21号 - 星ふる学校「くまの木」

くまの木
会報くまの木 No.21
平成 20 年度
夏号
横浜市立南大田小学校の 6 年生が修学旅行で星ふる学校「くまの木」にや
って来ました。初日は尚仁沢湧水にハイキング、そして二日目の午前中は、3
グループで「魚つかみ取り」、「うどん打ち」、「パン作り」の体験をしました。
午後は 3∼4 人ずつに分かれて 23 戸の農家訪問し、農業体験。解散式では分
かれるのが悲しいと泣き出す子供がいました。とても良い交流をしたようです。
特定非営利活動法人
塩谷町旧熊ノ木小学校管理組合
〒329-2213
塩谷町熊ノ木 802 番地
TEL: 0287-45-0061, FAX: 0287-45-1666
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星ふる学校「くまの木」
(塩谷町やすらぎの体験交流施設)は、ここを拠点
とした安らぎの場、体験と交流の場を多くの人々に提供し、人と地域を活性
化するとともに、これら事業を通じて社会貢献することを目的としています。
目
次
巻頭言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 頁
平成 20 年度総会報告・・・・・・・・・・・・4頁
くまの木だより・・・・・・・・・・・・・・・5頁
会員の声・・・・・・・・・・・・・・・・・6∼7 頁
掲示板、事務局より・・・・・・・・・・・・・8頁
(6 月 22 日撮影)
今年も星ふる学校「くまの木」の玄関先でツバメが子育てをしました。昨年は
場所が悪いところに小さな巣を作ったため、雛が大きくなるにつれて次々と巣から
落ちてしまい、五羽のうち一羽しか巣立ちできませんでした。そこで今年は板を取
り付けたところ、そこに大きめの巣を作り、3 羽の雛がかえりました。今年は一羽
も落ちることなく、6 月末の小雨の降る朝 3 羽とも無事に巣立っていきました。
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巻頭言
NPO法人塩谷町旧熊ノ木小学校管理組合の姿
理事長
遠藤正久
「特定非営利活動法人塩谷町旧熊
援団」活動を始めた。この結果、特
ノ木小学校管理組合は何をしている
定非営利活動の種類として定款に記
団体ですか?」と問われたとき、あな
した四つの活動のうち、社会教育の
たはどう答えるだろう。定款に書か
推進を図る活動、子供の健全育成を
れた目的どおり、
「旧熊ノ木小学校を
図る活動、そして環境の保全を図る
拠点に人と地域を活性化する事業を
活動の三つを行うことができるよう
しています。
」と答えても、聞いた人
になってきた。
は何をやっている団体か分からない。
「塩谷町旧熊ノ木小学校管理組合
設立当初は「星ふる学校『くまの
は何をしている団体ですか?」という
木』で体験学習と宿泊事業をしてい
冒頭の質問に対しても、
「天体教室や
ます。
」と答えるしかなかった。する
蕎麦打ちなどたくさんの体験学習を
と、
「町の生涯学習課ですか?」とか、
開催しています。
」、
「くまの木自然ク
「旅館を経営するためのNPOなの
ラブを主宰しています。」、そして「く
ですか?」と誤解されることも多かっ
まの木里山応援団が里山作りをして
た。だが今になって思い返すと、そ
います。」と具体的な事業名で答えら
のように理解されたことは誤解半
れるようになってきた。
分・正解半分といわざるを得ない。
さてこの先だが、もっと答えやす
生涯学習事業を中心とした、旅館の
く、また聞いた人が分かりやすいN
ような存在だったのだ。
PO法人にしたいものである。先ず
その後「人と自然を大切にする子
は「くまの木自然クラブ」と「くま
供を育てよう」を合言葉に「くまの
の木里山応援団」の活動を深め、大
木自然クラブ」活動を開始し、また
勢の人が「知っていますよ。いい活
「くまの木裏山を安らぎの里山にし
動ですね」と言ってもらえるように
したいものである。
よう」を合言葉に「くまの木里山応
