域活動における方針決定の場に女性を増やすた ト向上)にすることを目標としています。大阪市では、平成 25 年度に全庁横断的な組織としての「女性の活躍促進 めには、過半数の人が「性別にとらわれない組 プロジェクトチーム」や組織改編によるダイバーシティ推進室を設置するなど、女性の活躍促進に力をいれて取り 織運営の見直し」を効果的な施策だと考えてい 組んでいます。平成 25 年度に大阪市が実施した「男女共同参画に関する市民意識調査(※)」の結果をみながら、女 ます。 (表4) 表3 住んでいる地域の活動について(複数回答・上位 5 項目) 0 国の成長戦略の中核となる最重要項目の 調査(以下、意識調査)では、 「今後、女性 36.3 36.4 37.7 企業の管理職 35.1 37.9 32.4 ねたところ、 男女ともに上位3位に 「医師」、 大臣や閣僚 性の占める割合は 8.1%、参議院議員では 相当職では 7.5%となっており、目標であ 15 る 30%には遠く及びません。 (表2) 女性の活躍が求められているのは、就業 全体 女性 男性 リーダーとして活躍する機会が少なかった り、限定的であったりと、女性の力が十分 出典:内閣府男女共同参画局ホームページより各最新値 (平成 26 年 2 月 26 日更新データ) (※)大阪市男女共同参画に関する市民意識調査 本調査は、大阪市男女共同参画基本計画の指標・数値目標をはじめとする男女共同参画に関する市民の意識 成 16 年度、20 年度にも同様の調査を実施しました。 平成 25 年度調査の概要 20 歳以上の大阪市内居住者 10,000 人(住民基本台帳より無作為抽出)に調査票を郵送 2 情報誌クレオ春号 40 60 (%) 57.5 59.1 57.4 28.0 31.1 女性の活動を支援する 組織や連携づくり 24.8 男女共同参画を推進した 団体や個人の活動の紹介 15.7 15.5 16.4 地域で開催する男女共同 参画についての研修 15.0 13.7 18.0 女性の役職者が 増えるように働きかける 14.2 11.7 18.3 日本は、平成 25 年現在、136 カ国中 105 位で、 全体 女性 男性 出典:平成 25 年度 大阪市男女共同参画に関する市民意識調査 の面では、その課題は山積みです。 これまで国は、次世代育成対策支援法、育児 ・介護休業法や男女雇用機会均等法の改正な ど、女性が出産・育児を経ても継続して就業で 表5 家事、育児、介護等は男女がともに行う方がよい きるための基盤の整備をしてきました。 しかし、現在でも第1子出産を機に6割の女 性が離職しています。この状況を変えるため、 待機児童ゼロに向けた取組みがなされています。 また、企業において女性管理職を増やすため の目標数値が設定されたり、女性の再就職に向 けたセミナーやインターンシップ、 「地域活性 化に女性の力を!」といった講演会が開催され たりと、女性の力を活かす取組みが進められて そう思う 全体 ある程度そう思う 40.6 47.5 そう思わない 1.5 無回答 6.2 2.5 1.7 あまりそう思わない わからない 1.2 女性 37.7 54.2 4.3 1.5 1.0 1.8 男性 45.8 38.7 0 20 40 60 8.7 80 3.7 1.3 100(%) セミナー情報 セミナー情報 や生活状況などを把握し、今後の大阪市の男女共同参画施策の推進に資することを目的に実施しています。平 回収数 3,495 人(内訳:男性 1,363 人、女性 1,938 人) これからの女性の活躍促進は 20 性別にとらわれない 組織運営の見直し 女性総合相談センター 行がある」 と答えています。 (表3)女性は 国務大臣 は男性が就き、女性は補助的役職に就く慣 0 いる割合が最も高くなっています。 3年連続で順位を下げています。