“スウェーデンで何が起きているのか” ~男女共同参画社会の現実

“スウェーデンで何が起きているのか”
~男女共同参画社会の現実~
1.人権国家スウェーデンは
人権国家スウェーデンは崩壊寸前
スウェーデンは崩壊寸前
女性の社会進出、福祉制度の整備などで、 フェミニストや人権主義者から賞賛されることの多いスウェーデンですが、
騙されてはいけない 、と強く思います。
◆愛情のない家庭
スウェーデンの国民は大変個人主義的であることで有名です。まず彼らが考えるのは、個人の自立です。
スウェーデンの女性の社会進出率は80%を超えています。 しかし、それが賞賛される結果の裏側には、公的機関が家
庭の機能を引き受けている現実があります。
子供を預ける託児所、無料給食、老人を預かる施設等々、これらの増加をもって社会福祉の整備と呼んでいますが、そ
の結果は悲惨です。
若者は、親から、早々に自立するように教育されます。 自立と言えば聞こえはいいですが、 ようするに親が面倒を見たく
ないから、子供を放り出しているにすぎません。
その結果、 愛情に飢え精神を病んだ若者が急増、強盗、強姦など犯罪率はアメリカを遙かに超えて、先進国中トップ。さ
らには不安定な家庭に育ち、将来に絶望した若者の自殺も増えてきています。
◆女性の自立と引き替えに失ったもの
女性の仕事にしても、8割がパート労働です。自立したいがために、自分の子供、親を施設に預ける。カネをもらって、他
の子供、老人の面倒を見る。そしてその収入の多くが税金に消えていく。
そもそも、福祉制度が充実したのは、家庭から子供や老人が追放された結果なのですが、これでは本末転倒ではないで
しょうか。
また、女性は男性に自己主張し、抗議するのが当たり前で、夫婦愛は、女性の権利の二の次です。 その結果、離婚率が
50%を超えています。 片親の家庭が急増、母性を求める子ばかりになります。
そのような女性に対して母性をあこがれる男性と、自立を求め子供に愛情の薄い女性が結婚するのですから、長続きす
るはずがありません。
この悪夢のような社会制度を維持してきたスウェーデンの国家財政は当然危機に陥りました。 日本は決して、福祉国家、
人権国家のスウェーデンの轍を踏んではいけないのです。
個人の権利を徹底的に反映するためのアマチュア議員制度も、女性の政治参加も、本来目指すべき人々の政治参加と
は形こそ似ても、その内容は極めて怪しいのではないでしょうか。
家庭は国の礎であります。
2.スウェーデンモデルの破綻
スウェーデンモデルの破綻
武田龍夫『福祉国家の闘い』中公新書:一部引用
高福祉社会の残酷な現実
理想的福祉の国スウェーデンというイメージをぶっとばすような、衝撃的な本が出た。武田龍夫『福祉国家の闘い』(中公
新書)である。この本にはスウェーデンの現実 (本当の素顔) が豊富な資料と体験に基づいて明らかにされている。その
結論は「モデル福祉国家としてのスウェーデンの歴史的役割は終わった」それは「砕かれた神話となった」である。
第二章「福祉社会の裏側──その光と影」の冒頭には、次のようなエピソードが紹介されている。
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「一世紀を生きてきた老人 (ちなみにスウェーデンの100歳以上の老人は約700人。もちろんほとんど女性である。1998
年) に大学生が尋ねた。「お爺さんの一生で何がもっとも重要な変化でした?」と。彼は二度の世界大戦か原子力発電か、
あるいはテレビ、携帯電話、パソコンなどの情報革命か、それとも宇宙衛星かなどの回答を予測した。」
しかし老人の回答は彼の予想もしないものだった。
「それはね── 家族の崩壊 だよ」。(同書、27頁)
この一言に 高福祉社会の問題 が集約されている。 老人の介護はいかなる時代でも家族の中で行われてきた。しかし
今は女性たちが外で働くようになり、家の中の仕事はすべて「公的機関」が引き受けている。すなわち乳幼児の世話をす
