ADASを仮想環境でテストする

車載電子システムの進化を支える先進開発環境
Review
PR
日本イーエスアイ
日本イーエスアイの後藤智氏は、日経 Automotive、日経テクノロジーオンライン
と、
テストの自動化や条件の変更が容
走行や、
トンネル内の照明で照らされた
ビデオ&魚眼カメラ
3Dレーザースキャナー /マルチレイヤ―LIDAR
● 近距離 /中距離レーダー
● 超音波センサー
● GPS
● 慣性航行システム
● 走行距離計
路面、
夜間走行時のライトに照らされた
走行環境
易なほか、
よりリアルな条 件でカメラ
ECUを評価できる
(図1)
。
例えば、
夕暮れ時に、
夕日に向かって
主催セミナー「車載電子システムの進化を支える先進開発環境∼効率的な開発 /テ
ストを可能にする最新技術とノウハウ」において、
「先進運転支援システム(ADAS)
仮想テスト環境」と題して講演し、仮想のセンサーモデルを使ってECUをテストす
ることで、ADAS開発の効率化を図る同社のソリューションを紹介した。
道路なども再現でき、
トンネル内の照明
の数を変更することも容易だ。
雨天時の
当社・日本イーエスアイは、
世界各国中
& Transportation Safety Act)により、
に拠点を持つCAEソフトウェアベンダー
2013年に車両重量4.5t以下の車両に
センサー
●
●
●
●
コ ント ロ ー ラ
MATLAB/Simulink
RTMaps
● ECU
● C++ application
●
●
δ
ステアリング
ホイール
commands
様々な走行環境をいかにリアルに再現できるか
ADASシミュレーションはこれに比べる
図2 シミュレーションに必要なデータの流れ
Pro-SiVICではサードパーティのコントローラーにセンサーデータを出力することが可能である。
Raw data
ADASを仮想環境でテストする
広く使われている。
Pro-SiVICを使った
気候条件
路面状態
γ
エンジン
クルマ
Yaw
走行環境では、
遠方が霧のようになって
見通しが悪くなっている様子や、
路面に
日本イーエスアイ
ESI Group
(本社: フランス)
の日本法人
はリアビューカメラ/モニターの搭載が義
である。
今回紹介するADASの仮想テス
務化された。
このように、
ADASの搭載
ト環境
「Pro-SiVIC」は、各種ADASセン
の義務化・標準化が進み、
その機能が
サー、
車両、
走行環境をWindowsPC上
ますます複雑化する中で、
テストコース
の車載センサーモデルからのデータを
でシミュレーションすることが可能だ。
での実機を用いた検証では追いつかな
ECUに出力する機能を備えている。
仮
ADASに関連する最近の動向を見る
くなっている。
想センサーモデルには、
カメラ
(魚眼カメ
と、
欧州では新車アセスメント
(ユーロ
Pro-SiVICは、標識、建物、樹木など
ラを含む)
、
ミリ波レーダー、
LIDAR、
超
NCAP)
の 評 価は 緊 急自動ブレーキ
の静的な物体、
歩行者など道路上を平
(AEB)
、
車線逸脱警報
(LDW)
が2014
カスタマーソリューション開発部
VPソリューション主査
後藤 智 氏
Roll
車両が写り込んでいるところ、
フロントガ
Pitch
路面状態
ラスに雨滴が付いて、
速度が上がってく
ると周囲に拡散していく様子までリアル
なっている。
あと、
陰影を付けるとリアリ
チ管理が可能だ。
に再現している。
ティは向上するが、
詳細にするほどリア
一 方 、M A T L A B との 連 携 で は
ルタイム性能が落ちてくるので、
モデル
Pro-SiVICの各センサーモデルからの
の規模やPCの性能との兼ね合いで、
raw dataを受け取るためのMATLAB
またPro-SiVICの特徴として、
特にイ
陰影考慮なし、
建物からの影を考慮、
す
Workspace Variableと、
MATLABから
音波センサーなどがある。
メージセンサーモデルが強力である点
べての影を考慮、
車両自身の影を考慮
仮想車両モデルへの制御信号を送信
行移動する物体、
そして上下に動く車両
ADASシミュレーションを使う利点と
が挙げられる。
霧、
雨、
被写体深度、
ひず
の4段階がある。
するため車両の各オブジェクトに対応す
年以降に加点対象になり、
これらの機
のようにダイナミックに運動する物体を
してまず挙げられるのは、
様々な走行
み、
周辺減光、
にじみ、
ぶれ、
ぼやけ、
感
最後に、
サードパーティのコントロー
る「MATLAB Workspace Variable」が
能がないと、
事実上最高評価を得られな
モデル化した走行環境をPC上で再現
シーンを再現でき、
物体やセンサーの配
度、
ノイズ、
露出など多くのフィルター機
ラーモデルとの連携について説明しよ
自動生成される。
くなっている。
また米国ではKT法
(Kids
する。
そうした走行環境上の仮想車両
置を瞬時に変更できる柔軟性にある。
能を備えているのがその特長の一つだ。
う。
Pro-SiVICでは、
センサーからの出力
Pro-SiVICは最大60日間無 償で試
実際の走行ではテストドライバーを危険
例えば、
被写体深度フィルターを適用し
データおよび車両モデルからの出力デー
用することが可能だ
(有償トレーニング
にさらすような走行条件も容易に再現
て被写体深度を浅く設定すると、
遠くの
タを「M AT L A B/Simulink」
(以下、
要受講)
。
イメージセンサーを校正、
セン
できることだ。
雨、
夕暮れ、
夜間などの走
景色がぼやけるといった効果を再現可
MATLAB)
や
「RTMaps」
といったコント
サー特性をPro-SiVICモデルに反映す
行条件も自由に選べる。
これにより試
能で、
ひずみフィルターでは、
中央が膨ら
ローラーモデル へ、
あるいは実ECU、
るための業務委託サービス、
走行環境
作機の製作や、
検証にかかるコスト、
試
んだ樽型のひずみ、
あるいは中央が凹ん
C++アプリケーションに出力するための
モデルのデータ作成業務も委託サービ
験車両や実験機材を海外などに送る物
だひずみなどを表現し、
また、
カメラの
インターフェースを用意している
(図2)
。
スとして受託している。
流コストや時間を大幅に節約可能だ。
画像では画像の周辺がどうしても暗くな
RTMapsは仏Intempora社が開発し
るが、
この現象も周辺減光フィルターで
たPro-SiVICとのco-simulation実施
再現できる。
が 可能なツールで、
ADASの設 計プロ
現在、
ADAS用カメラECUの検証に
一方、
車両モデルでは、
ウインカー、
ラ
セスにおける様々なセンサーとその設
は、
アニメーション画像などをスクリーン
イトなどをすべての動作を再現する。
車
定/データフローを効果的にテストする
に投影し、
それを実際にカメラの実機で
体の色も瞬時に変えられる。
またボディ
ことを可能にするものだ。
シミュレーショ
撮影して画像をECUに出力する手法が
に映り込んだ周囲の環 境もリアルに
ンの自動実行や、
設計パラメータのバッ
図1 運転席からの視野をシミュレーションした画面
Pro-SiVICは様々な走行条件や気象条件をリアルに再現できる。ここでは水たまりへの映り込みや、
フロントガラスについた雨滴も再現している。
フロントガラスの雨滴まで再現
強力なイメージセンサーモデルを備える
日本イーエスアイ株式会社
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