5時間率(5HR)容量について

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【作成】
㈱ジーエス・ユアサ バッテリー
営業企画部
2012年10月16日 第37号
5時間率(5HR)容量について
国内の自動車用バッテリーには、容量を表す規格としてカタログや外箱に「○○Ah」という単位で
5時間率容量が記載されています。今号では5時間率容量についてお話します。
●容量について
容量とはバッテリーから取り出せる電気の量のことを言います。
しかし同じバッテリーでも電気の取り出し方によって、取り出せる電気の量は変わってきます。
具体的には、大きな電流で短時間に取り出すより、小さな電流で長時間かけて取り出した方がより多く
の電気を取り出すことができます。
大容量のECO.R LS
しかしこれでは、バッテリーの容量が変化して値を表示することが出来ないので
時間率(HR)という単位で基準化し表示しています。
●5時間率容量(5HR)
JIS D 5301として自動車用バッテリーに採用されている容量を表す規格です。
完全充電したバッテリーを容量の5分の1の一定電流で放電し(25℃)、放電終止電圧の
10.5Vになるまでの電流(A)と時間(h)の積でバッテリーの容量を表しています。
例えば 5時間率 “40Ah”のバッテリーは8Aの電流を5時間取り出せるバッテリーです。
40Ah=8A×5h
●その他の時間率表記
欧州車用バッテリーは「20時間率(20HR)」、オートバイ用バッテリーは「10時間率(10HR)」が採用
されています。
時間率の換算方法は下記の表の通りです。
例えば20時間率(20HR)で100Ahのバッテリーを5時間率(5HR)に換算すると80Ahになります。
放電時間率
(HR)
20
10
5
3
1
取り出せる電気容量(%)
5時間率容量基準
125
115
100
90
85
20時間率容量基準
100
92
80
72
68
放電終止電圧
(V)
10.5(1.75V/セル)
10.5(1.75V/セル)
10.5(1.75V/セル)
10.2(1.75V/セル)
19.6(1.75V/セル)
・5時間率はJIS規格で定められている自動車用バッテリーの容量表記です。
・値は容量の5分の1の電流で放電し10.5Vまで放電できる電流と時間の積です。
・欧州車用バッテリーやオートバイ用バッテリーでは放電時間率が変わります。
バッテリーの容量は時間率(HR)で表しています。
電装品を追加した車両には、新車搭載品よりも容量の大
きいバッテリーをお薦めしましょう。