糖鎖分析メソッド集 グルコースユニットへの変換法 Ver. 20131129 Written by S. Natsuka 方法の概要 Size-fractionation HPLC の溶出位置を標準化する方法。HPLC の溶出時間を 比較することで同定を行う場合、実験間でのばらつきを少なくすればそれだけ 正確な解析が可能になる。しかし、溶離液組成のわずかな違いやカラムの劣化な ど様々な要因により溶出時間は変動する。そこで基準物質を用いた標準化が行 われる。Size-fractionation HPLC では分子サイズが異なるイソマルトオリゴ糖 混合物を用いて PA 糖鎖の標準化を行う。 この方法を使った時に引用すべき論文 Shunji Natsuka, Sumihiro Hase. Analysis of N- and O-glycans by pyridylamination. In Method in Molecular Biology,Vol. 76: Glycoanalysis Protocols (Hounsell,E.F. ed) Humana Press Inc. pp101-113 (1998). ピリジルアミノ化イソマルトオリゴ糖(PA-IMO)の調製 標識物の市販品(タカラバイオ)もあるが、自ら調製する際には市販のデキ ストラン(1,6 グルカン)を部分酸加水分解して得られたオリゴ糖をピリジル アミノ化して作る。あるいは市販のイソマルトオリゴ糖混合物(低重合度のも のが主)をゲルろ過などで分け、重合度の高いものが濃縮されるように再混合 した後、ピリジルアミノ化して作る。 Size-fractionation HPLC での分離 分離条件は「HPLC 条件」を参照。 PA-IMO の size-fractionation HPLC 標準曲線の作成とグルコースユニットの算出 1. PA-IMO を size-fractionation HPLC で展開する。 2. Excel を用いて、溶出時間を横軸、重合度を縦軸にとりプロットする。 3. 五次の多項式近似曲線を作成する。係数は 6 桁必要。 4. PA-糖鎖の溶出時間を近似曲線の数式に代入し相当する重合度(グルコース ユニット)を小数点以下 2 桁まで求める。 備考:グルコースユニットを求めるための Excel ワークシートが HP からダウ ンロード可能である。
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