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平成20年度通常総会報告(総会審議事項の概要を報告します。)
5 月 25 日(日曜日)に第 7 回目となる通常総会が星ふる学校「くまの木」の体験室で
開催されました。鈴木孝佳さんが議長に選任され、事業報告ならびに収支報告の承認、今
年度の事業計画ならびに収支計画の承認が議案として審議されました。
第 1 号議案
◆ 平成 19 年度事業報告
下記事業結果が報告され、審議の結果承認されました。
(1)
くまの木裏山の里山作り計画を開始するための準備作業を進め、「くまの木里山
応援団」が組織されました。
(2)
「くまの木自然クラブ」に 25 名の会員が登録し、毎月一回、専門家の指導を受
けて興味深い自然観察会を実施しました。
(3)
二つの年間会員制農業体験を実施しました。
(4)
栃木農林クラブと共催で座談会「とっても愉快な年農村交流」を開催しました。
(5)
宿泊事業では 4,945 人、また体験事業では 2,136 人の利用実績を残しました。
◆ 平成 19 年度収支報告
下記収支が報告され、また大島庄平監事より適正に執行されていることを認める監査結
果報告がなされ、審議の結果承認されました。
収
入
33,006,951 円
支
出
28,175,453 円
差引残高
4,831,498 円(平成 20 年度繰越金となります。)
(1) 収入の内には前期繰越金 4,782 千円が含まれています。収益事業の売上高が
18,564 千円と増加し、収入の 56%を占めました。
(2) 支出の内一番大きいものは給料手当てで 9,947 千円でした。水道光熱費は 2,219
千円で若干予算を上回りました。
第 2 号議案
◆ 平成 20 年度事業計画
下記事業計画が報告され、審議の結果承認されました。
(1)事業実施の方針: 「くまの木自然クラブ」と「くまの木里山応援団」を星ふる学
校「くまの木」を特徴付ける顔として、きらきら輝く存在にしたい。
(2)通常の体験学習参加者として 2,060 人、会員制農業体験参加者として 390 人、宿
泊者として 5,063 人の利用を計画しました。
◆ 平成 20 年度収支計画
下記収支計画が報告され、審議の結果承認されました。
収
入
33,063,268 円
支
出
30,801,851 円
2,261,417 円
差引残高
その他議案は特に提出されませんでした。
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7 月は栃木県立博物館に出かけ、特別
くまの木だより
企画展「高原山の自然」を見学しました。
(活動の様子をお知らせ
されています。皆さんも是非一度お出か
するコーナーです。)
けください。企画展は 11 月 30 日まで
「くまの木自然クラブ」もパネルで紹介
開催されています。
◆ くまの木里山応援団
いよいよ毎週第 3 日曜日に定例活
◆ くまの木自然クラブ活動
5 月は風見ダムの近くで「草原の虫観
動を開始しました。6 月の第一回目は
察」を行いました。さわやかな好天に恵
12 人が参加し散策路の整備を行いま
まれ、草原の虫たちは活発に活動し、子
した。ベテランの活躍でくまの木裏山
供たちは目を輝かせてそれを追い回し
を半周する散策路が姿を現しました。
ていました。目的のキバネツノトンボを
たくさん見ることができました。
刈払機と鎌を使って散策路の下草刈
7月も 12 人が参加し散策路の整備、
風倒木の伐採、ブナ苗回りの草刈を行
6 月は恒例の「モリアオガエル観察
いました。散策路で軽トラックが脱輪
会」。今回は大変ラッキーなことにモリ
するというトラブルがあり、皆に大汗
アオガエルの産卵を皆の目の前で見る
をかかせてしまいました。
ことができました。
2 月の大風で倒れたヒノキを玉切りした。散策
路のベンチに活用する予定。
池に張出した木の枝で産卵するモリアオガエル
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会員の声
鈴木寿宏
今年も暑さは厳しいですね。暑くなると
いつも以上に長々と一升瓶と向かい合って
