有効な施策立案 - Team Leverage

有効な施策立案
~巨大戦艦マクドナルドに立ち向かうには?
2010年6月26日
チームレバレッジ
1
AGENDA
z
z
z
z
z
z
z
z
z
はじめに
お客様にとっての価値を把握する
競合対象を決める
市場の規模感を把握する
勝ち組の特徴を把握する
顧客の声から成功のコツを学ぶ
各社の強み・弱みを把握する
将来の市場を把握する
施策立案
まとめ
・・・P. 3
・・・P. 4
・・・P. 5
・・・P. 6
・・・P. 8
・・・P.11
・・・P.17
・・・P.19
・・・P.22
・・・P.29
2
はじめに
なぜ自社の製品が売れないのだろう?
社会人であれば、必ず一度は疑問を持ったことがあるでしょう。
その解として、Only one戦略、ブルーオーシャン戦略を唱える方がいらっしゃいます
が、経済がグローバル化した今やそのような恵まれた市場など存在しません。
必ずどこかに競合が存在するのです。
そしてその競合に打ち勝つことができない限り、成功はありません。
本セミナーでは競合に勝利するための施策をどう打てば良いのか、我々が1年かけ
て学んだことをすべて公開します。
本日は成長著しいマクドナルド社を例に挙げて共に考えていきます。
ここで考えた事は、必ずや社会で役立つ時が来るものと信じております。
チームレバレッジ事務局
3
1.お客様にとっての価値を把握する
いきなりですが質問です。
みなさんはマクドナルドに行った事がありますか?
Yesの場合、なんのために行きましたか?下の枠内に記載ください。
ここで出た理由がお客様にとっての価値です。
4
2.競合対象を決める
“競合”とは、自社のお客様が奪われる恐れのある代替手段を指す。
よって、先ほど書いていただいたお客様価値の分だけ存在する。
<競合対象例>
顧客価値
競合業種
競合対象企業例
食事(主に昼食)を取るため
・ファーストフード
・ファミリーレストラン
・コンビニ
・吉野家、すき屋、松屋
・サイゼリア、デニーズ
・セブンイレブン、ローソン
コーヒーを飲むため
・コーヒーチェーン
・スタバ、ドトール
ひまつぶし
・カラオケ
・ゲームセンター
・家電量販店、スーパー
・シダックス
・セガ
・ヤマダ、ドンキホーテ
*ここで言う“顧客価値”とはナビゲータにとっての価値を表す
5
3-1. 市場の規模感を把握する
全体の市場規模は20.8兆円。そのうちハンバーガー業界は6,600億円
に過ぎない。
FC業界 20.8兆円
小売FC 14.5兆円
外食FC
3.9兆円
コーヒー
2800億
コンビニエンスストア
8兆円
ファースト
フード
2兆円
ハンバーガー
6600億円
2008年度売上高:(社)日本フランチャイズチェーン協会
店舗数成長率
FC総計
-小売業FC合計
--コンビニエンスストア
-外食FC合計
--ファーストフード全体
---ハンバーガー
--一般レストラン全体
---コーヒーショップ
2004
102.4%
102.9%
100.5%
103.1%
99.6%
100.6%
110.5%
109.2%
2005
103.8%
104.0%
103.2%
103.4%
99.5%
101.1%
111.1%
114.9%
2006
100.4%
100.6%
101.0%
98.8%
93.0%
95.2%
110.9%
112.4%
2007
100.1%
99.7%
100.3%
98.7%
98.2%
100.5%
99.1%
100.6%
2008
97.9%
103.6%
102.7%
97.9%
98.8%
98.5%
96.2%
100.5%
売上高成長率
FC総計
-小売業FC合計
--コンビニエンスストア
-外食FC合計
--ファーストフード全体
---ハンバーガー
--一般レストラン全体
---コーヒーショップ
2004
