ボツワナ月報 平成26年 9月 在ボツワナ日本国大使館 内政 された。また,警察当局は同紙事務所を捜索の上, 1 次期大統領候補,正式指名へ 書類及び機材を押収した。 (9日:ガゼット紙,1 20日,ハボロネ高裁は,次期大統領候補の3名 (カーマBDP党首(現大統領) ,サレシャンドB CP党首,ボコUDC党首)を正式に承認した。 ボツワナでは大統領直接選挙制度が採用されてい ないため,同承認手続きも総選挙プロセスの一環 として扱われる。次期大統領候補は,本年10月 24日の総選挙後,自身が所属する政党出身の議 会候補者により議席の過半数が獲得された時点で, 自動的に次期大統領に選出される。 (4日:メヒ紙, 22日:デイリー・ニュース紙) 0日:メヒ紙) 4 ボツワナ・米国,非難の応酬 サンデ-・スタンダード紙のモコネ編集者の逮 捕に関し,ボツワナ・米国間で非難の応酬が繰り 広げられている。米国政府は,モコネ氏の逮捕は 「表現・報道の自由」等の基本的人権を侵害し, このような行為はボツワナの民主的ガバナンスに 反する等のステートメントを発表。これに対し, ボツワナ政府は,外国政府がボツワナ国内の司法 問題に介入すべきではない,米国においてもグア ンタナモ収容所での拘束に挙げられるような人権 2 野党,連立政権の可能性も ボツワナ議会党(BCP)及び「民主改革のた めのアンブレラ(UDC) 」は,本年10月の総選 挙後,いずれの政党も議席の過半数(29議席) を獲得できない場合は,連立政権を組む準備があ る旨明らかになった。一部の政治分析専門家の間 では、与党BDPは27議席失う可能性があると の見方もある。 (5日:メヒ紙,17日:ガゼット 紙) 侵害が存在し,まずは自国内の問題に対処すべき である旨反論するステートメントを発表。(12 日:メヒ紙) 5 ボツワナ政府,SS紙に謝罪要求 ボツワナ政府は,サンデー・スタンダード(S S)紙に対し,同紙記載のカーマ大統領の自動車 事故に関する記事に関し,名誉棄損にて民事手続 きを開始する準備がある旨のステートメントを発 表した。モロコメ法務長官は,同紙に対し,同事 3 SS紙の編集者逮捕 8日,サンデー・スタンダード(SS)紙のモ コネ編集者は,8月31日付のカーマ大統領の自 動車事故及び交通法規の不遵守を取り上げた記事 に関与した容疑で逮捕された。また,同記事を執 筆したツィマネ同紙記者は,南アに逃れ,同国政 府に対し亡命を求めている。モコネ編集者及ツィ マネ記者両名ともに「扇動罪」の容疑で刑事告訴 故に関する正確な情報を提供した上で,誤った記 事を撤回するよう求めたが,同紙は求めに応じな かった模様。また、同法務長官は,26日までに 記事を撤回し,カーマ大統領に対し謝罪がなけれ ば,訴状の送達もあり得るだろう旨警告した。こ れに対し,モコネ編集者は,記事の撤回も,大統 領への謝罪もするつもりはない旨述べている。 (2 注:1プラ=12.22円(平成26年9月29日現在) 3日:デイリー・ニュース紙 24日:メヒ紙) また,4年前にも,デビアス社の銀行口座からB DPの銀行口座宛てに50万米ドルが振り込まれ 6 DIS,BCP党員への犯行関与か 12日朝,ボツワナ議会党(BCP)党員であ たとサンデー・スタンダード紙が明らかにしてい る。 (19日:ガーディアン紙) るモトラレン(Motlaleng)氏は情報治安局(DI S)メンバーと疑われる人物により,自宅から拉 10 ボツワナ政府,対テロ諜報機関の設置へ 致され,暴行を受けるとともに高圧電流による拷 ボツワナ政府は,大統領の直接指揮の下,対テ 問行為を受けたとされる。同氏は,DISメンバ ロ諜報機関の設置を進めている。新テロ関連法で ーらしき者から,全てのBCP党員の名前と登録 は,テロの疑いのある者は,「公平な裁判」を受け 番号の入ったデーターベース等を引き渡すよう要 ることなく終身刑または極刑に処せられる可能性 求されたと述べた。さらに,BCPの政治活動や が危惧される。テロの容疑をかけられた者に対し, BCPへの資金提供者に関する情報についても要 裁判所がその事由を尋ねる権限,被疑者が上訴す 求された模様である。 (15日:モニター紙,13 る権利についても認められない可能性も危惧され 日,27日:ウィークエンド・ポスト紙) ている。(28日:サンデー・スタンダード紙) 7 マレマ氏,ボツワナ入国拒否される 11 総選挙目前,カーマ大統領の支持率低下 マレマ「経済開放の闘士(EFF) 」党首(南ア 24日に公表されたアフロバロメーターの調査 の野党)のボツワナへの入国が拒否された。同氏 結果によれば,カーマ大統領の支持率が2008 は「民主改革のためのアンブレラ(UDC) 」から 年と比較し10%低下し,67%となった。また, 招待を受けており,モレポロレで行なわれるUD ボツワナ国民の65%は,政治主導者達が公への C集会に参加する予定であった。EFFは,ボツ 奉仕を犠牲にし,個人的関心事項を優先して追求 ワナへのアクセスを確保するため,本件問題を「汎 していると回答。また,ボツワナ政府の各分野に アフリカ議会(Pan-African Parliament) 」にて提 おける政策実施に対する評価も低下している中で, 起する旨述べている。 (13日:ウィークエンド・ 野党への信頼度は若干上昇している。 (28日:サ ポスト紙) ンデー・スタンダード紙) 8 新・駐ボツワナ日本国大使,信任状奉呈 16日,尾西駐ボツワナ日本国大使は,カーマ 大統領に対し,信任状を捧呈した。同大使は,信 外交 1 SADC,レソト問題に関し会合 任状捧呈の機会に謝意を示すとともに,ボツワナ SADC加盟国は南ア首都のプレトリアにおい と日本との友好関係を一層強化するため尽力して て,レソト軍によるクーデター未遂に関する会合 いきたい旨述べた。 (17日:デイリー・ニュース を開催した。同会合は,ズマ南ア大統領主導の下 紙) で行われ,ジンバブエやナミビアからは外相が参 加した。タバネ・レソト首相は南アに退避してい 9 デビアス社,再びBDPへ資金提供か る一方で,クーデター未遂の黒幕と言われている ボツワナ民主党(BDP)が,野党の選挙運動 メツィング同国副首相はSADC関係者との会談 戦略を傍受・妨害することを目的として,デビア に参加した。レソト軍は一時的に同国の警察本部 ス社から諜報要員を手配した旨報じられている。 とラジオ・テレビ局を占拠した。アフリカ連合(A 注:1プラ=12.22円(平成26年9月29日現在) U)は,同国内における憲法の規定に基づかない, 5 いかなる政権交代にも反対する旨警告した。(2 日:デイリー・ニュース紙) カーマ大統領,SADC首脳会合出席へ 15日,カーマ大統領は,南ア首都プレトリア で実施されたSADCダブル・トロイカ首脳会合 に出席した。同会合ではSADC域内における政 2 BDFのレソト派遣について,未定 治及び安全保障情勢の見直しが行われた。同会合 セレツェ司法国防安全保障大臣は,ボツワナ政 では,特に,コンゴ(民) ,マダガスカル,レソト 府として,レソト問題に対応するためボツワナ防 問題が焦点となった。また,セレツェ司法国防安 衛軍(BDF)を派遣するかにつき未定である旨 全保障大臣が,外務国際協力大臣代行としてカー 述べた。SADC指揮の下,BDFを動員するた マ大統領に同行した。 (16日:デイリー・ニュー めには,外務国際協力省の勧告の下,大統領のみ ス紙) が決定権を有する。一方で,SADC側は,南ア 首都のプレトリアにおける会合で,レソトからの 6 平和維持軍派遣要請をこれまで断ってきている。 (3日:メヒ紙) スケレマニ外相,国連総会出席へ スケレマニ外務国際協力大臣は,ニューヨーク にて,9月20日から10月2日まで実施される 第69回国連総会に参加する予定である。ボツワ 3 アフリカ諸国,法務長官の ICC 立候補拒否 ナからの代表団として,スケレマニ外相他,カー アフリカ諸国は,ボツワナ国モロコメ法務長官 マ環境野生動物観光大臣,ントワハエ国連常駐代 の国際刑事裁判所(ICC)締約国会議議長への 表及びその他同国政府関係者が参加予定。スケレ 立候補を拒否したとされる。ボツワナ以外には, マニ外相は,同期間に実施予定の先住民・気候変 セネガル及びシエラレオネが同ポストに立候補し 動問題等に関するハイレベル会合や,コモンウェ ている。