は夕涼み、6月締め切りの原稿のはずが、
ひと月も遅れてしまいました。遠藤さん、
ご迷惑をおかけしました。(・・・とは言いな
がらも)遅れてしまったのは“暑さ”のせ
いだと勝手に納得しながら、少しずつ原稿
を書いてはまた一杯・・・。いつも気楽にのん
びりと暮らしています。
私は、くまの木から歩いて10分ほどの
ところに居を構え、塩谷町民3年目になり
ました。小学校で子供たちとたくさん遊ぶ
こと!?を専業にし、出来る限り自給自足を
目指した田舎暮らしを満喫しています。こ
のご時世、安心・安全は身近なところから
生まれるものですよね。残飯は庭先で飼育
する鶏へ、鶏糞は畑へ、おかげでおいしい
野菜を収穫できます。ところが、先日、こ
の“鈴木家循環サイクル”が狂わされる事
件がありました。野犬に烏骨鶏をはじめ3
種の鶏が襲われて全滅し、それからという
もの、畑も鶏小屋も私の食生活までも沈滞
ムードが漂っています。
「自然の摂理だから
仕方ない」とか「弱肉強食の典型かな」と
考えると、納得できるのかも知れませんが、
私にとっては大きな事件でした。残された
鶉とともに、落ち着いたら、畑と鶏小屋の
再整備をしたいと思っています。余談です
が、幸い鶏小屋は2階建てで、鶉は野犬に
は襲われなかったのですが、大きな揺れや
衝撃があったのでしょう。あの事件以来、
急激に産卵率は落ちています。鶏にも快適
な環境は欠かせません。
「子育ても学校教育
も快適な環境が欠かせないよなぁ」と、毎
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朝、鶉のため、結局は自分のために庭いじ
りをしながら考えています。ところで、昨
今、原油高が続き、庶民の生活の細部にま
で影響が出ています。食生活にも大きな影
響が出ていますが、あまりにも海外に依存
しすぎている食料体系が追い打ちをかけて
いるのでしょうね。まずは自分の食生活か
ら見直そうと真剣に考えています。
話は戻ります。田舎暮らしが好きなのは、
この町に来る前、10年ほど北海道の大自
然を転々と暮らしていたことが大きな要因
でしょうが、私が子供の頃の生活体験が大
きいような気がします。ある時、母親に呼
ばれ「隣の家から醤油を借りて来てよ」と
いう出来事がありました。子供の頃の出来
事ながら、未だに心に残っているのはなぜ
なのでしょう。きっと、子供ながらに“あ
たたかさ”を感じたからだと思います。
「向
こう三軒両隣」という言葉は最近あまり聞
かれなくなりました。かつての地域社会に
は互助的機能もあり、近隣住民とのふれあ
い、交流機会があり、だからこその豊かな
生活があったのでしょう。どこで暮らした
ら、子供の頃のような“あたたかさ”を感
じながら生活できるだろうか。その答えが
塩谷町での田舎暮らしだったのでしょう。
今では「近くの山と川は私のもの」
「隣の家
の畑と冷蔵庫も私のもの」といった具合に、
あたたかな人と自然の恵みを受けながら楽
しく生活しています。そんななか、近所の
居酒屋で遠藤さんと増田さんにお会いして
から、くまの木との距離も縮まりました。
星降る夜、お二人は調子が良いと、我が家
まで乱入してきます。先日は遠藤さんが我
が家の手作り二段ベットから転落し、血ま
みれでいたこともありました。酒は欠かさ
ず、夢を語り合いながら、楽しいお付き合
いをさせていただいております。そんなこ
んな、流れのままにNPOに入会したわけ
ですが、入会したのにはもうひとつ思いが
ありました。かつて北海道で暮らしている
ときに、NPOの事業に参加し、※地域通
貨の試験導入に関わったことがありました。
実際に運用するなかで課題があることも事
実です。しかし、大きな可能性を見いだし
たことで、その魅力に取り付かれ、どこか
で新たな地域通貨を!という思いは持ち続
けていました。今ではその場が“くまの木”
ではないかと夢を膨らませています。例え
ば、くまの木の地域通貨を“スター”と命
名するとしましょう。スター通貨はくまの
木の宿泊客・体験学習指導者・従業者など
の関係者、近隣の住民などが使用できます。
いくつか事例を紹介します。事例Ⅰ「①宿