104.8%
104.7%
101.7%
102.8%
100.9%
101.9%
105.4%
100.8%
2005
103.6%
102.3%
101.7%
105.7%
101.4%
99.8%
113.9%
115.7%
2006
101.1%
101.6%
100.3%
100.4%
97.4%
100.7%
99.6%
150.8%
2007
103.6%
104.9%
101.5%
99.1%
101.0%
108.9%
96.9%
101.5%
2008
102.5%
106.2%
106.6%
97.6%
96.3%
101.9%
101.4%
90.3%
6
3-2 .FC業界の直近の動き
分類
直近の動き
小売FC全体
家電量販店、ドラッグストアの業界再編による大手チェーンのFC化や
店舗大型化による2桁成長と、2008年のtaspo特需のコンビニによ
り、マーケットは伸張している
コンビニエンス
ストア
taspoに制度導入の特需で2008年は売上が大幅に増加したものの、
2004年から大きな成長は無く、現状維持
外食FC全体
リーマンショック以降、メニューの低価格化、家食へ顧客志向がシフ
トし、全体的に苦戦を強いられている。大きな変化の中で、勝ち組も
入れ替わってきている
コーヒーショップ
スターバックスが切り開いた高価格帯のマーケットへの新規参入が
続き、2006年まで大幅な成長を遂げていたが、景気の大幅後退に
よる顧客志向の変化やマクドナルドなどによる参入により、2008年
以降、大きく売上を下げている
ハンバーガー
マクドナルドがハンバーガー以外のマーケットにも積極的にアプ
ローチし、大きく売上を伸ばしている。詳細はこのあとすぐ!
7
4-1.勝ち組の特徴を把握する
<外食FCの勝ち組とは?>
成長を続けている3社をここでは勝ち組と定義付ける。
(%)
104
売上高平均成長率
103.44
102.81
101.97
102
99.58
100
99.31
98.70
98.59
97.55
98
97.54
96.54
96
94.18
94
92
ス
コ
ー
吉
野
家
ヒ
ー
ル
バ
ック
牛
角
ジ
ョイ
フ
ス
タ
ー
トー
ド
モ
ス
バ
ー
ガ
ー
ヒ
ー
ル
コ
ー
き
家
す
ス
シ
ロ
ー
ぱ
寿
司
か
っ
ナ
ル
ド
マ
ク
ド
サ
イ
ゼ
リ
ヤ
90
8
4-2. 勝ち組の条件を定義する
当業界における勝ち組となる条件とは、単価を落とさずに客数を上げることと言える。
-10%
-5%
単価(増)
付加価値訴求型
+2%
+3.0%
勝ち組
サイ
スタバ
+1%
+1.5%
モス
ゼリア
バーガ
吉野家
かっぱ
スシロー
寿司
牛角
客数(減)
ドトール
マクド
ナルド
ジョイ
フル
客数(増)
-1.5%
すき家
-3%
負け組
*数値は直近2年間の前年同月比の平均値
*出典:フードビジネス総合研究所HPより
安売り路線
単価(減)
9
4ー3.業績を比較する
勝ち組
安売り路線
付加価値訴求型
単位(百万円)
マクドナル
ド
サイゼリア
かっぱ寿司
ゼンショー
(すき家)
モスバー
ガー
業種
ハンバーガー
ファミレス
回転寿司
牛丼
2009年12月期
2009年8月期
2010年2月度
負け組
吉野家
スターバッ
クス
スシロー
ジョイフル
ハンバーガー
牛丼
カフェ
回転寿司
ファミレス
2010年03月期
2010年03月期
2010年2月度
2010年03月期
2008年9月期
2009年12月期
売上高合計
¥362,312
¥88,323
¥87,613
¥334,172
¥60,009
¥179,602
¥97,078
¥63,862
¥58,961
売上原価計
¥294,002
¥30,250
¥33,481
¥111,139
¥32,300
¥67,469
¥26,647
