B評価、家へ帰ればD評価

教
2007 年7月1日
育
合
同
発
2007 年7月1日
行
大阪教育合同労働組合
Education Workers and Amalgamated Union Osaka
第399号
1 部 10 円(組合員は組合費に含む)
郵便振替 00960-7-117274
第399号
発行人
山下 恒生
連絡先
大阪市中央区北浜東 1-17 日本ワードデータビル 8F
Tel (06)4793-0633 Fax(06)4793-0644 E-mail: [email protected] http://www.ewaosaka.org
人事査定制度が
夏季一時金に反映
6月 29 日、初の人事査定評
価を反映した夏季一時金が支
給されました。みなさんの生
活を左右する一時金の変更、
校長からどのように賃金反映
がされたか説明があったでし
ょうか。
「標準」はマイナス
「『標準=B』は普通やか
ら損はしない」とのウソに、
ようやく気づかれた方も多い
でしょう。B評価では昨年度
との比較で(表下)、扶養家族
が無い場合(45 才小中教諭)
でも 1 万円(年間2万円)近
くの減、扶養家族がある場合
(例:配偶者+1 人)で、2 万円
(年間 4 万円)以上の減にな
B評価、家へ帰ればD評価
協働の仕事に賃金格差をつける愚かな制度
ります。またB評価はS評価
より年間 12 万円以上、
A評価
より年間 6 万円以上の差がつ
いています。
また、提出が強制されない
「自己申告票」を提出しなか
った人は、C評価と同じ区分
とされ、扶養家族がある場合
(前例)、昨年より年間 10
万円の減額、S評価とは年間
16 万円の差が生じます。明ら
かな制裁です。
評価者の責任重大
校長による『評価』に大多
数の方が納得しているとは言
えません。忙しい中で「自己
申告票」を作成し、面談をし、
正直な思いで開示面談にのぞ
んで、自己評価とは違う評価
結果を示されて、憤りを持ち
ながらも学期末の仕事を優先
してきた人が大半です。そう
いう状況につけこんでいる制
度でもあるのです。
現在府下で 50 名を越える
人が苦情申立てを行い、「自
己申告票」未提出者による地
位確認訴訟も7月3日からは
じまります。
差別拡大を許さない
任にA評価をつけているとの
報告もあります。
一時金団交で、男女別、職
種別、職階別などの評価分布
を示すように求め、府・府教
委は検討するとしています。
武井博道(副執行委員長)
組合は制度開始以前から、
この制度がさまざまな差別を
職場に持ち込むものであるこ
とを指摘し反対してきました。
高校では、首席にS評価、主
参議院選挙・大阪選挙区に服部良一さんを推薦する
2007年6月20日
来る 7 月 29 日参議院選挙が
行われる。
大阪教育合同労働組合執行委員会
昨年発足した安倍政権は、
「戦後レジームからの脱却」
を掲げて、次々と悪法の強行
採決を行ってきた。教育基本
法、教育関連 3 法、国民投票
法、イラク特措法などなどで
ある。そして、共謀罪、労働
契約法などが次のターゲット
となっている。
安倍政権の
「戦
後レジーム」とは「戦後憲法
体制」を意味している。だか
ら安倍は「在任中に憲法改正
を行う」と豪語している。
しかし、安倍政権の強引な
国会運営は、様々な矛盾を吹
き出してきている。政治資金
にまつわる松岡農水相の自殺、
教育現場の労働者が
5,000 万件の消えた年金問題、
規制緩和で介護を食い物にし
たコムスン問題などを契機に
内閣支持率は急降下している。
こうした状況で迎える参議院
選挙は、安倍政権を打倒する
絶好のチャンスである。改憲
に突き進む国会勢力を押さえ、
格差社会を押しとどめ、戦争
国家にストップをかける機会
である。
この参議院選挙に対して、
大阪選挙区から服部良一さん
が立候補する。服部さんは、
昭和起重機労組の委員長とし
て全労協を一緒につくってき
た仲間である。また彼は、
「沖
だれでも入れる
縄とともに基地撤去をめざす
関西連絡会」のリーダーとし
て、沖縄の基地撤去、辺野古
基地建設反対の闘いを牽引し
てきた。労働者の気持ちがわ
かり、平和運動に献身してき
た服部さんのような人が国会
で活躍すべきである。
執行委員会は、来る参議院
選挙大阪選挙区に服部良一さ
んを推薦する。同時に、組合
員がこの参議院選挙を非常に
重要な選挙として位置づけ、
それぞれの応援する候補者の
当選をめざして奮闘されんこ
とを期待する。
みんなでつくる教育合同
教
2007 年7月1日
育
合
同
第399号
2006 年度教員勤務実態調査から
長時間労働・休日勤務・持ち帰りの実態が浮き彫りに
文部科学省の委託で実施さ
れた 2006 年度の教員勤務実
態調査を、現場の教員の目を
通して分析すれば、違った見
方を示す事が出来ます。
