-1- 【バズセッションとは】 バズとは,巣のまわりをブンブン飛び回る蜂の音

【バズセッションとは】
バズとは,巣のまわりをブンブン飛び回る蜂の音で,セッションは小グループの集
まりのことです。フィリップスが考え出した討議法であり,次の二つの特徴がありま
す。
①
話し合うメンバーを6人とする
②
話し合う時間を6分とする。
このことから,別名「6・6討議法」と呼ばれることもあります。
できるだけ多くの人の発言や反応を引き出すことができるようにすることをねらい
としているので,次のような場面で取り入れるとよいでしょう。
①
話し合いに慣れていない初期の段階で,一人一人の意見を引き出す。
②
新しいグループで活動するときに,互いを知り合う。
【バズセッションの進め方について】
5.6人をめやすとしたグループで話合いを進めます。グループの一人一人が必
ず自分の意見や考えを述べるということが必要です。
(小2∼3は4人グループ,小1は1学期初期は2人,後期は4人にしてもよい)
また,次の点に留意して進めましょう。
【留意点】
① 共通あるいは共同の課題で話し合います。
②
③
時間は6分程度とし,所定の時間になったら途中でもやめます。
結論を記録し,発表する。司会者は,結論としてまとまらなくても,
そのままの大要を発表するようにします。
④
教師が適切な助言や評価をします。
【バズセッションの実践例として】
バズセッションは,できるだけ多くの人の発言や反応を引き出すことができるよう
にすることをねらいとしているので,学級会のように全体で話し合う前に,バズセッ
ションを取り入れた小グループの話合いの活動を行うと全体の話合いがより活発に行
われるでしょう。また,中津川野外学習や修学旅行など,新しいグループのメンバー
で活動する前にバズセッションを取り入れて,互いに意見交換をすることで,協力し
て活動しようという気持ちを高めることができるでしょう。
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題材名「 みんなで学級目標を決めよう」
【活動の流れ】
【児童の反応】
(事前)
①
「みんな仲良く」という言葉を
どのような学級目標がよいかを
考えて意見カードにかく。
入れたいな
(リーダー)
(本時)
② 学級全体で話し合う。
☆
みなさん意見を出してください
小グループで意見を交換し合う
【バズセッション】
ぼくは「みんな
わたしは
仲良く」という
「何でも全力」という
言葉を入れたい
言葉がいいな
「やる気」もいいね」
☆
各グループの意見を発表する。
(リーダー)
ぼくたちの班は「みんな仲良く」
☆
もう一度学級全体で話し合う
「何でも全力」
「やる気」という意見が
③ どのような学級目標がよいかを決め
る。
ありました。
題材名「 修学旅行(中津川野外学習)の部屋での過ごし方を考えよう」
【活動の流れ】
【児童の反応】
(事前)
① 修学旅行のグループ(部屋割り)を決める。
(本時)
② 「新しいグループで楽しく部屋で過ごすための
(リーダー)
みなさん意見を
出してください
約束を3つ決めてください」
と教師が指示する。 ○ 部屋では暴れない
③
④
グループごとにリーダーを一人決める。
最初の3分で,自由に意見を出し合う。
○ 室内での遊びを工夫する
○ はき物をきちんとそろえる
(内容が賛成でも反対でもリーダーは全て記録する) ○ 他の部屋へ行かない
⑤ 後半の3分で出された意見から「グループが楽
↓
しく過ごすため」という観点で3つを選ぶ。
⑥ 各グループの意見を発表する。
⑦
教師は各グループの話合いの様子やよかった点
を全体に紹介し,これからも協力して活動するこ
とを促す。
(リーダー)
わたしたちのグループ
は次の3つに決まりました
○ 部屋では暴れない
○ 室内での遊びを工夫する
○ はき物をきちんとそろえる
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【 ブ レ ー ン ス ト ーミ ン グ とは 】
ブ レ ー ン ス ト ー ミ ン グ は ,ア メ リ カ の オ ズ ボ ーン が 1 9 3 9 年 に 考案 し た 「 頭
脳 」 を 「 嵐 」 の よ う に フ ル 回 転 さ せ る こ と か ら きて い る 言 葉 で , 自 由な 話 合 い 形
式 で デ ー タ を 収 集 す る 方 法で す 。
自 由 な 雰 囲 気 で 新 し い ア イデ ア を 出 す に は , 効果 の あ る 方 法 で あ り, ア イ デ ア
会 議 の 技 法 と し て 生 ま れ まし た が , 個人 発 想 にも 使 え ま す。
児 童 の 思 考 力 や 想 像 力 を 育て る こ と が 重 視 さ れて い る 現 在 , 児 童 の発 想 を 大 切
に す る 活 動 に お い て は , こ の 話 合 い の 方 法 を 生 かし て , 児 童 に , 話 合い の お も し
ろ さ や ア イ デ ア の生 み 出 し方 に つ い て 身 に 付 けさ せ る こ とが で き ます 。
【 ブ レ ー ン ス ト ーミ ン グ の使 い 方 は 】
ブ レ ー ン ス ト ーミ ン グ は ,リー ダ ー を 入れ て ,普 通5 ∼ 7 人 ぐら い で 行い ま す 。
話 合 い の 最 低 限 のル ー ル は, 次 の 4 点で す 。
1
自由奔放
2
自由に意見を述べ合い,多少目
質より量
質を考えずに,とにかく数多く
的からそれていても,奇抜なアイ
の意 見 を 出 すよ う に しま す 。
デ ア を 歓 迎 しま す 。
3
批判禁止
4
統合・改善
自由な意見が出ているのに,批
他人の意見を批判・評価するこ