¥32,567
¥21,123
売上総利益
¥68,310
¥58,072
¥54,131
¥223,033
¥27,709
¥112,132
¥70,431
¥31,295
¥37,838
販管費
¥44,080
¥48,904
¥48,548
¥210,493
¥25,427
¥113,028
¥63,990
¥28,414
¥36,051
営業利益
¥24,230
¥9,168
¥5,583
¥12,540
¥2,282
-¥895
¥6,441
¥2,881
¥1,787
6.7%
10.4%
6.4%
3.8%
3.8%
-0.5%
6.6%
4.5%
3.0%
営業利益率
営業利益率
カテゴリ平均
7.8%
3.8%
3.6%
勝ち組企業は、同業他社と比べ、営業利益率(本業に
よる利益率)が高い
3.0%
10
5-1.顧客の声から成功のコツを学ぶ
総合力と単価向上は相関があるが、顧客増にはつながらない。
11
5-2.顧客の声から成功のコツを学ぶ
来店頻度ではマクドナルドの圧勝で、その要因は値段・立地等が影響していると考えられる。
よって、総合力ではなく、ピンポイントのニーズを支配した企業が勝っていることが分かる。
<ファーストフードを選択する理由>
80.0%
値段が安い
75.1%
70.0%
60.0%
立地の良さ クーポンが利用
65.2%
できる
味がおいしい
58.1%
57.3%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
<月2回以上利用している人の割合>
70.0%
60.0%
マクドナルド
57.9%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
モスバーガー
ケンタッキー
8.8%
5.5%
ロッテリア
4.1%
0.0%
資料:株式会社medibaレポセンより引用 http://reposen.jp/2360/3/79.html
調査期間:2009年4月15日~2009年4月17日 750人対象
12
5-3. 顧客の声を集めてみよう
それでは、ここで顧客の声をさらに集めるため、以下の演習に取り組んでいただきたい。
[演習]
あなたはモスバーガー社の市場開拓部の社員です。
上司より、顧客のニーズを掴みたいという要望がありました。
ところが市場開拓部にはお客様ニーズに関する情報が無かったため、アンケートを取って、
情報収集することにしました。
どのようなアンケートを作成すると良いでしょうか?
次ページにあるアンケート用紙を完成してください。
13
5-4. 顧客の声を集めてみよう
<アンケート用紙>
その他
1.来店目的
(
)内にあなた
が重視する順番を
付けてください。
あなたが考
える来店目
的を記載く
ださい。
2.お店の評価
(
)内にあなた
が重視する順番を
付けてください。
あなたが考
える店舗決
定要因を加
えてください。
3.モスバーガー
の総合評価を記載
ください
該当ポイントに
“○”
(
)
(
)
(
)
(
)
価格
立地
クーポン
味
高
普通
低
( 5 4 3 2 1 )
高
普通
低
( 5 4 3 2 1 )
高
普通
低
( 5 4 3 2 1 )
高
普通
低
( 5 4 3 2 1 )
(
)
高
普通
低
( 5 4 3 2 1 )
(
)
高
普通
低
( 5 4 3 2 1 )
その他
高
普通
低
( 5 4 3 2 1 )
高
普通
低
( 5 4 3 2 1 )
高
普通
低
( 5 4 3 2 1 )
高
普通
低
( 5 4 3 2 1 )
高
普通
低
( 5 4 3 2 1 )
5
高
4
3
普通
2
1
低
<
>
高
普通
低
( 5 4 3 2 1 )
14
5-5. 収集した顧客の声を表現する
