ICMA 付加価値税(VAT)払戻の明確化を求める

インドネシア:ICMA 付加価値税(VAT)払戻の明確化を求める
2016 年 3 月 31 日掲載
3 月 24 日付けの地元報道によると、インドネシア石炭鉱業協会(ICMA)は財務省に対し、第三世代石
炭鉱業事業契約(PKP2B)保有炭鉱に対する付加価値税(VAT)払戻の明確化を求めている。
ICMA は、同省課税総局の PKP2B 保有炭鉱に対する VAT 払戻の不公平を明らかにした。ICMA 理事
は、同協会メンバー、特に外国投資家が、税務署による VAT 払戻の不公平に対し苦情を申し立てていると
した。対応の違いは、石炭が課税対象か否かという位置づけに対する税務署の解釈の違いによるとされて
おり、とりわけ 2000 年に発効された新政令は石炭を課税対象から除いており、石炭を課税対象品と定め
た第三世代 PKP2B と矛盾する。
ICMA は、会計検査院(BPK)による 2015 年 5 月 25 日付け政府宛勧告に従い、財務省に対し、政府
代表として石炭が課税対象品か否かを確認するよう求めている。
第三世代 PKP2B は、インドネシア政府と外国あるいは国内契約者との協定で、法遵守保持を含んでお
り、契約者には署名した時点での法律を遵守する義務が生じる。よって、契約者は署名後に発効した法令
に従う義務はない。第三世代 PKP2B は、保有者が VAT に関する法令 1994 年 11 号に基づき国内売上の
10%、輸出売上の 0%の VAT を支払わなければならないとしている。過払の場合には払戻が請求できる。
一方、インドネシアの税事務所 Danny Darussalam Tax Center (DDTC)によれば、第三世代 PKP2B
に対する VAT 払戻に関し 6 社の訴訟を扱ったが、租税裁判所内でも法解釈の違いがあるという。未だ租
税裁判所の手続き中のところもあり、租税裁判所の紛争解決には通常 12 カ月と長い時間を要する。
(石炭開発部 辻
誠)
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