泊客が畑の草取りの手伝いをする→②その
お礼として依頼した遠藤さんからスター通
貨が支払われる→③宿泊客はスター通貨を
体験学習や宿泊費の一部として還元でき
る」事例Ⅱ「①地域住民・子供たちがアル
ミ缶を一定量集める(ゴミ拾いする)と、
スター通貨と交換できる→②それを元手に
住民・子供がくまの木の地域通貨イベント
(イメージは夏祭りや将棋大会など)に参
加し、宿泊客とも交流できる→③宿泊客は
そこで出会った地域の●●達人から、●●
を教えてもらう(イメージは漬物づくりや
昔話)、そのお礼に宿泊客から住民にスター
通貨が支払われる→④住民はさらにスター
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通貨を活用できる→⑤事務局はアルミ缶を
車椅子に交換し、地元施設に寄贈する」と
いった具合です。これはほんの一例で、様々
な活用例があるでしょう。ここで注目すべ
きは、国家通貨“円”は単なる決済手段で
あるのに対して、地域通貨“スター”はコ
ミュニケーション手段であるということで
す。誰かの手助けをしたり、何かをしても
らったりした時のお礼としてやりとりされ
る「あたたかいお金」であるので、新たな
人と人との関わりを創出し、より豊かな生
活空間の実現、くまの木や地域の活性化に
つながるわけなのです。人と人との関わり
は大きな力を生み出すものです。
“醤油を貸
し借りできる人間関係”をさらに構築し、
出来ることから“まちづくり・人づくり”
に励みたいと思っています。ちなみに、私
は今年度より体験学習「くんせい作り」を
担当しています。
「ありがとうの形=地域通
貨」となる日も遠い未来ではないと私は信
じています。
※ 地域通貨・・・限定された地域内のみで
流通する通貨の総称であり、円などの国
家通貨とは異なる。①地域内でしか使用
できない、②互いの信頼関係をベースと
する交換手段である、③値段は相対する
人と人とが決める、③国家通貨への換金
はできない、⑤利子を生まないといった
特徴がある。以下は地域通貨の流通イメ
ージ図。
掲示板
第6回
(会員の情報交換の場)
「くまの木」星空コンサート
今年の星空コンサートは地元塩谷町の「しおやユリピー吹奏楽団」が参加します。NPO
会員の方は入場無料という特典がありますので是非ご来場ください。
開催日時:
平成 20 年 10 月 4 日(土曜日)午後 3 時 30 分開場、4 時 00 分開演
開催場所:
星ふる学校「くまの木」体育館
コンサート:
第一部「親子で楽しめる吹奏楽」、出演:
しおやユリピー吹奏楽団
・・・島歌、見上げてごらん、となりのトトロ、小さな世界など
第二部「アクアマリンの夕べ」、出演:
アクアマリン
・・・代表曲のコスモスや新曲、そして特別に旧熊ノ木小学校の校歌など
事務 局よ り
今月号から「会員の声」を再開しました。他の NPO 会員や星ふる学校「くまの木」
の活動に関心をもっている一般の方々に向けて、自由にそして気取らずに会員の意
見を語っていただくコーナーです。今回は鈴木寿宏さんに語っていただきました。地域通
貨は住民の心と心をつなげ、地域を活性化する具体的な手法ということです。
新会員の紹介
4 月 26 日入会
8 月 3 日入会
8 月 3 日入会
編集後記
永井士規夫さん(塩谷町)
渡邊公鋭さん(宇都宮市)
西 弘次さん(宇都宮市)
地球温暖化ということで余計蒸し暑さを感じる今年の夏です。8 月ま
でずれ込んでしまった夏号ですが、なんとか立秋前に発行できました。
くまの木 第 21 号
平成 20 年 8 月 3 日発行
発行: 特定非営利活動法人塩谷町旧熊ノ木小学校管理組合
編集責任者: 遠藤正久
〒329-2213 塩谷郡塩谷町熊ノ木 802 番地
TEL: 0287-45-0061, FAX: 0287-45-1666
URL: http://www8.ocn.ne.jp/ kumanoki/
(会報くまの木のオリジナルカラー版を上記 URL からご覧いただけます。)
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