収集した顧客の声は、項目毎に重要度を付けてグラフ化することで、分かりやすく表現することができる。
例えば以下の事例の場合、目的A重視顧客に対しては“味”、目的B重視顧客に対しては“価格”が要改善
項目と言える。
<目的B重視>
<目的A重視>
総合評価(高)
総合評価(高)
価格
立地
重要度(低)
重要度(高)
立地
味
重要度(低)
重要度(高)
味
総合評価(低)
価格
要改善領域
総合評価(低)
要改善領域
15
中間まとめ
1.お客様にとっての
価値を把握する
2.競合対象を
決める
3.市場の規模感を
把握する
4.勝ち組の特徴を
把握する
5.お客様の声から
成功のコツを学ぶ
お客様が求める価値
を理解する
お客様にとっての
代替手段を把握する
代替手段を含めた
市場規模を把握する
勝ち組の特徴や
条件を把握する
勝ち組を作る要件を
把握する
16
6-1. 各社の強み・弱みを比較する
お客様の声を裏付ける評価項目を抽出し、自社:競合間の比較を行うことにより、自社の強み・弱みを把握するこ
とができる。
<強み・弱み一覧表>
強み
お客様の声
評価項目
弱み
マクドナルド
モスバーガー
<¥893
¥893
ハンバーガー単品価格
¥100
¥160
ポテトS単品価格
¥210
¥190
コーラS単品価格
¥100
¥170
ハンバーガーレギュラーセット
¥480
¥480
総店舗数
3,715
1,358
直営店舗数
1,705 (48%)
76 (6%)
FC店舗数
2,010 (52%)
1,282 (94%)
クーポンが利用できる *携帯クーポンの利用率
97.1%
16.2%
味がおいしい
27.2%
37.6%
客単価
値段が安い
立地の良さ
**消費者ハンバーガーの味の評価
*株式会社medibaレポセンより 調査期間:2009年4月15日~2009年4月17日 750人対象
**コッソリアンケートより:最も好きな味のハンバーガーのある店 2009年6月16日 125人対象 http://find.2ch.net/enq/board.php
17
6-2. 各社の強み・弱みを比較する
皆さんからのアンケート結果を含めてまとめてみました。
<強み・弱み一覧表>
お客様の声
評価項目
マクドナルド
モスバーガー
アンケートデータ収集後、作成してお渡しします。
18
7.将来の市場を予測する
将来の市場を予測するには、5Forcesで整理すると良い。また、近年は政府の施策などPESTも見逃せ
ない要因となっている。これらの変化を良く見ることにより、将来を予測することができる。
5Forces
予測
項目
例
PEST
顧客・市場
競合・業界
供給者
代替品
新規参入
PEST
顧客価値
製品差別化
供給量
代替品有無
別業界の参入
購入動機
ブランド力
供給者数
代替品提供価値
差別化
購入総数
生産力
供給資源品質
代替品品質・性能
経済情勢
価格弾力性
社員数・能力
代替資源の有無
代替品価格
人口、高齢化
品質・性能要求
競合数
ブランド力
業界の成長性
一人暮らしの増加
マクドナルドが
高級志向へ
政府の施策
規制強化、緩和
技術革新
サプライチェーン
強化による食の
安全性向上
スタバが食べ物
メニューを強化
B級グルメが
ブーム
口蹄疫
19
7-2.将来の市場を予測する
それでは、ここで将来予測に関する演習に取り組んでいただきたい。
[演習]
あなたはモスバーガー社の市場開拓部の社員です。
上司より、今後考えられる追い風要因と、逆風要因を知りたいとの要望を受けました。
どのように回答しますか?
参加者全員で考えてみましょう。
モデレータより前ページの表に沿って、以下のように質問します。
自由にご回答ください。
顧客・市場
分野の
顧客価値
に関して将来変化する予兆がありますか?
購入動機
に関して将来変化する予兆がありますか?
購入総数
に関して将来変化する予兆がありますか?