判されたら,以後自由な意見を出
とはいけませんが,他人の意見を
しづらくなります。他人の意見を
改良したり,組み合わせたりする
批 判 し て は いけ ま せ ん 。
こと は 歓 迎 され ま す 。
ブ レ ー ン ス ト ー ミ ン グ は ,自 由 な 雰 囲 気 で , 楽し く , た く さ ん の 考え が 出 せ る
こ と を ね ら い と して い て ,K J 法 と 組み 合 わ せて よ く 行 われ ま す 。
必 要 な も の と して は ,ア イ デ ア を記 録 す る模 造 紙( カ ー ド ,付 せ んで も よ い ),
筆 記 具 と し て マ ジッ ク , 各自 の 考 え を書 く メ モと 鉛 筆 で す。
役 割 分 担 と し て は , 司 会 ( リ ー ダ ー ), 記 録 ( 模 造 紙 に 意 見 を 書 い て い く ) が
必要です。
【 ブ レ ー ン ス ト ーミ ン グ を活 用 し た 実践 例 】
学 級 集 会 や 児 童 会 の 縦 割 り活 動 な ど の 計 画 を 立て る 話 合 い に は , ブレ ー ン ス ト
ー ミ ン グ は と て も 有 効 な 方法 で す 。
児 童 会 の 縦 割 り 活 動 の 計 画を 例 に , 具 体 的 な 進め 方 を 説 明 す る と ,次 の 通 り に
なります。
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題 材 「 縦 割 り グル ー プ での 遊 び を 考え よ う 」
< 縦 割 り 活 動 の 進め 方 >
①グループでやりた
い遊びをメモに書い
①
ブ
レ
|
ン
ス
ト
|
ミ
ン
グ
6年生のリーダーが司会をやり,模
造 紙 に テー マ を 書く 。
ã
②
てくだ さい 。
司会
一人一人が5分程度で自分の意見を
メ モ に 書く 。
付せんに書くと,後
か らま と め やす い 。
ã
②何をする
③
一人一人が自分の意見を発表し,記
録 の 児 童が , そ れを 模 造 紙 に書 く 。
ã
④
と楽しくで
き るか な。
③僕は1年も
全部の意見が出されたところで,ど
れ が よ かっ た か を 話 し 合 う 。
できる鬼ごっ
こがいいな。
ã
⑤
似た意見や同じ考えは,同じ色で囲
む。
ã
KJ法を活用して,
みんなの意見を分類す
ると,全体の考えが把
握 しや す い 。
⑥
実行可能か,楽しいか,目的に合う
か な ど の 点 に つ いて 話 し 合 う。
☆
学 級 集会 の 話 合い で は , 班ご と で 上記 の よ う に話 し 合 い, そ の 後
学 級 全 体 で 話 し 合う よ う に しま す 。
【 参 考 ま で に ・ ・・ さ ら にブ レ ー ン スト ー ミ ング を 盛 り 上げ た い とき は 】
○
時間を決めて行う
人 の 集 中 力 は そ ん な に 長 い 間 持 続 し ま せ ん 。 1 回 の 話 合 い は , 20 分 く ら い
を 目 安 に し て ,途 中 で も 終 了 し ま す 。
○
テ ー マ は 具 体的 に
ど こ か ら 意 見 を 言 っ て いい の か 分 か ら な い よう な 抽 象 的 な テ ー マよ り , 具 体
的 な テ ー マ に した 方 が 意見 は 出 や すく な り ます 。
○
出 さ れ た 意 見 は 全 員 が見 え る よ うに 書 き 出す
「 こ れ ま で に ど ん な 意 見 が 出 さ れ た の か 」,「 こ の 意 見 と こ の 意 見 を 結 合 さ
せ て , こ ん な ア イ デ ア が あ る の で は な い か 」 など が 一 目 で 把 握 で きる よ う に ,
出 さ れ た 意 見 は全 員 が 見え る よ う に 書 き 出 しま す 。
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【ブレーンライティングとは】
ブレーンライティングは,ドイツで開発された思考法です。個人の独自性を生かし
つつブレーンストーミングの長所も生かすやり方です。
ブレーンライティングは当初6・3・5法と呼ばれていました。
・
6人ずつの参加者で
・
3つずつアイデアを各自が考え
・
5分以内で用紙に記入し隣に回す
というプロセスで進行してゆくからです。
創始者はホリゲルという形態分析法の専門家で,1968 年にドイツで創案しました。
【ブレーンライティングの進め方】
テーマを「ブレーンライティングシート」の頭に記入します。
1
リーダーを決めます。リーダーはタイムチェックと進行役を担当
します。
2
6人グループを作ります。人数は,6人より多くても構いません。
3
机は原則として円形か正方形にします。
4
配布されたシートに,各自はまずⅠの横のABC欄にアイデアを 5 分間に 3 つ書きま
す。
5
5分たったら自分のシートを左の人にわたします。各自渡されたシートのⅡの列のA
BC欄に,前の人のアイデアを発展させたり,独自案を考えたりしてアイデアを書きま
す。
6
また 5 分たったら左の人へ渡します。
7
時間は全体で 30 分。最大で,6 人×3 案×6 ラウンド=108 アイデアとなります。
8
最後は手元にきたシートの中から,各自よいと思われるアイデアを選び発表します。
【参考】日本創造学会-主な創造技法 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jcs2/gihou.html
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