来するトゥーフォとアルジッラが
混ざり合っていて重たい土壌になっている。
保水力に優れている為、暑いウンブリアでも葡萄が焼けることはなかった。
だからこそ、古くからワイン造りの中心であったのだ。
『60年代の小作制度によって農民は質より量を選択した』
これによってオルヴィエートは“質”を失うこととなった。
量から質への再転換を主導しているのがパラッツォーネ。
北側斜面
ウンブリアは暑い。
南側斜面は陽光が強く、長い日照時間の為、
葡萄は早く完熟を迎えてしまう。
『完熟までの期間が短すぎると
葡萄は複雑味を蓄えることができない』
『しかも南側斜面では葡萄が焼けるリスクさえある』
よって彼等の畑は全てが北向きの斜面。
昔は混植されていた
5種類の葡萄を畑ごとに分けて植えている。
『昔は5種類の葡萄を滅茶苦茶に混植していた。
一緒に収穫して、一緒に発酵させていたんだ』
現在では別々に植えて別々に収穫、
別々に発酵させてからブレンドしている。
『品種毎に熟すタイミングが違うので、
今はこの方法がベストだと思っているけれども
昔の伝統的な混植の畑にも理由があるんだよね』
将来的には、混植の畑を復元し、
昔ながらのオルヴィエートを醸してみたいそう。
(写真下)
今も少しだけ残る5品種が混植された昔の畑。
密植率1500本/ha、樹齢は40年ほど。
有機栽培は合理的だ
灰色の粘土に石灰質が混じり込んでいる。粘度が高く保湿力がある。
この重い土壌こそがオルヴィエートの特徴。
畑ではボルドー液以外の薬剤は一切使用されない。
肥料も基本的には使用せず、空豆を畝と畝の間に植えることで窒素を補給している。
『空豆を植えることで急斜面でも表土が流されるのを防いでくれるし、
暑い夏も表土が乾くのを防いでくれる』
『豆を収穫したら家畜の餌にして、時々地中に掻きこんでやれば肥料になる。合理的だね』
エトルリア人の墓
森の奥深くにあるこの扉の奥がエトルリア人のお墓。
全てはここから始まった。
『ここで初めてのワイン造りが始まったんだ。今でも古いワインを貯蔵しているんだよ』
2500年もの間この地でワインが造られてきたのには訳があるはず。
いつか、古代のワイン造りを復活させて、その訳を見つけたいんだ。
すごく仲が良く、幸せそうなクリスチァーナとジョヴァンニ夫妻。
ワイナリーの横にはレストランと小さなホテルが併設されている。