20
7-3.自社にとっての影響を把握する
将来の予測した内容の中で、自社とは関係の無い情報は考慮する必要が無い。
例えば、アルコール商品を販売している飲料メーカーにとって、出産人数は重要ではない
だろう。(少なくても20年後までは)
そこで、自社の特徴(強み・弱み)と将来予測を組み合わせて考えることにより、自社にとって
重要な影響を正しく把握することができる。
影響については、自社にとって好影響(機会)か悪影響(脅威)かを分別しておくと良い。
<SWOTマトリクス表>
機会A
機会B
機会C
脅威A
脅威B
脅威C
強みA
強みB
ビジネスチャンス
被害を食い止める
弱みを克服
この分野は捨てる!?
強みC
弱みX
弱みY
弱みZ
21
8. 施策立案
さぁ、いよいよ施策立案です。以下の演習にグループで取り組んでください。
[演習]
あなたはモスバーガー社の市場開拓部の社員です。
上司より、顧客増加に向けた有効な施策を立案して欲しいとの要望がありました。
今まで調べてきた結果を参考に、上司の要望に見事応えてください。
以下、参考までに検討プロセスを明記します。
8-1.
8-2.
8-3.
8-4.
強み・弱み、将来予測をマトリクス表にまとめ、施策を検討すべき分野を特定する
その分野に対して、有効な施策案を自由に出す
過去の施策を振り返り、有効な施策案を肉付けする
顧客の声などを参考に、施策を効果順にプライオリティを付ける
22
8-1.施策分野の特定
SWOTマトリクスを見ながら、どの特徴(強み・弱み)を活かすべきか、そしてどの機会・脅威
に対して当たりを付ける。
機会A
機会B
強みA
○
◎
強みB
△
強みC
弱みX
弱みZ
脅威A
脅威B
×
脅威C
△
○
×
○
弱みY
機会C
○
○
○
○
△
×
×
○
△
△
印(◎、○、△、×)の付いている枠に注目して、どの分野に注目すべきかを決める。
注目枠は色を塗る等分かるようにしておく。
例) 強みA:機会Bに注目する
23
8-2.施策のアイデア出し
注目する施策分野毎に、施策案のアイデア出しを行う。
施策分野1
味
施策分野3
価格
施策案A
施策案F
施策案B
施策案G
顧客増加
施策案C
施策分野2
立地
施策分野4
クーポン
施策案D
施策案H
施策案E
施策案I
24
8-3. モスバーガーの施策効果
客数
(人/店)
客単価
(円)
240
960
940
230
920
220
900
880
210
860
840
200
820
190
800
180
2008年4月
780
8月
12月
2009年4月
8月
12月
2010年4月
25
8-3. マクドナルドの施策効果
客数
客単価
15%
前年度比成長率
10%
5%
0%
2008年 4月
8月
12月
2009年 4月
8月
12月
2010年 4月
-5%
-10%
26
8-3. 両社の施策効果比較
分類
マクドナルド
モスバーガー
品質
2004年に「MADE FOR YOU」全店
導入完了により、つくりたての味を素
早く提供。QSC(Quality, Speed,
Clean)を戦略的に重視
原材料の産地や出荷プロセスだけで
はなく、製品の栄養・アレルギー情報
などをすべて公開しており、品質に対
する意識は非常に高い。
新商品
モスに比べ新商品のラインアップは
少なく、サイドメニュー、ドリンク、デ
ザートをメインに新商品投入。特に、
コーヒーを強化。レギュラーメニュー
のバーガーラインナップは少ない。
モス定番である香辛料を活かした商
品の他、ごはんものなどハンバー
ガー以外の新商品を次々と発売して
おり、商品ラインナップでは群を抜い
ている。
期間限定商品
ほぼ毎月、期間限定商品を紹介。バ
リエティ豊かな商品や、「ビッグアメリ
カ」や「日本オールスターズ」などシ
リーズ化したイベントを大々的に宣伝
し顧客数増を図る
地域性を活かした期間限定商品の展
開や、デザートの充実が目立つ。
