『工作機械特集 JIMTOF2006』号発行にあたって

『工作機械特集 JIMTOF2006』号発行にあたって
─ Message upon Start of Publication
on Machine Tool Edition ─
常務取締役
赤 羽 仁 史 *
H. AKAHANE
本年上半期の世界経済を振り返って見ますと,米国
ラインゾーンの立型研削盤による水平直線搬送ライン
経済は依然として民間需要に支えられ好調に推移してお
や,カムラインゾーンのカムシャフト用研削盤の展示は,
り,欧州経済もユーロ高による輸出産業へのマイナス要
JTEKT グループによるシナジー効果と幅広いお客様の
因はあるものの,確実に回復基調に向かっています.ア
ニーズにおこたえしうるご提案内容となっています.
ジア地区においても,BRICs を代表する中国,インド
切削機エリアは,JTEKT と三井精機工業株式会社
を筆頭に順調な経済成長を続けています.このような好
(以下 三井精機)の共同出品エリアで,汎用機ゾーン,
調な世界経済に支えられ,日本経済もバブル経済を凌ぐ
金型加工ゾーン,およびシンボリックゾーンで構成され
好調さで推移しており,企業収益も改善されつつありま
ています.なかでも金型加工ゾーンの金型加工自動化支
す.
最近のマスコミによる日本企業の収益調査によれば,
援システムと金型加工用マシニングセンタの展示は,ト
製造業の損益分岐点比率は平均で 80% を下回ると言う
ータルサポートを提案してきた三井精機とのアライアン
結果も出ています.工作機械業界では国内自動車市場の
スに新たな進化を感じ取っていただける展示内容です.
設備投資は踊り場に差し掛かったとも言われております
更に JTEKT グループ 9 社による JTEKT グループ
が,一般市場向けは堅調な伸びを続けています.また,
エリアでは,工作機械,メカトロ商品の重要部分を構成
世界の自動車市場においては,グローバル化に向けた自
する油圧機器,電子機器,熱処理機器,工具類を展示し
動車産業の設備投資意欲は依然として堅調に推移してい
ており,世界 No.1 のシステムサプライヤーを目指す企
くものと予想されており,工作機械業界が益々国内外の
業として品揃えの豊富な商品群をご紹介しております.
経済に貢献出来る時代ではないかと考えます.
今後とも,一流の品質と安全を兼ね備えた安心感のあ
こ の 様 な 状 況 の 中 で,2 年 お き に 開 催 さ れ る 世 界
る設備を提供し続け,お客様のお役に立つことができれ
三大 見 本 市 の一 つである「日本国際工作機械見 本 市
ば幸甚です.これからも皆様方の変わらぬご支援とご鞭
JIMTOF2006」に出品参加し,お客様に喜ばれる技術,
撻を賜りますようお願いを申し上げます.
商品をご覧いただける事は誠に光栄に存じ上げる次第で
す.株式会社 JTEKT( 以下 JTEKT) の工作機械,メカ
トロ事業部門は,世界 No.1 のシステムサプライヤーを
目指し,
「お客様と共にあらたなモノづくり」をテーマ
とした商品群を展示しています.
研削エリアは,JTEKT と光洋機械工業株式会社が中
心の展示となり,汎用機ゾーン,小型ラインゾーン,お
よびカムラインゾーンで構成されています.特に小型
*
工作機械・メカトロ事業本部長
JTEKT Engineering Journal No. 1002 (2006)
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