る託児所、学校での無料給食、老人の面倒をみる老人ホーム。
この男女完全平等と女性の社会進出、高福祉による公正で平等な社会を目指した実験は、現実には何をもたらしたか。
まずたいへんなコストがかかることが判明した。 最初から分かる人には分かっていたことだが、公的機関の建物を建て、
維持する費用、そして人件費をまかなうためには、高額の税金を必要とする。
福祉は「費用拡大の自律運動をやめないということだ。 したがって 経済成長がなければ福祉が維持できなくなるのは
当然 となる。 そして、大き過ぎる政府と公的部門の肥大化という問題であった。80年代に入るとすでに公的部門の支出
はGNPの60パーセント(50年代は30パーセント)、170万人の雇用を集中せしめるに至った(民間企業は240万人。なおスウ
ェーデンの労働人口は410万人)。しかも公的部門には女性が集中し、労働市場のバランスと流動性は失われてしまっ
た。」(同書、38頁)
家庭の中で家族の介護をしていた女性たちは、公的機関の職員となって他人の親を介護するようになった。日本の介
護の現実を見ても分かるように、介護に当たっているのはほとんど女性である。なんのことはない、税金を払って、そこか
ら介護手当をもらっているようなものである。ちなみに税金や保険料は給料の約半分だそうである。
それで仕事や給料での男女差別はなくなったか。 なくならない、 と女性たちは苦情を言っている。 賃金は女性のほう
が34パーセントも低いと。それは女性たちが事務職や軽労働の職にしかつきたがらないからでもあるが、また多くがパー
トの仕事しかないからである。
家庭教育は軽視され、子どもは早くから自立を強制される。H・ヘンディン教授の報告書によると、 スウェーデンの女性
は「 子どもに対する愛着が弱く、早く職場に戻りたがり、そのために子どもを十分構ってやれなかったことへの有罪感が
ある といわれる。 つまり彼女にとっては子どもは楽しい存在ではない というのである。幼児のころから独立することを躾
るのも、その背景からとするのである。しかし 子どもにとって、これは不安と憤りの深層心理を潜在させることになる。 男
性の自殺未遂者の多くは、診問中母のことに触れると 「とてもよい母だった」 と言ってすぐに話題を変えるのが共通だっ
た」。 ヘンディン教授は 「母性の希薄さを中心に生まれる男女関係、母子関係の緊張という心理的亀裂ないし深淵」 を
指摘している。(同書、128~129頁)
スウェーデンには老人の自殺が多いと言われたことがあったが、 今は若者の自殺が増えている。 自殺者は 毎年ほぼ
2000人 だが、 そのうち4分の1の4~500人が15~29歳 である。
自殺よりももっと急増しているのが、 各種の犯罪 である。「犯罪の実態はまさに質量ともに犯罪王国と呼ぶにふさわし
いほど」で、 刑法犯の数はここ数年の平均は日本が170万件、スウェーデンは100万件。 日本の人口はスウェーデンの2
倍ではない、17倍である。10万人あたりで、強姦事件が日本の20倍以上、強盗は100倍以上 である。 銀行強盗や商店強
盗も多発しているという。 10万人あたりの平均犯罪数は、 日本の7倍 、 米国の4倍 である。 (同書、134頁)
こうした恐ろしい現実の背後にあるのが、 家庭の崩壊 である。 「スウェーデンでは結婚は契約の一つだ」 「離婚は日常
茶飯事」で「二組に一組」が離婚 し、 夫婦のあいだには「思いやりとか譲歩とか協力とか尊敬といった感情は、まずない。
だから夫婦関係は猛烈なストレスとなる。」 だから「男と女の利己的自我の血みどろの戦いが、ストリンドベルイ文学の主
題の一つとなった」。 (同書、146~147頁)
次代の我が国を担うのは子供達です。愛する子供達の育つ家庭を蔑視してはなりません。
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