教員の仕事に対する満足感
は5段階の4以上が多く、他
業種の 3.6 程度より高く、や
りがいを感じ、士気が高い様
子が伺われます。
ます。(図右端:上-小学校、下中学校)
また校長は 94%がストレ
スなしでした。講師、教諭の
ストレスの大きさとは雲泥の
差 で した 。( 下 図 -教 諭
4.9%<1370 人>,講師 1.3%<59
人> がストレス状態要注意)
負担感高くストレスも
しかしながら負担感は他業
種より高く、多い仕事量、忙
しすぎる、知識、経験で対応
できない、と「長く続けられ
ない」とあえいでいる人が多
く、教頭、教諭で負担感が強
く、特に女性に負担感が強い
様子が伺われます。
一方、校長は満足感が強く、
図で明らかなように、校長の
労働時間は、教頭、講師、教
諭に比べて短いことが分かり
支部大会
11 時間にも及ぶ長時間労
働休日出勤、持ち帰り仕事。
にもかかわらず評価システム
で、短時間労働の校長に評価
され、B評価を受けた者は、
45 歳扶養1人で、12 万円もボ
ーナスが下がります。
また、校長や教頭にSやA
大阪支部
対市労使交渉の改善が課題、講師制度撤廃の視点を再確認
6月 22 日(金)組合事務所
で大阪支部の定期大会があり
ました。
2006 年度の運動の総括で
は、昨年度から労使交渉のあ
り方をめぐって、市が従来の
やり方を変更し「管理運営事
項」を盾に交渉が非常にやり
にくくなってきていることへ
の反撃のとりくみ、新任免職
裁判では、地裁での不当な判
決に対して高裁での逆転勝訴
を目指して支部を挙げて闘っ
ていくこと、評価育成システ
ムに対しては、自己申告票の
提出者、不提出者ともに形骸
化に向け、苦情処理、裁判闘
争で闘っていくことの確認が
なされました。
講師問題では、新たな特例
による選考テストに対しても、
あくまでも講師制度の撤廃に
むけての闘いをめざし、2級
格付けも講師の労働条件の問
題として運動を展開していか
なければ方向を見失なってし
まうことを再度確認し合いま
した。
この後、2007 年度の運動方
針、決算、予算の報告、役員
選挙が行われ、新執行部の承
認、新組合員の紹介があり、
最後に全員の「団結がんばろ
う」で盛会のうちに大会を終
了しました。
山口昌孝(執行委員)
教育現場の労働者が
評価を受けた人が多いようで、
自らは、お手盛りボーナスを
受け取り、教諭は、せいぜい
A評価。B評価で給料を減額
される構造が垣間見えます。
保護者も教員も「集団の中
で優しさを学ばせて欲しい、
学ばせたい。」と考えている
事も浮き彫りにされましたが、
集団の中で思いやりを学ばな
ければならないのは校長では
ないのでしょうか。
上瀬
豊(執行委員)
研修でキューバに滞在す
る組合員からの報告を、
不
定期でお届けします。
(4)
[ 人種差別は ]
キューバは人種差別のない
国だと言われている。他の国
で生活したことがないので
比較することはできないが、
今の私の感覚では人種差別
を感じないとは言い切れな
い。
混血がすすんでいるので
街で見かける人たちの姿は
様々だ。しかし、黒人でない
人たちからは時々、黒人の家
庭はしつけがなってない、と
か信用できないなどの言葉
を聞くことがある。
社会制度上は全くもって
平等だし、暮らしぶりや人付
き合いに隔たりは見られな
いが、それでもこのような言
葉を聞くことがしばしばあ
る。それは差別じゃないの?
と問うても、言った本人には
あまり伝わらない。
一方、アジア人はこの国で
社会的弱者には
「自己責任」を
押し付け「行政
責任」
「企業責任」を果たさな
い▼何百万ものボーナスの半
だれでも入れる
第1期7/3-7/30 第2期7/31-8/27
は絶対的少数者だ。街を歩け
ば必ず「chino, china(中国
人)」と声をかけられる。い
ちいち「いえ、ニホン人です」
と応答すればきりがない。彼
らにとってアジア 人はみん
な中国人なのだ。またどちら
かと言えばからかいのニュ
アンス が感じ取られるその
呼びかけに腹立たしさを感
じることもある。
アジア人に対する差別じ
ゃないのか?と大学の先生
に問いかけると「キューバ人
は可愛いもの、素敵なものを
chino と呼ぶのだ」というわ
けのわからない答えが返っ
てきたこともある。
いまでは彼らも「珍しいも
の」が見たいのだろうと、胸
をはって街を歩くことにし
ている。たまに、「いえ、ベ
トナム人です」と嘘をついて
やると、彼らは一様にしばし
ためらい、そしてガッツポー
ズを返してくる。キューバ人
はベトナム人に頭があがら
ないのだ。
Satoe(高校支部)
額カットでも困らない人たち
の成せる技▼営利目的だけで
起業し介護保険を食い物にす
る制度を見直さない国会は更
なる格差・差別を押し付ける
みんなでつくる教育合同