研究紀要・研究集録発行にあたって -これからの体育学習に向けて- 相模原市小学校体育研究会 会長 江 藤 道 典 このたび、平成24年度相模原市小学校体育研究のまとめとして、『相模原 市立小学校教育会・体育科研究紀要 第28集』ならびに『相模原市小学校 体育研究会・研究集録 第13集』が発行されることになりました。各学校 の体育主任の先生、そして、体育科研究会の会員の先生方を中心に集約され たものです。毎年のことでありますが、各領域研究部が研究主題の設定を明 確にして取組む姿勢が大変大事なのではないかと思っております。個人並び にグループ研究でも、学習指導要領の主旨を踏まえたテーマが設定され、積 極的に課題解決に取組まれております。各先生方並びに役員の皆様のご努力 と研鑽に心より感謝申し上げます。 さて、今年度は学習指導要領が全面実施されてから2年目、中教審答申が 平成20年に出されてから4年目になりました。今回の改定で大きな特徴だ ったのは学習内容を明確にすること、その内容を確実に習得することにあり ました。指導内容の明確化ということで授業づくりの方向性が非常にみやす くなりました。 しかしながら、実際に他市町村の多くの授業を見させていただいていると、 その主旨にそぐわない授業がありました。教師が教え込んで指導している時 間が大部分であって、子どもたちに考えさせたり、工夫させたりするような 行動が少ない、技能中心の授業もありました。 確かに学習の成果を期待しているのですが、今まで盛んに行われてきた課 題解決を目指した学び方も強調されています。これまでの楽しさを大切にし た体育を否定しているのではなく、むしろこれまでのよかった部分の上に補 うようなトータルな成果を学習指導要領では狙っているのです。 そこで、本研究会では、平成22.23年度の研究をもとに課題を明確に することを大切に研究推進して参りました。そして、重点として次の3つを あげました。 ①「心と体をつむぐ」観点か、身体能力や感覚を育成することを重視する。 ②個に応じる学習の良さをいかしながら、習得・活用・探求といった新た の学習過程の構成。 ③課題解決を図るための言語活動の在り方を探る。 これらの重点を生かし、先生方が日々、新たな目的意識を感じ取ることが 大切だと考えます。相互の共通認識のもと、さらなる授業への創造に向けて、 さらに一歩を踏み出して欲しいと願っています。 そして、今年度も、これまで定例研究会とあわせて、7月5日には、望月 裕司先生(大野小)による実技講習会「体づくり運動」〈90名参加〉、8月 28日には、法政大学准教授の刈部俊二先生(アトランタ・シドニーオリン ピック400m障害走に出場)による実技講習会「陸上運動」 〈150名参加〉、 11月14日には、東京学芸大の松田恵示先生をお招きし「運動の楽しさと 動きのおもしろさにふれる授業づくり」〈116名参加〉、2月25日には、 ハイアットリージェンシー東京サービス課長の高田さんをお招きし、「今、求 められるリーダーシップのあり方」〈100名参加〉を教えていただいたりし ました。〔詳しくは躍動を参照してください〕 以上のように、前年度よりさらに内容の濃い、且つ充実した活動ができた と自負しています。 最後に、この1年間の成果をまとめるにあたり、いろいろご尽力ください ました教育委員会の方をはじめ、校長先生方、先生方にお礼申し上げます。
© Copyright 2024 Paperzz