2009年以降、テレビ番組や異業種
等とのコラボ限定商品が展開されて
いる。
店舗戦略
店舗改装(おしゃれに)、ドライブス
ルー、24時間店舗設置を積極的に行
い、顧客基盤の拡大を行う。また店舗
数縮小、FC化を同時に進める
環境への配慮を十分に行い、無駄な
ゴミが出ないよう、食器等を工夫して
いる。また、競合と比較して高齢のア
ルバイトが目立つ。挨拶など基本姿
勢が良いためと推測される。
キッズに対する施作
毎月、必ず新しいバリューセットを展
開。人気キャラクターのグッズやDS
を使って、キッズにアプローチ
子供向けセットメニューを充実。低ア
レルゲン性という特徴を活かした安全
性を訴求。
宣伝・広告
携帯電話クーポン、多彩な支払い方
法を積極的に導入し、顧客を引き付
ける。
全国型CMを縮小し、メディアを活用
したPR(特集として取り上げてもらう)
重視へと移行。
27
8-4.プライオリティを付ける
施策案を評価して、プライオリティを付ける。
施策分野1
味
施策分野3
価格
施策案A
施策案F
施策案B
施策案G
顧客増加
施策案C
施策分野2
立地
施策分野4
クーポン
施策案D
施策案H
施策案E
施策案I
28
9.まとめ
有効な施策立案に必要な能力を考えると、論理的思考だけでは足りない事が分かる。何にでも興味を持
つ好奇心や、ひらめき・発想力といった右脳的能力も必要であることが分かる。これらの能力を磨きつつ、
ぜひ企業に貢献できる施策立案者を目指していただきたい。
論理的思考
1.お客様にとっての
価値を把握する
6.各社の強み・
弱みを把握する
論理的思考
2.競合対象を
決める
7.将来の市場を
予測する
3.市場の規模感を
把握する
4.勝ち組の特徴を
把握する
5.お客様の声から
成功のコツを学ぶ
8.有効な施策案
を検討する
好奇心、発想力
29
参考 営業利益を細分化してみると?
(マクドナルド)
(単位:百万円)
営業利益
事業収益
直営店収入
¥362,312
¥362,312
¥302,529
店舗数
1,705
顧客数
???
既存客数
???
×
店舗毎売上高
直営店収入
-
¥302,529
¥177
FC収入
¥119,984
デザート
¥87,997
材料費 (直営店)
¥95,433
¥294,002
労務費 (直営店)
¥88,252
販管費
新規客数
???
サンドウィッチ
¥59,229
売上原価
顧客単価
???
FC原価
¥34,453
注目すべきは?
9デザート・ドリンクが直営店の収益に占める
割合が意外と高い(52%)
ドリンク
¥66,592
ブレックファースト
¥13,321
本来であれば、比較対照の企業 MOSと比
べることにより、特徴が見えてくるが、MOS
の詳細なデータ入手不可能の為、割愛しま
す
BF デザート
その他
¥75,863
広告宣伝・販促費
¥19412
¥9,235
その他
¥5,298
¥44,080
労務費・その他
¥24,688
30
用語解説
31
FC(フランチャイズ)
コンビニなどにおおい仕組み。
z
フランチャイズチェーンとは、本部と、加盟店の二つの組織によって成り立っています。加盟店は、本部に、
ロイヤリティという名目で、売上の一部を払います。そのかわりに、本部は、加盟店に 仕入れルートの
提供、販売ノウハウの提供、販促資材の提供、 店名の使用許可、経営指導や、運営マニュアルの提供、
宣伝広告などなどを受けることができます。
z
コンビニエンスストアの場合、このフランチャイズという仕組みで全国に急速に店舗数を増やしてきた。つ
まり、コンビニを開業したい人と、チェーン店を増やしたいコンビニ本部があって、その利害関係が一致し
たというわけですね。
z
コンビニを始めた人のことをオーナーと呼びますが、これは、その言葉の意味の通り、オーナーは、その
店の持ち主であり、その店の経営者ということです。このオーナーとなる人は、普通の一般人が多いです。