カーマ大統領からの同決定を2週間ほど ルス外相会合等に出席する予定。 (19日:デイリ 延期してほしい旨の要請にも関わらず,アフリカ ー・ニュース紙) 諸国は,ニューヨークにおける外交団を通じ,セ ネガル司法大臣のカバ氏を支持したと報じられて いる。(7日:サンデー・スタンダード紙) 7 ボツワナ・南アフリカ,外交摩擦か ボツワナ及び南アフリカ両国政府との間で,エ ドゥイン・サモツェ(26歳:ボツワナ国籍)氏 4 ボツワナ,モザンビークにて主要な役割 の引き渡しに関し,外交摩擦が生じている。同人 スケレマニ外務国際協力大臣は,ボツワナ防衛 は,2011年3月18日,ボツワナ国内フラン 軍(BDF)准将が,国際軍事専門家からなる派 シスタウン地区において殺人罪の被疑者として逮 遣団を主導し,モザンビーク民族抵抗運動(RE 捕・起訴されたが,保釈中に南アに逃亡。その後, NAMO)兵士の再編及びモザンビーク軍への統 ボツワナ側による同人の引き渡し要請に対し,南 合を監視する予定である旨述べた。また,南ア, ア側は,「同人が本国にて死刑に処せられないこ 英国,イタリアからも軍事専門家が派遣される見 とが保障されない限りは,これに応じない」との 込み。RENAMO及びモザンビーク解放戦線(F 態度をとっていたが,今般,同人がボツワナ当局 RELIMO)双方がボツワナによる介入を受け の手に渡るという事態になった。これに関し,南 入れている。 (11日:ガーディアン紙) アの一部情報筋は,ボツワナの諜報機関が同人の ボツワナへの引き渡しに関与した強い疑いがある と明らかにしている。南ア側はこのような同人の 注:1プラ=12.22円(平成26年9月29日現在) 引き渡しは「違法」且つ「違憲」である旨宣言し, 所有する。カーマ大統領はスピーチにて,同鉱山 同人の南アへの引き渡しを要求したものの,ボツ の開所により更なる雇用機会が増えるとともに, ワナ側はこれに一貫して拒否している。 (24日: 同社が行う原石販売で更なる研磨・加工産業の発 ガゼット紙) 展も期待できる旨述べた。同社はボツワナ初の地 下採掘を実施しており,地下80メートルの砂地 からダイヤモンドを採掘する。 (8日:デイリー・ 経済 ニュース紙,7日:サンデー・スタンダード紙) 1 経済指標 ボツワナ中央統計局によると,8月のインフレ (2)ダイヤモンド原石の輸出増加 率は4.6%となり,前月より0.1ポイント上 2014年におけるダイヤモンド原石の輸出額 昇した。運輸,食料品,飲料品等日用品の物価安 は昨年に比べ増加しており,5月は40億プラ, 定により、インフレ率の上昇は一定値を保ってい 6月は35億プラ,7月は38億プラ相当のダイ る(17日:メヒ紙) ヤモンドが輸出された。 (19日:ガーディアン紙) 2 政府開発予算の増加 4 政府は,開発プロジェクト予算(建物・道路・ 鉱業 (1)アフリカン・エナジー社の石炭開発 インフラ建設等)に用いる鉱物関連歳入の割合を, 4日,アフリカン・エナジー・リソーシズ 今後増加させることを決定した。政府はこれまで, (African Energy Resources)社(英)は,同社が行 鉱物資源関連歳入のうち50%を開発プロジェク っているサセ地区の電力開発プロジェクトに関し, ト予算に充てていたが,来年以降は同予算への支 政府に提出した環境アセスメント報告が承認され 出を60%にまで増加させる予定。残る40%に た旨述べた。承認されたアセスメントは,年間1. ついては,将来のための政府貯蓄に回す。また, 6百万トンの石炭産出と300MWの発電所建設 政府は鉱業への依存を避けるために,経常予算に 計画を含む。少なくとも35年間は,石炭開発及 おける非鉱業歳入の割合を増加させていく方針を び発電所事業を操業する予定。 (5日:メヒ紙) 示している。2014/15年予算年度は,50 1.8億プラ(54億米ドル)の歳入を見込んで (2)Shumba Coal 社の石炭探索 おり,うち152.4億プラは鉱業関連収入,1 Shumba Coal 社は,オークションを通して,1, 59.7億プラは南部アフリカ関税同盟(SAC 000平方Kmに及ぶ区画の地下探索ライセンス U)からの関税収入,156.6億プラは非鉱業 を取得した旨発表した。