「ネットワーク思考のすすめ 情報ハイウェイ社会を見通す」 逢沢 明著

「ネットワーク思考のすすめ 情報ハイウェイ社会を見通す」 逢沢 明著
PHP 新書
10月23日
野村 智史
ネ ッ ト ワ ー ク …新世紀を見通すためのキーとなる概念
(ネットワークの技術的側面以上に、ネットワークのもつ文化・文明の創発作用が重要)
第1章
ネットワーク主体の考え方?
ネットワーク…ライフライン=公共性の高いネットワーク
道路 水道 電話 電気 鉄道
放送ネットワーク 郵便・宅配便 航空路・航海路 金融機関のオンライ
ン
システム インターネット
ネットワークとは、空気のような存在−インフラストラクチャー
インターネットの登場で、パソコン普及率拡大…情報ネットワークの大きな影響力
第2章
経済におけるネットワーク
ネットワーク分業(例:“ウィンテル”
)
・ タテ型ネットワーク(下部構造が全て上部構造とつながり、整然、硬直化)
・ ヨコ型ネットワーク(カオス、柔軟)
……インターネットはヨコ型、分散型ネットワーク
ヨコ型は柔軟でスピードがあり世の中の素早い変化についていける
∼企業組織に適用{イントラネット
等に情報ネットワークを利用)
バーチャル・コーポレーション
CALS(商取引
ファブレス企業}
第3章
文明としてのネットワーク
水、道路などのネットワークに注目した、
「ネットワーク史観」
未来は?…92年 アメリカ・ゴア副大統領による NII(全米情報基盤)構想
94年ナポリ・サミット
GII(世界情報基盤)構想
情報ネットワーク社会がその理想型として目指すのは、
「地球規模の民主的平等社会」
第4章
「知」のネットワーク
文明におけるネットワークの「ソフト」的側面 宗教、政治体制、制度…普遍的平等思
想
1
第5章
ギガ文明を開く情報技術
ギガ…10億
光ファイバーのよるギガビットの通信網
デジタル技術の発展
情報ネットワーク構想
CATV でのインターネットの利用
第6章
ウェブ型メディアの爆発的成長力
∼「自律分散」型ネットワーク
デジタルかつ双方向(WWW など)
・ NTT による OCN(ルータを利用したパケット通信)
・ WWW におけるホームページ…情報料無料−コスト負担原則が大きく変わる
☆日本のネットワーク環境は規制に縛られている−規制緩和が必要
第7章
コミュニティウェアで技術を超える
マルチメディアにおける「参加」というキーワード
(インターネットは参加型メデ
ィ
ア)
「コミュニティウェア」…社会への参加を可能にしたり促進するもの
参加型メディアと違い、メディア以外のものも含む
ネットワーク社会とは、必ずしも電子ネットが張り巡らされた社会を意味するのでは
な
く、人間社会の普遍的なあり方として、いいかえれば文明としての普遍性をもって、
歴史を超えて存在するもの。そのような意味でのネットワーク社会の成立を可能にす
る
ものが、コミュニティウェア
∼法律、公共機関、
、文化施設、学校、さらには言語
情報ネットワーク社会においては、ファイアウォールなどのセキュリティ、電子商取
引
の技術、個人のプライバシーの保護
☆情報ネットワークには人間的な側面や社会的側面が非常に強く、そこで生じる
問題を解決するのに有効なのが、コミュニティウェアという概念(技術や経済
といった視点からだけでは解決できない)
第8章
情報ハイウェイは文化をめざす
日本は将来の情報ネットワークにどうかかわっていくべきか
2
・言葉の問題
ネットワーク文明は、互いの文明を尊重し差異を許容した文明
・ソフト開発(ゲーム等)
・平和思想
文化を育てる
「軍事による平和」から「文化による平和」へ
・新しい文明の発展
日本、アジア NIES、中国、ASEAN
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