インプット付加価値税(VAT)控除及び還付に必要な銀行送金関連資料

ベトナム税務ニュース Vol. 3
2009 年 7 月
インプット付加価値税(VAT)控除及び還付に必要な銀行送金関連資料
ベトナム財務省は、2009 年 7 月 20 日付で各税
務局に対し、購入総額 2,000 万 VND 以上の商
品又はサービスに関し、インプット VAT 控除及
び還付に必要な、銀行送金資料についてのガイ
ドライン「No.10220/BTC-TCT 国税庁公文書」を
発行しました。主なポイントは次のとおりです。
1. インプット VAT 控除を受ける条件
購入総額が 2,000 万 VND 以上の商品又はサー
ビスについてインプット VAT 控除を受けるために
は、購入者の銀行口座から販売者の銀行口座へ、
現行規則に基づいた適正な支払方法(例えば、
小切手、支払請求書、集金請求書、銀行カード、
その他)により送金する必要があります。
2. 銀行送金による支払いとみなされる場合
次のケースは、インプット VAT 控除の対象となる
銀行送金による支払いとみなされます。
a) 購入商品又はサービスの対価が、契約により、
売却される商品又はサービスの対価に充当
する等、支払方法を詳細に定めるケース。こ
の場合は、充当方法について合意した覚書
が必要となります。
b) 購入商品又はサービスの対価が、契約により、
a)のケースを除く第三者に対する売掛金を充
当する等の、債務充当により支払われるケー
ス。この場合、事前に締結される融資契約及
び債権者の銀行口座から債務者の銀行口座
に送金されたことを示す証拠資料が必要とな
ります。
c) 購入商品又はサービスの対価を第三者に委
託して、銀行送金するケース。この場合の支
払は、詳細な委託契約書に定められているか、
当該第三者が現行規則に従って事業を行う
法人又は個人である必要があります。
3. インプット VAT 控除を受けられないケース
次のケースは、2,000 万 VND 以上の購入商品
及びサービスに係るインプット VAT 控除又は還
付の対象とはなりません。
販売者の口座へ現金で支払った場合
現行規則に定められた支払方法以外で支払
った場合
上記1.及び 2.の条件を満たさない他のケース
4. その他
延払い又は分割払いで購入した 2,000 万 VND
以上の商品及びサービスも、インプット VAT 控
除の対象となります。支払期限までに銀行送金
の証拠資料を示せなければ、当該企業はインプ
ット VAT 控除の申請が認められず、その場合、
当該商品及びサービスに対するインプット VAT
控除をマイナス修正するための申告をしなけれ
ばなりません。修正後、銀行送金の証拠資料が
取得できたときは、所轄税務署が税務調査通知
書を発行する以前ならば、追加控除を行う申告
をすることができます。
連結(dependent)会計システムを利用している本
社、支店又は子会社間の企業内部の支払時に
VAT インボイスを発行する場合、銀行送金の証
拠資料がなくても VAT 控除の対象となります。
2009 年 1 月 1 日から 3 月 31 日の間に購入され
た 2,000 万 VND 以上の商品又はサービスにつ
いては、販売者の口座へ現金支払又は銀行送
金した証拠資料があれば、インプット VAT の申
告控除が認められます。
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2009 年度 (決算)個人所得税申告手続
ベトナム国会は 2009 年 6 月 19 日に、「No.
32/2009/QH12 国会決議」を行い、2009 年の前
半の延納額を免税としました。この免税手続きは、
2009 年度(決算)申告に関する具体的なガイド
ラインに従うことになっていますが、当該ガイドラ
インが公表される以前に種々の意見が出されて
います。具体的には、次の 2 つの手続について
のオプションが考えられます。
オプション 1
2009 年の前半に支払った所得の全額を免税と
し、個人所得税の年度(決算)申告においては、
一切遡及して申告する必要がないという考え方
オプション 2
年内のすべての所得を合算し、12 で除して月平
均所得を算出し、前半の 6 ヶ月分の免税額はこ
の月平均所得に 6 を乗じたものとする考え方
言い換えれば、個人所得税の免税額は 2009 年
度に本来 1 年間にわたり納付しなければならな
い個人所得税全額の 50%相当額ということにな
ります。
他省庁の意見及び政府に対して認可を求める
提案文書の内容等から、財務省としては、オプ
ション 1 の方向で進めている模様です。
いずれにしても、2009 年分個人所得税の年次
申告は、政府の最終決定を待たなければなりま
せん。
最終決定に関する新たな情報があれば、本ニュ
ースでお知らせ致します。
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この税務ニュースは皆様への情報提供のためにベトナムの法令・通達等の概要を翻訳し、関連情報を取り上げたものですので、内
容に分かりづらい点がありますことをご了承ください。皆様が本内容に関する具体的な意思決定をされる場合には、専門家とご相
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