同社はレタカネ地区にお セクターからの収入を見込んでいる。 (19日:メ ける石炭埋蔵を探索するために,3年間で3百万 ヒ紙) プラを投資する予定。また,同社はモルプレ鉱山 近郊において発電所建設を計画しており,南ア, 3 ダイヤモンド ジンバブエ,ナミビアへの輸出可能性も視野に入 (1)新規ダイヤモンド鉱山の開所 れた300MWの発電所建設計画を期待している。 セントラルカラハリ動物保護地区(KCGR) (11日:メヒ紙) に位置するガグ・ダイヤモンド鉱山が開所し,カ ーマ大統領をはじめ関係者が開所式に出席した。 同鉱山は,英国企業のジェム・ダイヤモンド社が 注:1プラ=12.22円(平成26年9月29日現在) 5 建設業 カズングラ橋建設工事の開始 ボツワナ及びナミビア政府は,2カ月以内にト ランスカラハリ鉄道建設のF/S調査実施に係る 8月28日,韓国企業の大宇(デイウー)社は, 入札要領を発表する旨発表した。両政府は150 1,630億プラでカズングラ橋建設工事を受注 億米ドルの総工費が見積もられている同建設事業 した旨述べた。1986年から1991年にかけ を監督する企業を設立し,ナミビアのウイントフ て実施されたプロジェクトを除けば,同社が南部 ックに同企業の事務所が設置された。鉄道建設に アフリカ地域において大規模な建設工事を請け負 より,インド及び中国への石炭輸出を可能にする うのは,今回が初めてとなる予定。同社は5日に と期待されている。 (14日:サンデー・スタンダ ボツワナ政府及びザンビア政府と建設にかかる署 ード紙) 名を行った。同社は,鉄道及び橋を含むフェーズ 1の建設工事を行う。12日,ボツワナ側のカサ 7 畜産業 ネ地区にて起工式が行われる。 (30日:ウィーク BMC,牛肉輸出額の増加 エンド・ポスト紙,5日:ガーディアン紙,9日: ボツワナ牛肉委員会(BMC)は,7月の牛肉 ガゼット紙,14日:サンデー・スタンダード紙) 輸出額は前月の69.9百万プラから74.1百 万プラに増加したと報告した。 (26日:ガーディ 6 運輸通信業 アン紙) (1)運輸通信省,半官半民化を促進 運輸通信省は,ボツワナ・ファイバーネットワ 8 国際競争力レポート2014/15の発表 ーク,ボツワナ鉄道,ボツワナ通信,ボツワナ民 3日,世界経済フォーラム(World Economic 間航空局の4社を半官半民企業に移行させるため Forum)は,国際競争力レポート2014/15を の,株主間契約に署名した。半官半民化の促進に 発表。同レポートによると,ボツワナは144の より,同省の予算を軽減することが目的である。 国と地域の中で74位にランクされ,前年と同位 また,同省は7月にも半官半民企業2社を設立し の結果となった。ボツワナは,アフリカ諸国の中 ており,民間企業との競争により事業の効率化, ではモーリシャス,南ア,ルワンダに次ぐ4位と, 独立採算,サービスの向上等を目指す意向を示し 上位にランクされているが、依然として職業倫理 ている。 (16日:メヒ紙) の低さが大きな課題であると指摘されている。同 レポートは,世界経済フォーラム及び各国関係者 (2)トランスカラハリ鉄道建設に向けて トランスカラハリ鉄道建設に関心を示している 英国企業4社(Freightliner 社,Clyde & Co 社, Mott Macdonald 社,Strand Partners 社)がボツ (ボツワナの場合、ボツワナ国家生産性センター が関与)によって評価されたものである。 (4日: メヒ紙) (了) ワナを訪問し,同建設計画の詳細を聴取するため, ボツワナ政府関係者及びステークホルダーと協議 を行った。4社は,エンジニアリング,ファイナ ンス,法務,運輸,ロジ等に関するサービス提供 を申し出ている。英国は,これまで様々な鉄道開 発プロジェクトに関与している。 (3日:ガゼット 紙) 注:1プラ=12.22円(平成26年9月29日現在)
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