H1-H4 C型代償性肝硬変 ペグイントロン とレベトール の 併用療法を受けられる方へ ® 病・医 院 名 2012年11月作成 PEG12PA190-1117 ® 02-03 C型肝炎ウイルスを体内から排除する治療によって、 だ いしょう せ い か ん こう へ ん C型代償性肝硬変とは C型肝炎ウイルスの感染によって起こる慢性肝炎が進むと、 肝臓がんの危険性を減らすことができます。 ウイルスによって壊された肝臓の細胞が C型代償性肝硬変の方が非代償性肝硬変に 線維成分に置き換わり、肝臓が硬くなっていきます。 これがC型肝硬変です。 進んだり、肝臓がんにならないようにするために、 C型代償性肝硬変は、肝臓のうち正常な部分によって C型肝炎ウイルスを体内から排除することを 肝臓の働きがある程度、保たれている状態の肝硬変です。 めざした 「抗ウイルス療法」 が行われます。 代償性肝硬変の状態がさらに進むと、必要な肝臓の 抗ウイルス療法を受けた方は、 受けなかった方より かんこうへ ん 働きが失われた非代償性肝硬変になります。 代償性肝硬変 抗ウイルス療法を 受けていない人を1としたとき 約6割 少なくなる も、 肝臓がんになる危険性が約6割少なくなった ひ だ い しょ う せ い か ん こう へ ん 慢性肝炎 肝臓がんになる危険性 非代償性肝硬変 というデータがあります。 1.0 さらに抗ウイルス療法によって、最終的にウイルス が体内から排除されれば、その危険性はさらに 0.43 少なくなります。 未治療のC型肝硬変患者を対象として、抗ウイルス療法による肝発癌の抑制を 検討した20試験(4700例)のメタ解析 Singal AK, et al. Clin Gastroenterol Hepatol 2010; 8:192‐199.改変 抗ウイルス療法を 抗ウイルス療法を 受けていない人 受けた人 C型代償性肝硬変の治療法としてペグイントロン と ® C型代償性肝硬変の患者さんは肝臓がんや、 非代償性肝硬変への進行に細心の注意が必要です。 2 レベトール の併用療法が追加されました。 ® ペグイントロン®(成分名:ペグインターフェロンα-2b)とレベトール ® (成分名:リバビリン)は、2004年からC型慢性肝炎の治療に C型肝硬変は、肝臓がんになる危険性が高い病気です。 用いられてきた薬です。 また、代償性肝硬変から非代償性肝硬変に進むと、さまざまな症状が C型肝炎ウイルスの増殖をおさえ、体内から排除されるようにします。 起こるだけでなく、毒 素がからだ中にまわったり、消化管の中で大きな C型代償性 肝硬 変でも、併用することによりウイルスを排除する効果が 出血が起きたりして、命にかかわることがあります。 あることがわかり、治療に使えるようになりました。 3 04-05 週1回のペグイントロン の注射と ウイルスを排除できる可能性のある割合は、 1日2回のレベトール の内服を約1年間行います。 ウイルスのタイプによって異なります。 ® ® Lacobellis A. Expert Opin Pharmacother . 2009 ペグイントロン®は、病院・診療所で週1回、皮下に注射します。レベトール ® は、1日2回、朝食 後と夕食 後に内服します。いずれの薬剤も患者さんの 体重や検査の値に応じて、患者さんに合った投与量を設定します。 注射と内服は約1年間(48週間)続けます。治療中は、最初の8週間は毎週、 その後は4週間に1∼2回、血液をとってさまざまな検査を行って副作用 がないかをチェックし、必要があれば薬の量を調節します。同時にウイルス の有無や量も調べます。治療中に効果がみられなかったり、重い副作用 があったときは、途中で治療を中止することがあります。 治療が終わってから6ヵ月(24週間)後に、最終的にウイルスが排除されて ▶ウイルスが排除されやすいタイプの方 日本で行われた試験では、ウイルスがジェノタイプ2型 というタイプの方、ジェノタイプ1型でウイルスの量が 少ない方の場合は、ペグイントロン®・レベトール ® の 併用療法によって、約8割の方が、最終的にウイルスを 排除することができました。 ▶ウイルスが排除されにくいタイプの方 ウイルスがジェノタイプ1型というタイプ でウイルスの量 いるかどうかを判定します。 が多い方の場合は、ペグイントロン® をどれだけ注射できた 48週間 レベトール ® 毎日1∼5カプセル服用(朝食後・夕食後) 8週間 40週間 毎週 血液検査 4週に1∼2回 血液検査 ︵ウイルスの検査︶ 週1回注射 を予定された回数の80%以上(48回のうち35回以上) 最終判定 ペグイントロン ® かによって、効果は大きく違ってきます。ペグイントロン® 24週間 レベトール の服用を忘れたとき ® 次の分から指示された通りに服用してください。忘れた分を次のときに1度に服用 してはいけません。数日以 上 服 用しなかったときや、服 用量を間違えたときには、 注射ができた方では、約6割の方が最終的にウイルスを 排除することができました。35回に満たなかった方の場 合は、効果は低くなってしまいますが、それでもウイルスを 排除できる方もいらっしゃいました。 ▶ウイルスが排除された後も、肝臓の検査が大切 ペグイントロン®・レベトール ® の併用療法によって、ウイルス が排除された場合でも、定期的に検査を行い、 肝臓の状態やがんがないかどうかを調べることが必要です。 できるだけ早く主治医に連絡してください。 4 5 06-07 よくみられる副作用、すぐに主治医に相談すべき 定期的に血液検査を行い、結果に応じて、 副作用をよく知っておきましょう。 薬の量を調節したり、中止することがあります。 よくみられる副作用 すぐに主治医に 相談しなくてはならない副作用 ● 注 意が必要な検 査の 値 ヘモグロビン減少 (貧血) 起きやすいもの ● インフルエンザのような発熱、 寒気、 だるさ、 頭痛、 関節痛 週間以内 1 に 解熱鎮痛薬を使うことが あります。水分補給を 心がけましょう 正常値 の目安* 13∼18g/dL(男) 11∼16g/dL(女) 血小板数減少 白血球数減少 AST、ALT値の上昇 (肝機能障害) 14万∼38万/mm 3 3100∼9000/mm 3 35 IU/L以下 *正常値の目安は医療機関によって異なる場合があります。 ● 食欲不振、 吐き気など 好きな食べ物を何回かに 分けて食べましょう 治療中は、次のようなことに注意しましょう。 ● 発疹、 かゆみ 症状をおさえる薬を使います 起きやすいもの 週間∼ ヵ月後 2 ● 腹痛、 便秘、 口内炎 症状に応じた薬を使います ● 心臓の症状、 糖尿病の悪化 ● ものが見えにくい、 目がチカチカする、 目が痛い(網膜症) ヵ月 より後 起きやすいもの 6 ● 脱毛 ヘアピースを必要と するほどではありません。 ふつう治療終了 6ヵ月後までには 元に戻ります バランスのよい 食事を どうき ● 動悸がする、 汗をかきやすい、 むくみがある (甲状腺の異常) のとれた規則正しい食生活を心掛けましょう。 たんぱく 特に蛋白質は肉や魚だけでなく、大豆など植物性の ものを含め、いろいろな食品からとるようにします。 (うつなどの症状) (特殊なタイプの肺炎) に に ● 不眠が続く、いらいらする、 気分が落ち込む ● 息切れしやすい、 乾いた咳が続く、 微熱がある 3 3 できるだけ肝臓に負担をかけないように、バランス 日常生活は できるだけふつうに 治療中も、特に安静にしている必要はありません。 体力を保つために、適度な運動を生活に取り入れま しょう。 大切な注意事項 ● 授乳中の方、妊婦はこの治療を受けることはできません。 ● 妊娠する可能性のある方は必ず避妊してください (治療開始から治療終了6ヵ月後まで)。 ● 男性の患者さんのパートナーの方が妊婦・妊娠している可能性のある場合は、 必ずコンドームを使用してください(治療開始から治療終了6ヵ月後まで)。 ● 男性の患者さんのパートナーの方が妊娠する可能性がある場合は、 必ず避妊してください(治療開始から治療終了6ヵ月後まで)。 7
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