経済規模を表 6.4 都道府県知事 査の結果でも4人に1人が 「団体の会長に 民間企業︵100人以上︶に おける管理職︵課長相当職︶ 女性総合相談センター て女性の割合が低くなっています。意識調 都道府県議会議員 ますが、その団体代表となると男性に比べ 7.5 10.5 地域活動における方針決定の場で女性が増える ための具体的な施策(複数回答・上位 5 項目) 高いものの、実際の生活では仕事を優先させて いう指標があります。 8.7 国会議員︵参議院︶ 0 国会議員︵衆議院︶ ティア活動を行っている女性はたくさんい 事とそれ以外の活動との両立を望む割合が最も 表4 すGDPは世界3位だというのに、女性の活躍 医師 の場だけはありません。地域活動やボラン 5 20 歳代から 50 歳代の現役世代においては、仕 の差を数値化した「男女平等指数(GGI) 」と 16.1 8.1 出典:平成 25 年度 大阪市男女共同参画に関する市民意識調査 しかし、実際の生活とはギャップがあり、 各国の経済や政治、教育面などにおける男女 19.6 10 6.4 6.9 5.4 誌上セミナー 誌上セミナー 20 女性は発言がしにくかったり、 意見が聞き入れられにくい わかります。 (%) 25 16.1%、また、企業の管理職における課長 は、家事、育児、介護等を男女がともに行うこ 家庭生活も分かち合う方向になっていることが 表2 各分野における「指導的地位」に女性が占める割合 しかし、現状では衆議院議員における女 女性が役職に就きたがらない 感を示しました。 (表5)全体の意識としては、 出典:平成 25 年度 大阪市男女共同参画に関する市民意識調査 方自治体の首長 (知事や市長など) 」 でした。 加を望んでいます。 31.1 32.2 30.7 地方自治体の首長 (知事、市長など) 女ともに4位、5位は「大臣や閣僚」 、 「地 男性も女性も政治・経済分野での女性の増 31.7 32.9 31.4 ライフ・バランスへの取組みです。意識調査で とについて、男女ともに全世代で8割超が肯定 全体 女性 男性 11.7 12.5 10.8 男女共同参画情報局 男女共同参画情報局 業の管理職」が挙げられました。 (表1)男 60(%) 15.9 17.8 14.2 活動の準備や後片付けなどは 女性が行う慣行がある 女性の活躍促進にかかせないのが、ワーク・ 41.1 43.6 37.9 国会議員・地方議員 などの政治家 がもっと増える方がよいと思うもの」を尋 「国会議員 ・ 地方議員などの政治家」 、「企 40 医師 ひとつが「女性の活躍促進」です。 大阪市の男女共同参画に関する市民意識 20 18.1 17.4 19.7 女性が活躍する企業へ 女性が活躍する企業へ 0 25.9 27.1 24.5 男性の参加が少ない 男女で家事・育児・介護を (複数回答・上位 5 項目) 40(%) 20 団体の会長には男性が就き、 女性は補助的役職に就く慣行がある 性を取り巻く現状について報告します。 表1 今後、女性がもっと増える方がよいと思うもの 女性活躍促進ニュース 女性活躍促進ニュース に発揮できていないという現状があります。地 に占める女性の割合を少なくとも 30%、25 歳から 44 歳の女性の就業率を 73%(平成 24 年の水準から約 5 ポイン 集◆ 集◆ ~女性を取り巻く今と大阪市における男女共同参画に関する市民意識調査~ 国の成長戦略の中核となる最重要項目のひとつが「女性の活躍促進」です。成果として 2020 年には指導的地位 指導的地位へもっと女性の チャレンジを 女性の活躍を進めるためには ◆特 ◆特 報告レポート 出典:平成 25 年度 大阪市男女共同参画に関する市民意識調査 います。まさに今、さまざまなところで女性が 安心して働き続けられる環境、活躍できる環境 を整え、社会に活力を取り戻す取組みを加速さ せているところです。 情報誌クレオ春号 3
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