『ことばのバリアフリーを目ざして』公開シンポジウムの実施結果 (1)参加された方の人数と業種 2011年10月29日(土)に開催した『ことばのバリアフリーを目ざして』公開 シンポジウムの参加者は、31人(大学生22人、高校生3人、教育関係者2人、一般 2人、企業関係者1人、社会福祉関係者1人)でした。 (2)シンポジウム開催の成果 会場受付で実施した事前アンケートによると、本シンポジウムの催しを知ったきっか けとして、 「知人からきいた」が24人、 「チラシを見て」が5人、 「その他」と回答した のが2人でした。 また、本シンポジウムに参加した理由として、「コミュニケーションに興味がある」と 回答したのが14人、「大学祭・オープンキャンパスに訪問したため」が8人、「その他」 と回答したのが10人でした。 シンポジウムの閉会後にアンケートを実施し、回答が得られたのは26人でした。こ の人数は、シンポジウムに参加した人の84%となります。このアンケートの結果は、 シンポジウムを開催した成果として、大変重要なデータとなりますので、本アンケート の質問に対する回答の内訳として以下のとおり報告します。 はじめのプログラムであった映像教材『コミュニケーション力の可視化の試み』を視 聴した感想として、 「大変良かった」と回答したのが10人、「良かった」が14人、「普 通」が1人、「やや不満」は0人、「期待はずれ」は0人、「無回答」が1人でした。 次に、基調報告「『ことばのバリアフリーを目ざして』の概要と教育改革」(斉藤くる み)を聴講した感想として、「大変良かった」と回答したのが9人、「良かった」が14 人、「普通」が2人、「やや不満」は1人、「期待はずれ」は0人、「無回答」が0人 でした。 また、外部評価委員を招聘して行われた「パネルディスカッション」 (3名のコメント) を聴講した感想として、 「大変良かった」と回答したのが10人、「良かった」が13人、 「普通」が2人、「やや不満」は0人、「期待はずれ」は0人、「無回答」が1人でし た。 最後に、シンポジウム全体を通しての感想・意見の自由記述欄については、以下のとお り回答が得られました。 【高校生からの感想・意見】 ○コミュニケーションの大切さがよくわかったので、参加してよかったと思います。現段 階でわからないことも多かったのでこれから学んでいきたいと思いました。 ○分りやすく聞きやすく、すごくよかった。コミュニケーション能力の大切さが良く分か りました。すごくためになりました。福祉を学びたいと思っていて、今回のシンポジウ ムに参加してみました。福祉はコミュニケーション、ことばのバリアフリーを考えなが らがんばっていきたいと思いました。 【大学生からの感想・意見】 ○池澤先生の話を聞いて、本当にその通りだと思いました。私はこの大学に入る前、小・ 中・高と孤立した生活を送っていました。大学に入っても、友達ができないだろうと思 っていた。しかし、日本社会事業大学の人達は私と普通にコミュニケーションをとって くれたのです。それを私はこれから多くの人に実践しなければならないと思いました。 ○世界でグローバル化が進んでいて、施設を利用する人の中にも外国の方がいたりと、今 までのコミュニケーションでは不十分で、利用者の方が不快になってしまう場が多くな ると思いました。今からコミュニケーションの様々な方法を学ぶことで、ことばのバリ アフリーを進めていく第一歩になるのだろうと思いました。 ○日本大学の学生です。前期に渡部先生の授業を受けさせて頂いて、今回もお話を聴きた いと思って来ました。私自身興味深い内容のお話を、多方面の先生方からうかがえて、 とても勉強になりました。ありがとうございました。 ○渡部先生の話にはとても学ぶことがたくさんありました。 ○コミュニケーションの場作りについて存在が大切だということを新しく学び、知れたこ とがとても勉強になりました。 ○コミュニケーション検定は私も受けたけれど、受けっぱなしのままにしていました。で も、結果を見直すことで、自分の足りないところを自覚し、どう変えていけばいいのか と課題を残してくれるなど受けてからも生かすべき大切なテストなのだと思いました。 ○普段はお聞きすることのできない他大学の先生方からお話を聞けてよかったです。 BENCH マークについてあまり今まで意識はしませんでしたが、これから来年に向けて 意識しつつ授業を受けたいと思いました。 ○前期に何気なく行った、コミュニケーション能力検定がこのような展望のもと、行われ ているということを知りました。今後の自分のコミュニケーションのとり方について、 意識して考えたり、取り組んでいったりしたいと思いました。 ○7 月にあったワークショップに参加した時は目的がよくわからなかったが、今回の映像や 斉藤先生の報告を聴いてワークショップの目的がわかった。同時に自分のコミュニケー ション能力はどうであるかという振り返りや、コミュニケーション能力をどう福祉につ なげていくかと考えていこうという課題を見つけることができた。 ○音声認識の情報保障を見たことがないので、ぜひ見てみたいと思いました。コミュニケ ーション検定を作成した過程の話や目標が聞けて興味深かったです。自分は筆記試験の ときに時間が足りませんでした。元々コミュニケーションをとるときに、時間をかけて 頭の中で整理しないと話しをできないタイプなので、そういう点も関係あるのかと考え させられました。 ○斉藤先生のワークショップにも出席しましたが、ワークショップやベンチマークなどが つながって一つのプロジェクトになっているとは知らなかったです。 ○ビデオで見たスキット前者と後者の違いがはっきりと分かり、とても面白かったです。 見ていて、私は普段どちらの態度で先生方や目上の方と接することができているだろう かと見つめ直すことが出来ました。7 月に行われたワークショップには参加することが出 来なかったのですが、どのようなことを皆が学んでいたのか少しでも知れました。パネ ルディスカッションでは 3 名のお話を聞くことが出来、コミュニケーション検定からさ らに広がった視点を得られました。しかしコミュニケーション検定自体に批判的な意見 の方もいれば、さらに違う視点からコミュニケーションを捉えられて、面白そうだなと 思いました。 【一般の方からの感想・意見】 ○コミュニケーションとは何かについてずっと悩んでいましたが、考えるヒントをたくさ んいただきました。聾学校の教育の場で、また考え続けたいと思います。 ○『ことばのバリアフリー』ということを目指したコミュニケーション検定が一般化され、 その能力の高い社大生のような人材が早く広く一般社会に出て、よく活躍してほしいと 思いました。子どもの同級生に聞こえの悪いお子さんがあり、学校生活において学校の 善意的な差別や校内生からの偏見にやはり苦慮されていました。発達障害のあるお子さ んたちはそれ以上でした。この素晴らしい先進的な取り組みが、迅速に一般社会に普及 されることを心から願います。 ○コミュニケーション能力を測定するという考え方がとても興味深かったです。一般にも 大切なことが数多くあったので、学外への展開も考えていただければと思いました。 ○手話が文化の中の言語の一つであるという言葉が強く心に残りました。 (3)今後の事業への反映 今回のシンポジウムを実施した反省として、定員100人に対し参加者が31人という 結果は、予想よりはるかに少なく、この要因としては、大学祭と同日に開催した結果、か えって本学学生の参加を妨げてしまったことが考えられます。 しかしながら、各プログラムに対するアンケートの感想から、全体的に「良かった」と いう意見がとても多く、これについては、「コミュニケーションに興味がある」と回答し た参加者のニーズを満たす好評な結果となったと考えます。 また、自由記述欄には、さまざまな立場からの本事業への受け止め方が如実に表現され ており、これらの意見を踏まえた本プログラムの継続的な発展と、今後の展開について期 待に応えるべく、本学が鋭意努力していく必要性について改めて実感することができまし た。
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