平成26年10月18日 戸山高校校長通信 校長 大野弘 1 最近読んだ本より 「二重らせんの私ー生命科学者の生まれるまでー」という本を読みました。 著者は本校の先輩である柳澤桂子氏です。本校卒業後、お茶の水大学卒業、コロンビア大学 で博士号取得後、慶応大学医学部、三菱化成生命科学研究所で研究を続けられ、病気により研 究者からサイエンスライターとなり数々の啓蒙書を著した。ちなみに、柳澤先生が戸山を卒業した のは、私が生まれた年でもあります。そのころは、まだ女性は家庭を守るという考え方が主流の時 代でしたが、先生は、幼少時から、タンポポやアリやクモやヘビやムカデに興味を持つ「虫愛づる 姫」であり、7 歳のクリスマスプレゼントで「サンタさんからもらった」アメリカのバーバンクという育種 家の伝記を読み生物学に興味を持ち、大学で生物学を学ぶことを選択しました。 当時の貧しい研究環境の中で、工夫をして研究を重ねたことが、ユーモアを交えて紹介されてい ます。そこでわかるのは、継続的な努力が結果を生むということと、継続的な努力を続けている限 り結果については楽観的に考えることが大事だということです。このことは、研究者としてはもちろ ん、どんな分野どんな職業においてもいえることではないでしょうか。先生の人生への態度は難病 にあわれても変わりません。皆さんも是非、この「筋金入りの楽観主義者」の著書を読んで、生物 学または人生へのスタンスを学んでください。戸山高校図書館にあります。 2 本校での教育への取り組みについて(以下は特に保護者の方向けの報告です。) 昨年度の学校評価アンケートで、保護者の方からの回答で「わからない」というものが目立ちま した。学校からの情報発信が不十分であったと反省しました。そこで、学校で取り組んでいる内容 をごく簡単に紹介し、さらにご質問、ご意見を受け、学校改革に生かしていきたいと思います。評 価しないという意見でも結構ですので、担任または私に直接お寄せください。 (1) 学習について ① 教科・科目の年間指導計画冊子を全生徒に配布し、この計画に従って授業を進めていま す。この計画をみることにより、何を目的にして、今何をして、今後何をするかがわかりま す。 ② 1 年生では入学後すぐに、そしてその後数回、学習ガイダンスを行い自主勉強の仕方、授 業の受け方、模試の活用法等を説明します。2 年生以降では、主に模試の結果をもとに今 後の学習方法を解説したり、進路に応じた授業の選択について説明します。 ③ 年に 2 回生徒による授業評価を行い、結果をグラフ化して授業改善のために使っています。 また、教員が相互に授業を見合う週間を年2回開催し、教科を超えた授業研究を行います。 これらの結果は、各教科ごとの OJT や特別職員会議での研修で活用されます。 ④ 1、2 年生では平均1日3時間以上、3年生では5時間以上の自主学習時間が必要です。 3年生では2学期以降目標以上の学習時間を確保していますが、1,2年生は2時間半く らいが多く、1、2年生の学習時間の確保が課題となっています。 (2) 生活指導等について ① 頭髪や服装等について細かい規則はありませんが、TPO をわきまえた高校生らしさをうっ ② ③ ④ ⑤ たえております。生徒に理解してもらうべく、繰り返し指導しております。 学習中心での、部活、行事とするべく、メリハリをつけ切り替えを適切に行うよう指導して おります。 いじめや体罰を起こさないよう、集会や HR 合宿で取り組むとともに、スクールカウンセラ ーを活用した 1 年次での全員カウンセリングや年数回の全生徒向けアンケートで未然防 止を図っております。また、メンタルな悩み、プライベートな悩みで担任には相談しにくい内 容については、週一回スクールカウンセラーが一日学校に詰めて対応しております。スク ールカウンセラーとの相談は生徒のみ、保護者の方のみ、生徒と保護者の方一緒でも結 構です。 チャイムと同時に授業を始めることは定着し、休み時間に次の時間の準備をすることが徹 底できています。 遅刻は学習の遅れともなり生活の乱れともなります。指導を強めていきたいと思います。 (3) 進路指導について ① 3 年間の進路指導計画をもとに、進路部を中心とした組織的な進路指導を心がけておりま す。 ② 各学年では、学年の進路担当教員が進路便りや進路のための学年集会等で生徒保護者 の皆様に情報提供を行っています。模試の返却後の指導も、進路担当が中心となり、分 析し、今後の指導について検討し、学年集会や HR で生徒に説明しています。 ③ 戸山高校生のための大学見学会、大学生チューター、夜 8 時まで開いている3つの自習 空間、100 以上に及ぶ夏季休業中の講習、放課後の添削指導、医学部ガイダンスや難関 大学受験ガイダンスなどが特色です。 (4) SSH について ① 海外サイエンスは1月にアメリカ合衆国西海岸にまいります。40名ほどの仮申込者があり ました。 ② 理数関係の講演会、体験会が数多く開催されています。 ③ 明治大学先端数理科学インステュテュート主催の高校生による現象数理学研究発表会の 優秀賞をはじめ理科大の「ぼっちゃん賞」など受賞しています。 ④ 防災研究所等との共同研究が進み、研究論文にも本校の名前が載りました。 以上の報告について、ご疑問の点、ご意見、ご批判を是非お寄せください。
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