z
今回はマクドナルドですが、元社員の人がやっていたりもする。
z
利点としては、直営店に比べると、社員を必要としないので、経費が少なくて済む。
32
損益計算書(P/L)
損益計算書
z
z
企業の一会計期間にお
ける経営成績を明らかに
した報告書。
会社や商店が、財政状
態を明らかにするととも
に、どれだけ儲け・損が
でたかという情報を明ら
かにしなければなりませ
ん。このために作成され
たのが、損益計算書。
項目
売上高
売上原価
値
A
B
計算式
売上総利益
C
C=A-B
例
売り上げた製品の原価
(または売上総損失)
販売費及び一般管理費
D
営業利益
E
人件費・光熱費
E=C-D
(または営業損失)
営業外収益
F
営業外費用
G
経常利益
H
受取利息、配当金、
その他の営業外収益
支払利息、
その他の営業外費用
H=E+F-G
(または経常損失)
特別利益
I
特別損失
J
税引前当期純利益
K
固定資産売却益、等
土地・投資有価証券の売却
損、
在庫の廃棄、災害被害
K=H+I-J
(または税引前当期純損失)
法人税等
L
法人税等調整額
M
当期純利益
N
N=K-L+M
(または当期純損失)
33
SWOT分析
z
z
z
z
Strength(強み) 自社の強み
Weakness(弱み) 自社の弱み・課題
Opportunity(機会) 外部環境にあるチャンス
Threat(脅威) 外部環境にある自社にとって都合の悪いこと
の頭文字をとったものです。
以下の図で表す場合が多いです。
O 機会
T 脅威
マクドナルドの
場合(例)
・低価格商品が消費者うけ
・狂牛病
S 強み
低価格で提供
ブランド力
店舗数
ブランド力で認知・提供
が可能
W 弱み
接客レベルが低い
提供が遅い
34
5 Forces
ある業界について競争状態を分析するフレームワーク(枠組み)である。
業界に影響を与える要因を、
・新規参入の脅威
・代替品の脅威
・買い手の交渉力
・売り手の交渉力
・業界内の競合他社
といった「5つの力」によって定義し、それらが強ければ強いほど業界内の競争が
激しくなり、利益を確保することが困難になるとしている。
例
新規参入の脅威
代替品の脅威
5FORCES
買い手の交渉力
売り手の圧力
業界内の競合他社
技術・マーケティング・設備投資などの障壁
・レコードに対するCD
・ポケベルに対するケイタイ
重要関係バランス
製品・サービスの差別化の程度
重要関係バランス
製品・サービスの差別化の程度
・競合の数と規模
・市場規模の動向
35
PEST分析
SWOTのOTの部分を考えるときに、一つの方法としてPEST分析をつかいます。
この分析ででた結果をもとにOTに当てはめていきます。
例
Politics
政治・法律
最低賃金値上げ
Economic
経済
Social
社会・文化
ファーストフードという概念が変わりつつある
Technology
技術革新
機械による自動化が進む
デフレーション
PEST
36
有効な施策立案を行う流れ
1.お客様にとっての
価値を把握する
6.各社の強み・
弱みを把握する
2.競合対象を
決める
7.将来の市場を
予測する
3.市場の規模感を
把握する
4.勝ち組の特徴を
把握する
5.お客様の声から
成功のコツを学ぶ
8.有効な施策案
を検討する
37
6-1.アンケート
1、7、8、9、12は記述、その他は該当箇所に○を付けてください。
1.お名前
大変参考になった
参考になった
普通
参考にならなかった
全く参考にならなかった
3.テーマ
大変良かった
良かった
普通
悪かった
大変悪かった
4.資料
大変良かった
良かった
普通
悪かった
大変悪かった
5.講師の説明
大変良かった
良かった
普通
悪かった
大変悪かった
6.グループワークのプロ
セスへ評価
大変良かった
良かった
普通
悪かった
大変悪かった
2.総合評価
7.グループメンバー名
さん
