編纂:’10.7.05 渡邊 『オゾン層と古生代生物の陸上進出』 大気中のオゾン層が有害紫外線を吸収 ◆ オゾン層が有害紫外線を遮断: 4.3億年前ごろ 陸も生命も約40億年の歴史を持つ。 これらが、4.3億年前にやっと結びついた。 それまで陸上は、生物が全く居ない無機的 な雑然とした場所であった。 陸には太陽からの紫外線が直接降り注ぎ 生物は生存する事ができなかった。 命の遺伝情報は DNA が伝える。 しかし、紫外線がその DNA を破壊してしまう のである。しかし、海水は紫外線を和らげる 働きがあったので、それまでも海中では生物は生きていくことができていた。 ◆ 酸素の増加とオゾン層の形成: 海中では盛んに生物による光合成が行われていた。初期の原始大気は、現在の何十万倍の二酸化炭素 が含まれ、酸素はまったく存在しなかった。35億年前にラン藻植物が光合成を始め酸素を海中に放出した。 産出された酸素は全て海中の鉄イオンと結合して、縞状鉄鉱層(酸化鉄)になり、海底に蓄積され続けた。 鉄イオンは、地球に衝突した隕石に含まれ、総量が決められている。やがて海中の鉄イオンを、使い尽くした。 約20億年前頃のあとは、海中で飽和状態に達した酸素が、ついに大気中へ放出されるようになった。 空中に放出された酸素は、大気上層(高度 20∼50km)でオゾン層を生成し、地球全体を覆った。 オゾンは、紫外線が酸素に作用して生成される。酸素は酸素原子 2(O2)に対し、オゾンは酸素原子 3(O3)。 このため、オゾン層は紫外線を吸収する。上空のオゾン層が生物に有害な紫外線を吸収するため、地球の磁場 とともに、生物を守る地球のバリアとなっていた。 4.3億年前の事件は、生物界の画期的な出来事だった。 ◆ 生物の陸上への進出がつづく: 【植物の上陸】:4.3億年前:シルル紀に最初に上陸進出したのは、緑藻類(ノリ)が進化した クックソニア(根・葉がないコケに類似)だった。4.2∼3.5億年前:デボン紀に、地中から水を吸い 上げる根・茎のしくみが発達したシダ植物が出現。3.5∼2.9億年前:石炭紀には、超大 陸パンゲアの全域にシダ植物の大森林が形成された。森林を形成した植物が、広人な 堆積盆地の湿地に埋もれ、現在の石炭になった。石炭紀には、大量の有機物が堆積層 に埋もれ、大気中の酸素は、35%にまで増加した。 【動物の上陸】:空気中の酸素増加で、陸上は動物にとっても、適応により繁栄できる 新天地になった。デボン紀に淡水に進出していた魚類の中から両生類が現れ、水中 の節足動物が陸に進出。石炭紀には、羽をもった昆虫が登場した。 シダ植物の巨木の森林に大きなトンボ(70cm)や、ゴキブリ(10cm)などが繁栄した。 2.9∼2.5億年前:ベルム紀の古生代末には、爬虫類も登場した。 化石燃料:石炭を形成したのは、低地に広がる沼沢林(しょうたくりん)に群生していた樹皮 で覆われている樹木である。巨大なヒカゲノカズラ、木生シダ類、大型のトクサ、帯状の 葉を持つ高木などがある。 これら植物の残骸が有機物として堆積し、数百万年を経て 膨大な石炭鉱床を形成している。この頃の石炭が、現在も燃料として利用されている。 現在の石炭の主要な産出地(北アメリカ、ヨーロッパ、中国・アジア)は、はいずれも石炭紀には 熱帯に位置していた 1
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