第 4 回京都臨床化学サマー研修会 ~生化学検査基礎講座~ 分類:臨床化学専門 4-検体検査 52-20 点 学発番号 12-026 目 的 ・生化学検査において異常値出現時の対処法を知る。 ・水を学ぶとともに、水を使用しないドライケミストリー法の精度や可能性を知る。 ・骨粗鬆症、結核、リウマチについて病気と検査データとの関係を知る。 ・ランチョンセミナーでは「室町時代の浄土教団」、特別講演では「肩こり解消法」につ いて著名な先生に講演して頂きます。 会 期 平成 24 年 9 月 2 日(日)9:00~ 会 内 場 容 (受付:8:30~) 京都大学 医学部 人間健康科学科(京都市左京区聖護院川原町 53) http://www.hs.med.kyoto-u.ac.jp/access お願い:会場に来られる際には、公共の乗り物をお使い下さい。 第 9 講義室 8:30~9:00 受付、開会式 9:00~9:40 「臨床像を反映しない異常値出現時の確認法(問答方式)」 中村 美保、藤本 一満 技師(ファルコバイオシステムズ総合研究所) 9:40~10:20 「新しい CKD 重症度分類とシスタチン C からの GFR 推算式について」 足立 浩 先生(アルフレッサファーマ株式会社 診断薬推進部) 10:20~10:30 休憩 10:30~11:10 「新しい純水精製による検査の安定化と省力化」 坂垣内良史 先生(メルク株式会社 メルクミリポア事業本部) 11:10~12:00 「ドライケミストリー法の出来る事・可能性および生血清によるクロスチェック」 半田 真澄 先生(オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社 テクニカルソリューション&ディベロップメント部門) 12:00~12:10 休憩 12:10~13:10 ランチョンセミナー 「知られざる室町期京都の浄土教団「見蓮上人門徒」」 大谷 由香 先生(日本学術振興会特別研究員) 13:10~13:20 休憩 13:20~14:10 「知っているようで知らない骨代謝マーカー」 三浦 雅一 先生(北陸大学薬学部長・大学院薬学研究科長 生命薬学講座臨床解 析学分野) 14:10~15:00 「クォンティフェロン RTB ゴールドの測定原理と判定の解釈」 河尻 克秀 先生(日本ビーシージー製造株式会社 学術部長) 15:00~15:10 休憩 15:10~16:00 「リウマチの治療戦略と臨床検査」 三浦 靖史 先生(神戸大学大学院 保健学研究科 准教授) 16:00~17:00 特別講演「簡単な肩こり解消法」 嶌田 胤堂 先生(福地治療院) 17:00~17:10 閉会式 参加資格 臨床検査に携わる者、臨床検査技師学校学生、医療従事者 定員 受講料 定員:150 名、受講料:3,000 円(資料代、昼食代を含む) 、非会員は 6,000 円 申込締切 平成 24 年 8 月下旬 申込要領 申込先メールアドレス宛に、都道府県名、施設名、日臨技会員番号(日臨技会員のみ)、 氏名を記入し送信して下さい。受講料は当日受付にてお支払い下さい。 申込先 株式会社 ファルコバイオシステムズ 総合研究所 藤本一満 E-mail:[email protected] Tel:0774-46-2109 備 考 臨床検査技師学校の学生さんは参加費無料とします。 担 当 主催)京都府臨床検査技師会、後援)日本臨床検査同学院 定員になり次第締切ります。 各講演のサマリー 講演1.「臨床像を反映しない異常値出現時の確認法(問答方式)」 現代の臨床検査は、特異性の高い試薬と高精度の分析装置を用いて検査を実施しているため、 多くの検査値は問題のない良好な結果が得られている。しかしながら、時に他の項目とのバラ ンスが悪く、臨床像とも合わない真値からかけ離れた値に遭遇する場合がある。今回、問答方 式でケーススタディーを行います。 講演2.「新しい CKD 重症度分類とシスタチン C からの GFR 推算式について」 今までの CKD(慢性腎臓病)の重症度分類は GFR だけで分類されており、CKD の定義と重症度 に対して批判が生じていた。そのため 2009 年に重症度分類の再評価がなされ、eGFR に加えア ルブミン尿(蛋白)が独立した危険因子であることが確認された。また、シスタチン C の標準 化の完了と共にシスタチン C からの GFR 推算式が腎臓学会から発表された。今回、これらにつ いて CKD 診療ガイド 2012 の記載内容から説明します。 講演3.「新しい純水精製による検査の安定化と省力化」 純水は、臨床検査用自動分析装置において、洗浄、潤滑、保温など様々な目的で使用され、さ らに試料や試薬、装置や器具などを通じて間接的に接触するため、純水の品質は検査結果に影 響を及ぼす重大な要素の一つとなっています。しかしながら、純水を精製する装置については 必須のユーティリティーでありながら、水質や管理面において旧態依然としています。本会で は、臨床検査用水として米国の CLSI で規定されている純水の規格を説明し、次に臨床検査に おいてポピュラーになり始めた EDI(連続イオン交換)や紫外線殺菌 UV 等の水質を安定させ る純水精製技術とそれらによる省メンテナンス性や Ca 測定の改善事例を説明します。 講演4.「ドライケミストリー法の出来る事・可能性および生血清によるクロスチェック」 1980 年代に登場したドライケミストリー測定法は、その簡便性と迅速性を元に緊急・迅速検査 領域や、人員の少ない検査室での省力化システムとして今日も活用されている。また昨今、デ ータ標準化・共有化の推進によって、ドライケミストリー法のデータ面についてもその評価法 などについて議論され、多くの精度管理調査でヒトプール血清を用いて液状測定法と同様の基 準で評価する事が試みられている。