さん
さん
さん
さん
8.グループワークにおけ
るグループの良かった点、
反省点
9.取り上げて欲しいテー
マ
10.次回参加
11.友人の紹介
12.自由記載欄
(議論をしたいテーマがございましたら自由に記載ください。)
また参加したい
積極的には参加したくない
積極的に本セミナーに友人を誘いたい
自分から積極的には友人を勧誘はしないと思う
(上記の項目で採点が悪い項目に関する補足説明、その他自由にご意見を記載ください。)
ご協力ありがとうございました。
レバレッジ事務局一同
38
1-1.レバレッジセミナーのポリシー
我々が主催しているレバレッジ勉強会の概要をご紹介したい。
概要
: 月に1回、メンバーが選定した議題について勉強会を開催。
参加者数
: 各回10名程度
所要時間
: 各回2時間程度
講師
: メンバーが交代で講師役を実施
テーマ
: その時話題となっている旬のテーマを選定
コンテンツ
: 講師役が中心となって自ら作成
目的
: ①個人の成長に貢献したい
②仲間を見付け出す場を提供したい
39
1-2.過去セミナーのご紹介
【セミナー一覧】
月度
テーマ
内容
学習したスキル・フレームワーク
2009.05
世界不況について考える
世界同時不況の構造を理解し、今後の世界を予測して
各自がどうすべきかを考える。
マインドマップを使った、将来予測のアイ
ディア出し
2009.06
コーチングスキルの応用
ケーススタディを基に、コーチングスキルの正しい活用
シーンを学ぶ。
コーチングスキル
2009.07
成功企業に学ぶ
~ジャパネットたかた編
ジャパネットたかた社の緻密なマーケティング戦略を理解
し、各自が長所を取り入れ、実践する。
データに基づいた営業・販売戦略立案
2009.08
自民党対民主党
マニュフェスト対決
自民党:民主党の教育および社会保障戦略について理
解をし、ディベート形式で優劣を討議する。
ディベートの手法
2009.09
ゆとり世代とどう向き合うか
ゆとり教育卒業者の特徴を理解し、彼らの能力を最大
限化するために、いかに向き合うかを議論する。
対象への理解と定義づけ、そして対象への
対策立案
2009.10
日本国憲法について考える
我々のあるべき日本人像を定義した上で、日本国憲法
第3章に不足している項目を前向きに考える。
目的の定義づけ
2009.11
2009.12
アイディアのブレインストーミング
施策立案
2010.01
日本の財政を考える
日本の財政破綻のリスクを理解し、リスクを最小限にす
るための施策を考える
施策・改善策の立案と優先順位付け
2010.02
企業財務分析 航空業界 (JAL)
JALのコスト構造などを分析し、JALおよび行政は再建に
向けて今後何をすべきかを考える。
財務分析の基礎
2010.03
企業・業界分析 スーパーマーケット
低迷するスーパー業界を分析し、好調な「オオゼキ」の強
み、弱みを活かした更なる成長施策を考える。
業界分析、機会・脅威の捉え方
2010.04
商品企画 小林製薬
小林製薬の商品開発方法「ドロドロ開発」をモデルに、商
品開発のアイディア出しを体験する。
商品企画のアイディア出し、ブレインストー
ミングの方法
2010.05
論点思考 普天間問題
立場によって物の考え方が異なる点を理解した上で、最
適な論点を導くための思考を考える。
論点思考
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1-3.今後の予定
【今後のセミナー日程】
2010年 7月28日(水)
2010年 8月25日(水)
2010年 9月22日(水)
【セミナー内容】
内容は未定です。
旬のテーマを取り上げますので、みなさんにとって興味深い内容となることは間違いありません!
ぜひご参加よろしくお願いします。
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