今回、いくつかの生血清を用いた互換性評価データを元に、 ドライケミストリー法の実際のデータに関する説明と、試薬構造に特徴を持つドライケミスト リー法ならではの将来的な可能性などについて説明します。 講演5.ランチョンセミナー「知られざる室町期京都の浄土教団「見蓮上人門徒」」 14 世紀、京都に厚く浄土教を信奉する如導という僧侶が登場します。知恩院で出家し、九州に ある泉涌寺の末寺で具足戒を受けた如導は、現在は嵯峨清涼寺にある重要文化財、法然ゆかり の宝物である「迎接曼荼羅」を、安芸国から京都に持ち込み、京都の貴族や武士の信仰を得て、 教団を拡大。京都を中心として 35 ヶ院もの寺院を復興・建立します。如導の弟子たちは、特 殊な教団を 200 年以上にわたって維持し、貴族・幕府の庇護を受け、ついにはその門弟から御 寺泉涌寺の長老を輩出するまで栄華を極めますが、幕府の権力の失墜とともに力を失い、室町 時代の終わりと共にその姿を見せなくなります。現在までこうした教団は、存在すら知られて いませんでしたが、今回新しい資料がみつかり、最近ようやくその姿の一部が確認できるよう になりました。今回は上述の新しい知見を含むお話をして、現在する京都の寺社仏閣から当時 の京都を想像できるようにします。 講演6.「知っているようで知らない骨代謝マーカー」 国内で 1,000 万~1,200 万人といわれる骨粗鬆症患者のうち、治療を受けているのは 200 万~ 300 万人程度といわれています。ここ数年、相次ぐ新薬の登場により骨粗鬆症治療薬の選択肢 が増え、日本骨粗鬆症学会より昨年末には「骨粗鬆症診療の予防と治療ガイドライン」、本年 2 月には「骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用ガイドライン」が相次いで改訂さ れ、公表されました。本会では、骨粗鬆症の病態の理解と骨代謝マーカーガイドライン解説を 中心に本疾患診療で使用頻度が高い骨代謝マーカーのひとつである NTX について説明を行う予 定です。健康寿命の鍵を握る骨の健康について考えて頂きたいと思います。 講演7.「クォンティフェロン RTB ゴールドの測定原理と判定の解釈」 結核はエイズ、マラリアとともに三大感染症に挙げられています。世界の年間新規患者発生数 は約 880 万人で、日本の 2010 年の新規患者数は 23,261 人、死者は 2,126 人でした。結核は感 染しても生涯を通じて発病するのはその 10~20%程度ですが、この感染者(潜在性結核感染症) を正確に診断し、発病しないように治療することが結核対策において重要な鍵となります。結 核感染の診断には長年ツベルクリン反応(ツ反)検査が用いられてきたが、ツ反に用いる抗原 が結核菌を含む抗酸菌に共通していることから、日本のように広く BCG 接種が行われている集 団では交差反応により正確に診断することが困難でした。クォンティフェロン(QFT)検査は 結核菌の特異抗原(ESAT-6,CFP-10,TB7.7)を用いることにより、BCG 接種の影響を受けるこ となく、結核の感染を見つけることができます。本会では、QFT 検査の測定原理とその判定の 解釈について説明します。 講演8.「リウマチの治療戦略と臨床検査」 抗リウマチ生物学的製剤の登場は、関節リウマチ(RA)の薬物療法だけでなく、疾患概念、診断 基準、治療体系、治療目標、さらには患者のライフスタイルまで一変させた。関節破壊をきた さないために、新 RA 分類基準(2010)により早期診断を行い、治療目標を定めた治療手順(T2T, 2010)を用いて、治療推奨(EULAR 2010、ACR 2012)を参考に、新寛解基準(2011)での寛解達 成を目指して、メトトレキサートをアンカードラッグとした早期からの積極的な薬物療法を行 うことが今日の標準的な RA 治療法である。一方、進歩する RA 治療においてチーム医療の重要 性は増しており、看護師による生物学的製剤の投与、臨床検査技師・診療放射線技師による関 節エコー検査の実施など、コメディカルの関わり方も変貌している。また、臨床検査において は、抗 CCP 抗体、疾患活動性マーカーMMP-3、間質性肺炎マーカーKL-6 などが、その迅速性も 含めて診療現場で重要性を増している。 本会では、RA の最新治療戦略と臨床検査の関わりに ついて説明します。 講演9.特別講演「簡単な肩こり解消法」 現代は肩こり社会といって過言でありません。パソコンは業務を行う上で必須アイテムですが、 長時間使用するために首、肩に負担をかけ、肩こり、首こりを発症します。本会では、正しい 立ち姿、歩き姿、座り姿の説明と実際に一番良い姿勢を体験して頂きます。さらに、日用品を 使った簡単な肩こり解消法の説明と実演を行う予定です。おそらく朝から聴講した疲れも軽減 できると思います。 以上 【会場案内】京都大学 医学部 人間健康科学科 地図 医学部・病院構内 交通案内 京阪電車、丸太町駅(5号出入り口)から東へ、徒歩5分 JR京都駅・近鉄京都駅から市バス 206 系統(東山通高野北大路ターミナル行) → 「熊野神社前」下車 地下鉄丸太町駅下車(→市バス乗り換え) 65 系統(岩倉行)、93・204 系統(錦林車庫行)、202 系統(九条車庫行) → 「丸太町京阪前」下車 阪急電車河原町駅から市バス 31 系統(岩倉行)、201 系統(百万遍行)、203 系統(錦林車庫行) → 「熊野神社前」下車 ********************************************* 備考:会場に来られる際には、公共の乗り物をお使い下さい。
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